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『ブループラネット 第1集 熱帯から極地の海へ』
- 2018/12/19(Wed) -
『ブループラネット 第1集 熱帯から極地の海へ』

実家で夕食時にテレビに流れてた番組。
6回シリーズの第1回目だったようです。

NHKとBBCが共同制作したというナレーションで、
あぁ、すごい映像美が楽しめそうだな・・・・と、真剣に観ることにしました。

魚が出てくる前に、波のシーンで惹き込まれました。
なんて美しい動き何だろうかと。
海というものが持つエネルギーと、美しさと、常に変動し続けるという可変性の
全てが表現されているシーンだなと思いました。

その後、外洋、深海、サンゴ礁、海藻の森、北極海と、様々な海のシーンが
これでもかと登場してきます。

「どうやってこの映像を撮影したんだろうか?」と気になる場面もたくさん。
なのに、裏側の話は一切なしで、惜しげもなく成果物だけを見せていきます。
こりゃ、すごい覚悟だわ、と変なところで感じ入りました。
普通の番組なら、シャチとザトウクジラがニシンの群れを追いかけまわすシーンだけで
1時間番組とかにしちゃいそうですものね(苦笑)。

そういう壮大なシーンもありながら、サンゴ礁の海で、地道に珊瑚に貝をぶつけて
殻を割ろうとしている魚も出てきて、その地味な戦略が微笑ましかったです。

個人的に凄いと思ったのは、ロウニンアジがひな鳥を捕食するシーン。
ロウニンアジの存在は、前々から図鑑で知っていて、
いつかはダイビングで会いたいなと思っていましたが、
まさか、こんなにアグレッシブな食性を持った魚とは思いませんでした。
海面にいる鳥を食べるだなんて。

こんな捕食シーンを、高機能なカメラでバッチリ撮るには、
どれだけの準備と撮影期間がかかったのだろうかと思い、気が遠くなります。
一方で、各シーンを繋いでいる編集については、
「前の場面の鳥と次の場面の鳥って、同じ個体?別の映像を繋いで創作してない??」と
思えてしまったシーンもあり、そこのところ、どうなんでしょうか?

シリーズ、気になるけど、これから年末に向けて、忙しいんだぁな・・・・トホホ。




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『イッツ・オンリー・トーク』
- 2018/12/18(Tue) -
絲山秋子 『イッツ・オンリー・トーク』(文春文庫)、読了。

絲山秋子という作家さんのイメージは、まだ私の中で固まっていません。
重い本を書くのか、軽い本を書くのか、日常を描くのか、抽象を描くのか。

薄かったので手に取ってみましたが、デビュー作とのこと。
それほど期待せずに読み始めたのですが、これが案外面白かった!

男に振られ、精神病を患った過去を持ち、今は画家という「名刺」を出す女。
新聞社勤務でバリバリ働いていた過去から、生活するだけの蓄えはあり、
人間関係はきっと閉じているだろうに、
なぜか不思議な接点で出会った人たちとの不思議な交流が続いている人。
こういう、人を惹きつける人って、いるんですね~。

さっぱりとした文章と、短い章立てでどんどん話が展開していき、すいすい読めます。
解説にて、文章に無駄がないと書かれていましたが、まさにその通り。
どうでも良い日常を、無駄のない文章でつづっていくという
なんともアンバランスな感じが面白いです。

「画家」の周りにいるのは、「市議会議員候補」「自殺願望者」「ヤクザ」「痴漢」・・・・・
どうやったら1人の人物を介してつながるのか分からない人々ですが、
でも、本作の世界観の中では確かに存在し、関係しあってます。
不思議。

並録された「第七障害」は、馬術クラブの仲間だった人との交流や
自分が乗っていた馬の操縦を誤り、落馬事故の結果、安楽死させてしまったという
深い傷となっている思い出を、遠く引っ越した先で思い返していく物語。

