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『安全学』
- 2013/10/31(Thu) -
村上陽一郎 『安全学』(青土社)、読了。

一橋フォーラムに合わせて、4度目か5度目となるお勉強。
あれこれあって当日までに読み終わらず(苦笑)。

「リスク」と「コスト」のバランスについて、
非常に分かり易く書いている本だと思います。

正論だけの「行政が悪い!」「警察が悪い!」的な批判では
世の中それほど良くはなっていきません。

「これだけの効果を得るために、我々の社会はカネ・トキ・ヒトを投資する」という
決断をコンセンサスの下でできることが重要なのだと思います。

それは、「国家」という単位も、「自治体」という単位でも、「会社」という単位でも
たぶん「家庭」という単位でも同じことだと思います。

そして、このバランス感覚は、「リスク」に向かう時だけでなく、
「チャンス」や「変革」に向かう時も同じだと思います。

この本は、私の座右の書と言っても良いかもしれません。


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『経営を変える戦略会計のしくみ』
- 2013/10/31(Thu) -
アンダーセンコンサルティング 『経営を変える戦略会計のしくみ』(東洋経済新報社)、再読。

会計の勉強の一環で買ってきたら、
前に会社の本棚から借りて読んでましたわ(爆)。

しかも、管理会計の具体的なノウハウの部分に重きを置いていて、
あんまり財務・会計の知識を得ることはできませんでした。

ま、なんだか最近、社内で「原価計算」という言葉が飛び交っていて
そのチームに組み入れられそうな臭いがプンプン漂ってくるので、
さらにもう一回読み込まないといけなくなるかも(苦笑)。


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一橋フォーラム21
- 2013/10/30(Wed) -
一橋フォーラム21 『現代社会と教養』(2013年10月30日受講)

今回のシリーズに申し込んだのは、
講師に村上陽一郎先生のお名前を発見したから。
というわけで、本日は、東洋英和女学院大学学長の村上陽一郎先生の講義です。

学生時代、東海村でJCOの臨界事故が発生し、大きなニュースとなりました。
「柄杓とバケツを使ってウラン化合物の水溶液を移動する」という手順に、
それが正式なものではなく裏マニュアルだという事実以上に、
「核燃料って柄杓とバケツで運べるんだー!」と大きな衝撃を受けました。

で、しばらくしてから本屋にJCO臨界事故関連の書籍が多数並ぶ中、
『安全学』というタイトルに惹かれ、たまたま手に取ったのが先生の著作でした。

「フェイルセーフ」「フールプルーフ」というような、産業界における安全管理の
基本的な考え方を学べるとともに、
「リスク低減と所要コストの費用対効果」というような経済合理性での考え方や、
「個人責任を追及し、最後は怠惰など道徳的な悪として済ませてしまう」という
日本の非建設的な原因追及の姿勢など、様々な観点を手に入れられました。

この『安全学』の考え方は、臨界事故のような社会的に大きな影響を与える事故だけでなく、
自分の勤め先での「事故トラブルの再発防止」「ミスの未然防止」というような
日常的な課題認識にも適応できる、非常に間口の広い、優れた観点だと思っています。

というわけで、何度か読み返してきた『安全学』の著者の講義です。

シリーズのテーマが「リベラルアーツ」ということで、
『安全学』の話は出てきませんでしたが、
「専門バカになるのではなく、多角的かつ包括的な視野を持て」ということと解釈すると
そのような複合的な視点の先にあるのが、『安全学』のような考え方ではないかと
思い至りました。

多角的な視点からの考察により、本当に意味があり、
みんなの役に立つ方針を決め、行動をとるには、どうしたらよいか。
その基礎に、「リベラルアーツ」の考え、その習得過程で身に付けられる思考様式の
ようなものがあるのではないかと感じました。


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『テレビは見てはいけない』
- 2013/10/30(Wed) -
苫米地英人 『テレビは見てはいけない』(PHP新書)、読了。

「IQテスト満点」というのはどういうことなのか、どういう人なのか、
それを知りたくて、著作を読むのは2度目ですが、
やっぱり、解は得られず(苦笑)。

まぁ、今のテレビが低俗だという主張には肯定しますが、
それって、IQ無限大の人でないと言えない話ではないと思います。
むしろ、ちょっと気の利いた社会批判をする人なら誰でも言うことでありまして。

主張は同じでも、主張の仕方や切り口が違うのかと言えば、
その点でも、さほどの目新しさはなく・・・。

ところどころに自分の自慢が入っているのがアレですが、
その内容も、ニッチなビジネスのように思えて、
世界を変えるような取り組みでもないように感じます。

本当は凄い人なのでしょうか?
未だに、分かりません・・・・・・。


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『弾けるふたり』
- 2013/10/28(Mon) -
『弾けるふたり』

