『熊野誌 第64号』
- 2018/07/20(Fri) -
熊野地方史研究会、新宮立図書館 『熊野誌 第64号』、読了。

地域の活性化に取り組んでいる人から貸してもらいました。
地元の郷土史家などが寄稿して作られている本のようです。

やはり土地柄、熊野信仰と伊勢信仰に関わる話が多かったですが、
昭和初期に当地を旅行した人の旅行記フィルムの分析の話や、
郷土料理なれ寿しの魚種の移り変わりの話が面白かったです。

こういう風に、地元の1人1人の努力で記録を残していくというのは
大事なことなのでしょうね。


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『I'm sorry, mama.』
- 2018/07/17(Tue) -
桐野夏生 『I'm sorry, mama.』(集英社文庫)、読了。

かなり久々の桐野作品は、桐野ダークワールド全開でした。
いやぁ、気持ち悪い・・・・・。

とある町で、60過ぎの老女と25歳年下の旦那が焼死。
ガソリンをかけられ放火されたとみられたが、
その犯人は老女がかつて保育士として育てた児童福祉施設の生徒だった。

物語は、この殺人犯・アイ子の行動を軸に進んでいきます。
売春宿で孤児として子供時代を過ごし、虐待され、誰も庇ってくれず、
目の前の自分の人生しか考えないという独特な人生哲学を持つ大人になります。
そして、食べていくために売春婦のもとに転がり込んだり、
ホテルの掃除婦として働きながら盗みを働いたり、
そして、邪魔になった人間を殺して亡き者にしたり。

アイ子の異様な行動力と目の前の現実を受け入れ柔軟に対応する力には驚かされますが、
この作品を通して、私は、アイ子がそれほど不気味に思えませんでした。

むしろ、アイ子を取り巻く人間たちの生き様が何とも不気味で、
こんな住人が近くにいるような世界に住みたくないな・・・・と思ってしまいました。
例えば、最初の章で殺された年の差の夫婦。
児童介護施設の保育士であった女が、依怙贔屓して溺愛した男の子を
卒園後にそのまま同棲に持ち込み、結婚してしまうとか、
一般的な人間の倫理観みたいなものが歪んでいて、気持ち悪~い。

その保育士の葬式に参列した、孤児の引き受け先だった夫婦の旦那は、
なんと寝たきりになってしまった妻の喪服を着て、女装しています。
妻公認の女装。女装のきっかけは、妻が寝たきりになり、
もう着られなくなった妻の服が勿体ないなぁと。
試着しているところを妻に見つかるも、おどおどすることなく、
女装の理由を述べる夫。気持ち悪~い。

こんな人ばかりが登場してきます。
アイ子は異常者として描かれていますが、
むしろ、一般人として描かれている人間たちの方が気持ち悪いです。

桐野ダークワールド。
気持ち悪~いと思いながらも読み進めてしまうのは、
やっぱり著者の力量ですかね。


I'm sorry, mama. (集英社文庫)I'm sorry, mama. (集英社文庫)
桐野 夏生

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『地下鉄に乗って』
- 2018/07/16(Mon) -
浅田次郎 『地下鉄に乗って』(講談社文庫)、読了。

浅田次郎のヒット作。
どんな話だか知らないままに読み始めたのですが、
戦後の成金を父に持ち、その父をはじめ家族としっくりいっていない主人公の男が、
タイムスリップして父の過去を知ることにより、家族を見る目が変わっていくというお話。

主人公の男の子供の時代が東京オリンピックの年という設定に、
「現在の時間軸も、ちょっと過去に設定されてるんだな」と思い込んで読んでいたのですが、
本作の発行年が1995年、31年さかのぼれば東京オリンピックの年に当たるということで、
実は、発行年における今を描いたお話でした。
そんな時代に、地下鉄ストアとか、スーツケースに下着を詰め込んで地下鉄沿線を歩き回る
訪問販売ってあるのかしら?なんだか時代感覚が掴みにくい設定です。

