『現実入門』
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- 2015/02/28(Sat) -
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穂村弘 『現実入門』(光文社文庫)、読了。
普通の人がやっていることを経験がしたことがないという著者。 では、連載のネタにいろいろやってみましょう!という一冊。 健康ランドとか、競馬とか、献血とかありながら、 合コンとか、モデルルームとか、結婚式場選びとか、パパとか、 「結婚」というキーワードで括られるものも多く、内容が偏ってる印象です。 担当編集者のサクマさんという方が、若くて美人の女性であり、 その彼女と一緒に体験するというコンセプトなので、 どうしても著者の恋人妄想(笑)が広がってしまうからかもしれませんが。 42歳独身であることに非常な負け意識を持っているような著者が サクマさんに向けて妄想を爆発させていると、 なんだかサクマさんとこの仕事のあと結婚したのではないかと思ってしまうほど。 ま、それも著者の描く世界観のなせる業なんでしょうかね。
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『新宗教と巨大建築』
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- 2015/02/28(Sat) -
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五十嵐太郎 『新宗教と巨大建築』(講談社現代新書)、読了。
実家にあった本をガサッと東京に送った中に入っていた一冊。 でっきり、「宗教と巨大建築」で、 教会とかモスクとか寺院とかの話だと思っていたら、 いきなり「サティアン」とか出てきて・・・・?????・・・・「新」宗教でした(苦笑)。 オウムの事件って、高校1年生のときにサティアンの捜査の映像を なぜか学校の教室で英語の授業時間中に先生も含めみんなで見ていた思い出があり、 確か先生が「重大なニュースだから見よう」というようなことを言い出したのだったかな。 みんなで少し緊張しながら見ていたことを思い出します。 そんなサティアン(どんなサティアンだ?)ですが、 このように本を通して読んでみると、宗教施設の装飾が一切取り除かれた コンクリートの無機質な建物は、当時から異様な雰囲気を漂わせていました。 そして、オウムの話を導入部に、 天理教、金光教、大本教と、明治以降の新宗教の建築物へと話が広がり、 宗教としての成り立ちや教義の解説を踏まえながら、 建築物というものを比較していくという方法論が、思った以上に興味深かったです。 読む前に想像していた世界宗教は、それはそれとして建築物の研究は面白いのでしょうが、 新興宗教というのは時代が新しい分、設立から成功、教団によっては衰退の 各過程の記録がきちんと残っており、その当時の思想や教団の方針が どのように建築物に反映されていったのかという研究をするには、 材料が出揃っているという面白さがあるのでしょうね。 新鮮な切り口での宗教論で、面白く読めました。
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『消費セラピー』
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- 2015/02/27(Fri) -
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辛酸なめ子 『消費セラピー』(集英社文庫)、読了。
どういう人なのか知らないけれども、名前は変に印象に残っている人・・・・・・ということで 試しにエッセイを買ってみました。 漫画家さんなんですね。 文庫で見開き2ページ弱の短い文章なので、サクサク読めます。 ちょっと短すぎて、雑誌のコラムで読むには面白いけど、 文庫本としてはさすがに物足りない感じです。 表紙写真で、皇室バカにして大丈夫か!?と心配になりましたが、 紀宮さまの本物のファンのようで、ファン心理というのは分からないものですね。 この一冊では、さらに読むかどうか判断がつかない感想となってしまいました。
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『一冊でつかむ日本史』
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- 2015/02/25(Wed) -
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武光誠 『一冊でつかむ日本史』(平凡社新書)、通読。
