『年収300万円時代を生き抜く経済学』
- 2016/10/31(Mon) -
森永卓郎 『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)、読了。

「年収300万円時代」という言葉を流行らせたのがこの本なのか、
流行りに乗っかったのがこの本なのか、詳しくは知りませんが、
話題になった本なので読んでみました。

アベノミクスの今から見ると、
小泉政権のデフレ時代というのは遠い過去のように思えますが、
初版は2003年、13年前で、経済の時間間隔から言うと遠い過去ですね。

小泉政権の経済政策について、分かりやすく解説しており、
そこは、さすがモリタク氏!と思います。

ただ、結論が、田舎暮らしの勧めというのでは、
あまりにも王道過ぎて、つまらないというか、信憑性がないというか。

この春から私も田舎暮らしをしており、
年収300万円あれば、十分に楽しい日々を送れることは実体験で理解済み。

でも、自分の才能を活かして前向きに田舎でビジネスを頑張ろうという人の年収300万円と
都会の生活に破れて都落ちしてくる人の年収300万円では、
金額は同じでも、当の田舎に与える影響力は全然違います。

前向きな年収300万円が1人やって来るだけで、
その人の周囲は一気に活気づき、輝く田舎になると思います。

一方で、敗残の年収300万円が1人やって来て居ついてしまうと、
そういう負け組が集まる吹き溜まりのような田舎になってしまうと思います。
そうなると、前向きな息吹を当地に吹き込むのは、不可能に近いです。

簡単に田舎暮らしを勧めてほしくないなぁ、
田舎にこそ、デキる人がやって来て欲しいなぁと切に願う日々です。

自分も、デキる田舎人に成長すべく、日々研鑽です!


年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!
森永 卓郎

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『フグと低気圧』
- 2016/10/30(Sun) -
椎名誠 『フグと低気圧』(講談社文庫)、読了。

シーナさんの日々を切り取ったエッセイ。
海に行ったり、新宿で飲んだり、ホテルで怒られたり。

初っ端、三重県の話が出てきましたが、
東ケト会の最初の旅は、やっぱりシーナさんにとっても
思い出深いものだったんだなぁ・・・と感慨にふける。

日常をほんとに「切り取った」エッセイなので、
数日に渡る旅行の話が前半でぷつりと終わっていたり、
「その話はまた今度」となっている今度が本作中には出てこなかったり、
なかなかに思うがままの構成となっております(笑)。

一番面白かったのは、大人の運動会のお話。
3つの会社が各50人以上ものメンバーを集めて
本気の真面目な運動会をしようというもの。

この手のイベントごとの大変さは自分自身身に染みてわかるのですが、
各社から計8名の実行委員を出して、ちゃんと打合せを重ねるところなど
気合が入ってます。

そして、皆さん、本当に楽しそうにはしゃいでいる様子が伝わってきて、
こういう真剣にバカをやれる大人になりたいなと
大学生の頃に思っていたことを思い出しました。

まだ、遅くはないか(笑)。


フグと低気圧 (講談社文庫)フグと低気圧 (講談社文庫)
椎名 誠

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『五輪書』
- 2016/10/30(Sun) -
宮本武蔵 『五輪書』(岩波文庫)、通読。

手元にあったので読んでみたのですが、
ほぼ原文のままという文章は、
さすがに手が届かなかったです・・・・・・。

読むのに覚悟が必要だな、こりゃ。

私には、解説書が身の丈に合ってそうです。


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『月魚』
- 2016/10/28(Fri) -
三浦しをん 『月魚』(角川文庫)、読了。

古本屋の物語ということで期待したのですが、
どうにもBL要素が強すぎて好きになれませんでした。

そういう世界があることは理解していますが、
この本で、その要素を取り込むにしても、
無駄に過剰に匂わせすぎではないだろうかという印象です。
私的には、高村薫作品ぐらいの仄めかしまでが楽しめる範囲のようです。

肝心の古本屋のストーリーの方ですが、
思っていたほどには盛り上がりに欠けると言いますか・・・。
山間の金持ちの未亡人が依頼した遺品の本の処分に際して
遠方から来た若い男2人組の古本屋に任せるか、
町の古本屋のおやじに任せるか、親戚を巻き込んでの対決騒ぎに!
と要約してしまうと、ハラハラドキドキの展開のようですが、
そこまで紛糾することもなく、意外とすんなりかたが付いてしまったと言いますか・・・・。

それに、思わせぶりな文章が延々と続くので
読んでいて疲れてしまいました。
その行き着いた崎の展開が意外とオーソドックスで
拍子抜けしてしまったのも原因かも。

うーん、イマイチでした。


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三浦 しをん

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『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
- 2016/10/26(Wed) -
坪田信貴 『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(角川文庫)、読了。