事故の影響で地下鉄が来なくなり、
別の路線へ乗り換えようと歩き出した主人公。
地下通路でふと横を見ると、見慣れない階段が。
気になって昇っていくと、そこは30年前の世界。
近所に初めて地下鉄が通った主人公にとっては記念すべき日であり、
同時に、兄が鉄道自殺を図った日。
兄の自殺の時間よりも前の時刻にタイムスリップしたと知り、
必死になって兄を探し始めます。

この一件を皮切りに、何度かタイムスリップをする主人公。
しかも、同僚であり愛人である女も、同じようにタイムスリップするようになり、
あちらの世界で主人公と一緒に行動していきます。

タイムスリップするきっかけは様々で、
夢を見ていたらタイムスリップしていたり、地下鉄に乗っていたらタイムスリップしていたり
終いには、単に生活しているだけでタイムスリップしてしまったりします。
なのに、主人公と愛人は常に同時にタイムスリップしており、
向こうで一緒に活動します。

なんだか、都合よすぎない?みたいな印象で、あんまり世界観に入っていけませんでした。
主人公の父親にとって人生の切り替え点になるような場面にばかり
タイムスリップしていくのですが、まあ、情念が集中している場面ということなのかもしれませんが
やっぱり、都合イイよなぁ・・・・・みたいな。

浅田次郎作品の、泣かせる演出が詰まりまくっているスタイルが
多分、私はあんまり得意なのではないのかなと思います。
泣きたい!という思いで読書する人にとっては、ぴったりの作家さんなのでしょうね。

個人的に面白いと思ったのは、
戦後成金で、冷徹な男と思われていた父親の人間らしい一面を見ていくことで、
逆に大企業のトップに立つことの孤独さのようなものが感じられました。
自分を殺して社長業をしているんだろうなという点で、私は主人公よりも父親の方に
共感しながら読んでしまいました。


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『ドスコイ警備保障』
- 2018/07/15(Sun) -
室積光 『ドスコイ警備保障』(小学館文庫)、読了。

相撲取りが現役を引退してからの生活を不安なく遅れるように
相撲協会理事長の親方の発案で開業した警備会社、その名も「ドスコイ警備保障」。
室積作品らしい設定です。

が、内容は、正直、イマイチでした。

創設期のメンバーとして、
現役を引退した力士たち数名、経営サポートする芸能事務所社長とその同級生という
組み合わせですが、なんで同級生がこんな会社に集まってくるのか理由が
良く分かりませんでした。あまり効果的な演出になっているとも思えず。

最初は、相撲の後援会長が経営する会社の警備から始めますが、
とくに大きなトラブルもなく、順調に事業が展開されていくので、
なんだか拍子抜け。
もっとドタバタ劇かと思っていたのですが、力士として、また人間として能力の高い
力士がそろっているせいか、結構、うまく進んでいってしまいます。

マイケル・ジャクソン的な歌手に気に入られて知名度が上がったり、
マイク・タイソン的な人に殴りかかられてニュースになったり、
警備の本筋とは異なるところばかりが取り上げられてて、
お仕事小説として物足りないです。

力士の過去を掘り下げて人情ものにしているところもありますが、
ちょっと中途半端だったかな。

八百長とか、暴力事件とか、理事会の派閥とか、
そういう闇ネタを、著者らしい毒で味付けしたら面白かっただろうに・・・・・
と思ってしまいました。


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『バルセロナの厨房から』
- 2018/07/12(Thu) -
高森敏明 『バルセロナの厨房から』(グルメ文庫)、読了。

スペインにも料理にも特別な興味はないのですが、
ブックオフのワゴンで50円セールをやっていたので
何とはなしに買ってみました。

そもそもスペイン料理って、美味しいですよね。
そんな高級店で食べたことはないですが、
スペインバルが東京で流行りだしてからは、よく使ってました。
タパスが豊富で、目移りしちゃう美味しさですよね。

