『フジ三太郎<3>』
- 2017/05/31(Wed) -
サトウサンペイ 『フジ三太郎<3>』(ソノラマ漫画文庫)、再読。

子どもの頃、フジ三太郎シリーズが実家にあったので、
暇つぶしに時々読んでいました。

久々に暇つぶしに3巻を読んでみた今回、
意外と内容を覚えているものだなぁ・・・・・と(笑)。

新聞に連載された4コマ漫画ですが、
時事ネタあり、軽い下ネタあり、時代を超えたくだらないネタあり、
王道を行く感じですね。

現代に比べると、セクハラネタにおおらかな感じでしょうか。

古き良き日本のサラリーマン4コマ漫画です。


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サトウ サンペイ

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『用もないのに』
- 2017/05/30(Tue) -
奥田英朗 『用もないのに』(文春文庫)、読了。

脱力系エッセイ。
前半は野球の話、後半は物見遊山の話。

重たい小説を書く作家さんなに(伊良部シリーズ以外・笑)、
エッセイは脱力系なんですよねぇ~。

前半の野球の話は、北京五輪に行き、大リーグに行き、楽天の初ホーム戦に行き。
大ファンらしい中日ドラゴンズとは一線を画したエッセイなのが
程よい脱力感になって良いのでしょうね。
ドラゴンズの話になると、見境なくなりそうですしね(苦笑)。
北京五輪で「あべー(呆)」ってボヤいてる方が面白いです。

深刻な野球解説をするわけでもなく、
北京五輪について鋭い分析を加えるわけでもなく、
中国人のスポーツ観戦マナーを評するわけでもなく、
中国観光をあちこち行くわけでもなく、
単なる野球ファンとして思ったことを冗談も交えながら軽く書き進む。
野球そのものを楽しんでいるファンの姿ですね~。

後半の物見遊山エッセイは、
まーとにかく編集者をたくさん引き連れて
フジロック、愛知万博、富士急ハイランド、四国お遍路さん、
脈略もなく、あちこち歩き回ってます。

どこかの雑誌の編集者が依頼した企画でも、
ライバル紙の編集者たちものこのこ付いてきてて、
へ~、こういう業界文化なんだぁ・・・・と興味深かったです。

どこの会社が言い出しっぺの企画であろうと、
大作家さんが行く物見遊山にはとりあえず付き合って、
作家との距離を縮めるとともに、あわよくば企画のおこぼれでエッセイの1本でも・・・・
みたいなところでしょうか(笑)。
この業界は、横のネットワークが凄そうですね。


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奥田 英朗

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『スベラない商談力』
- 2017/05/29(Mon) -
小森康充 『スベラない商談力』(かんき出版)、読了。

ドカ買いしてきた中の一冊ですが、
結構、勉強になりました。

P&Gで営業を担当し、その後、人材育成部門に移った後、
独立してコンサル開業した方が著者。

本作で解説されている「スベらない商談力」は、
まさに若手営業マンがぶつかる壁にどう対処したらよいかというハウツーを
具体的なシチュエーションや自分の経験談から
細かく指導していて、理解しやすいし、最初の一歩が踏み出しやすそうです。

紹介されている方法を、一気に全部やるのは無理だとしても、
自分の置かれた状況に応じて必要なモノから順次取り組めば、
継続さえできれば営業成績は自然と上がっていきそうな気がします。

この継続性というところが、どんな施策においてもネックになる部分ですが、
本作は、極力、小さく具体的な助言にとどめることで、
繰り返し毎日実行することが可能な施策に落とし込めているように思います。

お客様の口から出た買えない理由は、真の理由ではないから深追いしても無駄。

この教えは、自分自身、営業活動をやるようになって
非常に腑に落ちる指摘でした。
ついつい、言われた理由が目の前にあるので、それを解決しようとしてしまいがちですが、
もっと言いにくい本音の部分を見極めないとダメということですね。
自分も、何か断るときに、本当の理由とは異なる「言いやすい理由」を口にしがちですもの。

