『平成大家族』
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- 2014/03/31(Mon) -
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中島京子 『平成大家族』(集英社文庫)、読了。
お初の作家さんです。 老夫婦2人と義母、引きこもりの長男の4人で2つの家屋に住んでた緋田家。 ところが、長女一家が破産して戻り、次女は離婚して戻り、 いつの間にか大家族が住みあうようになってしまった・・・。 各家族の立場から、自分の生活や家族感を順番に見せていくのですが、 女性作家さんなのにサバサバした書きぶりに、 「清水センセみたいなタッチだな」と感じてしまいました。 女性作家さんだと、もう少しドロッとした生臭い家族の描写を期待してしまうので。 展開は、なんだかんだで都合よく収束していくのですが、 ちょっとしたことにイラついたり、気持ちが和らいだりする表現は、 面白いところに目をつけるなと感じました。 各登場人物に対して、もう一歩の踏み込みが欲しいなぁと やや物足りないところもありましたが、お気軽に読めました。
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S革
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- 2014/03/30(Sun) -
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『スクール革命!』(2013年9月15日放送)
2012年9月の番組を見なければいけないのに、間違って2013年9月を見ちゃいました(苦笑)。 篠山輝信先生による47都道府県学。 なんで篠山センセ?と思ったのですが、どうやらNHKのレポーターが大変なご様子。 3チーム対抗での都道府県クイズだったのですが、 芸人含めみんな当てに行くので、内村先生一人がボケてる始末。 芸人さん、本業で手を抜いちゃいけないですよー。先輩におんぶに抱っこって・・・。 そして、真剣なクイズを面白く見せるというのは、内さまだといつものことですが、 どんな芸人さんにもできるわけじゃないんだなと再確認。 篠山センセの進行はクイズとしては結構見やすかったのですが、 芸人がボケなくなったことに突っ込めないのが、難点でした。 『スクール革命!』(2013年9月22日放送) 中川礼二先生と村井美樹先生による鉄道学。 お二人とも相当な鉄ちゃんぶりで、久々に本格的な授業だったと思います。 しかも、礼二先生は当然のことながら鉄道ネタをバンバン見せてくれますし、 マニアックな鉄道知識も面白おかしく披露してくれて飽きさせません。 一方で、村井先生も、わたくし初見だったのですが、 結構進行が小慣れてて、しかも返しもそれなりに早いので、面白かったです。 頭よさそうな感じでした。 レギュラー陣では、平愛梨さんへ内村先生がどんどん振るものだから、 芸人の方も積極的に前へ出てましたよね。 先週の反省か、それとも内村先生の上手い誘導だったのか。 芸人さんはこうでなくちゃね! ロケは、なんと「たけし」が単独で鉄道整備工場へ。 たけしと工場の人が会話しているところは、まさにEテレ(by内村先生)。 下手に若手芸人さんが行くよりも、見甲斐がありましたわ。 久々にロケTRを飛ばさずに見ちゃいました。 ま、こういう演出の工夫も必要ですよね。 社会科見学的な内容なら、今後もたけしがロケにいくのはありかなと思いました。
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内さま
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- 2014/03/30(Sun) -
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『内村さまぁ~ず #180』
月曜日が切り替え日になってから、 なんだか感覚が変わって、何回か見過ごしてしまいました・・・・。 ま、期限ギリギリに見る姿勢を止めればよいだけなんですが。 今回は、ウドちゃんがMCでしたが、 その前に何と天野君が楽屋入りして、3人にマジの結婚報告。 「晴れて女子アナと結婚!」というのは、ちょっと内竹さんの前では 強調しにくかったのかしら(苦笑)。ナレでさらっとだけでしたね。 でも、確かに3人が言うように、夫婦でのろけながらテレビに出そう・・・。 さて、本題ですが、「内村光良を尊敬してやまない後輩達!!」ということで、 舞台の稽古が佳境に入った内村さんに楽をしてもらおうと、 ずっと椅子に座った状態で企画が進みます。 ま、キャスター付きの椅子なんですけど(笑)。 もう、さまぁ~ず+ウドちゃんの3人にかかったら、 イジリ倒しで休ませてもらえないことは目に見えてます。 人間ボーリング、大喜利、顔芸、ぬいぐるみまみれと、 それぞれの企画で体を張って、なおかつ大オチ担当を内村さんにさせるという 普段以上に過酷な役割を割り当ててますが、なんやかんやで内村さん楽しそう。 ウドちゃんのネタが面白かったときの内村さんって、 本当に嬉しそうに笑うし、「よし、それいこう!」みたいに、 すぐにマジになってネタに取り掛かりますよね。 これって、後輩芸人さんとしては嬉しいのではないでしょうか。 今回は、何と言っても内田裕也さん、炸裂しすぎ! しかも、この単発の絵だけでも相当なのに、 前のネタからのフリもあって、最高でした。ウドちゃん、Good Job! この他にも、南原さんを借り出したり、 徳ちゃんまで出てきたりと、身内ネタも盛りだくさん。 いつもと違う事情で、徳ちゃんに「仕事だから」と詫びていましたが、 言い訳をするときに「天丼だから」というバラエティ業界用語で言ってたのが なんだか印象に残りました。 あぁ、徳ちゃんはやっぱり、芸人さん側の世界にちゃんと入ってくれてるんだなと。 いい夫婦ですな。