大ヒット本でございます。

読む前は、タイトルの信憑性を疑っていたわたくし。
例えば、元々成績の良かった子が、何らかの理由でグレて
成績がた落ちの底の状態から数えて偏差値40上がったのかな?とか。

しかし、読んでみて感じたのは、主人公のさやかの素直な人間性。
それをきちんと引き出して指導した著者、
そして何よりも、そういう素直な娘を育てた母の力。

両親の折り合いが悪く、家庭崩壊というような描写がなされていますが、
しかし、母-娘の間の信頼関係は格別です。
とにかく娘のために、表面的ではなく本質的に娘のためになることなら
自分が世間からどのように思われても構わないという覚悟があるお母さんです。

なぜ、このような母親の人格形成がなされたのか、
また、この母が娘に対して、幼少期からどのような教育や躾をほどこしてきたのか、
そちらが知りたくなりました。

さて、主題の著者による、さやかちゃんへの教育・指導ですが、
著者がビリギャルのどこを評価し、それをどのように伸ばしたか、
1つ1つ具体的に描いているので、
ツボの見つけ方と、ツボの押し方みたいなものの事例研究のようで
非常に面白かったです。

本作の読後評には、「結局、ビリギャル自身の能力によるものだ」とするものが
多々あるようですが、私の感想としては、
そういう個々の能力をきちんと見極めて、評価し、それを伸ばしてあげるという
著者の教育姿勢とその成果こそが、評価すべきところではないかなと思いました。

ビリギャルさやかちゃんは、確かに、他のギャルとは異なる資質を持っていたと思います。
でも、その資質を、他のギャルと一緒くたにすることで無視するのではなく、
初対面のシーンで、きちんと見出し、かつ長期にわたって伸ばそうと働きかける
この姿勢こそが教育なのだと思いました。

そういう個々人が持つ資質は、本作のようにお勉強の分野かもしれないですし、
今年の夏に五輪で盛り上がったスポーツの分野かもしれないですし、
ビジネスの分野かも、芸術の分野かもしれません。

どんな分野であれ、各個人が持つ資質を見出し、引き出してあげる
そのような優秀な指導者の存在が、
今後の日本を下から力強く支えていくのだろうなと感じました。


学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話[文庫特別版] (角川文庫)学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話[文庫特別版] (角川文庫)
坪田信貴

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『伝える わたしが見てきた野球80年』
- 2016/10/24(Mon) -
杉下茂 『伝える わたしが見てきた野球80年』(中日新聞社)、読了。

解説者としてテレビでお見かけしたことはあっても、
現役時代については全く無知でした。

「フォークの神様」と呼ばれていたようですが、
エピソードを見る限り、非常にまじめに野球に取り組み、
正統な野球人だったように感じました。

ユニークな野球スタイルだったり、破天荒な性格だったりではなく、
まさに野球の技術そのもので記憶に残る選手だったんだろうなと。
さらに、コーチ、監督としてもオーソドックスな印象を受けました。

現役時代を知らない野球人となると、
どうしても素人目線では、長嶋さんや野村さん、星野さんのように
激烈なキャラクターに目が行きがちです。

そんな中で、著者のような客観的かつ冷静な目で球界を眺められる人による
野球の歴史の解説は、非常に興味深かったです。

特に、戦前や終戦直後の野球界の話が面白く、
プロ野球よりも六大学野球の方が人気があったという話には驚きました。
しかも、社会人になっても、「人気のある六大学野球でプレーしたい!」として
職を辞めて大学生に戻るという人生コースにも驚きました。

今や、プロ野球>高校野球>六大学野球という印象ですが、
それぞれの野球の世界には、特徴的な精神世界があるように思い、
その違いを詳しく比較してみるのも面白そうだなと感じました。


伝える わたしが見てきた野球80年伝える わたしが見てきた野球80年
杉下茂

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『絵の教室』
- 2016/10/24(Mon) -
安野光雅 『絵の教室』(中公新書)、読了。

いただきものの本。

絵を描くことには興味がないのですが(爆)、
「カラー版」となっていたので、ちょっと覗いてみました。

「想像上の島を描いてください」という課題から始まるのですが、
語り口がすっと読者の胸の中に入ってくるような独特な印象で、
そのまま読み続けることができました。

そして、何より、「カラー版」(笑)。

様々な有名絵画を題材に絵画技法の解説があるので、
絵を眺める楽しみ、そして、「そういう見方をすると面白いんだぁ」という発見があり
興味深かったです。

著者は小学校の先生だったそうですが、
こういう図工・美術の先生がいると、
子どもたちも活き活きと授業に臨むかもしれませんね。


カラー版 絵の教室 (中公新書)カラー版 絵の教室 (中公新書)
安野 光雅

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『なぜ南極の魚は凍らないのか!?』
- 2016/10/22(Sat) -
白石拓 『なぜ南極の魚は凍らないのか!?』(宝島社文庫)、通読。