そのためには普段のコミュニケーション。
まさに、営業は足で稼げということですね。


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小森 康充

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『家計からみる日本経済』
- 2017/05/28(Sun) -
橘木俊詔 『家計からみる日本経済』(岩波新書)、通読。

オーソドックスな分析なので、頭の整理にはなりましたが、
特に面白いと感じる部分はなく・・・・・。

冒頭、著者のスタンスとして、
「日本経済に関しては経済成長を第一目的とする必要はない」
と書かれており、そこに共感できなかったので、
その後にどんな分析がこようと、心の距離は開いたままでした。

医療の進歩と社会福祉の充実でどんどん高齢者は増えていくのに
経済成長がなければ、今ある財を食いつぶして終わりになってしまうと感じます。
少子化で良いというのでしょうか。
それとも若者は貧しくても良いというのでしょうか。

少なくとも、今の日本が置かれている経済の仕組み、そして年齢別人口の偏りにおいては、
経済成長なくして明るい未来はないと思います。

高齢者でも生き生きと働ける社会、
若者には多様な働き方が選択できる社会が、
これからの日本で必要な姿ではないでしょうか。

また、本作では女性の働き方についても指摘していますが、
「戦前戦後は多くの女性が働いており、専業主婦が女性の夢だった」というのは
その通りだと思います。

戦争下の貧しさという特殊な状況を除いたとしても、
一次産業従事者が多かったので、当然、女性も重要な労働力だったでしょうし、
商売をやっている家庭でも、女性は一緒に働いていたものと思います。
結局、高度成長期に、サラリーマン家庭が増えたために女性が家にこもるようになっただけで、
女性は昔から就業の自由を奪われていた・・・・というのは誤った見方、
現在から過去を眺めたときの想像力の貧困による誤解ではないかと思います。

現在は、共働き家庭も増えてきましたが、
夫婦ともにサラリーマンというモデルケースばかりが考慮されているような気がします。
一次産業従事者だったり、零細企業や個人事業主のような家庭の夫婦の姿も
もっと考慮に入れた政策協議があると良いのになと感じました。
本作の感想からは、だいぶ、離れていってしまいましたが(苦笑)。


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橘木 俊詔

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『エンジェルエンジェルエンジェル』
- 2017/05/27(Sat) -
梨木香歩 『エンジェルエンジェルエンジェル』(新潮文庫)、読了。

認知症が少し入った気配のある祖母と一緒に暮らすコウコ。
ストレスを癒すために熱帯魚を飼い始めますが、
祖母の深夜のおトイレタイムに熱帯魚を眺める習慣がでいていきます。

その祖母が娘さんだった頃のお話も挿入されていきます。
ハイカラなミッションスクール時代のお話。
先生との関係や、同級生との関係など。
意外と強気な一面をのぞかせており、
その印象が、数十年後の「おばあちゃん」になった時の彼女の描写に
影響を及ぼしていきます。

惚けちゃったと思っていた祖母が、
熱帯魚を飼ったとたんに、ふいに覚醒する時間ができるようになり、
やたらと明瞭に自分の思いを述べるときが出てきます。

正直、こんな事態に陥ったら、私はパニックになるだろうなと。
幸い、両祖母は認知症にはならずに、最後までハキハキとした生涯でしたが、
認知症になった祖父や、親戚のおばちゃん達とのやり取りを思うと、
ずーっと呑気なことを話してくれている方が、ある意味、気が楽で、
変にまともな発言が出たりすると、「おっ、どうした!?」と緊張します。

夜中にふと覚醒する祖母。
これは、結構、怖いです。

そんな祖母を受け止める主人公の女子大生は、
自分の意見よりも、無意識に周囲のニーズに合わせてしまうタイプ。

そんな自分を自覚してるのですが、直せない。
いやはや、このモヤモヤ感、非常に分かります。
私自身、周りに文句があっても、自分が引けば穏やかに過ぎていくと思うと、
自分を曲げて、にこやかに応対してしまうタイプ。
で、終わってから後悔という。