柳家喜多八師匠と春風亭一之輔師匠の二人会と聞き、
「物憂げとガキ大将の二人会なんて、どうなるんだ???」と出かけてきました。
実は、落語協会の男前2人ではないかと密かに思っていたりもします(笑)。

最初は、春風亭一力さんで「平林」。
用事を言いつけられた丁稚さんが、軽やかに行先のお宅の名前を連呼していくのですが、
途中で名前を度忘れしてしまい、道行く人々に「平林」の間違った読み方を教わるという噺。
声が良く通るところは一之輔さんの系列の方だなという印象を受けましたが、
会場の空気の温まり方はイマイチでした。
ちょっと軽やか過ぎて、付いていけない感じでしょうか。

そこで登場した一之輔師匠は、ヨーロッパ公演のお話をまくらで披露。
「ベルリン大学、落研、部員1名」・・・・・おかし過ぎです。
一気に会場の空気を作ってもっていくところは、さすがです。
お噺は「普段の袴」。お侍の優雅な描写をじっくり描き、
それを真似ようとする八っつぁんを演じる後半では、とんだドタバタ劇に。
このメリハリのつけかたが上手いんですよねー。活き活きと八っつぁんを演じます。

続いては喜多八師匠が、いつも通り物憂げに登場。
まくらもそこそこに、早速「二番煎じ」へと入ります。
最近、白酒師匠のものを聞いたばかりでしたが、
構成が少し違ったり、キャラ付けが違ったりと、別の話のように楽しめました。
喜多八師匠は緩急の振り幅が大きく、本当に「巧者」だと思います。

仲入り後も喜多八師匠で、「短命」。
いろんな方の「短命」を聞きましたが、一之輔さんのものも聞いております。
ただ、声を発せずにしぐさだけで、あれだけ場面を演じて、場を沸かせる芸は
初めてお目にかかりました。
やっぱり、喜多八師匠、凄い噺家さんだわ。

トリは一之輔師匠で「子別れ」。
別れた夫婦の間の子供の亀吉が、なんともこまっしゃくれた坊主で、
口が回るのが面白いんです。
それを、あの一之輔師匠が、真顔で演じるものだから、
父親の熊さんもトホホな感じで(笑)。

この会は、躍動感あふれる一之輔師匠のメリハリと、巧者の喜多八師匠のメリハリの
それぞれを楽しめるお得な会でした。


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『プロ野球重大事件』
- 2013/10/28(Mon) -
野村克也 『プロ野球重大事件』(角川ONEテーマ21)、読了。

「寝る前にちょっと本読むかぁ~」と思って手に取ったら、
あまりの面白さに一気読み。昨夜寝たのは3時半・・・。

いきなり、読売巨人軍の「清武の乱」の話から始まり、
「つい最近の出来事じゃん!」と引き込まれてしまいました。

清武の乱そのものについては、あんまり深くは書かれていませんでしたが、
球界の盟主への配慮か、それとも、くだらないお家騒動とみて本分の野球の話に戻したか。

過去の出来事については、いろんな裏話も読めて、面白かったです。
何度も読んだ話なのですが、なんだか、文章に引き込まれるんですよねー。
不思議。


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『雨の日も、晴れ男』
- 2013/10/27(Sun) -
水野敬也 『雨の日も、晴れ男』(文春文庫)、読了。

2人の子供の神様のいたずらで、
1日の間に、仕事をクビ、1万ポンドの詐欺に遭う、家が火事になるという
不幸を通り越して、有り得ない状況に陥った主人公。
しかし、天性のポジティブシンキングでこの苦境を乗り越えていく・・・。

まぁ、要約するとこんな感じなのですが、
神様のいたずらの内容幼稚ならば、
対する、主人公のポジティブシンキングも現実味がなさ過ぎて、
話を楽しめませんでした。
あまりに軽くて薄っぺらいような気がして・・・・。

人生において、ポジティブシンキングは確かに大事だと思います。
自分を強くしたり、周りを明るくしたりするには、必須の要素です。
しかし、しかし、この物語は、行き過ぎてて、受け入れられませんでした。

そもそも、なぜ、イギリスが舞台だったのか???