本作は、そんなスペイン料理について
スペインに料理修行に行っていた著者が紹介した本。
話の舞台は、スペインの修行先のこととして語られることが多かったですが、
スペインでの生活よりも、スペイン料理そのものについての情報が多く、
料理好きにはたまらないエッセイでしょうね。

私としては、もうちょっと生活や文化みたいな部分の掘り下げが欲しかったなというところ。
やっぱり比較文化論的な視点に興味があるので。
その点、本場のスペイン料理と、日本で提供されているスペイン料理の比較が
なぜそんな変化をしたのかという考察も含めて、面白かったです。

今や、スペイン料理店なんて何百km先にあるんだろうか・・・・・
という田舎に住んでいるので、なかなか食べる機会もないですが、
東京に出たときに、昔通ってたバルに行ってみよかな。
それとも、自分の料理の腕をあげるか・・・・・無理か(笑)。


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『万博少年の逆襲』
- 2018/07/12(Thu) -
みうらじゅん 『万博少年の逆襲』(河出文庫)、読了。

みうらじゅん氏の私的エッセイは初めてでしたが、
うーん、キャラが強すぎて、私には付いていけない内容でした(苦笑)。

『見仏記』のような、特定のテーマがあるエッセイは興味深く読みましたが、
本作のような、私的な青春エッセイとなると、
その生き方に共感できる人じゃないと読みづらいかな・・・・という感じです。

少年みうらが見た世界、感じた世界、
同じような少年時代を送ってきた人には、楽しめるんだろうな。


万博少年の逆襲 (河出文庫)
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『三月の招待状』
- 2018/07/11(Wed) -
角田光代 『三月の招待状』(集英社文庫)、読了。

ある日届いた招待状は、「離婚パーティ」のお知らせだった。
大学時代から10年以上も付き合いのある友人同士の夫婦が破綻。
そのパーティをきっかけに、友人5人がお互いの関係を改めて見つめなおすことになった
1年の模様を、それぞれの視点から描いていきます。

この、仲の良い大学生仲間の関係が30代になっても続いているというのは、
私自身、そういうグループに属しているので、すごく親近感をもって読みました。
大学時代に一緒にバカをやった仲間、卒業後も何かにつけて集まっては飲んでる仲間、
私は今地方に住んでいるので、昔のように気軽に飲み会には参加できなくなりましたが、
でも、連絡は取り合ってます。

本作に登場するグループと唯一違うのは、
私は、この仲間が一般的な大学生の姿ではなく、特殊なグループだと思っていたこと。
作中で充留は、同棲相手の重春が大学時代の仲間について思い入れがなく、
大学生活を「つまんなかった」と総括する姿にカルチャーショックを受けてましたが、
私は、重春のような大学生の方が多いかなと思ってました。

重春は、充留たちの結束力を「愛校精神」という拙い表現で言い表していましたが、
確かに、愛校精神というのも重要なファクターだなと思います。
自分たちのグループのことを思うと、卒業後も何かと理由をつけてキャンパスに遊びに行ったり
学校のことがニュースになると飲み会のネタになったり、
卒業10周年パーティを学年全体を招待して盛大に行ったり、
ま、学校のこと自体が好きじゃなきゃ、こんなことしませんわね。

個々のメンバーが好きだという部分も重要ですが、
土台となる「同じ空間で同じ空気を吸って一緒に日々を送ってきた」というところに
他にはない濃厚な何かがあるような気がします。

本作では、30代に差し掛かり、そんな関係性に違和感を覚え始めたというか、
他の人生もあるんだと知った各々の葛藤を描いています。
でも、他の存在に気づいても、この仲間関係を捨てられない、逃れられないという
ジレンマが上手く描かれているなと思います。
結局、困ったら頼りにしてしまうのが、このメンバーなんです。

