『イノベーションへの解』
| ||||
- 2010/12/31(Fri) -
| ||||
クレイトン・クリステンセン 『イノベーションへの解』(翔泳社)、読了。
本年最後の一冊は、この本です。 読むのに1か月ほどかかりましたが、非常に読み応えのある内容でした。 品質の高度化を進めていくほどに、 破滅への道を進むことになるという「イノベーションのジレンマ」に始まり、 では、そのジレンマに陥ることなく新たな発展を手にするには どこを目指していけばよいのかを、主に巨大企業にチャレンジする側から説きます。 『イノベーションのジレンマ』を読んでいなかったので、 そもそもの着想に眼からウロコでした。 あんなに勢いのあった企業や産業が、 なぜ傾いていくのか、その理屈に大きく納得。 そして、そんな成功した巨大企業を打ち負かしていく新興企業や 新たな市場が創出されていくプロセスも、 確かに、そのとおり!と思わせる解説です。 自社の得意な技術が何なのかではなく、 結局、最後は、顧客が何を求めているのかを追求すること。 そして、顧客が解決したいと願っている問題に対して 適切な解決策を、顧客が得られる方法提供すること、という、 ある意味、非常にシンプルな原則が、本書の論旨になります。 このシンプルなことが、経営論や 自社の置かれた状況などのフィルターを通して考えると、 だんだんとぼやけて見えなくなってしまうために、失敗する企業が相次ぐのでしょうね。 さてさて、それでは、自分の会社はどうなのか。 正月休みの間に、じっくりと考えてみたいと思います。
![]() |
||||
『日本を創った12人』
| ||||
- 2010/12/31(Fri) -
| ||||
堺屋太一 『日本を創った12人』(PHP新書)、読了。
この本は読み応えがありました。 現在の日本の形に大きな影響を与えたという12名について 何を行い、今に何を残したのかを論じます。 この視点が面白かったです。 例えば、聖徳太子の神仏習合思想が 今の日本人の宗教観や、先進文化の取り込み方を規定したということに 1400年の時を超えた説得力がありました。 他にも、日本人の精神世界に大きく影響を与えたとして、 光源氏まで登場してきますが、一つの民族が共有している考え方というのは 結局、「仕組み」の一種なんだなと認識しました。 何をどう考えるのかという思考の仕方も、 官僚制度や経済制度といった各種制度も、 日本人がどう行動するのかということを規定しており、 日本人に行動を促す「仕組み」なんだと。 そういう「仕組み」を創った人々こそが 日本を創った人々と言えるんだということで、納得できました。 また、それらを説く堺屋太一の文章が面白い! ぐいぐい引き込まれていきます。 年末のバタバタの時期に、楽しませていただきました。
![]() |
||||
『いつかまた、プレイボール』
| ||
- 2010/12/25(Sat) -
| ||
山際淳司 『いつかまた、プレイボール』(角川文庫)、読了。
プロ野球にまつわるエッセイを集めた一冊。 Jリーグが出来た当初、 野球はワンプレーごとに動きが止まるからスピード感が無くて面白くないと 我が友人のにわかサッカーファンは評していました。 また、私の父も、野球ほど、監督やコーチが試合中も選手につきっきりで指示を出す 過保護なスポーツって、他に無いよなぁ・・・なんて呟いてました。 (ちなみに父は昔も今もプロ野球好きです) でも、私は、その間が好きです。 選手も監督も、一つ一つの間に様々なことを考え、その中で最善と思うことを仕掛け、 そして、一方は思惑通りに勝負に勝ち、もう一方は負ける。 一瞬一瞬に、中身の詰まった勝負があるところに面白さを感じます。 そんな野球の一瞬一瞬を追った本作が、面白くないわけ無い! 有名選手から、私が知らない選手まで登場し、 また選手だけではなく、コーチやスカウトまでインタビューしています。 バリエーションもばっちり。 読み応えのある一冊でした。
![]() |
||
『ザ・シークレット・サービス』
| ||
- 2010/12/25(Sat) -
| ||
『ザ・シークレット・サービス』
