『鳥の仏教』
| ||
- 2018/01/31(Wed) -
| ||
中沢新一 『鳥の仏教』(新潮文庫)、読了。
どこかの書評で見つけて、読みたいと思ってた本。 三重の田舎のブックオフで見つけてビックリ。 チベットで読み継がれてきたという、仏教思想を優しく語った本。 観音菩薩が乗り移ったカッコウが、鳥の世界で仏教思想を広め、 鳥たちが次々に言葉を語っていきます。 平易な文章で語られており、読みやすいです。 ストーリーらしい展開はほとんどなく、 鳥の教え諭しが続くのですが、変な説教臭さを感じることなく、 すんなりと心に入ってきます。 他の一般的な仏教説話でも分かりやすさを心がけているとは思うのですが、 よりシンプルな本質の部分に、本作では触れられるような気がします。 一般の仏教説話では、人間が主人公なので、 経済活動などの生活の諸要素が背景に感じられて、 それが雑音みたいに感じられてしまうのかもしれません。 また、鳥たちに仏教思想を広めるという舞台装置も、 人間のみならず全ての生き物を対象にした宗教であるという 仏教独特の姿勢が象徴的に表れているようで、面白いなと感じました。 挿絵の鳥たちも美しく、神々しいほどです。 短い文章なので、是非、多くの人に読んで欲しいなと思いました。
![]() |
||
『絵のない絵本』
| ||
- 2018/01/30(Tue) -
| ||
アンデルセン 『絵のない絵本』(新潮文庫)、通読。
父の本棚にあった本。 くたびれ具合からすると、父が大学生の頃に読んだものでしょうか。 こんな分野にまで手を出していて驚いたので試しに読んでみました。 童話かと思っていたのですが、 月が語る、世界各地のとある一夜の情景。超短編連作小説みたいなものでしょうか。 正直、あまり面白みが分からなかったです。 各地の情景を切り取って、ちょっとシニカルに人間の様子を描いていきますが、 文庫本で2ページ程度というのはやっぱり短すぎるというか、 さっと語ってそのまま放り出される感じというか。 本来は余韻に浸って楽しむ作品なんでしょうけれど、 せっかちな私には合いませんでした。
![]() |
||
LIFE&S革
| ||||
- 2018/01/28(Sun) -
| ||||
『LIFE!』(2012年11月23日放送)
地上波での1回目の放送。 正直、いろんなところで紹介され過ぎて、どれも既視感が(笑)。 OPのロケコントを見て、非常に丁寧に作り込んでるNHKらしい番組だなと カット割りを見ながら思いました。 やや丁寧過ぎて、「日本人58番目の宇宙飛行士の憂鬱」とか 回想シーンで間延びしてるのが残念。 あと、オチが弱いかな。「ありません!」とか。 作家も演者も、NHKなんで、手探り状態といった感じです。 でも、目の付け所は面白いコントが多かったですし、 何よりも半数が役者さんということで、演技が締まってて良い緊張感です。 西田さんも塚本さんも、コメディドラマはお得意なので、コントでも入りやすそうですね。 トークが多めなのは嬉しい反面、やっぱりコントのテンポが悪くなっているような気が。 どうしても『笑う犬』の全盛期と比べてしまうので仕方がないのですが、 これからの放送が楽しみです。 『スクール革命!』(2012年11月25日放送) 経済評論家の荻原博子先生とアンジャッシュ渡部先生を迎えての「気になるアレの値段」学。 渡部さんが来ると、基本、情報番組化します。仕切りが滑らかだから。 今回は、2つのモノの値段でどちらか高いかを答えるクイズが全編。 でも、潜水艦の値段とか、回転ずしのレールの値段とか、 知らないことをたくさん知れたので興味深かったです。 お笑い的には、谷村新司さんの物真似をするダンシング谷村さんのステージが くだらな過ぎてツボ。何となく似てる物真似よりもダンシングが気になる(笑)。 あと、途中のVTRでトータルテンボス大村さんの息子さんの誕生日パーティやってましたが、 トータルテンボスのお二人も仲よさそうですよね。 基本、仲良し芸人コンビは安心して見られますよね。 息子さんも素直な良い子でした。
|
||||
『クジラの彼』
| ||||||
- 2018/01/27(Sat) -
| ||||||
有川浩 『クジラの彼』(角川文庫)、読了。