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『邪馬台国はどこですか?』
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- 2014/03/30(Sun) -
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鯨統一郎 『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫)、読了。
邪馬台国は岩手県にあった!・・・・などの オモシロ歴史解釈がなされる本。 どの程度信憑性が持てる新説なのかは良く分かりませんが、 その奇抜な発想は、読んでいて面白かったです。 本能寺の変は織田信長の自殺だった!・・・・とか。 ただ、小説形式にしたところは、あんまり演出効果を出していなかったような気がします。 バーにおいて、歴史の教授と助手のコンビに、雑誌ライターが珍説をぶつけ、 怒り狂う助手に対して、何とか場をとりなそうとするバーテンダー。 ま、ざっくりこういう構図が毎話繰り広げられるのですが、 助手のヒステリックぶりに、読んでいてあまり気持ちの良いものではありません。 教授の方は、論戦の中で存在感がなさ過ぎて、存在価値が不明です。 ま、この2人を持って、日本の学界を比喩しているのかもしれませんが・・・。 冷静な論戦形式に持っていけば、 常識とされる説と、本作で紹介される珍説との対比が興味深く読めたと思うのですが、 ちょっと著者が珍説のほうに肩入れし過ぎている感じでした。 ま、でも、小説というより歴史解説本と思えば、 十分に面白かったので、このシリーズは他も読んでみたいです。
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『エネルギー新時代におけるベストミックスのあり方』
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- 2014/03/28(Fri) -
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橘川武郎、安藤晴彦 『エネルギー新時代におけるベストミックスのあり方』(第一法規)、読了。
先日参加したイベントで無料配布された本。 イベント内では駆け足での紹介だった政策提言について、丁寧に示されています。 たまたま同時並行で読んでいた小説が、原子力を中心とするエネルギー政策の話で、 なおかつ、原子力発電を現実的に捉えるという意味で同じ方向を向いていたので、 お互いに補完しあうような読書となり、分かりやすかったです。 政策自体は、概ね本書での提言内容を支持しますが、 一方で、この提案に対する国民の反応がどうなのか、それが気がかりです。 私は、大学の卒論で原子力産業について扱った関係で、 正力松太郎氏以降の日本における原子力の歴史は一通り調べました。 東海村での臨海事故の直後、日本人は原子力への嫌悪感を示し、 しかも「安全神話が崩壊」「原子力は安全と言っていた政府のウソ」「だまされた!」 みたいな論調がまかり通ってきましたが、 そもそも原子力発電への傾注は国会で決めたことであり、 日本を挙げて、国民自身も「原子力万歳!」みたいな時代が続いていたのは確かです。 そして、もんじゅ事故の後も、臨界事故の後も、のど元過ぎれば・・・・で ろくな議論を行ってこなかった、少なくとも政治家に求めかなったのは日本人自身です。 日本各地で原発誘致反対運動が起きていたにもかかわらず、 そこに関心を払わずに、彼らの苦闘を無視し続けたのも日本人自身です。 そんな国民に、本作で提言されていることは、 正しく理解できるのでしょうか?評価できるのでしょうか? 非常に心許ないものを覚えます。 エネルギー政策を立案し、提言していくことは大事な仕事です。 数十年後の日本の未来を作るうえで、欠かせない要素だと思います。 一方で、同時に、「政治を考える力」をもった日本人を作っていくべく、 政治についての教育を十分に行っていかないと、同じ過ちの繰り返しだと思います。 民主主義は、しっかり考える頭を持った人々の集まりの中では最大限の力を発揮しますが、 考えることができない集団の中では、堕落の一途となる制度だと思います。 公共政策提言シリーズとは別に、国民教育・政治教育の提言にも取り組んで欲しいです。
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『列島融解』
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- 2014/03/27(Thu) -
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濱嘉之 『列島融解』(講談社文庫)、読了。
