『虚構の家』
| ||
- 2011/04/30(Sat) -
| ||
曽野綾子 『虚構の家』(文春文庫)、読了。
曽野綾子の代表作に挑戦。 経済的には豊かな2つの家庭が、内側で次第に崩壊していく様子を描いた作品。 どちらの家庭も、母親目線で語られるシーンが多いのですが、 視野の狭さがあまりにも残念です。 ま、彼女たちが受けてきた教育の内容からすると、仕方がないんでしょうけれど。 そして、それと対をなすような父親の家族への無関心。 関心があるのは、自分の世間体に関わる部分だけ。 両親がこんな状態なら、当然、子供もおかしくなるわけで、 息子たちは、人間らしい感情を持たないガリ勉受験生と感受性が高すぎる潔癖症。 彼らに比べて、娘たちは人間らしく育っていて、そこだけが救いです。 この2つの家には、特別に問題が集中しているわけではなく、 どの家でも、何か一つ問題が起きると、連鎖的に問題が発生してくるのではないかと 思わせる怖さがあります。 例えば、ありきたりなストーリーとしては、両親の不仲から、子供たちが非行に走り、 家族が崩壊していくというような・・・。 登場してくる家族は、誰も、問題にぶつかったときの対処を反省することなく、 なし崩し的に進んで行ってしまったので、破滅へと向かっていきましたが、 果たして、自分の家族は、問題を先送りにしたり、反省をないがしろにしたりしていないか、 見つめなおす良い機会だと思いました。
![]() |
||
『「市民」とは誰か』
| ||
- 2011/04/30(Sat) -
| ||
佐伯啓思 『「市民」とは誰か』(PHP新書)、読了。
学生のときに入っていたゼミで、 夏合宿の課題本を決めようという話をしていた時に、 ある先輩がボコボコに叩いた本(苦笑)。 当然、課題本にはしなかったのですが、私的には「いつか読まなきゃ!」と決意した本でした。 で、十年経ってからやっと読むのもどうかと思いますが(苦笑)、 たまたまブックオフで見つけたので・・・。 さてさて、読んでみて、思いのほか、面白いじゃん!と思えました。 一方で、「こりゃ、あのゼミではケチョンケチョンになるわな・・・」という感想も。 当時のゼミの夏合宿では、「主体性とは何か?」「コミットメントとは?」みたいな議論を 延々やっていまして、正直、わたくし完全な傍観者。 仕事をするわけでも、社会活動をするわけでもなく、何の社会経験もないような学生風情が こんな議論を山の中の合宿所で延々繰り広げていることに、どれだけの意味あるの?的な 冷たい目(爆)。 ま、話を元に戻すと、この本で批判されている「市民」になるにはどうすればよいか的な 議論をしていたわけで、当然、この本とは思想が合うはずもなく。 私も、こんなゼミにいたにもかかわらず、 保守的で右寄りな考え方を持つに至ってますからねぇ・・・(爆)。 ま、周りを見ていても、学生のときはヤンヤヤンヤ言ってても、 就職時に、安定した体制ベッタリの大企業に入っちゃうのは、父親の世代と同じですわね(苦笑)。 日本でいうところの、「市民」「市民運動」「市民社会」の胡散臭さにスポットを当てて、 結局、何を目指しているのかわからない、自己満足でお祭り騒ぎ的な活動を 断じているものと思います。 英仏における「市民」の歴史を、数百年前にさかのぼって分析しつつ、 日本の方は戦後のたかだか十数年しか分析しないのは ちょっとアンバランスな気がしましたけど。 やるなら、江戸末期あたりからの日本人の社会観の変遷みたいなところから 追っていくべきではないかと思います。 管直人という人物が首相をやっている時期に読むには、 結構、当たりの本だと思います(爆)。
![]() |
||
『運命のボタン』
| ||||
- 2011/04/30(Sat) -
| ||||
『運命のボタン』
なーんか、複雑にしすぎて伝わらない感じ。 サスペンスなのか、SFなのか、ホラーなのか、 序盤、中盤、終盤でカラーが全然違ってくるので、見にくいんですよね。 話の真相も、どこか中途半端な開示具合だし。 あのボタンで誰が何の得をしているのか、さっぱり・・・。 『アイ・アム・レジェンド』と原作者が同じらしい。 きっと、好みが合わないんでしょう。 キャメロンは、シリアスな演技もいけるんですね。 そこは発見でした。
|
||||
『処刑人』
| ||||
- 2011/04/29(Fri) -
| ||||
『処刑人』