馬の死、しかも自分に責任があると思える事故は、
乗馬仲間はその痛みを想像できるでしょうが、
赤の他人は、馬は馬、人は人と割り切ってしまいそうです。

このあたりの温度差が、本人にとっては一番つらいところなのではないかなと想像しました。
結局、多くの人に自分の悲しみを分かってもらえないという。

そんな状況で、乗馬仲間に再会できたのは幸せなことですね。
しかも、彼は好意を持ってくれている。

2人でゆっくりと悲しみを乗り越えていく、良いお話でした。




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『これは経費で落ちません!2』
- 2018/12/17(Mon) -
青木祐子 『これは経費で落ちません!2』(集英社オレンジ文庫)、読了。

シリーズ2作目。

前作を読んだときは、ちょっとモヤモヤ感が残る話が多かった
のですが、
それは自分が日常の謎ミステリとして読んでしまったからだと
本作を読みながら気づきました。

今回は、どちらかというと経理業とは?みたいな部分をひも解くための
お仕事小説として捉えながら読んでいたので、むしろ面白く感じました。

主人公の経理部員が、営業部や企画部からあがってくる伝票の内容や、
その伝票を持ち込む人の挙動から不審さを覚えて、
何かおかしな経理操作をしていないか暴いていくという趣向ですが、
前回は、暴こうとしている謎と暴いた後の解決方法について関心を持って読んでました。
なので、勧善懲悪にならないような展開だと、ちょっとモヤモヤしちゃってたんですよね。

でも、今回、会社における経理担当者の心構えというような視点で読んだので、
「グレーな行為だと分かってても、この程度で指導するのはルール上難しいかな」とか
「このいざこざは業務上のことじゃなく私的な人間関係だから首を突っ込まないようにしよう」とか
主人公のクールな判断の方が印象に残って、
「あぁ、組織の中で活動するって、こういうことだよなぁ」とリアリティと懐かしさを覚えました。

エンタメ小説としては、ちょっとでも悪いことやグレーなことに対しても
「そんなことやっちゃダメ!」とダメ出しして罰を食らわせるのがスカッとする展開なのかもしれませんが
現実世界では、損得勘定が働きますよね。
「リスクを負ってまで口を出すことじゃないな」とか、「自分が手を出す必要はないな」とか。

私の思考が、主人公の森若さんと似てて、「自分第一&他人に冷静」というところがあるので
強く共感してしまったのかもしれません。

2作目で、本シリーズの楽しみ方を会得したので、
このままシリーズを読み進めていきたいと思います。




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『最果てアーケード』
- 2018/12/16(Sun) -
小川洋子 『最果てアーケード』(講談社文庫)、読了。

安心の小川洋子クオリティ。

世界で一番小さなアーケード、
何かの拍子にできた世界の窪みのような、ひっそりとした商店街。
その商店街の大家の娘の視点から、商店主や常連客の姿を描いていく連作短編集。

私自身がアーケード街の中にあるお店舗兼住居で生まれ育ったので、
アーケードが舞台というだけで心惹かれます。
しかも、小川洋子作品であれば、きっと不思議なテイストが加えられ、
斬新な仕上がりになっているんだろうなぁと期待膨らみまくりで読みました。

結果、期待の上を行く面白さ!
さすが、小川洋子さん。

使い古しのレース専門店、義眼屋、ドアノブ専門店、
こんな店が隣り合って並んでたら、さぞ不気味でしょうね(苦笑)。
1軒だけでも異様な存在感だと思います。

そんなヘンテコな店々が集う商店街の大家は、火災で亡くなり、今は娘ひとり。
この娘はどうやって生計を立てているんだろうかと
普通なら疑問が湧いてくるだろうに、この商店街なら、こんな生活もあり得そうと思えてしまう
そんな小川ワールドが広がっています。

