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『アメリカ居すわり一人旅』
- 2016/03/31(Thu) -
群ようこ 『アメリカ居すわり一人旅』(角川文庫)、読了。

女子大学生が「アメリカに行きたい!」という一心で
貧乏暮らしをしてお金を溜め、留学でもインターンシップでもなく
ただただアメリカに居座るというエッセイ。

無目的にアメリカに渡って、数ヶ月ホテル暮らしをしてしまうという行動が
なんだかバブル期の日本人の浮かれ具合を表しているかのように
失われた10年世代の私は感じてしまいました。

アメリカでやっていたことと言えば、
ホテルに泊まり、ホテルの部屋と近所でぼーっと過ごし、
お金がなくなったら下着メーカーでサンプル試着のバイトをするという
正直、何の生産性もないような日々です。

そんな日々を、特に深く追求するわけでもなく、大きな不満を持つこともなく、
素直に受け入れて、時期が来たら帰国するというお話で、
深みはないですが、群ようこさん独特のユーモアがあり、サクサク読めます。

この読書から何を得るんだと言われると難しいですが、
あまり難しく考えずに、「アメリカに行きたい」と思ったら
お金を溜めて渡米してしまえばいいんだというシンプルな行動様式もあるんだということを
学んだような気がします。


アメリカ居すわり一人旅 (角川文庫)アメリカ居すわり一人旅 (角川文庫)
群 ようこ

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『新陰流 小笠原長治』
- 2016/03/30(Wed) -
津本陽 『新陰流 小笠原長治』(新潮文庫)、読了。

実家のお店のお客様からいただいた本。

武田家の血を引く小笠原家は、
信長、秀吉、家康、そして武田家の争いの中で翻弄され、
末弟の長治は剣の道をひたすら修行する日々・・・・・。

というわけで、その剣のお話なのですが、
剣術だけでは、私としては物足りなかったです。

武士の世界であっても、やはり、天下をどうやって取るかという
大局観と戦術が面白いのであって、腕一本で身を立てる人の話は、
技量は凄いものの、物語の世界が狭いように感じてしまいます。

広い視野で自分の世界なり、社会を見ている人物が
自分には魅力的だなと感じます。


新陰流小笠原長治 (新潮文庫)新陰流小笠原長治 (新潮文庫)
津本 陽

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『パイロットフィッシュ』
- 2016/03/29(Tue) -
大崎善生 『パイロットフィッシュ』(角川文庫)、読了。

41歳、成人雑誌の編集を生業とする男の元に、
19年ぶりに昔の恋人から電話がかかってくる・・・・・。

うーん、最後まで飽きずに読めましたが、
作品との距離感が縮まらないまま終わってしまいました。
リアリティを感じられなかったからでしょうか。

この元恋人に代表される女性の登場人物たちの行動や思考回路が
どうにも掴みどころがなくて、「なぜ、そんなことをするの?」「なぜ、そんなことを言うの?」
という疑問が至るところで生まれてきます。

そういう違和感を、「若さ」とか「青臭さ」とかの表現として捉える作品なのかもしれませんが
どうにも私には、著者が思い描く「青春」というものが、私自身の思う青春と
ズレているからなのかな・・・・と思ってしまったり。

この作品で描かれる男性は優しすぎるように思いますし、
女性は自由すぎるように思います。

共感を覚えにくい作品でした。


パイロットフィッシュ (角川文庫)パイロットフィッシュ (角川文庫)
大崎 善生

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『武士の家計簿』
- 2016/03/29(Tue) -
磯田道史 『武士の家計簿』(新潮新書)、通読。

幕末の加賀藩の武士一家が書き残した家計簿から、
当時の生活ぶりを読み解こうという研究です。

記録の方も詳細なら、読み解く著者の執念も凄まじく、
大きな日本の歴史の動きの中で、この一家の置かれた日常を描き出していきます。

じっくり読むと、様々な生活シーンが想像できて興味深いのでしょうが、
ちょっと今の私のセカセカとした心持ちでは、読み飛ばしてしまいました。

あまり良い読書姿勢ではなかったので、また改めて・・・・・。


武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
磯田 道史

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ダイビング @尾鷲 行野浦
- 2016/03/27(Sun) -
ちっちゃいモノも満喫できる海でした!
というか、エビ・カニ好きにはタマラナイかも。