有川さんの恋愛短編集か・・・・・という程度の気持ちで手に取り、 冒頭の表題作に「へぇ、自衛官の恋愛小説って珍しいな」と興味を持ったら、 なんと全編が自衛官の恋愛モノときましたわ。 有川浩、やるなぁ。 表題作「クジラの彼」は、潜水艦乗組員が彼氏。 一度訓練航海に出てしまうと、1か月、2か月という単位で連絡不能となり、 何処に行っているのか、いつ帰ってくるのか、全く分からない状況に。 当然携帯電話は圏外で、相手からのメールを待つだけ。 合コンで如才ない幹事ぶりを見せた彼氏と、数合わせ要員だった奥手な彼女。 お互いのことを思いやっているのに、超絶遠距離恋愛に心がくじけてしまうことも。 あんまり恋愛小説を読まない私としては、 ベースはお仕事小説の気持ちで読んでましたが、 それでも、彼氏、彼女、そして彼女の友人の人柄の良さが素直に共感出来て、 このあたりのキャラクター設定の上手さや物語展開の軽やかさ、 そして会話の妙の面白さは、さすがだなぁと。 次の「ロールアウト」では、一転して融通の利かなそうな自衛隊幹部が登場しますが、 その主張内容の筋の通ったところとか、民間企業相手に強く主張を押し込むところとか、 いざって時には、このぐらい強気にゴリゴリできる人でないと 国防なんて任せられないよな~という気持ちになりました。 「国防レンアイ」に至っては、自衛官同士の恋愛模様ですが、 四六時中一緒にいるから、あらゆる姿を目にすることになって、 恋愛するのって難しくなるんですかね。 でも、恋愛モノかと思わせておきながら、 国防に携わるものとしての熱い思いを主人公に叫ばせたりして、 熱いお仕事小説でもありました。 自衛官を主人公にした恋愛小説を6篇も書けるなんて、 どんだけ自衛官好きなんだよ(笑)と思っちゃいましたが、 短編の中に意味深に登場する事件が 長編の『空の中』や『海の底』で直接描かれているということで、 この方の自衛隊好きは本物ですね。 両作とも既に積読スタンバイOKですし、 本作の続編『ラブコメ今昔』も既に買ってあるので、 こりゃ早く読まねばいけませんね。
![]() |
||||||
Q&そうだ旅
| ||
- 2018/01/26(Fri) -
| ||
『世界の果てまでイッテQ!』(2012年11月18日放送)
イモトの年賀状作成とお祭り男という豪華2本。 イモトさんは、毎年やっている干支の動物との年賀状作りですが、 なんと2013年はヘビ年ということで、ヘビ嫌いのイモトさんのパニックが目に見えてます。 イモトさんのヘビ・パニックって、過去にも何度か放送してますが、 結構、余裕がないというか、本当に来チャッテるというか、 そろそろヘビ・ハラスメントとして訴えられそうなレベルな気がします。 今回もガイドのおじさん川の中に突き飛ばしてましたし。 で、イモトさんのロケに同行したご意見番の出川さん。 小舟の上で大パニック状態のイモトさんに対して、 「騒ぐな」「落ち着け」「座れ」と、終始落ち着いた声で指示が。 これは頼もしいわ。ロケ慣れしている男の貫禄ですね。 この番組は、本当に笑いを愛し番組を愛する良いメンバーが集結してると思います。 スタジオにベッキーが居る時代ですが、彼女もポイントポイントで 良いコメント出してるんですよね~。 番組に戻せと言うつもりはないですが、惜しい人材を失くしましたね。 閑話休題。肝心の写真の方ですが、「ヘビとイモト」というものなら、 獲れ高あり過ぎるくらい素材が集まりました(笑)。人間の素の部分の面白さですね。 後半のお祭り男は、NZLの羊飼いまつり。 ヒツジと戯れるお祭りかと思いきや、牧羊犬とともに障害物競争をするというもの。 しかも3km、超アップダウン付き。 謎の飲み物とか、牛の睾丸とか、ゲテモノもあって、コース盛り過ぎ(笑)。 イベントの規模が大きくなりすぎて、収拾がつかなくなってるんでしょうね。 そんな過酷なレースに、79人の羊飼いと1人の芸人が参戦し、 芸人は見事にダントツ最下位という・・・・・当然ですよね。 このVTR明けにいつもの手越さんによる宮川さんいじりが始まるわけですが、 内村さんに飛び火して、男3人ブタ祭りへと繋がるわけですが、 このSPは先に見ちゃってまして、実はイマイチだったという(苦笑)。 『そうだ旅に行こう。』(2012年11月19日放送) 2度目の登場の渡辺直美さん。 前回は大島麻衣さんとの仲良し旅でしたが、今回は1人旅ということで、 急遽、芸人仲間をスカウト。登場したのがタカダ・コーポレーションの大貫さん。 タカダ・コーポレーションって、何かで見た記憶があるのですが、何だったかな? ただ、今回は芸人コンビということで、視聴者置いてきぼり感は減って、 ボケと突っ込みがそれなりになされていたので、面白く見れました。 大貫さんが落ち着いてTV向けの空気を作っていた気がします。 無理やりUSJに当日ロケ許可を取り付けたにもかかわらず、 大したレポートもせずに早々に切り上げて、大阪ミナミで美味しい食事とお酒に。 お上品で美味しそうなお店でしたね。行ってみたいわー。 ウェスティンと間違えて予約してしまったベスト・ウェスタンホテル。 安いのに小ぎれいなお宿で、ああいう宿で十分満足できるよね~という良いチョイスでした。 キャーキャー言っているだけの仲良し旅は見るべきところがないのですが、 ちょっと大人な女子たちが仲良くやってる姿は、結構、好きです。 素敵な大人だな~と思って。