こういう本を最初に読んでから日本史を勉強すると 流れがつかみやすいんだろうなぁ・・・・と最初は思っていたのですが、 しかし、やっぱり荘園とかの話になってくると、 中学、高校で日本史をやったからこそ、大学受験で日本史を叩き込んだからこそ 本作のようなダイジェスト版を読んでも理解できるのであって、 いきなり本作を読んでも、やっぱり分からないだろうな・・・・・と意見はひっくり返ってしまいました。 というぐらい、やっぱり歴史というのは学ぶのが難しいのですね。 そういうことを実感する読書となりました。 ところどころに出てくる、自然科学の観点を踏まえた歴史の流れの解説は 面白かったです。
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『私の岩波文庫』
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- 2015/02/24(Tue) -
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山本夏彦 『私の岩波文庫』(文春文庫)、読了。
夏彦翁が、岩波書店について、そして日本の出版界について語り尽くします。 雑誌『室内』という異端児の編集長(かつ社長)だからこそ、 また名コラムニストとしてならしたからこそ、 業界の最大手であり権威ですらある企業に対して 容赦のない批評を下します。 読者として、その容赦のなさが小気味いいのではなく、 むしろ、批評が叱責やただの毒舌に成り果てないバランス感覚にこそ 心地よさを感じるのではないかと思います。 本作では、あまり読んだことのない、日本の出版界史を知ることができ、 なかなかに興味深かったです。 そして、辛口批評が並ぶからこそ、 夏彦翁が出版業を愛してやまないという姿が垣間見えます。
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『人の目を気にしないでおやりなさいよ!』
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- 2015/02/23(Mon) -
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梅島みよ 『人の目を気にしないでおやりなさいよ!』(世界文化社)、読了。
先日、著者のお話を短い時間ながらも伺う機会があり、 マネジメントをする側の心得について教えをいただきました。 その言葉の1つ1つに納得できたので、きちんとお話を聞いてみたいなと思っていました。 で、たまたまブックオフで本作を見つけたので、買ってみました。 サブタイトルに「母 眉唾のお礼さんが教えてくれた生きる知恵」とあるように、 メインは著者のお母様の話なのですが、 この母にして、この娘あり、という納得の内容です。 教育を受けさせる、自分の頭で考えさせる、自立させる・・・・。 著者が事業を起こして社長になるまでの過程は かなりアッサリと書かれているだけなので、そこは物足りなかったのですが、 目の前のチャンスを如何に活かしていくか、またピンチをチャンスに切り替えるのか、 勉強になる本でした。
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鈴本演芸場2月下席夜の部
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- 2015/02/23(Mon) -
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トーハクで仏像を鑑賞した後、浅草まで足を伸ばしてぶらぶらしつつ、
再び夜は上野に戻って鈴本演芸場へ。 御招待チケットをいただいたので、無料で楽しませていただきました。 ![]() 前座さんは柳家小はぜさんで「子ほめ」。 良い声をお持ちで、間もとっていて聞きやすかったです。 続いて二つ目の三遊亭時松さんの「強情灸」。 ちょっと早口で聞き取りにくいところもあったのですが、お灸のときの表情が面白かったです。 色物は代演で紙切りの林家正楽師匠。 紙切りは、お題を出すお客さんとの攻防が見ものなのですが、 今日も「宇宙遊泳する金時師匠」という訳の分からぬお題がいきなり飛び出て、 手が動かなくなってしまう正楽師匠が面白かったです。 三遊亭鬼丸師匠はお初でしたが、まくらからネタまで、勢いのある話し方のテンポが良く 江戸と関西の文化の違いを扱った「手水回し」という噺自体も面白かったです。 三遊亭金朝師匠は「初天神」。 最近、一之輔師匠が演じた初天神をYouTubeで見たところだったので、 それと比較していまい、イマイチでした・・・・。 子供の描写が、あまりに可愛げがない駄々っ子になっていたのが私に合わなかったのかな。 三味線漫談の柳家紫文師匠は、三味線の人=美声という思い込みを破ってくれました(苦笑)。 