『天使のくれた時間』
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- 2009/10/31(Sat) -
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『天使のくれた時間』
これは面白い映画でした。 実業家として大成功した男が、 人生の分岐点となった13年前に違う決断をした場合の 別の人生に突然放り込まれたら・・・・・。 プロットだけ抽出すると、他にも似た作品がいくらでもありそうですが、 本作は、登場人物のキャラクター設定がお見事。 主人公ジャックは、有能なビジネスマンなだけあって、 ツボを押さえてウィットにとんだ会話ができるイイオトコ。 ニコラス・ケイジって、こんなにスーツが似合うんだ・・・と軽い驚き。 M&Aの切った張ったの世界も活き活きと描かれていて興味深かったです。 一方、別の世界でジャックと家庭を築いているケイト。 平凡な生活に埋没する妻ですが、しかしジャックへの愛はゆるぎない。 ここまで旦那のことを想えれば、それは世界一幸せなことだと思います。 ただ、弁護士さんですから、フツーの主婦とは一線を画したところがあるのですが。 そして、なぜここまで愛していながら、旦那の不自然な行動に気付かないのか、 そこはちょっと疑問でした。恋って盲目?? そして、山椒のようにピリリといい味を効かせているのは幼いアニー。 おませさんの一言ひと言が面白かったです。 不思議な行動をとるパパを宇宙人による変装と思い込みながらも、 宇宙人だと思いつつそんなパパと上手くやっていこうとする健気さ。 かわいらしいですねぇ。 ラストシーン、現実世界に戻ったジャックは、ケイトを追いかけ・・・・・・。 この先、二人はどうなるのか、映画的にはハッピーエンドですが、 現実的に想像すると、なかなか苦労が待っているのではないかと 変に心配してしまいました。 あぁ、しかし、これも邦題が残念だ!
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内さま
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- 2009/10/30(Fri) -
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『内村さまぁ~ず #72』
デンジャラス安田さんをMCに迎えての 「上島竜平という男について真剣に考える安田達」ということで、 久々に竜ちゃんがゲストです。 MCがいて、ゲストがいて・・・ということで、内さまの3人はかなり受け身の態勢。 そのせいか、イマイチ印象に残りませんでした(苦笑)。 むしろ、竜ちゃんの愚痴大会になっていたのが、笑えないというか(悲)。 リーダーとの喧嘩の話とか、ジモンちゃんへのマジクレームとか、 内さま3人も引いてたような気がするんですけど・・・・・。 なんだか、悪口を絶対に言わない人のファンをやっていると、 こういう場面で耐性がなくなっちゃいますね(苦笑)。 あと、竜ちゃんの激ヤセぶりも、 みんなは「おじいちゃん」って優しく笑いにしてましたが、 ちょっと表情が暗いし、目の周りが疲れている様に見えるのが心配ですね。 ビビる大木さんが痩せたときには、 「格好良くなって芸もノッテるな」って思えたので、プラスに作用していたのですが、 なんだか今回は画面の印象が暗くなって、さらに悪口ネタだったので、 見ているのがしんどかったです。 子犬を追いかける大竹さんの図がなんだかピュアで、救われました。
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『Rock You!』
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- 2009/10/30(Fri) -
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『Rock You!』
”We will rock you”で始まった冒頭の馬上槍試合のシーンは いきなりグワーっと気持ちを盛り上げてくれるノリの良さ! 続く会話のシーンもテンポが良くて、おもしろかったのですが、 いざ物語が始まってみると、ストーリーがなんだか雑(苦笑)。 平民の生まれが身分を偽って実力だけで成り上がり、 美しい高貴な女性と恋に落ちるが、 由緒正しいライバルが現れ、恋人を奪われそうになる・・・・・ 「なんとまぁ、王道な!」という感じのストーリーなのですが、 いまいち各キャラクターに納得性がないというか、現実味がないというか。 ジョスリンの我が儘お姫様ぶりには閉口しましたが、 その我が儘姫と盲目王子に振り回される従者や哀れ。 そして、ライバルのアダマー伯爵は、 登場時点ではフランスで一番の勇者であり、 ウィリアムの力を見抜く目も持っているように描かれているのに、 いつの間にか卑怯な手を使う悪者に落ちぶれてます。 「あれ?そんな程度の人物だったんだ・・・・」とこれまたガッカリ。 一方、成功していた味付けは、チョーサーです。 まさか、こんな形で大詩人が絡んでくるとは思いませんでした。 しかも、とんでもないペテン師的な役回りで(笑)。 ポール・ベタニーの演技も良かったです。
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『I’m not there』
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- 2009/10/28(Wed) -
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『I’m not there』
ボブ・ディランのイメージを6つの分身に投影させて 短編をつなぐようにして作品化した映画です。 正直、ボブ・ディランそのものを知らないので、 作品そのものへの思い入れはありません(苦笑)。 桑田さんがライブでカバーしたものをCDで持っている程度です。 なので、あくまで興味本位で観てみました。 前半、映画の構成自体が理解できていないくて、 「ボブ・ディランはいつ出てくるんだ?」と見当違いな思いで見てました(苦笑)。 中盤あたりでようやくイメージ投影という手法が理解でき、構造はわかったのですが、 なんせボブ・ディランそのものを知らないので、 6つの物語が私の中で全然つながっていきません。 ファンの人なら、ボブ・ディランという実在の人物をハブにして、 6人の分身がリンクしてくると思うのですが・・・・・・。 そのため、あまり内容を理解できたとは言えません。 ただ、ケイト・ブランシェット演じる歌手と芸能記者との応酬は、 当人の意思とは関係なしに偶像を作り上げてしまうマスコミの傍若無人ぶりと それに簡単に乗せられてしまう烏合の衆とをよく表していたと思います。 また、ケイト・ブランシェットの破天荒な男性歌手をやりきった演技力は見事。 エリザベス女王といい、この女優さんは憑依系ですね。