|
||
『十津川警部 赤と白のメロディ』
| ||
- 2018/01/25(Thu) -
| ||
西村京太郎 『赤と白のメロディ』(ジョイノベルス)、読了。
お客様からいただいた本。気分転換に。 法務大臣の娘が行方不明に。 警察が自宅マンションを捜索すると、 行方不明後に置かれたPCの画面に不思議なメッセージが・・・・・。 というわけで、十津川警部が秘密裏に捜査を開始するのですが メッセージに導かれて行った長野県飯島町の歴史の話と 首相の献金問題で揺れる国政の状況の描写が続くだけで、 一向に事件の捜査は進まず。 首相が国会で献金疑惑を追及されている様子は、 何となく今の森・加計問題を想起しますし、 その後に出てくる憲法改正の議論なんて 現在真っ只中の時事ネタなので、 「え、西村センセ、安部政権を先読み!?」と驚きました。 しかし、途中で検察審査会が登場し、 「あれ、小沢さん??」となったところで、 ああ、これは民主党政権批判の作品なのか・・・・・と納得しながら、なぜかガッカリ。 2010年の国民投票法の施行や、 民主党党首のお金の問題などに着想を得た作品なんでしょうね。 興味を持った政治ネタの方は、私的には不発で終わり(爆)、 肝心の事件の方も、結局、行方不明事件は何だったんだ??という程度の尻すぼみ感。 法務大臣の指揮権発動の権限と、首相との盟友関係という お友だち内閣の話で終わってしまい、 そこには青臭い十津川警部が居るという・・・・・。 うーん、こんな内容では消化不良ですわ。
![]() |
||
『数学嫌いでも数学的思考力が飛躍的に身に付く本!』
| ||
- 2018/01/24(Wed) -
| ||
細野真宏 『数学嫌いでも数学的思考力が飛躍的に身に付く本!』(小学館)、読了。
どのブックオフでも大抵見かける著者の本。 試しに一冊買ってみました。 タイトルに「数学」「数学」と連発していますが、 数学の話ではなく、論理的思考の話。 モノゴトをどのように段取り打って捉えていけばよいか、 論理展開の矛盾をどのように気づけばよいのか、 基本をどうやって応用すればよいのか、 そういうシンプルなことを丁寧に解説している本です。 正直、やたらと太字にしたり波線を引いたり 行末を文節単位で改行していったりする表現方法は、 あまり好みではなかったので、読みやすさは残念ながら感じられませんでした。 学生時代に、こういうノート作りに一生懸命な級友の様子を見て、 「なんか大変だなぁ・・・・」と醒めてました(苦笑)。 シンプルに書けば1/3ぐらいの分量で済みそうではありますが、 論理的思考に苦手意識を持っている人に読んでもらうには こういう工夫が必要なのかもしれませんね。
![]() |
||
『挑む力 世界一を獲った富士通の流儀』
| ||
- 2018/01/23(Tue) -
| ||
片瀬京子、田島篤 『挑む力 世界一を獲った富士通の流儀』(日経BP社)、読了。
ビジネス誌だか日経だかの書評で見て、 「スパコン京の開発プロジェクトの話なんて、面白そうだな!」と思い、 買いたい本リストに入れてました。 ようやく100円で発見。 ただ、内容は、富士通が関った8つのプロジェクトについて紹介しており、 丸々が京というわけではなかったのが残念。 正味200ページちょっとの本で、8つのプロジェクト紹介は 盛り込み過ぎというか、1つ1つが浅く広くになってしまい残念。 東証の株式売買システムやすばる望遠鏡のシステムなど、 他のプロジェクトも本当に大規模、国家の威信にかかわる規模のものであり、 もっと深く読んでみたいと思いました。 ページ数が少ない分、プロジェクトの紹介は、 ビジネスケースとして分析するところまで到達できておらず、 正直な感想は、「私の履歴書」レベルだと思ってしまいました。 ただ、その中でも印象に残ったのは、 富士通マンが持っているDNAの部分です。 ともかくやってみろ 挑戦者に無理という言葉はない 夢をかたちに 歴代の社長が口にしたフレーズが、 幹部社員やエース社員にしっかりと浸透していて、 彼ら基幹人材を支える全社員が組織としてしっかり統制されているという印象です。 そして、8つのプロジェクト紹介で終わってしまったら ちょっと散漫な感じで終わってしまったであろう本作を 野中郁次郎先生が解説することで、しっかりと締まっていて、良かったです。 富士通DNAAとは何なのかが簡潔に分析されており、分かりやすかった!