立派にギラギラしてました
ミアミラウミウシ 20160326 アゴ島 (1024x747)
基本ちゃんも綺麗ですねぇ
アオウミウシ 20160326 アゴ島 (1024x767)
白もいくつか会いました
シロウミウシ3 20160326 アゴ島 (1024x767)
ポーズを決めていたので久々に撮りました
クロヘリアメフラシ 20160326 漁礁 (1024x767)
ヒラムシは名前が分からん・・・
ヒラムシの仲間 20160326 アゴ島 (1024x792)
お初です!黄色がかわいい
アシボソベニサンゴガニ2 20160326 漁礁 (1024x723)
大きな個体でした
イボイソバナガニ2 20160326 漁礁 (1024x767)
こちらもお初、紅白で綺麗です
クダヤギクモエビ4 20160326 漁礁 (1024x836)
カイメンがついてないけどアケウスかなぁ?
アケウス 20160326 アゴ島 (1024x767)
ピンと合わず
ツノガニ 20160326 漁礁 (1024x820)
こちらもピンボケ
ホムラチュウコシオリエビ2 20160326 アゴ島 (1024x781)
真っ直ぐな腕が素敵
ミツハコマチガニ 20160326 アゴ島 (1024x767)
ブワーッて広がりました
テヅルモヅル3 20160326 アゴ島 (1024x768)
小さいのがついてました
ツグチガイ 20160326 漁礁 (1024x849)
巻貝はこれから勉強です
ハナゴウナの仲間 20160326 漁礁 (1024x811)
コペポーダという名前だと教えてもらいました
コペポーダ 20160326 漁礁 (1024x750)



↓海の写真はこちら
かもめ組図鑑

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ダイビング @尾鷲 行野浦
- 2016/03/27(Sun) -
実は私、仕事の関係で今月より三重県に住んでおり、
これから毎週ダビング三昧の予定です(爆)!

この1年間、仕事が忙しくてほとんど海にいけなかったので、
その悔しさを取り戻す予定です。

さて、1発目は、いつもお世話になっているシードリームさんにお邪魔しました。
基本ポイントの漁礁と、季節限定ポイントのアゴ島に連れて行ってもらいました。

アゴ島は、潮の流れが出てきてしまいましたが、
なんとかグロットの入り口には入ることが出来、
洞窟内からの景色を楽しんできました。


砂地にブロックが積み上げられています
漁礁 20160326 (768x1024)
そこにキンメモドキが群れをなして住み
キンメモドキ8 20160326 漁礁 (1024x768)
そのキンメモドキをマトウダイが狙います
マトウダイ5 20160326 漁礁 (1024x768)
他にもハタや
ホウセキハタ 20160326 漁礁 (1024x767)
サクラダイが居たり
サクラダイ 20160326 漁礁 (1024x767)
ヒラメが居たりと魚が豊かです
ヒラメ 20160326 アゴ島 (1024x767)
アゴ島はグロット狙い
グロット10 20160326 アゴ島 (1024x768)
透明度が良くなくモヤーンとした写真に(笑)
グロット6 20160326 アゴ島 (768x1024)
魚はこの日は少なめでした
スズメダイ 20160326 アゴ島 (1024x768)
こんなものを撮ってみたり
キンチャクダイ2 20160326 アゴ島 (1024x769)
ぎょろり
マダコ 20160326 アゴ島 (1024x768)
臆病君でこれ以上出てきてくれませんでした
コケギンポ2 20160326 アゴ島 (1024x767)
午後は少しパシャついた水面でした
アゴ島 20160326 アゴ島 (1024x768)



↓海の写真はこちら
かもめ組図鑑

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『愛と日本語の惑乱』
- 2016/03/26(Sat) -
清水義範 『愛と日本語の惑乱』(講談社文庫)、読了。

清水節炸裂の一冊、面白かったです。

テレビ局SHKの用語委員会の委員を務めるコピーライターの主人公。
委員として、「正しい」日本語と現実の日本語の折り合いのつけ方を考えたり
学者先生に難癖をつけられて怒ったり、
出版者の校閲の五月蝿いチェックにイライラしたり。

「正しい」日本語にまつわる様々な論点を
コミカルな小説仕立てで描いており、面白おかしくサラサラと読めます。

著者自身の経験も多分に入っているだろうなぁと思わせる
エピソードの数々に思わず笑ってしまいます。

それにしても、なぜ日本人は、「正しい」日本語というものに
かくも拘るのか・・・・というか、喧々囂々と議論したがるのでしょうか。
他の言語でも同じようなものなのでしょうか?

