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『あ・うん』
- 2012/10/31(Wed) -
向田邦子 『あ・うん』(文春文庫)、読了。

日本帝国陸軍の戦友の2人と、その妻たち、そして家族の交流を描いた作品。
しかし、この要約でイメージする爽やかさとは違って、
戦友の妻とのプラトニック・ラブ、2号さんと本妻との戦いなど、
なかなか一筋縄ではいかない人間関係を描いています。

でも、それを、表面的にはさらっと描き上げてしまうところは、
この作家さんの凄いところだと改めて感じました。

最初は、淡々と進んでいく物語に、
ちょっと物足りなさを感じてしまったのですが、
この不思議な関係をさらさらと書き進められることが凄いんだと気づいてからは
ぐいぐい読ませてくれました。

後半は、それぞれが主張をし始めて、やや展開が急な感じもしましたが、
一つの物語として締めるには、はやりこういう展開が必要だったのかなと思いました。


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向田 邦子

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『大ぼけ小ぼけ』
- 2012/10/30(Tue) -
阿川弘之 『大ぼけ小ぼけ』(講談社文庫)、読了。

阿川佐和子さんのお父様という前知識しかない状況で読んだのですが、
思いのほか楽しめました。

最初は、歴史的仮名遣いの文章に戸惑い、
また思想が偏っていたらどうしようかと感じましたが、
やや偏屈なところがあるにしても、それを楽しめました。
遠藤周作氏との軽妙なやり取りが良いです。

ちょっと驚いたのは、エッセイにおいて毒を吐くだけでなく、
実際に行動してしまうところ。
『レッド・オクトーバーを追え』の翻訳本を読んで、
誤訳に気づいたら奥付の発行者(つまりは役員様)に電話して指摘をし、
役員、翻訳者、編集者をが家にやってくる事態に。
気づいたら指摘しなければいけないという使命感にも似た思いが凄まじいです。

ま、それだけ影響力のある凄い作家さんということなんでしょうね。


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モネアSP&S革
- 2012/10/28(Sun) -
『イロモネアSP』(2011年9月17日放送)
お手頃サイズの2時間SPで、かつ挑戦者も中堅多め。
安心して笑えるはずだったのに、なんだか終わってみれば不発感。
ガツンと突き抜けるネタがなかった印象です。
ウンナンさんとのトークが広がったのも、劇団ひとりさんぐらいで。
ネタも、個人的な感想としては、劇団ひとりさんしか完成度の高い人は
いなかったように思います。みんな準備不足。
ある意味、番組が舐められているように感じました。
本域のネタではなく、クセ球の変化球で勝負している感じです。
ロバートが100万円を取ってましたが、そこまでの内容だったかな?と疑問も。
広瀬香美のコントは好きでしたが(笑)。
ガヤの出来も良くない。ところどころネタの声と被ってて、ネタを殺してます。
これって、芸人さんが一番やっちゃいけないことでしょうに。
MCとしてのウンナンの回しっぷりも、
あんまり、ウンナンらしい、芸人さんの間に入っていくようなアニキ感が
なかったような気がして、残念でした。
やや、同窓会的な緊張感のなさが出てきているのが気になるところ。

『スクール革命!』(2011年9月18日放送)
防犯学のはずが、全編もってバナナマンのコントと化してました。
日村さんに無茶ぶりする回。
J組の面々は、アドリブでの団体芸が得意なのに、
こういう完全に筋が書かれた展開に持っていくとき、なんだか凄い不自然(苦笑)。
ま、あえて、不自然さを演じてたんでしょうけれど、
いつもの畳み掛けるような勢いが削がれてしまうのは残念ですね。


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『マネーボール』
- 2012/10/28(Sun) -
『マネーボール』

『もしドラ』を読み終わった日にWOWOWで放送された本作。
高校生マネージャーの次は、メジャーのGMの活躍を見てみました。

セイバーメトリクスについては、以前、小林至さんの講演で知って、
面白そうだなと感じた分析手法です。

その手法を用いて、貧乏球団を地区優勝に導く物語。

野球の現場を仕切っている監督やスカウト陣からすれば、
プレーや選手の思いを見ずに、数字だけで判断するセイバーメトリクスは、
受け入れられなくて当然です。
大学出の経済学専攻に野球の何が分かる!と思うでしょう。

しかし、貧乏球団が、なけなしのお金で戦力を整えるには、
この手法に頼るしかなかった・・・・その外的要因の制約こそが
物語を面白くしていると思いました。

なので、ラストでレッドソックスがこの手法でチームを優勝に導いたという
ナレーションには、ちょっと疑問符。だって金持ち球団ですから。

それにしても、こんな夢のような展開が現実の世界で起きているというのが
なんとも信じられません。
開幕月に17戦14敗で、ダントツ最下位だったのに、
補強が上手くいき、リーグ新記録の20連勝を達成し、地区優勝。

この補強のくだりのスピード感がすごかったです。
あちこちの球団に電話をかけまくり、その場であれこれ候補の選手名を挙げ、
5分で決断を求める。相手も、5分で回答をよこす。
メジャーのGMという制度の凄さを知ることができました。
権限と責任の表れの最たるものですね。
日本では・・・・。

メジャーリーグの選手のことにもっと詳しかったら、
本作は、一層楽しめただろうなと思うと残念です。

日本でも、野球ビジネスをテーマにした映画が出てこないかなぁ。


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『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
- 2012/10/28(Sun) -
岩崎夏海 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社)、読了。

今更感爆発(苦笑)。

ちょっと小説としての完成度が低すぎて
(ストーリーとかキャラクターとかそういう話の前に、文章が・・・)、
第一章を読むのに苦労しましたが、『マネジメント』のエッセンスとは何かを知るには
非常にわかりやすい本だと思いました。