彼ら自身の内面の描写も興味深かったですが、
このメンバーの外の人間である重春や、遥香の目線で描かれる冷静な観察内容が
非常に面白かったです。
私たちも、こんな風に、外の人から見られてるんだろうなぁ・・・・という点も含めて。

私は、地方に転職するという選択をしたおかげで、
自分から、このグループから少し外れる行動を起こしたわけですが、
物理的な距離が空いても、再会すればすぐにいつも通り楽しめる仲間がいるという
安心感を覚えるようになりました。
それはそれで、心地よかったり。

自分の大学の仲間たちを思い続ける読書となりました。


三月の招待状 (集英社文庫)三月の招待状 (集英社文庫)
角田光代

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『ダイバーシティ』
- 2018/07/07(Sat) -
山口一男 『ダイバーシティ』(東洋経済)、読了。

どこかの書評で紹介されていたのでしょうか、
「読みたい本リスト」にあったので、ブックオフオンラインで購入。

シカゴ学派の社会学者が書いたファンタジー作品というのが売りのようです。
2つの物語が入っており、1つは少女の冒険物語、
もう一つはイソップ童話「ライオンと鼠」の改作秘話。

前者の作品は、読んでいる間のイメージは『ソフィの世界』でした。
少女が哲学の世界ならぬ、社会科学の世界を冒険していくイメージです。
ただ、様々な考え方の人や社会と出会うことで少女が思考を深めていく話と、
魔法使いが出題してくるトンチのような問題を考える話と
2つの次元の違うストーリーが展開しているようで、少し読み心地の悪さを覚えました。

著者のよる解説を読むと、トンチの方は、小説としての読みやすさを増すために
くっつけた要素に過ぎないようで、本題は、様々な考え方との出会いの方。
まさにダイバーシティです。

一つの、著者の理想のようなものを語っているのだとは思いますが、
少ない紙面で多くの社会科学のテーマを扱おうとしているため
ちょっと消化不良が起きているように思いました。
少なくとも、著者の解説まで含めて1つの作品として読まないと成立しないように思います。

一方、後者の方は、著者がアメリカの大学で教えている授業を場面設定とし、
そこで、イソップ童話の「ライオンと鼠」の「アメリカ版」と「日本版」を比較させ、
日米比較文化論を展開するというもの。
さらに、それぞれの作品に投影された社会の姿が古すぎるということで
新たに、「現代アメリカ版」と「現代日本版」を作ることに。

それぞれの寓話をもとに、学生たちの議論が展開されるのですが、
その内容が非常に濃くて面白かったです。
もちろん、著者が上手く編集しているのでしょうけれど、
でも、やっぱり、これだけの議論が展開される空間というのは熱いですね。

さらに、その議論に対する著者の心の中の声も文字にされていて、
それはそれで面白かったです。
自分が用意した仕掛けに対して学生がどう食いつくかとか、
この設問にはこの学生が答えそうだなという予想に対して現実の展開への驚きとか。
教える側も、学生の議論の中から得る気づきがあるんだなということが素直に分かり
興味深いやりとりでした。

そもそもイソップ童話が日本では改変されておかしな教訓話になっているというのは
良く指摘されることですが、その日本と欧米との文化の比較というのに加え、
現代社会の問題点を加味した創作話は、さらにピンポイントでそれぞれの社会を
象徴的に表現しており、面白かったです。


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『ひなた弁当』
- 2018/07/06(Fri) -
山本甲士 『ひなた弁当』(中公文庫)

全く知らない作品、著者でしたが、
近所のおばちゃんが貸してくれて、表紙イラストがコメディタッチだったので
軽く読めるかな?と思い読んでみました。

リストラに遭って50歳にして職を失った主人公。
会社は、再就職先を用意すると言ったのに、紹介された人材派遣会社で
社員として働くのではなく、派遣要員として登録しろと言われる始末。
気の弱い主人公は何の抵抗もできないまま、ズルズルと状況に流されていきます。