最近、クリント・イーストウッド作品が気になります。 てなわけで、宇宙飛行士に続いて、今度はシークレット・サービス。 基本的に、イーストウッドお爺ちゃんは無茶するよね(爆)。 ケネディ大統領の護衛についていた捜査官が、 現代の大統領の現場の警備に当たるだなんて・・・。 そりゃ、心臓発作疑惑も持たれちゃいますわ。 そして、やっぱり美人で知的なヒロインと恋に落ちるし(笑)。 見た目のイメージが結構お爺ちゃんなんだから、 もう、ラブシーンは辛いと思います。 スマートだし、走ったりもできるけど、やっぱり顔も大事よね。 てなことを書いてると、面白くなかったのかと言われそうですが、 これがまた、面白いのなんの。 暗殺犯リアリーとの電話での駆け引きのシーンなんて、脚本が上手い! ちょっと、後半は、リアリーを演じるジョン・マルコビッチに 画面での印象を奪われてしまったようなところがありますが、 でも、やっぱり、イーストウッド作品はストーリーが面白い。 犯人を追いつめる過程で、途中、少し端折ったところもありましたが、 概ね、満足のいく展開でした。 60歳過ぎて、こんな映画で主役を張れるなんて、 すごい爺さんだわ。
|
||
『クレイマー、クレイマー』
| ||
- 2010/12/25(Sat) -
| ||
『クレイマー、クレイマー』
クリスマスですねー。 ダスティン・ホフマンの出世作を観てみました。 こりゃぁ、ヒットするわ。 だって、どんどんダスティンの表情が魅力的になっていくんですもの。 父親という役割と責任と満足感を得ることで、 彼の人生が豊かになっていく過程を一緒に見ていくことができます。 最初、仕事のことしか考えていないダメ男だったのが、 反抗的だった息子が悲しげな声を漏らすのを聞いて改心、 そこから自分の生き方を見つめ直していきます。 その過程での、息子ビリーとの距離の縮まり方が、 これまたホロっとさせてくれるんです。 ビリーの子役ちゃんがまた演技派なんだわ。 病院で痛がるシーンとか、もう、迫真の演技。 そんな息子を捨てて出て行った母親はメリル・ストリープ。 最初は、なんて可哀そうな奥さんなんだと思いましたが、 なかなか帰ってこない様子に、こちらもイライラ。 で、やっと連絡をしてきたかと思ったら、 子供を引き取りたいだなんていう我が儘な言い分。 この作品って、最初父親、次は息子、最後は母親と、 それぞれが、それぞれのタイミングで我が儘を言うんですよね。 お互いを思う気持ちのタイミングが、ちょっとずつ合わない。 だから、我が儘がMAXの状態で表に出てきて、観てる方にもイライラが伝わってきます。 でも、人間なんて、こんなものなんでしょうね。 裁判で親権を争うシーンは、本当に、人間の欲と欲のぶつかり合いで、 とても残念な気持ちになってしまったのですが、 このシーンがあったからこその、ラストへの流れが活きるんですよねぇ。 父親も母親も息子も、みんな、この経験を通して大きくなったということが 如実に感じられるエンディングで、完全なハッピーエンドにはならないことに 逆に、未来が示されているような気がして、感慨深い終わり方でした。 アカデミー賞でいくつか賞を獲得したのも納得。 今も語り継がれる作品であることにも納得。
|
||
S革
| ||||||
- 2010/12/23(Thu) -
| ||||||
『スクール革命!』(2010年3月21日放送)
弁護士の本村先生と角田先生を迎えての法律学。 角田先生という方は、初めて見たのですが、「2年目でよくしゃべるなー」と思ったら、 なんと元芸人さんなんですね。最近は不思議な弁護士さんが多くて驚きます。 最初のクイズでは、「離婚の裁判が・・・」「携帯のメールが・・・」なんて どんどん角田先生が話を展開するのでドキドキしてしまいました(苦笑)。 ま、三流ゴシップはどうでもよいんですけど、スタジオの空気が重くならないかと 無駄に心配してしまいました。 マンガや昔話に見る犯罪の数々のコーナーでは、「ももたろう」が出てきました。 捨て児を届け出なかったとか、動物虐待だとかの前に、 鬼が島を攻めて、財宝を持ち出してくるのって、強盗じゃないの?(苦笑) そして、J組内でも裁判沙汰が。 