エネルギー問題をテーマにした小説です。 3.11後、民主党により方向性が見えなくなったエネルギー政策。 政権交代により自民党下では、中長期的なビジョンを示せるでしょうか。 本作は小説ということになっていますが、 政党も政治かも財界人も、概ね想像が付くような書き方なので、 なかなか手厳しい批判の書となっています。 一方で、一応サスペンス小説の体を取ってはいますが、 物語の創作の方は全くできておりません・・・・。 本作は、政治家、官僚、業界団体、マスコミ記者といった面々が どのような仕事を日々しているかということを知るための お仕事小説として読むと、結構面白いと思います。 また、著者が主人公を通して主張しているエネルギー政策の趣旨や、 既存政党の行動指針や実績に対する批判や賞賛の内容について、 私自身と結構近いものを感じたので、政策と自分の考えを整理するための読書としても 面白かったと感じました。 エネルギー政策というテーマに興味がないと、なかなか厳しい本だと思います。
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『ビジネス実務事典 統計解析』
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- 2014/03/26(Wed) -
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酒井隆 『ビジネス実務事典 統計解析』(日本能率協会マネジメントセンター)、通読。
「統計学とか勉強してみたいなぁ・・・・」とか思っていた矢先、 ブックオフで100円だったので買ってみました。 が!・・・・・事典でした(爆)。 表紙にちゃんと書いてあるや~ん。 一応、頭からパラパラと読んでみましたが、 用語の解説が延々と続くだけで、特に読んで面白いものではなし・・・。 今後、統計学の本を読むことになったら、副読本にして頑張ります。
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『ミシェル・フーコー 構造主義と解釈学を超えて』
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- 2014/03/25(Tue) -
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ヒューバート・L・ドレイファス、ポール・ラビノウ
『ミシェル・フーコー 構造主義と解釈学を超えて』(筑摩書房)、通読。 久々に気合を入れて、フーコーに挑戦。 ま、原著ではなく、解説本ですが・・・・。 大学生のときにフーコーをかじって以来、権力論について関心があります。 本作でも、相応のページを割いて権力論が書かれているようだったので読んでみたのですが、 フーコーの主張の解説だけでなく、その学問的な位置づけや方法論についても 丁寧に解説されており、フーコーの研究に関心がある人には良いと思うのですが、 私のような「お、面白そうな権力論だな」程度の関心では、歯が立たなかったです。 やはり私は、学生時代に読んだ『監獄の誕生』の視点に興味があるのですが、 そのあたりを扱った章は面白かったです。 最近、世間の流行などを見ていて感じるのは、「マラソンブーム」というのは、 現代における「規律=訓練」の象徴的なものではないかということです。 全国各地で開催されるマラソン大会への参加を誘い、 各個人のスキルに合わせた目標設定が置けるようになっており、 それに向けての練習メニューもいろいろ開発されています。 そして、マラソンランナーに求められるのは、ルールの遵守や地域との共生。 皇居周辺ランニングでマナーが悪いと叩かれ、ランナー内で規律を守る相互監視が働き、 非常に従順な国民が出来上がっていくという・・・・。 てなわけで、私は、マラソンブームには乗りません!(笑) 苦しんだ末に、規律の中に囚われていくようなことには参加しません! ま、苦しいことをしたくないというだけなんですけど。 分厚い本を読んだ割には、 大したアウトプットができていないですが(苦笑)、 もうちょっと柔らかいところからフーコーには再び接近していきたいと思います。
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『虚空の逆マトリクス』
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- 2014/03/24(Mon) -
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森博嗣 『虚空の逆マトリクス』(講談社文庫)、読了。
何となく・・・・で買ってきました。短編集です。 長編のS&Mシリーズから繋がっているものもありますが、 私は、まだ作品に馴染んでいないため、普通の短編集として読みました。 冒頭の「トロイの木馬」が、あまりにも概念的過ぎて付いていけなかったので 「うわー、こんな作品が続いたらどうしよう・・・・」と危惧したのですが、 それ以降は、通常の短編ミステリだったので、挫折せずに読み通せました。 というか、「三重県」がところどころに出てきて、 「こんな地味な県がどうして!?」と驚いたのですが、 三重大学に勤務されていた時期があるのですね。納得。 という、変なところで楽しんでしまいましたが、お気楽に読める短編集です。 「ゲームの国」に出てくる回文の数々、 その力作ぶりには驚きました。
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