正直、リストラされる人って、こんな感じなんですかねぇ。
リストラが大きく報道される大企業はちゃんと対応するでしょうけれど、
中小企業なんて、泣き寝入りになっているケースが多いような気がします。
でも、泣き寝入りせずに抵抗するようなガッツのある人は、そもそもリストラされにくいでしょうし、
結局、働く人と職場とのミスマッチの結果ということでしょうか。

さて、同僚による蹴落としあいのような、結構ドロドロとしたリストラ劇を経て、
見事に無職となった主人公は、たいして効果的とも思えない就職活動をしつつ、
なぜか「ドングリを食べてみよう」と思い至ります。

そこまでは、物語がのんびりし過ぎるとちょっとイライラしてしまう展開だったのが、
ここにきて急展開。
しかも、なぜか料理を器用にこなしてしまいます。
ここにきてキャラ変か!?

川魚の料理の話や、野草の料理の話はそれなりに興味深かったですが、
そのために物語全体のテンポが悪くなっていたような気がします。
著者の得意分野、書きたいテーマの部分でページを使ってしまい、
情報は詳しいけれど、小説としてその情報必要?みたいなアンバランスさを感じます。

タイトルのひなた弁当にたどり着くまでが本当に長くて、
たどり着いてからはとんとん拍子に展開していくので、都合よすぎ。
弁当屋いわくらの存在が、かなり早い段階で登場しているので、
そこからひなた弁当に行き着くのが目に見えているのに、なかなか辿り着かないからイライラ。

あと、ひなた弁当が大した困難もないまま常連顧客がすぐに着くという
なんとも幸運な展開なので、リストラで悩んでいる人が読んだら怒りそう(苦笑)。

ただ、450円の弁当×1日30個×週5日=月商27万円ぐらい?の事業計画なので
総菜の材料費がほとんどかかっていないとは言え、
看板代として利益の30%をいわくら爺さんに払うのだから、
手取り10万円ぐらいのイメージでしょうか?
これで生活できるのか?
農村や漁村といった田舎の持ち家住まいならともかく、
都市部で妻と大学生、浪人生の娘2人を養ってくのは無理じゃね???

タイトルのイメージで、なんとなく温かい終わり方をしましたが、
浪人している娘の受験シーズンを迎えたら、めっちゃ家庭内がゴタゴタしそう・・・・・。


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『億男』
- 2018/07/05(Thu) -
川村元気 『億男』(マガジンハウス)、読了。

近所のおばちゃんが貸してくれた本。
ブックオフで気になっていた本です。

失踪した弟が残した3000万円の借金。
返済するために我武者羅に働く主人公と、
それについていけずに別居することとなった妻と娘。
これから何十年も変わらない暗い日々が続くと思われた主人公は
ひょんなことから3億円を手に入れ、「億男」の仲間入り。

お金を巡る物語ですが、
小説というよりも哲学の本だと思いました。
お金とは、人生とは、幸せとは、について語った本です。

登場してくる人物は、借金の肩代わりをさせられた男、
ITベンチャーで財を成したのに高級マンションでカップラーメンを食べる男、
母からお金を嫌う教育を叩き込まれた女、
儲けた金を競馬につぎ込んでは増やしていく男、
お金にまつわる新興宗教を起こした男、
極端なキャラクターの人物ばかりが登場してきますが、
その誰もが、劇的な人生の裏で、哲学的な思想を伸ばしています。
その1つ1つの言葉が含蓄があって面白いです。

彼らの言葉に出会うためのストーリーであり、
そのご都合主義的な展開は、さして気になりませんでした。

ただ、最後の万佐子の章は、万佐子という人物の思想が良くつかめず、
最後に物語が仕切りれトンボみたいになってしまったような印象でした。
億の金と向き合ってきた人間たちとは異なる一般人のお金の思想を
表現したかったのかもしれませんが、あんまり刺さってきませんでした。

億お金に翻弄される人生は送りたくないですが、
億の金を相手にする仕事はしてみたいなという気持ちになりました。


億男億男
川村 元気

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