一見、どのお話もファンタジーテイストなのですが、
冷静になって読んでいくと、そんなマニアックな店を真面目にやってる店主も異様なら、
そんな店にせっせと通い続ける常連客も異様なわけで、
ちょっと狂気の香りが漂ってくる感じです。
そこがまた小川ワールド。

死の影も、結構どの話も色濃く感じられて、
正直なところ、あまり幸せそうに感じられないアーケード街。
そんなところも含めて、「最果て」なんでしょうね。




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『父と暮らせば』
- 2018/12/15(Sat) -
井上ひさし 『父と暮らせば』(新潮文庫)、読了。

著者名の安心感と、表紙絵の雰囲気から、
軽い読み物かな・・・・著者と娘さんのエッセイとか?という
勝手な推測で、内容を確かめもせずに買ってきたのですが
読んでみたら、冒頭に「ヒロシマ」「ナガサキ」というフレーズが目に飛び込んできて、
そういうテーマの劇の脚本なのか!と読み始めてようやく気付きました。

広島の原爆で生き残った主人公と、亡くなった父。
父は幽霊となって娘の日常に居座っており、
娘に恋愛の気配が漂ってくると、応援団と称して、娘の幸せを願います。
しかし、娘は、「私は幸せになってはいけない」と、お付き合いを拒否する姿勢。

最初は、「何もそんなに頑なに拒否しなくても・・・・」と思いながら読んでいましたが、
主人公が、原爆で生き残った立場の人間として、
自分の身内を亡くした喪失感や、亡くなった人の遺族から投げられる厳しい言葉など
自分のせいではないのに、背負わざるを得ない苦しみがあったことが描かれていき、
「私は幸せになってはいけない」という言葉の意味が、ずっしり響いてきました。

幽霊となって現れる父が、娘の気持ちを和らげようと剽軽にふるまいますが、
娘よりも、むしろ読者としての私の方が救われた気持ちになりました。
それほど、戦争を経験してきた人、特に生き残った人の
行き場のない悲しみのようなものが伝わってくるお話でした。

上演された劇場では、どんな雰囲気だったのでしょうか。
劇の内容よりも、観客も含めた劇場の空間の様子が気になりました。




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『カミングアウト』
- 2018/12/14(Fri) -
高殿円 『カミングアウト』(徳間文庫)、読了。

お初の作家さんです。

とってもポップな表紙イラストから、
コメディタッチの作品を想像していたのですが、
意外としっかりしたタッチの連作群像劇でした。

最初に登場する幸実は、援交している女子高生。
母親とうまくいかず、援交相手ともお金だけの関係。
何を目的に生きているのか分からず、ただ現実から逃げるためだけに
援交しているような日々です。

いきなり重い・・・・。
幸実のキャラが、結構クールに割り切っているというか、
頭の回転が速そうな子なので、自分の状況はきちんと把握しているのですが、
その分、袋小路感が強くて、しんどい日常描写が続きます。

で、最後、予定外のトラブルに巻き込まれて
袋小路の現実から脱出しなければいけなくなり、
力技で、その場から出ちゃった!という結末でした。

その後続くお話も、最後の脱出部分がかなり力技というか、
追い詰められて止むを得ず爆発!みたいな展開なので、
そういう脱出の仕方しか、この境遇からは逃げられないのかなぁ・・・・と
現実感に残念さを感じてしまいました。
まぁ、追い込まれないと変わらないというのが人間なのでしょうね。

これら登場人物の中で、「老婆は身ひとつで逃亡する」の主人公は、
自ら10年という時間をかけて計画を練り、コツコツと準備を重ね、
そして、狙い澄ましたかのようにターゲットの日に脱出のための爆破スイッチを
自ら押しているという前向きな感じが、非常に印象に残りました。
やっぱり、自分を変えるという行動は前向きかつ自主的じゃなきゃね。

それぞれの話が、連作ということで、繋がっていき、
ひとつの人間関係を構成するリングのようになっているのですが、
エンディングは、想像の範囲内のスケールで終わってしまった感じです。
表紙絵ほどの驚きを伴うカミングアウト感はなかったです。




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『完全なる首長竜の日』
- 2018/12/12(Wed) -
乾緑郎 『完全なる首長竜の日』(宝島社文庫)、読了。

ブックオフの平台に積んである存在感と、
そのタイトルの不思議な語感から、ずっと気になってました。

このミス大賞受賞作ということですが、
私的にはハズレくじの方が多い印象のこのミス大賞、
果たして本作は???

