『旅の理不尽』
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- 2015/03/31(Tue) -
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宮田珠己 『旅の理不尽』(ちくま文庫)、読了。
著者の本は、シュノーケリング話から入ってしまった私ですが、 旅行エッセイが本職というか、メインの方です。 というわけで、自費出版で出したというデビュー作。 最初から、著者の斜に構えたスタイルが出来上がっています。 海外旅行のお話なのですが、旅行そのものや行った先の国の話というよりも、 旅先で見たこと、起きたこと、出合った人についての話が盛りだくさん。 そのため、日常オモシロエッセイの延長線上にあるような印象です。 世の中を少しナメた感じのスタンスで文章を書かれていますが、 相手が異文化の国ということになると、「こんな風におちゃらけて大丈夫だろうか」と ちょっと読んでいて緊張してしまうことがあります。 ま、そこが自費出版の強みなのかもしれませんが。 さらっと書いてますが、著者が現地の人や、他の旅行者とすぐに仲良くなるというか、 距離の縮め方が凄いなと感心します。 それだからこそ、年上の女性にベッドで襲われたりもしているのですが(苦笑)。 しかも、20歳やそこらでの体験のようで、若くして異文化との壁を取り払う能力を 身につけているのはうらやましいなと感じました。 いろいろエッセイ作品を出しているようなので、 追いかけたいと思います。
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ダイビング@獅子浜
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- 2015/03/30(Mon) -
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本日は獅子浜で潜ってきました。
バディダイビングだったのですが、 透明度5mぐらいだったので、あまり無理をする気になれず、 浅場でじっくりウミウシ探しをしてきました。 これが結構なヒットで、お初なウミウシに出会えて満足! やっと会えた! ![]() ちょっと暗いですね ![]() 目の前をウロチョロするので ![]() この子もウロウロ(苦笑) ![]() デカかったです ![]() やたらキレイに撮れました(笑) ![]() ツノが長っ! ![]() 可愛らしい ![]() 小さすぎ(><) ![]() 久々です ![]() お初! ![]() たぶんウミウシ・・・・ ![]() 締めはいつもの ![]() ↓海の写真はこちら かもめ組図鑑 |
『ZERO to ONE』
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- 2015/03/28(Sat) -
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ピーター・ティール 『ZERO to ONE』(NHK出版)、読了。
勤め先の子会社の役員さんから、「これからは『Zero to One』だよ!」と力説されたので、 試しに買ってみました。 PayPalの共同創業者の本ということで、 ゼロから1を生み出すための熱い言葉が飛び交っている本かと思っていたのですが、 意外と冷静な文章で面食らいました。 Fintechの中でも、巨大なインフラを作る人は、 やっぱりどこか、静かに大局を捉えるような用意周到さが求められるんでしょうかね。 熱い言葉に刺激を受けようと思っていた私には、 少し期待はずれな印象も受けたのですが、 しかし、「隠れた真実」の章は面白かったです。 普通の人々と、どうやったら異なる視点を持てるか、 世の中の新しい意味に気づくことができるか、新しい価値を築くことができるか。 この章にはワクワクしました。 もうちょっと違うタイミングで読んでみたら、 本全体を通してもワクワクできるかしら。
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『バカになれる人はバカじゃない』
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- 2015/03/27(Fri) -
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小宮一慶 『バカになれる人はバカじゃない』(サンマーク出版)、通読。
大学時代に先輩から学んだことの1つに、 バカは一生懸命やれ! というものがあります。 馬鹿馬鹿しいことこそ、エネルギーを投じて楽しめということであり、 周りからは馬鹿馬鹿しく見えても、自分にとって大事なことなら迷わずやれ!という教えでした。 そんな言葉が頭にあったので、つい本作を買ってしまったのですが、 この本で言うところの「バカ」とは「愚直」という意味であり、 まじめに徹底的にやれ!という教えでした。 うーん、この教えでは、インパクトに欠けるなぁ。 というわけで、流し読みになってしまいました。
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『恨ミシュラン 上』