そういう人は、周囲の発言や立ち振る舞いに敏感なので、
この祖母の豹変ぶりは恐怖だと思います。
そのあたりの心境を、さらっと、でも上手く描いている作品だと思います。

認知症と思っていた祖母の、実は、長い歴史の積み重ねから生まれてきた言動、
こういうことを描かれてしまうと、認知症とあなどることなく、
人生の先輩の言葉は、大事に伺わないといけないなと思ってしまいます。


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梨木 香歩

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『溺レル』
- 2017/05/26(Fri) -
川上弘美 『溺レル』(文春文庫)、読了。

たぶん、川上弘美らしい短編集になるのでしょう。
でも、私には苦手なジャンルでした。

どの短編も、出てくる女性に主体性がないというか、
なぜ、こんな男性に、現実世界から連れ去られてしまうのか、
そこが私には理解できない・・・・・。

ま、理性では理解できない世界だからこそ、
「溺レル」なのでしょうけど。

その流されていく情景は、読んでて違和感はないんです。
でも、共感できないというか、
自分ならこうはならないという思いがあるというか。
まぁ、自分もいざというときに理性が保てるかは分からないですが(苦笑)。

解説で、男性評論家が
「一緒に逃げてくれそうな女と言えば、ずばり、つまらない女に限る」
と断言していて、これは、本作を通して読んでみて、
あぁ、そういうものなのかもしれないなと、すんなり納得してしまいました。


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川上 弘美

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『犬とハモニカ』
- 2017/05/25(Thu) -
江國香織 『犬とハモニカ』(新潮文庫)、読了。

サクッと読める小説はないかな・・・・と手元の積読本を探して、
見つけたのがこの一冊。薄い本に6つの短編が収まっています。

冒頭の表題作「犬とハモニカ」。
とある空港の到着ロビーで行きかう人々の生活を
断片的に描いてみせた作品。

何という出来事が起きるわけではないのですが、
短い描写の中で、それぞれの人が背負った人生の在り様をズバッと見せており、
それぞれの人が交じり合う一瞬を捉えて、お互いの人生を切れ味良く評価させています。

この技量たるや!
どうやったら、こういう作品を描こうと思いつけるのでしょうか。
物語の構成、登場人物たちの人間性、交じり合う一点の内容、
どれも絶妙な匙加減で作られています。

後で裏表紙を見たら、川端賞受賞作だとのこと。
そりゃ、そうですわな。素晴らしい作品です。

他にも、人間たちの交じり合えない様子を描いた短編が並びますが、
印象に残ったのは、『源氏物語』を現代風にアレンジした「夕顔」。
女心の機微が、イマドキの女の子の言葉遣いで描かれているので、
妙にリアルな感じがして面白かったです。


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『表参道日記その一』
- 2017/05/24(Wed) -
伊藤公一 『表参道日記その一』(幻冬舎)、読了。

著者は、表参道にある伊藤病院の三代目医院長。
日本全国に名の知られた甲状腺の専門病院です。

実は、私もバセドウ病を患っていたので、
東京に住んでいた頃は伊藤病院にお世話になっていました。
症状的には軽いものから特に悪化せず、しばらくして寛解と言われたので、
今は通院していません。

でも、一時期は、手術が必要かも・・・・・なんていう診断をされ、
いろいろ検査を受けながらドキドキしたものです。

という、様々な思い渦巻く伊藤病院ですが、
院長先生による雑誌連載のエッセイです。

3.11直後の文章には、甲状腺ガンの話題が登場しますが、
それ以外は、職責を離れた日常エッセイがほとんど。
その時々の時事ネタを織り込みながらも
爽やかなエッセイに仕上がっています。