文左衛門師匠は残念ながら代演だったのですが、そこに登場したのが柳亭左龍師匠。 「長短」で、気の短いキャラと気の長いキャラとの緩急の付け方が心地よかったです。 仲入り前は、柳家はん治師匠。創作落語「背なで老いてる唐獅子牡丹」です。 前回、はん治師匠の噺を聞いたときは三枝師匠が作った噺だったのですが、 どうやらこれも三枝師匠の作のようです。高齢者のヤクザという設定ですでに可笑しい。 はん治師匠のキャラクターと相俟って、面白かったです。 漫才は大空遊平・かほりさん。嫁が旦那をディスるという夫婦漫才の王道パターン。 旦那が台詞を言うと会場が緊張するというツッコミに爆笑。 古今亭菊志ん師匠は、3度目になるのですが、 どうもテンポが私に合うときと、せっかちすぎて合わないときとがあり、今日は後者でした。 「粗忽長屋」は左龍師匠のものを聞いたことがあるのですが、 演じる人が違うと、大分印象も変わりますね。 マジックの花島世津子師匠は、昭和中期な感じのマジック芸でした。 トリは三遊亭金時師匠。お初です。 人情噺の「柳田格之進」を30分かけてじっくりと聞かせてくれます。 人情噺は、まだ落語初心者の私には、上手い楽しみ方が会得できていません。 涙を誘うためにちょっと無理な展開になっていくように感じるときがあり、 本作でも、そこで身売り!?と思ってしまいました。 もう少し大人な落語の楽しみ方も身に付けたいものです。 ![]() |
『みちのくの仏像』展
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- 2015/02/22(Sun) -
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今年最初のトーハクは、『みちのくの仏像』展に行ってきました。
![]() 『見仏記』の中で、独特の仏像文化があると、みうら&いとう両氏が力説していた東北から 仏さまが来るとあらば、見に行かずにはいられません。 まさに『見仏記』で訪れた寺からの出展もあり、興味深々です。 本館での展示ということで、規模はこじんまりしていましたが、 1つ1つが立派な仏像であり、迫力がありました。 ポスターに登場している黒石寺の薬師如来坐像は、 その黒々とした輝きに威圧感さえ感じました。 ![]() みうらさんが本の中で熱弁していたように、 本当は信仰する者が眺める本来の位置からということで、 座って下から見上げるように鑑賞したかったのですが、 さすがに展示場でそれはできないので、下から覗き込むように見てみました(笑)。 そのようにして見たときに、一番印象に残ったのは 成島毘沙門堂の伝吉祥天立像です。 美しい柔和なお顔と、女性らしい丸みを帯びた豊かな体型、 そして、左右の足が少しだけ前後になっていることもあって なんだか自分の方に歩いてくるような錯覚を覚えます。 これは見事な像でした。 他にも、本山慈恩寺の十二神将は4体が来ていたのですが、 特に寅神の表情と動きが素晴らしく、行ったり来たりして眺めてしまいました。 やっぱり仏像は、面白いですねぇ。 上野に行くのに湯島を通ったのですが、 梅がそろそろ咲き始めており、日中の陽気もあって、春の訪れを感じました。 ![]() |
『小売業界ハンドブック』
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- 2015/02/22(Sun) -
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結城義晴 『小売業界ハンドブック』(東洋経済新報社)、通読。
さくっと業界把握をするのに手頃な本です。 歴史と現在の業界構成、主要なプレイヤーとその直近動向など、 簡潔にまとめられています。 M&Aがあったり、ブランド再編があったり、急成長する企業が出てきたりと 変化の激しい業界ですので、この一冊だけでは押さえ切れませんが、 基礎知識を頭に入れるには良い本だと思います。
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『会議質』
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- 2015/02/22(Sun) -
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おちまさと 『会議質』(ダイヤモンド社)、読了。
バラエティ番組の構成作家さんとして有名な著者の本。 おちまさとブランドの内容を期待したのですが、 結構、オーソドックスな会議運営論のお話で、 他の本との違いがあまり感じられず・・・・・残念。 この手の本を初めて読む人には分かりやすいと思いますが、 他に読んだことがある人にとっては新鮮さはあまりないかも。
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