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- 2015/03/27(Fri) -
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西原理恵子、神足裕司 『恨ミシュラン 上』(朝日文庫)、読了。
言わずと知れたサイバラ女史の出世作。 バブルが弾けた後ぐらいの連載なんでしょうかね。 すでに文庫化の時点でお亡くなりになっているお店も多いようで、 紹介されているお店で今も残っているのは、この本での評価は別として、 世間一般には認められているお店ということなんでしょうね。 老舗や高級店へは、 そのサービスレベルや店の姿勢などへも注文が付き、評価が厳しくなっております。 当然、味への評価も、値段相応、評判相応のものを求めるわけで、厳しいです。 この企画の凄いところは、 老舗だろうが、高級店だろうが、不味いものは不味いと声高らかに言ってしまうこと。 それは、店への攻撃という面よりも、「この店は凄いんだ」と思っている世間一般への反抗の面が よりエネルギーが要るのではないかと思います。 その店が好きな人や、美味しいと思っている人も多数居るわけで・・・・。 もし、今のインターネット時代にこの企画をやっていたら、それこそ大炎上してたかもしれません。 もう一つ凄いと思うのは、この企画を朝日新聞が許可したということ。 うーん、バブルの残り香ということでお堅い頭が緩んでたんですかねぇ(爆)。 紙面構成は、サイバラ女史の漫画が見開きで上下2段、 これが意外と文庫本では読みづらい(苦笑)。 神足氏の解説も読みながら、サイバラ女史の漫画も見つつで、 ページを行ったり来たり慌しいです。 料理は、本当に、口に合うもの合わないものが人それぞれですし、 店の雰囲気も騒々しいぐらいのものが好きな人もいれば落ち着きと高級感を心地よく思う人も居て、 自分の好きなものを好きなように食べたいという思いには賛同します。 わたくし、口が貧乏性なのか、 食べログで3.5とか高得点な店よりも、3.2ぐらいの店のほうが、好きな味なことが多いです。 高得点な店は、味付けに変なこだわりが出すぎていて、あんまり好きになれないこともしばしば。 駅前の深夜まで空いているお安い中華料理屋とか、下手したら週3回とか行っちゃってますわ(笑)
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『戦うハプスブルグ家』
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- 2015/03/26(Thu) -
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菊池良生 『戦うハプスブルグ家』(講談社現代新書)、通読。
父の本棚から持ってきて、ずーっと積読になっていた一冊。 たぶん、7~8年ぐらい(苦笑)。 さすがに・・・・・と思って手に取ってみたのですが、 やはり、興味関心が向かないと、読み通せないですね。 世界史の中でも、自分が苦手とする時代の話ですし、 ハプスブルグ家の支配という事象自体にも、あまり興味がなく・・・・。 教養のために・・・・、後学のために・・・・、 という動機付けではいかんですね。
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『日本とは何かということ』
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- 2015/03/24(Tue) -
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司馬遼太郎、山折哲雄 『日本とは何かということ』(NHKライブラリー)、通読。
皇室問題でちょっと騒ぎになっていた山折哲雄氏が気になったので 試しに買ってみました。 宗教や民族性など、非常に興味深いテーマで対談がなされているのですが、 なんだか頭に全然入ってこなくて、ほぼ流し読み状態でした・・・・。 なんなんでしょうかねぇ。 話が抽象世界をずーっと飛んでいるように感じるからかもしれません。 私が立っている地上に降りてこないというか・・・。 内田×名越対談を読んだ直後だったのが良くなかったのかもしれません。 いずれまた、時期を見て再読に挑戦ですかね。
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『働く君に贈る25の言葉』
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- 2015/03/23(Mon) -
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佐々木常夫 『働く君に贈る25の言葉』(WAVE出版)、読了。