![]() |
||
S革&Q
| ||
- 2018/01/22(Mon) -
| ||
年始に「ウンナンさんの番組をちゃんと見るぞ!」と言ったにも関わらず、
その後、欅坂46の動画を見まくる方に集中してしまいました。 『けやかけ』を全部見終えたので、ウンナンさんに戻ってきました(苦笑)。 ちなみに、欅坂のメンバーのそれぞれのキャラ、面白いですね。 AKBとか乃木坂とかに興味ないので、初めてこの手のアイドル番組見ましたが、 芸人さんが上手く回してキャラ付けしてあげると、みんな成長するんですね。 閑話休題。 『スクール革命!』(2012年11月18日放送) 辛坊治郎先生と中田有紀先生による「世界に誇る日本の力」。 食、技術、芸術の3つの分野で日本の凄さを紹介していきます。 仕切り役の先生がアナウンサーさんなこともあって、完全にクイズ番組化。 大喜利回答を忘れる生徒たちに、内村先生激怒(笑)。 ま、お手頃に勉強になってフフフと笑える回でしたね。 途中のVTRでy志田兄弟が出てきてビックリしましたわw 『世界の果てまでイッテQ!』(2012年11月18日放送) SP放送前の番宣です。 イモトさんによる東欧ツアーで丸々2時間。 クロアチア、チェコ、スロバキアなどを回っているのですが、全く見た記憶なし(爆)。 でも、履歴を探ったら、ちゃんと本放送を見てました。 本当に、どのコーナー、どのシーンも見た記憶なし。 やばいですね、こりゃ。 ま、新鮮に楽しめたからよいのですが。 でも、だいたい面白いと思ったところや東欧の文化で印象に残ったところは、 前回見たときと同じところでした。 結局、それが自分の趣味嗜好ということですね。 今回見てて思ったのは、イモトさんって、レポート上手くなったよなぁということ。 2時間、番組で、ほぼイモトさんがしゃべり倒してるわけですが、 聞いてて全然苦になりません。 飽きない、くどくないというのも、芸人さんとして大事な要素ですね。
|
||
『知の逆転』
| ||
- 2018/01/21(Sun) -
| ||
吉成真由美 『知の逆転』(NHK出版新書)、読了。
生態学、言語学、生物学、医学などの各分野の知の巨人に対するインタビュー集。 ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、ジェームズ・ワトソンなど、 錚々たるメンバーに驚きました。 これが新書で読めるのかと。 どの知の巨人も、読者に対して分かりやすい言葉で語るという姿勢で、 優秀な人は、何やっても優秀なんだなと、 その伝達能力、描写能力にまずは圧倒されました。 そして、語られる内容。 私は大学で構造主義をちょっとかじったので、 やっぱりチョムスキーの話が一番興味深く読みました。 言語学の話にとどまらず、政治的な活動も多い氏らしい社会への提言や批評が たくさん含まれた内容で面白かったです。 ただ、インタビューの質問が、かなり幅広な内容をカバーしようとして あちこちに論点が飛んでしまうのが残念。 広く浅くというインタビューのため、折角出てきたトピックスが あまり深掘りされないままで終わってしまいます。 まるで一問一答のように感じるようなパートも。 本来なら、新書一冊まるまる、知の巨人1人に充てるぐらいしないと その人が社会に与えている価値や貢献している観点について 述べることはできないんでしょうね。 ちょっと勿体ないです。
![]() |
||