公開時に映画館で観ました。 WOWOWでやっていたので再見。 神の啓示を受けた敬虔なクリスチャンの兄弟が 悪人を殺しまくるという、ただそれだけのストーリー。 「悪人を殺すこと」をいかにスタイリッシュに見せるか、 そして、それが正義であるように見せるかに集中した演出で、 何も考えずに見る分には、ある意味、爽快感さえ感じさせます。 「これが正義なのか?」と考え始めたら、 それこそ、頭の中がドヨ~ンとしてしまいそうですが、 たぶん、そこまでのメッセージ性はないと思われ(苦笑)。 マクナマス兄弟の格好よさに目が行ってしまいますが、 FBI捜査官を演じたウィレム・デフォーがよい味を出していました。 ただ、キャラ付けが『レオン』のスタンと被るところがあって 二番煎じ感が出てしまったのは、残念でした。 あと、イル・ドゥーチェを演じたビリー・コノリー、 すごい存在感でした。
|
||||
『Teen Age』
| ||
- 2011/04/27(Wed) -
| ||
角田光代 他 『Teen Age』(双葉文庫)、読了。
普段、アンソロジーは、あまり読まないのですが、 売れっ子の女流作家さんたちによる青春小説ものということで、買ってきました。 ちょっと視野の広い女の子の ポップでシニカルな世界観を扱っている作品が多く、面白く読みました。 ただ、反対に、ずしーんと重い作品がなかったので、 読み通した感想としては、少し軽く感じてしまいました。 山田詠美が描くような、重たく冷たい女の子の視線も 一作品ぐらいは読んでみたかったです。 お初の作家さんも何人か居ましたが、 次回、その方の作品を一冊通して読んでから、評価したいと思います。
![]() |
||
選挙
|
- 2011/04/25(Mon) -
|
今日は、区議選挙に行ってきました。
この前の都知事選も行きましたよー。 選挙権をいただいてからこれまで、選挙の投票は皆勤賞です。 権利と義務は表裏一体ですからね。 きちんと行使しないと。 ただ、今回の区議選挙で感じたのは、どうやって選べばいいんだろう?ということ。 新宿区議会議員選挙は、立候補者が62人ですよ。 そこから1人を選ぶって・・・・・・。 所属の政党とか、たまたま演説しているのを見かけたとか、選挙カーとすれ違ったとか なんらかの印象を残す人は10人も居ないですよ。 むしろ、認知してない人が大半で。 朝、駅前で挨拶しているのをたまたま見かけた人が、意外と好印象だったので 所属政党のこともあって、その人に投票しましたが、 投票所の机の前に張り出してある名簿から、その人の名前を探すのさえ一苦労。 思い込みで、名前を間違っちゃいけないですからね。 ま、正直、個人の能力なんて、全然、判断することができないですよ。 第一印象で決めました!みたいな投げやり感。 今回のように所属政党で決めてたら、無所属の人の良さなんて、いつまでたっても分かんない。 どうしたら良いんですかねぇ? むしろ、除斥投票の制度があれば、きちんと意思を持って投票できるかも。 「こんな政策を掲げてる人には、区議になってほしくない!」という候補者は 選挙公報を読んで、何人か居ましたから。 私がいた大学では、学長選挙で学生が除斥投票できる制度があったので、 結構、馴染みのある考え方なのですが、やっぱり、導入は難しいんですかね? |
ブランチ&S革&RT
| ||
- 2011/04/25(Mon) -
| ||
『王様のブランチ』(2010年5月8日放送)
「ラフ感。」の番宣で登場。「ラフ感。」のスタジオでゆるゆるトーク。 有吉さんが、ブランチ用(本人談)の無毒トークで、つまんな~い(笑)。 大したトークではなかったのですが(爆)、 なんだか、ウンナンさんが仲良さげげでした。 『スクール革命!』(2010年5月9日放送) 長谷川理恵先生、矢口真理先生を迎えての野菜学。 マラソンとか、野菜ソムリエとか、タレントさんには様々な生き方というか、 生き残り方があるんだなーと実感(毒ですか?)。 でも、一番の生き残り方は、野菜嫌いなのに温野菜レストランをプロデュースする矢口先生(爆)。 果たして、この番組出演は、お店にとってメリットがあったのかどうか、はなはだ疑問です。 クイズは、いまいちオモシロ回答が少なかったですねぇ。残念。 主婦の皆様には、ためになる知識が満載な感じでしょうか。 ロケも時間をとってて、残念です。 