『マネジメント』で解説されている主要な概念について、
あるシチュエーションではどういう行動をとることを指すのか
その例示が分かりやすくて、もとの概念の理解がしやすいんです。

そして、その「あるシチュエーション」というのが、
「甲子園を目指す高校野球チーム」という、日本人、特に男性サラリーマンにとって
馴染みがあり、また「夢」という概念とも結びつけやすい舞台設定なので、
それなりの思い入れをもって読むことができるんだろうなと思いました。
そういう点で、売れるための仕掛けづくりもばっちりです。

この本を通して自分が反省したのは、
本を1回読んだだけで、分かったつもりになっていてはダメだということ。
自分自身の課題について腰を据えて考え、
分からなくなったら、何度も何度も、本の教えに立ち返ること。
とことん考えること。
この姿勢と、まさに「真摯さ」が自分には欠けているなと反省。



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岩崎 夏海

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『起きていることはすべて正しい』
- 2012/10/28(Sun) -
勝間和代 『起きていることはすべて正しい』(ダイヤモンド社)、通読。

なんとなく7冊目になってしまった勝間本。
かといって、カツマーというような信奉者でもなく・・・。
「売れる本ってどんなんだろう?」という興味本位なのが正直なところ。

本作は、タイトルから、勝手に「行動経済学的な何かが書かれているのかな?」と
思い込んで買ってきたのですが、全然違いました(苦笑)。

効率よく仕事をし、成果を上げるためのテクニックを述べています。
ま、これまで読んだ本と、内容は被るところが多々あるものの、
ハウツー本としては、「こう改善しなきゃ!」と思わされる一冊です。

ストリーテラーとして上手いなぁと思うのは、
自分の失敗談をあからさまに書き、かなり情緒不安定になっていた頃のことも
そのまま書いてしまっているところ。
「勝間さんにもこんな時期があったんだ・・・自分も頑張れば勝間さんみたいになれるかも!」
そんなふうに読者に思わせる効果があると思います。

ただし、そんな状態から復活して、成長するためのステップが
とてつもなくハードルが高いです(爆)。
これは、19歳で公認会計士試験に合格という地金があってのことかと思われ。
一般人が真似ようとしても、最初の一歩は本に書いてありますが、
それを継続すること、そしてステップアップへの二歩目が
相当ハードな印象を受けました。

ま、自分が、しょっちゅう上司から、これらのことで動きが悪いと叱られているので
できない感を一層強く感じてしまうのかもしれませんが(苦笑)。

なんだか、頭の痛い指摘を延々と受けているような気持ちになってしまいました。



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『お受験』
- 2012/10/28(Sun) -
『お受験』

食品会社の陸上部に在籍する中年ランナーが、
娘の小学校受験に悪戦苦闘する話。

いや、この要約では間違っているなぁ。
娘のお受験話と、自分の陸上部廃部の話とがあるのですが、
要約しにくいのは、つまり、この2つの話が上手く絡んでないから。

なんだか最後まで、2つの話が並行して走っていただけで、
最後に無理やりくっつけた感が(苦笑)。
その展開は、いくらなんでも強引すぎるだろうに。

脇役たちは、結構豪華で、小技が聞いてました。
最後まで分からなかったのは、なんで主演が永ちゃんだったのだろうかということ(爆)。



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『アメリカン・グラフィティ』
- 2012/10/26(Fri) -
『アメリカン・グラフィティ』

ジョージ・ルーカスの出世作。
サンフランシスコの郊外の町での、高校生たちの一夜を描いた作品。

特に筋らしい筋もなく、
数人の高校生(正確には卒業生)の様子をつぶさに描いていきます。

車に乗って、街中を流しているシーンが多く、
カーラジオから流れるヒットナンバーが、作品を彩ります。

この時代のアメリカに思い入れのある人たちには、
夢のような映画なんでしょうね。

私には、ちょっと入り込みにくいものがありました。
こういう映画もあるのね・・・ぐらいの感想にとどまりました。


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『悲しき熱帯』
- 2012/10/25(Thu) -
村上龍 『悲しき熱帯』(角川文庫)、読了。

レヴィ=ストロースかと思いきや、まさかの龍さん。
勝手にエッセイだと思い込んで買ってきたら、短編集でした(爆)。

初っ端の「フィリピン」が、あまり改行もないまま、
誰の視点かもよくわからないまま、どんどん言葉が繰り出されてきます。
読んでいる私は、置いてきぼり、ぽつーん。

「スリーピー・ラグーン」に至っては、全く改行なし(苦笑)。
ただ、こちらはダイビングのお話で、かつストーリーも掴みやすかったので
付いていくことはできました。

面白かったのは、「ハワイアン・ラプソディ」かな。
老いて飛べなくなったスーパーマンが、生まれ故郷の星に帰ろうとして、
でも飛べずに海に落ち続ける話。
荒唐無稽な話かもしれませんが、なんだかホンワカした気持ちになりました。
ただ、エンディングは結構グロイです・・・。



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『私語辞典』
- 2012/10/23(Tue) -
柳美里 『私語辞典』(角川文庫)、読了。

「あ」から順番に44の言葉をピックアップしたエッセイ。

エッセイの内容は、この作者らしい露悪ぶり。
分かってはいても、そのドぎつさに辟易することも。

そんなに露悪趣味ではないものは、
視点の置き方とか、そのつなぎ方とか、面白く感じました。

構成で引っかかったのは、
冒頭に書かれている言葉の解釈が「定義」になっていないこと。
その言葉が生み出す状況を描写しているものが多く、
「辞典」と銘打っている割には、「辞典」になっていないように感じました。


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