山崎さんのセクハラ疑惑は完全な有罪、春日さんの焼肉泥棒も有罪、 なのに春日さんが被害に遭ったネタ盗難も名誉棄損も、犯罪成立せず(笑)。 ま、あのレベルでは、仕方なしだわね。 収録後、スタジオからみんな出ようとしてたのに、 山崎さんの春日さんいじりに気がついて、みんな戻ってくるし、 カメラも再び回り始めるし、あいうえお作文まで始まっちゃうし。 もの凄く収録の雰囲気がよく、スタッフとのチームワークも良いのが伝わってきました。 『スクール革命!』(2010年3月28日放送) 柳田理科雄先生と安めぐみ先生を向けての科学の授業。 むかし、『空想科学読本』を読んでタケコプターに大爆笑した思い出が。 理科雄先生、意外とトークもイケてて、ナイスキャラです。 宇宙エレベーターとか、臓器のコピーとか、とんでもない発想です。 そして、臓器も透明人間マントも、理論だけではなくモノが出来てるのが凄いです。 こういうのを見てると、マンガが日本人に与えれている理科の力って とてつもないエネルギーなんだなって思います。 アトムを夢見て、ASIMO作っちゃうんですからね。 ただ、この番組的には、VTR減らして、スタジオを増やして欲しかったです。 めぐの安の使い方が勿体ない・・・。 これなら、理科雄先生一本でも十分60分楽しめましたわ。 給食の時間はB級グルメ対決。 地元の方を読んでるから、結論は、必ず引き分け(苦笑)。 無理に対決モノにしなくても・・・。 最後に、17年前の内村先生による実写版ハイジ。 『世界征服宣言』ですねー。懐かしい! 実写版シリーズ、結構やってましたよね。 昔は、実写版と言えば笑いの対象だったのに、今やヤマト映画化ですからねぇ(苦笑)。 それにしても内村先生、17年前から見ての今、そんなに年喰ったようには見せません。 ジャックナイフの時期(笑)なのか、言動に若い印象は受けたので、 今は、カッコ良い大人になったなぁと感じてしまいました。
|
||||||
『心みだれて』
| ||
- 2010/12/23(Thu) -
| ||
『心みだれて』
メリル・ストリープ×ジャック・ニコルソンという豪華キャスト。 バツイチの分筆業同士が結婚して離婚するまでのお話。 なんで結婚したのか、なんで離婚したのかがよく分りませんでした(苦笑)。 バツイチで結婚に消極的だったレイチェルは、 結婚式の当日もウダウダ言ってるようなキャラなのに、 だったら何故結婚することを受け入れたのでしょうか? マークも女好きなのに、なぜレイチェルだけは別だったの? そのあたりが全く描かれていないので、喜怒哀楽がわからず。 また、離婚の切っ掛けは王道な浮気でしたが、 離婚を決意した瞬間がよく分りませんでした。 最後もブツッと終わってしまいましたし。 ストーリー展開が私には合いませんでした。 でも、2人の演技はお見事。 ジャック・ニコルソンは、お茶目なところが素敵。 メリル・ストリープは緩急の付け方が素晴らしい。 そして、娘のアニーは、物凄い勘で見事な演技を見せてくれます(笑)。 後半、ジャック・ニコルソンの出番が少なかったのは 残念だったなぁ。
|
||
『毒言独語』
| ||
- 2010/12/23(Thu) -
| ||
山本夏彦 『毒言独語』(中公文庫)、読了。
「週刊朝日」と「毎日新聞」に連載されたコラムをまとめた一冊。 文庫本で3ページないし2ページの分量で、 この年末のバタバタした時期には、とっても読みやすい(笑)。 「何用あって月世界へ」の話も出てきましたが、 この方の批評には、言葉にリズムがあって、心地よいです。 もちろん、その批評の中身も、ズバッと来るので、心地よいです。 本作は、2~3ページというのが、この著者のリズムと ちょうど合っていたように感じました。
![]() |
||
『その辺の問題』
| ||
- 2010/12/20(Mon) -
| ||
中島らも、いしいしんじ 『その辺の問題』(角川文庫)、読了。