ただ、逆に、3.11の直後のエッセイが物足りない感じも。
あれだけフクシマの放射能漏れと、その影響について議論になっていた時に、
甲状腺がんの専門家としての伊藤病院って、何か発言したような記憶がないなぁと。

過剰なマスコミの報道には乗っからないように、
専門家として冷静な対応を続けていたのかもしれませんが、
当時の印象にないというのは、甲状腺を患っていた私自身としても
抜かったなぁ・・・・と反省しました。
もっと、その言説を追っておくべきだったなと。

本作の中では、40歳以下の若い人には影響がある可能性があるが、
それ以上の年齢の人には有意な影響はないということが書かれています。
この情報だけでも、冷静にリスクに向き合うきっかけになるのではないかと思いました。
ま、小さい子供を持っている人たちにとっては、
逆に恐怖を増す言葉なのかもしれませんが。

3.11の時代を東京で過ごしながら、
伊藤病院の情報発信を捉えていなかった、意識していなかったのは、失敗でした。


表参道日記表参道日記
伊藤公一

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『飯田線・愛と死の旋律』
- 2017/05/23(Tue) -
西村京太郎 『飯田線・愛と死の旋律』(集英社文庫)、読了。

息抜きに十津川警部をば。

国土交通省(と思われるK省)の部長が帰宅途中に撲られ意識不明に陥る。
航空事故調査委員会の結論に強硬に反対していた部長は、
当該事故を起こした航空会社に命を狙われたのではないかと噂され・・・・。

というようにまとめると、社会派事件のような期待感を持ちますが、
被害者部長の意識を取り戻すべく、奥様が耳元でオルゴールで思い出の歌を聞かせて
必死に看病を続けるという夫婦愛の話に重きが置かれていて、
社会派サスペンスとしては掘りが浅かったです。

事故調査委員会と国策融資という興味深いテーマは、
上手く料理できれば重厚な作品になり得ただけに勿体ない!


十津川警部 飯田線・愛と死の旋律(メロディ) (集英社文庫)十津川警部 飯田線・愛と死の旋律(メロディ) (集英社文庫)
西村 京太郎

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『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』
- 2017/05/22(Mon) -
大沼紀子 『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』(ポプラ文庫)、読了。

時々、本読みブロガーさんのところで見かける作品だったので
気になっていましたが、ブックオフでワゴンセールされていたので買ってみました。

渋谷駅にほど近い国道246号線のそばで、深夜23時に営業開始するパン屋。
そこに出入りする人たちの物語。

渋谷近辺なら、こんなパン屋もありなのかもと思わせる設定ですが、
しかし、その所在地と描写される人々の暮らしぶりとが
なんだかちぐはぐな印象です。
地名を登場させずに文章を読んでいたら、渋谷近辺とは思えないというか。

いじめ、ネグレクト、性同一性障害、過剰教育、ひきこもり、盗撮など
社会問題に苦しむ人々をこれでもかというぐらいに登場させていますが、
問題の掘り方が浅いので、どのお話にも不快さが残ってしまうというか、
問題児側だけでなく問題解決側も含めて。
関係者の心の浅さが、強く印象に残ってしまいます。
平たく言うと、こんなに簡単に物事は好転しないよ・・・・・というところでしょうか。

パン屋の設定は新鮮なので、サクサク読めますが、
扱っているテーマの深刻さの割には心に響かない感じです。
この軽さでいくなら、もう少し軽いテーマにするとか、
社会問題を扱うにしても症状の軽い人を扱った方が読後の納得感が高い気がします。

本作はシリーズ化されているようですが、
2作目以降も、重たい問題を抱えた人々がジャンジャン登場するのかしら?
通常、シリーズものって深刻になっていくものですからね。
読み進めるかは、ちょっと検討します。


([お]7-1)真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ (ポプラ文庫)([お]7-1)真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ (ポプラ文庫)
大沼 紀子

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