東レ役員が書いた働く心得の本。 ビジネス書でも啓蒙書でもなく、 新入社員である自分の甥に向けて書いた励ましの手紙という体裁になっています。 これが読みやすい! 心にすーっと入ってきます。 もう、新入社員の頃から10年以上経過kしている自分にあっても、 懐かしく読むというのではなく、今に活かせそうな言葉が見つかります。 プアなイノベーションより 優れたイミテーションを。 会社という組織の中で、会社の業績をあげ、社会の役に立つことを考えると、 この視点は大事だと思います。 上手く立ち回るとか、手を抜くとか、効率的にやるとかいう一個人レベルの話ではなく、 優秀なものをイミテーションできる能力も一つの才能だと思います。 優秀な人の行動は、簡単には真似できませんから。 サラリーマンとしてしっかりと生きてきた著者の 具体的な経験に裏打ちされた、本質的なアドバイスがたくさん得られる良本です。 自閉症を背負っている息子さん、 病弱な体でうつ病を発して自殺未遂を繰り返した奥様、 そういう個人的な環境を語るのではなく、あくまで一組織人としての言葉に拘っているところに 好感を抱きました。
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『14歳の子を持つ親たちへ』
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- 2015/03/22(Sun) -
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内田樹、名越康文 『14歳の子を持つ親たちへ』(新潮新書)、読了。
内田センセの対談や鼎談って、自分の主張をがーっと話している印象があって、 あんまり対話で昇華していくイメージではなかったのですが、 本作は面白かったです。 多分、名越センセの社会に臨むスタンスが、内田センセのそれと近いところにあるので、 上手い具合に話が噛み合ったのかなと思います。 結構、ダメなヤツはダメと、斬って捨ててしまう感じですから。 ただ、やはり、私が反応してしまう言葉は、内田センセの発する言葉ですね。 社会を見据える視点が合います。 名越センセの臨床的な話は、内田センセの話を具体的にサポートする事例に当たるので 説得力を増す作用があります。 また、14歳頃の子供って、今の私の生活では接する機会が皆無なので、 名越センセの目を通して語られる今の14歳の話は、興味深かったです。 14歳・・・・・サカキバラ事件から象徴的な年齢に見られがちですが、 やっぱり大きく人間としての中身が変わっていく時期なんだなと、 名越センセの話を読んで感じました。 小説を読んでも、14歳ごろって、やっぱり特殊な感じを受けます。 自分自身はどうだったのかな?と振り返ってみても、あんまり実感が湧かないです。 親の目には、一体、私はどう映っていたのか、気になりはじめました。 本作の中で2人が語っていますが、まさに私は、子供を生むのが怖いと思っているタイプです。 自分と同じような斜に構えた性格の子供が出来たら怖いし、 かといって、自分とは全く異なる性格の子供になっても共感出来なさそう・・・・・なーんて。 仲良し母娘とか世間には居ますが、 私は母と就かず離れずの距離感でお気楽に感じています。 多分、母娘で旅行とか、私はできない気がします。 気詰まりで何を話してよいか途中で分からなくなってしまいそうな気がします。 でも、母のことは信頼してますし、この人に育ててもらったという安心感はあります。 適度な距離が心地よいのです。 本作は、14歳の子供たちに向けた本ではなく、 あくまで、その親たちに向けた本。 大人が子供をダメにする・・・・・ありきたりな言葉ですが、 本当に、そういうことなんだろうなと、子を持たない私でさえ、 きちんとした大人を務めようと思う一冊でした。
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『一橋ビジネスレビュー62巻4号』
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- 2015/03/22(Sun) -
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『一橋ビジネスレビュー62巻4号』
特集は「デザインエンジニアリング」。 デザインに限らず、エンジニアリングの世界というのは、 機能設計の合理性や効率性を実現する着眼点、そして機能の追究に傾ける情熱が 非常に興味深い分野だと思います。 ただ、本誌のアプローチは、「デザイン」と「エンジニアリング」という対比において それらを扱う「技術者」を語っているものが多く、ちょっと私の思っていた視点からはズレていました。 いかに両方を融合させた人材を育成するのか・・・・・という論点なのですが、 こういう議論が出てくるほどに、プロダクトデザインの世界において、機能美を意識しないことがあるのか? ということが疑問でした。 一部のゲージュツヒンのような商品はともかく、普通の商品なら使いやすい形状は 当然求められる視点なのではないかと。 「デザイン」と「エンジニアリング」という2つの視点を意識しなければならないほどに、 この世界も分業化が進んでいるのかと思うと、残念な気持ちになってしまいました。 あと、今年のポーター賞受賞企業が掲載されていましたが、 アイスタイルとスタートトゥデイという2つのWEBサイト運営企業が表彰されていて 今という時代を感じました。 一方で、時を同じくしてYKKのファスニング事業が受賞しているというのも、 多様性に富んでいて面白いですね。
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