対談でございます。 ま、「対談」というような大層なものではなく、 その内容の95%が、どーでもよい話です(笑)。 褒めてます。 でも、時々、ふわっとインテリ風が吹くときがあります。 さすが、灘高 vs 京大。 でも、やっぱり、C級映画の話をしているところなんぞが 面白くって仕方がないのです。 いしいしんじさんは、本作で初めてお名前を知りました。 この対談を聞いてる限り、ちょっと作品は難易度が高い印象を受けました。 一方、らもさんは、作品は知っていますが、 挿入されていた対談の写真を見て、 「あれっ?こんなお顔でしたっけ??」と思っちゃいました。 なんか、メガネの印象がすごーく強かったものですから。 眼差しが印象的な方だったんですね。
![]() |
||
Q&モネア
| ||||
- 2010/12/20(Mon) -
| ||||
『世界の果てまでイッテQ!』(2010年3月14日放送)
今回は、なんとイモトさんと武井さんの2本立て。 武井さん、成長しましたねー。 まずは前半のイモトさんは、ブルネイの旅。 昔、バンコクであった会議に出席したとき、同席したブルネイの方と 空き時間に市内観光に出かけて、お話しする機会があったのですが、 石油リッチのことや、税金がほとんどないことなどを聞きました。 国王のおかげで、国民みんなが幸せなのよ~なんて感じで、 バンコクのエネルギッシュな街の様子とセットで思い出されます。 その国王様のパレードをイモトさんがレポしてましたが、超イケメンでしたね。 石油産出国の金持ちというと、ぶよぶよのおじさんをイメージしがちですが、 さすが、出来た方は違うんですねー。 さて本題の珍獣ですが、ボルネオ3大珍獣のうち メガネザルは過去VTRの使いまわしでした(苦笑)。撮れなかったのかな? でも、3年前のあの映像は、再度見ても、なかなかショッキングでしたわ。 続いて手のり鹿。「手のり」というにはちょっと大きい気もしましたが(苦笑)。 最後は、スローロリス・・・と現地人が言い張ったメガネザル。 イモトさん、相当の確信を持って、メガネザル疑惑を持ってたようですね。 サスガです。毒へびの解説と言い、この方の勉強の努力は素晴らしいです。 で、結果、スローロリスをペットとして飼っているベッキー宅へ。 あの動きの遅さでジャングルで生きて行けるなんて、 逆転の発想で素晴らしい生き物ですね。 続いて、武井さんは、一生を海上で過ごすという少数民族の村へ。 「世界の絶景100」は諦めちゃったんでしょうね。 きっと、絶景のそばに人が住んでいないんだろうな・・・(爆)。 今回登場した少数民族は、あんまり警戒心が無い様子。テレビ慣れしてる? 米と油とタバコを貢ぎものにして泊めてもらった武井さん。 どうやら、視力9.0も、潜水15分も検証できなかったようで、 ただただ号泣するだけという(笑)。 でも、あの船上生活はみんな笑顔で幸せそうだったなぁ。 『ザ・イロモネア』(2010年3月18日放送) 最終回でございます。 基本フォーマットではなく、「10モネアア」での最終回は、 100万円を出させたいというスタッフの思いでしょうね。 ゲストには、亀梨くん、手越くん、内くんというJの豪華ラインナップ。 彼らとの過去の共演を考えると、内村さんもJ人脈広がったよねぇ。 さて、アンガールズやナイツが早々に敗退するという波乱の幕開けでしたが、 なんと超ダークホースのWエンジンが100万円獲得。 シェンロンという際物キャラを見つけた勢いで獲ったようなものですが(苦笑)、 実は、このコンビは、えとうさんの演技力が魅力なんだと気付きました。 女性らしい身のこなしが、なんとも上手いんですよね。 さて、ハイキングウォーキングは、ラストまで行っておきながら残念。 ちょっと最後のネタが、あっさりしすぎてたかな。 ネタのバラエティという意味では、Wエンジンより面白かったのに。 あと、ザ・たっちも残念でした。ネタに勢いあったのになぁ。 大トリは友近先生。この方は、説明不要。 今まで100万円取れなかったことが不思議なぐらい。 ま、これまでは、自分のやりたいネタを目いっぱいやってましたからね(笑)。 今回は、その総決算のようなネタのオンパレードで文句なし。 しかも、ラストのネタには、上岡龍太郎師匠のトークの真似をしながら 芸人論について語るという、この番組の最後のネタということも踏まえての、 見事な締めくくりでした。この人は、凄い!!
|
||||