『夢をかなえるゾウ』は、楽しく読めたのですが、
本作に関しては、ちょっと「遊び過ぎ」という感じでしょうか。


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『うわさの神仏 其ノ三』
- 2013/10/27(Sun) -
加門七海 『うわさの神仏 其ノ三』(集英社文庫)、読了。

『其ノ一』『其ノ二』とは別の雑誌に掲載されたものということで、
1か所あたりの文章量がぐっと減ってしまっているのは物足りない。

しかし、東京の神仏関係および怪しの場所について書かれているので、
行ったことがある場所や、気になっていた場所が盛りだくさんで、
東京在住者には面白い本です。

わたくし、霊感なるものは全くないので、
普通にビビりなだけで、「見た」とか「感じた」という経験はありません。
ただ、ふと通り過ぎた場所にある神社仏閣に、
「せっかくだからお参りしておくか」という気持ちになることはしばしば。
むしろ、「気になったからにはお参りしておかないといけないかな」という
義務感のような、罰が当たると嫌だなというような気持ちがムクムクと湧き上がる時があります。
これって、もしや、そこに祭られている人の「気の強さ」みたいなものなのでしょうか?

ちょっと大きめの寺社に行くと、様々なものが祭られていて、
本殿以外にどこまで参拝していけばよいのか分からなくなります。
で、怖くて、結局ぜーんぶ拝むことになってしまったり・・・。

拝めばご利益が授かれるとは思うものの、拝まないと祟りがありそうな気もして、
きちんと参拝のルールや、その寺社の謂われは学んだ方が良いのだろうなぁと思いつつ、
いつも付け焼刃な知識で目をつぶってしまいます(苦笑)。


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『「夏彦の写真コラム」傑作選1』
- 2013/10/27(Sun) -
山本夏彦著、藤原正彦編 『「夏彦の写真コラム」傑作選1』(新潮文庫)、読了。

夏彦翁のコラムを、藤原センセが編集したもの。
すでに読んだコラムも含まれていると思いますが、
何度読んでも切れ味抜群。

今回は、「写真コラム」と銘打っているだけあって、
週刊新潮にコラムを掲載していた際の写真も何点か載っています。

全てのコラムに写真が付いていたはずなのですが、
本作にするにあたってチョイスされた写真が、これまた強烈です。

初っ端に、いきなり原爆で亡くなった方の遺体の写真。
戦後6年経って「アサヒグラフ」に掲載された写真だそうですが、
戦争の恐ろしさや人間過ち云々を考える前に、「死って怖い」「死体って気持ち悪い」という
感覚的な嫌悪感がぞくぞくと湧き上がってきました。
「アサヒグラフ」の特集が話題になっていた当時に、
「週刊新潮」にこの写真が転載されても、受け入れる気持ちの準備は相応にあったと思います。
しかし、今の時代に、コラム集という形で文庫本を読んでいる際に、
この写真に遭遇するのは避けたかったなぁという思いです。
藤原センセなりの思いがあってのチョイスだったのでしょうが・・・。
こういうヤワな読者へのムチなのかもしれませんね。

他の写真も、「役者のくせに勝手に太る」と題し、歌舞伎役者が太り過ぎだと非難したのち、
「江守徹の太ったのに驚いた。気味が悪い。」と書き連ね、江守徹の笑顔の写真を掲載。
これを「週刊新潮」上でやったというのだから、思い切りの良さに脱帽。
夏彦翁にしかできませんわ。

本当は、文章だけ読んでいても、江守徹のことをズバッと批判しています。
「夏彦翁、いつもどおり口が悪いなぁ・・・(苦笑)」なんて思えるはずなのですが、
写真が付くと、その口の悪さが際立って見えてきます。

というわけで、本作で感じた最大の事は、「写真の威力」というものです。
「写真は『ありのままの事実』を突きつける」ということは分かっていましたが、
文章と並んで掲載されることで、文章のパンチ力、写真のパンチ力ともに
大いに増すものなのだと実感しました。

そして、『ありのままの事実』とカッコ書きにしたのは、
「客観的な事実なんてない」と私が思っているからです。
江守徹の写真も、説明書きを「日本を代表する有名俳優」と付ければ、
その笑顔は堂々とした俳優に見えるはず。
「太り過ぎて気味が悪い、えくぼを出して笑ってる」なんて書かれれば、
確かに気味が悪く見えてしまう(苦笑)。

『事実』なんて、切り取り方、見せ方で、どうにでも作れてしまうということを
改めて認識し、情報というものの怖さを痛感しました。


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『経営分析の基本がハッキリわかる本』
- 2013/10/26(Sat) -
千賀秀信 『経営分析の基本がハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、通読。

お手軽入門書ばっかり読んでいても仕方がないと分かりつつ、
部屋に積読になっているので、とりあえず片付けました。

骨のあるもので勉強していかないとだめですね。


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