日本語を話す人間と、日本国籍を持つ人間と、日本国に住む人間とが
ほぼほぼ重なるという状況と、日本という国の2000年近い歴史からすると
「純粋日本人が過去からずっと使い続けてきた真正の日本語」というものが
あるように錯覚してしまっているのではないかと思います。

他民族の支配を受けたことがある中国や、
他の国からの移民の国である米国、
戦争により国境が幾度も変化してきた欧州などでは、
言語への執着というものは、日本人ほどには持っていないのかもしれないと思いました。

ただ、その日本人自身が、本作の主人公が学者センセにネチネチと言われたように
従来の表現を破壊して、造語や新表現、新文法を作ってしまうという
柔軟性を持っているのも、面白い特徴だなと思います。

中国から漢字を輸入し、かなとカナを作り、
欧米から横文字を輸入し、造語もたくさん作り、
各種文化を柔軟に受け入れつつも、日本流の文化に変容させてしまう
そして純日本文化にも拘ってみせる(得てして「純」ではないものを「純」と思い込んでますが・・・)という
二面性を持った面白い国民性の現われなのかもしれません。

というように、私もゴチャゴチャ日本語について述べたくなってしまうところが、
まさに日本人なんでしょうね。


愛と日本語の惑乱 (講談社文庫)愛と日本語の惑乱 (講談社文庫)
清水 義範

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『世代論のワナ』
- 2016/03/25(Fri) -
山本直人 『世代論のワナ』(新潮新書)、通読。

何が言いたい本なのか分かりませんでした。

世代の特徴を安易に決め付けるなという主張は分かりましたが、
それって一行で書けることであって、
一冊通しての内容としては、ただ著者の経験や感想を
ダラダラ述べているだけのように感じました。

著者は人事系コンサルタントとして研修などをやっているそうですが、
忙しいサラリーマンを相手に、一体何を話しているんだろうかと、
変な興味を覚えてしまいました(苦笑)。


世代論のワナ (新朝新書)世代論のワナ (新朝新書)
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『正義の見方』
- 2016/03/24(Thu) -
宮崎哲弥 『正義の見方』(新潮OH!文庫)、読了。

宮崎氏単独著作としては最初の出版ということで、
もう20年以上前の本となります。

時事ニュースを中心に、当時の世論や議論に対する意見を述べているものが多いのですが、
当時、私は高校生なので、覚えているものもあれば、記憶にないニュースも。

やや時事ネタに寄っている論旨が多いため、
今の時代にあえて読む必要がある本かというとアレですけれど、
世論の流れに押し流されずに、冷静に自分の意見を持つという姿勢の大切さは
本作から伝わってきました。

世論や議論がワーッと盛り上がっている場合、
結構、本質的な問題ではない部分で議論になっていることがあります。
「何か変だな・・・」と思ったときに、
一体何が変なのか、意外と突き詰めないまま終わっていくことが私は多いです。

そんな時に、「本質的な問題は何なのか?」を自分の頭で考えるようになると
思考力が身についていくようになるのでしょうね。

分かっていても、難しいんだなぁ。


正義の見方正義の見方
宮崎 哲弥

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『社外取締役』
- 2016/03/24(Thu) -
牛島信 『社外取締役』(幻冬舎文庫)、読了。

一部上場企業とは言え、一代で成り上がってきたような企業におけ
権力闘争の様子を、社外取締役の目から描いた作品・・・・・・・・

とは言っても、大学教授が、企業の箔付けのために社外取締役に乞われ、
軽い気持ちで乗っかってしまったために、その後の権力闘争に巻き込まれ、
しかも自ら権力を奪いに行こうとするという展開です。

会社の権力闘争における会社法の切った貼ったの世界は面白かったのですが、
如何せん、登場人物たちの心の動きの描写が雑で、
「なんで、この人がこんなリスキーな決断をするのだろうか?」という疑問が
要所要所で現れてくるので、物語に信憑性がないです。

後半は、セクハラスキャンダルの流れで、
男女関係について登場人物を通していろいろ語らせていますが。
こちらも何だか薄っぺらい感じでイマイチ。

法律の話は興味深かったですが、
人間の物語としては入っていけませんでした。


社外取締役 (幻冬舎文庫)社外取締役 (幻冬舎文庫)
牛島 信

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