給食は、春巻きもおいしそうでしたが、野菜どうのこうのではなく、 純粋に料理としてみたら、カレー牛丼、超おいしそうでした! 『THE RED THEATER』(2010年5月11日放送) RTは、内村さんと共演したことのある俳優さんがよく来てくれますよね。 今回は、祭ちゃんこと内山理奈さん。大人な女優さんになりましたよねー。 久々に『バスストップ』を見たくなりました(笑)。 さて、本題ですが、力技な感じのコントと、本領発揮のコントと 2つに分かれたような印象でした(苦笑)。 レギュラーでは、柳原さんの設定がお見事。 スッピン&ジャージでコンビニに買い物に来ているプー太郎の女の子が 彼氏を連れた社会人となった同級生にばったり・・・って気まずい(笑)。 ジャルジャルのネタは、見たことある設定だったけど、展開がうまくて笑えました。 ユニットでは、「なわとび」の配役がお見事。 レイコは、気づけば、亘さんが出てない・・・(苦笑)。フルポンのネタなのに・・・。 ゲストはみんな良かったです。 サンドはさすがの安定感。設定も展開もオチも完成度高し。 ハリセンボンは久々の登場でしたが、まさかお母さんだとは・・・。 ただ、柳原さんの直後の登場だたっため、春菜さんのキャラづくりが雑に見えてしまったのが残念。 狙ってたのかもしれないけど、形態模写力の差に見えてしまいました。 レッドカジノは、一体何本撮りしたのかというぐらい、過去のVTRですよね? でも、ゲーム的にも、ネタ的にも、今までで一番面白かったかも。 狩野さんに笑いの神降臨!?
|
||
『ウルトラ I Love You!』
| ||||
- 2011/04/24(Sun) -
| ||||
『ウルトラ I Love You!』
これまた酷い邦題だわ(爆)。 マツケンの映画にあやかろうとしたのでしょうか・・・・。 ラジー賞受賞作らしいですが、この邦題にもキイチゴ賞を与えるべきですね。 さて、内容はと言いますと、 サンドラ演じる主人公のクロスワードパズル作家が、あまりにもイタイ女で引いてしまいました(苦笑)。 結婚したいのはわかりますが、その思考展開も、論理展開もさすがに無しでしょう・・・。 あまりのストーキングぶりに、途中、スティーブが発狂するシーンがありますが、 その気持ち、わかります! 恋に盲目になった女性を、少々極端な行動に走らせて笑わせるという手法はありますが、 笑えるか、狂気に映るかのラインを、本作は、結構、大きく踏み外している気がします(爆)。 あと、サンドラが、金髪になってたのも残念。 この方の黒髪は、本当に美しいと思っていたので・・・。 キャスティングでは、スティーブの同僚を演じたケン・チョンが拾い物! 物静かな女性の突然の爆発について語るシーンに爆笑。 良いコメディ・センスを持ってる人だと思います。
|
||||
『トヨタ 奥田イズムの挑戦』
| ||
- 2011/04/24(Sun) -
| ||
日本経済新聞社 『トヨタ 奥田イズムの挑戦』(日本経済新聞社)、読了。
1カ月ぐらい前に読み終わっていたのに、記事を書くのを忘れてました。 忘れてしまうぐらいな程度の感想だったということで・・・。 すでに、あまり覚えてないし(苦笑)。 日経新聞の記事って、どうにも浅い気がするんですよね。 取材が浅いというつもりは毛頭なくて、 読み物としての描写力が弱いという意味です。 だから、物事がまさに進行しているときの情報源としては重宝しても、 後から読むには面白さに欠けるんです。 新聞連載物を本にするのは、 読売新聞が一番面白いような印象を持っています。
![]() |
||
『乃木坂血風録』
| ||
- 2011/04/24(Sun) -
| ||
福田和也 『乃木坂血風録』(新潮文庫)、読了。
またまた福田和也氏でございます。 地震だ、原発だ、で、不安になっているときには、 こんなふうにズバッとものを言ってくれる人の言葉を聞きたくなっちゃうのでしょうかね・・・。 本作を読みながら、震災後は、石原都知事といい、 右の人たちに人気が出るのが、なんとなく理解できた気がします。 雑誌『Wooooooo』に連載のコラムをまとめたものということですが、 まぁ、言いたい放題です(笑)。 基本的に、人の好き嫌いがはっきりしている著者なので、 その軸のぶれなさが読みやすいのですが、 意外と、鳩ポッポに期待しているのに驚きました。 今思うと「友愛」って、なんだったんだろう?(爆)
![]() |
||