生物学の事実は興味深いのですが、
如何せん文章がつまらないのか、ちっとも頭に入ってきません(苦笑)。

こういう知的好奇心をくすぐるトピックスは
著者自身のワクワク感が文章に反映されていると
読んでいる側も引き込まれるのですが、
なんだか事務的な文章で、残念でした。


なぜ南極の魚は凍らないのか!? (宝島社文庫 611)なぜ南極の魚は凍らないのか!? (宝島社文庫 611)
白石拓

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『天下の廻りモノ オカネの正体』
- 2016/10/21(Fri) -
島田紳助 『天下の廻りモノ オカネの正体』(幻冬舎文庫)、読了。

これは期待外れでした。

紳助さんらしい物言いを期待していたのに、
オーソドックスな運用指南書の枠に収まってしまっており、
新鮮味に欠けました。

著者の名前を隠してしまったら、
何の特徴もない本のような気がします。


天下の廻りモノオカネの正体 (幻冬舎文庫)天下の廻りモノオカネの正体 (幻冬舎文庫)
島田 紳助

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『シズコさん』
- 2016/10/20(Thu) -
佐野洋子 『シズコさん』(新潮文庫)、読了。

先日読んだ著者のエッセイ
に、お母様のことに触れた文章があり、
「子供の頃に母の手に触ろうとしたら振り払われてトラウマになった」
というような趣旨のことが書かれていて驚きました。

この母娘関係は大丈夫なのかしら?と感じたのですが、
母について、その名も『シズコさん』という本を書いているとのことで
100円で見つけたのを切っ掛けに早速読んでみました。

予想していた以上に、激烈な子供時代の話でした。
男兄弟を溺愛し、その分、長姉である著者にしわ寄せが行き、
家事や育児を何でもさせられた日々。
娘への愛情は注いでもらえなかったものの、任せても大丈夫という信頼は得ていたようで
こき使われるお手伝いさんのような印象。

母への苦手意識は、長姉である著者だけでなく、
妹たちも持っていたようで、後年、息子夫婦と同居していたものの
嫁と上手くいかず追い出される形になった母を
姉妹の誰も引き取りたがらないという事態に。
結局、お鉢が回ってくるのは長姉である著者という、子供時代の再来のような役目。

とにかく中盤まで、この激烈な母の行動があれこれ書かれており、
ヒットした『家族という病』がとても及ばないような、濃い家族の姿が描かれています。
そして、母の特異な行動を書くだけでなく、それに直面した家族たちの動揺や拒否反応も
隠すことなく赤裸々に書いてしまっており、
むしろ、周囲の家族の人たちにとって、厳しい内容の暴露本になっていると
心配してしまうほどでした。

そして、そんな確執ともいうべき家族間のごたごたを経て、
最後に惚けてしまった母は、著者とその妹の世話のもとで最後の人生を過ごします。
怒りや妬み、批判、拒絶といった負の感情の塊だった母は、
惚けることで、それらの感情が払い落とされていったかのようで、
純粋な少女のような姿になっていき、
そして最後は、何も分からない状態、何にお関心が向かない状態に近づいていきました。

そんな状態で迎えた著者と母の和解の瞬間に多くの読者は引き込まれるのでしょうが、
私は本作の後半を通して、「もし母が惚けてしまったらどうしよう」という不安が募るばかりでした。

母は、控え目で我慢するタイプの人間です。
子どもの目から見ても、働き者で我がままを言わず、父に従う昔風の妻に見えます。
まだ60代前半なので、足腰が痛いと言うことはあっても、
大きな病気は抱えていませんし、記憶力とか社会への関心とか全く問題ありません。

そんな安心できる母が、万が一、惚けてしまったら・・・・・。
母方の近い親戚筋には、認知症がひどくなった人はおらず、
みんな障害通して働き者だったり活動的だったりした人が多いので、
今まで、母が惚けるという事態は想定したことがありませんでした。
父は結構やばいかも・・・・と思っているので(苦笑)、
母は私と一緒に介護する側の人間として想定してました。

でも、本作で読む限り、著者の母は働き者かどうかは別として
家事は何事もテキパキとこなし、社交的でもあったようです。
そんな人も、惚ける人は惚けるんだという事実は、
世間一般の話としては頭ではわかっていても、
目の前にその世界を展開されてしまうと、恐れおののいてしまう自分がいます。

著者は惚けることにより母との和解に至りましたが、
私は、今、母との間に溝を感じていない分、
もし惚けてしまったら距離が広がるのではないかという不安がずしんと募りました。


シズコさん (新潮文庫)シズコさん (新潮文庫)
佐野 洋子

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