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『バニー・レークは行方不明』
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- 2009/10/28(Wed) -
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『バニー・レークは行方不明』
最初から終りまで、気味が悪い映画でした。 最初は、保育園内で少女がいなくなったにもかかわらず、 捜索に消極的というか非協力的な保育園側の態度に、 「何か裏があるんじゃないの?」と懐疑的に。 中盤は、勝手に人の家に上がりこんでくる酔っ払いの隣人の登場に、 「なんだこのプライバシー無視の不気味な爺さんは・・・・」と引き気味。 そして終盤は、真犯人がわかったとはいえ、 その度を超えた狂気ぶりに呆然。 1960年代の映画で、 こういう人間の狂気というか、精神のバランスを欠いた人物を描こうとしたのは チャレンジングなことだったのかもしれませんが、 何とも後味の悪い作品でした。 ↓映画作品がAmazonになかったので、原作にて。
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一橋フォーラム21
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- 2009/10/28(Wed) -
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一橋フォーラム21 『ビジネスとしてのスポーツ⑥』(2009年10月27日受講)
今回のテーマは大相撲。 そもそも大相撲はスポーツなのか?という疑問を持っていたのですが、 「大相撲は伝統文化の興業である」というスタンスで講義が行われたので、 大納得の内容でした。 勝ち負けがすべてではなく、 むしろ人間修養、精神修養を謳った精神論の世界であるとすることで、 よくわからなかった大相撲の世界が、 実は非常に合理的な組織運営をなされていたことが理解できました。 とにかく変化・進化を望まず、 現状維持で伝統の名のもとに安定運営を目指す組織。 そのために、競争原理も要らず、親方の指導力も要らず、 透明性も必要最低限のコンプライアンス遵守以外には不要で、 協会発展のために外部からマネジメント力のある人を招聘する必要もない。 八百長は、横綱・大関の地位を安定的に維持するための一つの手法として存在し、 八百長的な取り組みを見抜いたり、さらには予想したりするのが 実は大相撲の醍醐味・・・・・・とまで言うと語弊があるのでしょうけれど。 『ヤバい経済学』の中でも、大相撲の勝ち越しをかけた一番における 八百長の話が出てくるのですが、角界の中でのインセンティブの働き方を押さえれば、 八百長の合理性も理解できるようです。 これは、著作でもっと読み込んでみたいと思うほど、面白い講義でした。
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『ゴミの定理』
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- 2009/10/24(Sat) -
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清水義範 『ゴミの定理』(講談社文庫)、読了。
これは、面白いものとそうでないものの差が激しかったです。 「楽しい家族旅行」などは、 清水作品らしい人生の皮肉が効いてて、面白かったです。 家族って、「家族という枠組み」をしっかりはめようとしないと やっぱりバラバラなんですよねー。 で、親のほうは「枠をはめたい」という意志を基本的には持っていて、 子供のほうは一方的に嫌がるのかというと、「枠をはめてもらっておきたい」という 安心感を求めるようなところもあり、変なバランスの上に家族っているんですよね。 あとは「ガイドの話」なんかは、 「そういうのあるよねー」と納得しながら笑える話でした。 そのほかは、ちょっとエッセイの要素が強かったり、 作品の狙いがちょっと強引だったりして、 全体としては、まぁまぁという感じでしょうか。 ただ、文句を言いつつも買ってしまうのが清水義範であり、 息抜き的にお気楽に読める作家がいるというのも 本読みには大事なことかと思います。
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『Chicken Soup for the Ocean Lover's Soul』
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- 2009/10/23(Fri) -
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『Chicken Soup for the Ocean Lover's Soul』(HCI)
むかしアメリカに出張したとき、 時間つぶしに立ち寄った本屋で買いました。 海にまつわる小話がたくさんつまった一冊です。 英語のお勉強用に、気が向いたら一話ずつという感じで 読み進めてきました。 海というテーマなら興味を持って読めるということと、 無理せずに、読みたいときに読むというスタンスで取り組んだので、 数年かかって読み終わりました。 ちょっと神秘的に過ぎるような過剰な情緒性や 地に足のついていない自然保護の主張に興ざめな気持ちを味わうこともありましたが、 くじけずに最後まで読めて良かったです。 いつか、この程度の本をスラスラと読めるようになりたいものです。
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『哀歌は流れる』
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- 2009/10/23(Fri) -
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高樹のぶ子 『哀歌は流れる』(新潮文庫)、読了。
相当久しぶりの高樹作品です。 お話のキーマンが次の話の主人公になるという形式の連作集。 後ろめたい感覚を秘めながらついた「嘘」に、 嘘をつかれた側が気づく瞬間が、どの話でも転換点になっています。 その「嘘」に気付いた時の対処の仕方が、 みんなさり気なくて、「大人だなぁ・・・」なんて思いを抱いてしまいました。 連作のつながり方も、広がり方も、輪の閉じ方も、 無理のない抑揚のつけかたで、楽しめました。
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