う~ん、こりゃミステリじゃないな(爆)。
第1回の大賞受賞作でも同じことを感想に書いているので、
このミス大賞というのは、「ミステリの枠からはみ出そうな作品をミステリと言い切ってしまう大賞」ですね。

完全に、SF作品として読んでました。
主人公の弟の死の真相とか、もっと最後にどんでん返しがあるのかと思いきや
意外とあっさり終わってしまうし、主人公を巡る環境も
最後、混乱に陥るのかと思いきや意外と静かだし。

日本語の文章は、すごく達者な印象を受けたのですが、
その反動で、物語構成の甘さみたいなものが目立ってしまった感じです。

このミス大賞はミステリじゃないんだ!と割り切って読んでれば
もうちょっと楽しめたかもしれません。

「邯鄲の夢」をモチーフにした作品は、本作以外にもたくさんあると思いますが、
その中で、本作が賞レースの大賞を獲るような出来の良いプロットとも思えませんでしたし、
何か目新しい工夫を凝らしたとも思えませんでした。

タイトルの斬新さから、変に期待値が上がってしまっていた分、
残念な読後感でした。

ところで、このミス大賞の受賞作家さんって、
あんまり、その後のヒットを聞かない気がするのですが、どうでしょうか?
海堂尊さんぐらい?




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『世界が賞賛した日本の町の秘密』
- 2018/12/11(Tue) -
チェスター・リーブス 『世界が賞賛した日本の町の秘密』(洋泉社新書)、読了。

新書をドカ買いしてきたときの一冊。
タイトルを見て、パラパラっと目次を見て、
「ママチャリ」っていう単語が目に飛び込んだので、
「あぁ、こういう日常的なキーワードで日本という国の文化を語る本かな」と思い買ってきました。

が、なんと、丸々一冊通してママチャリの本でした(苦笑)。
よくまぁ、こんなにママチャリについて書くことがあるなあと
呆れつつも感心しながら読みました。

そもそも、ママチャリって日本にしかないのでしょうか?
ハリウッド映画とか見てると、子供を後ろに乗せた自転車のシーンとか
あったような気がするのですが・・・・・でも、そんなことに注目して見てないので
勘違いかもしれません。

まぁ、日本メーカーの素晴らしさという点では、
多機能で安価に様々な販路で販売しているというところでしょうか。
そして、本作の指摘でなるほどなぁと思ったのは、
ママチャリと言いながら、男性(パパ)も使っているというジェンダーフリーなところ。
ここは、今のご時世で考えると、先進的なのかもしれませんね。
もしくは、日本人の性別区別の意識の低さの表れかもしれません。

また、「自転車の国」と聞くと、ついつい中国や東南アジアの国々を
思い浮かべてしまうのですが、日本は、先進国の中で自転車王国ということなのですかね。

都会は鉄道網がしっかりしてるから、駅にさえ着ければ
どこにでも気軽に行けちゃいますよね。
そして、道が狭いし、駐車場は高いし、自動車を持つのを躊躇う理由も多いです。
そう思うと、確かに、自転車が日常に溶け込んでいる国ですよね。
上手く利用しているというか、自転車+鉄道で、エコな社会が構築されているように思います。

今、私は地方のド田舎に住んでいるので、
山道ばっかりで、とてもママチャリで移動できる環境ではないですが、
逆に、ツーリングの大会などが時々開かれていて、
カラフルなスーツと高そうな自転車に乗った人々が颯爽と駆けていくことがあります。

日常使いの自転車と、趣味の自転車と
両方がうまく社会の中で活かされていくと、豊かな生活なんだろうなと思いました。




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『神様の裏の顔』
- 2018/12/10(Mon) -
藤崎翔 『神様の裏の顔』(角川文庫)、読了。

著者名も著作名も知りませんでしたが、
表紙絵の雰囲気で買ってきました。

人格者として知られた中学校教師が亡くなり、その葬儀の席で、
参列した面々の心の中が順番に描写されていくという群像劇。
最初は、教師との思い出に浸っていた参列者たちですが、
記憶を辿っていくうちに、ちょっと引っ掛かりを覚える場面を思い出したり、
他の参列者の発言や行動に影響を受けて、思わぬことを考えてみたり。

このあたりの物語の進め方が、
軽いタッチのユーモアもあって、次はどうなるんだろうかと
どんどん読み進めていきたい感覚に襲われました。

で、この「神様」とも称された人格者の先生に対する評価が
二転三転した後で、葬儀も終わり、参列者は帰っていきます。
そこから、とある人物の一人語りが始まるのですが・・・・・・

・・・・・・そんなオチか!?と
思わず嘆いてしまうような、ある種の王道パターンで、残念。
せっかく、上手く物語を積み上げてきたのに、最後がありきたりでした。

これじゃあ、何でもありになっちゃうよ・・・・・てな感じです。
これで横溝正史ミステリ大賞受賞かぁ・・・・・・という気分になってしまいました。




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『本日は、お日柄もよく』
- 2018/12/08(Sat) -
原田マハ 『本日は、お日柄もよく』(徳間文庫)、読了。

お初の作家さんです。
タイトルと装丁に惹かれて買ってみました。

冒頭、結婚式のシーンから始まります。
来賓による祝辞で、来賓社長のありきたりでつまらない祝辞の後で展開される
正体不明の女性による感動的なスピーチ。
導入部分の描き方がメリハリがあって、引き込まれました。

まぁ、演出盛り過ぎというか出来過ぎな感はありますが、
コメディタッチの小説なら、この展開は笑って受け入れられる範囲です。
それよりも、スピーチの力みたいなものを象徴的に表すには
良い導入部だったと思います。

で、このスピーチに感激した主人公は、そのスピーカーに弟子入りするのですが、
この師匠によるスピーチの極意伝授は、
素直に実生活に活かせそうだなと思いました。

そして、このスピーチライターの師匠も素敵ですが、
主人公の祖母である女流俳人も素敵。
締めるところと許すところの線引きが大人な感じで、
何十年後かにこんな女性になれたらいいなぁと思ってしまいました。

中盤から、ライバル(?)にあたる大手広告代理店のエースが登場してきますが、
このキャラには、主人公が惚れるほどの魅力を感じられませんでした。
仕事ができる感じは断片的に書かれていますが、
彼が出してくるキャッチコピーがイマイチな出来のような気がして、
その能力が何となく曇って見えてしまった感じです。

全編通して、著者が描くスピーチは感動的なのですが、
キャッチコピーは、言ってしまうとダサい感じがするので、
これは著者の向き不向きの問題ですかね。

中盤からは、政治の舞台に話が移っていきますが、
本作を読んで感じたのは、こんなに気概のある野党が今はいないよなぁ・・・・・という
悲しい現実。

スピーチで国民の信頼を得ようという思いがなく、
ただたた与党の揚げ足取りをするためだけに浪費されていく野党議員の言葉。
残念です。

二大政党制というのは、今の安倍政権のようなどっしり構えた与党と
本作で描かれたような国民に熱く訴えかける野党とが対峙して
よりより国会審議と国政運営をしていくはずなのに・・・・。

本作の終盤の展開が、あまり予想を外れない、ありきたりな感じになってしまったので
そんな雑念ばかり考えてしまいました。




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