『三億円事件』
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- 2009/07/30(Thu) -
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一橋文哉 『三億円事件』(新潮文庫)、読了。
当時、私はまだ生まれていなかったのですが, 「世紀の大ドロボウ」「誰も傷つけなかった知能犯」という表現で、 三億円事件の話は何度も耳にしました。 そして、何かの犯罪特集の番組で、 「三億円事件のモンタージュは死んだ人間の写真を使った」 という解説を聞いて、さらにホラー的な要素も感じるようになってました。 それほど、同時代性はなくとも、一大事件だったという思いがあります。 その、真相を追ったルポルタージュ。 ビートたけしさん主演でドラマ化されたものを見た記憶があります。 その映像の断片的記憶が残っていたので、 本作を読みながら視覚的にも楽しめました。 とにかく、状況証拠から組み立てた推論の筋の通り方、 各キャラクターの背負っているものの重みと複雑さ、 そして、いくつかの物的証拠という組み合わせが、 非常に面白く、また納得性のある推理となって展開されます。 もう、この3人組で決まりじゃないか!というぐらいに。 初動捜査の不手際なども糾弾されていますが、 犯罪のインパクトの大きさと、当時の社会情勢を思いと、 いくぶん、止む無しなところもあるのかな・・・・・と思ってしまいます。 終盤の、主犯格と思われる男との息詰まる言葉の攻防は 本当に面白かったです。 犯人を知りたいという思いもありながら、 これだけの犯罪をやってのける人物は、 最後まで格好良くいてほしいという願いもあり、 犯人を追い詰めることのできなかった結末を読みながら、 これで良かったのかも・・・・と納得する自分がいました。 一橋文哉は、やっぱり面白い!
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子どもさんかん日
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- 2009/07/30(Thu) -
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『子どもさんかん日』(DVD Disk2 メイキング)
逆誕生日プレゼントだった昨年の舞台のDVD。 本編の方は、すでに一度WOWOWで観ているので、 メイキング映像の方から(笑)。 内×さまファンなら、やっぱりこっちが気になりますよね。 前回の舞台に比べて、7人のキャストからきちんとコメントを撮ったりと、 公平な感じのメイキング映像でした。 野添さん、森本さんはコメントも小慣れている感じでしたが、 蒲生さんも物おじしない感じで、使えるコメントがもらえてましたね。 で、お目当ての芸人3人については、 いつもどおり稽古場から笑い満載で面白かったです。 一つ一つのシーンの編集が、ちょっと短いというか 余白と余韻が足りない感じもしましたが、 その分シーン数は多かったです。 で、一番嬉しかったのは、 打ち上げで三村さんが語った言葉。 人形を身にまとって出オチでとる笑いよりも、 こうやってみようと意欲的に意見交換して工夫した掛け合いで取った笑いの方が 芸人として嬉しいという一言。 これぞ芸人魂です! さまぁ~ずさんは、2人とも、 バカやって、無茶やって、下ネタ言って、稽古は軽~く合わせてという印象を与えますが、 その裏側ではどうやって笑いを取るかということにものすごく真剣で、 どんどん意見のぶつけ合うという姿勢に、いつも感嘆させられます。 内村さんも、そりゃ、刺激になりますわね。 さまぁ~ずの存在は、安心でもあり緊張でもあるんだろうなと思います。 内村さんが、舞台の前半で笑いが取れなかったと悔しがっていましたが、 そこはWOWOWで見た時に、私も感じてました。 人間関係がつかめない状態では、意外と笑えない・・・・・ これは、観ている側としても新発見でした。 きっと、次回の内村作品では(次回の脚本&演出が内村さんに戻れば・・・ですが)、 この反省が活かされていることでしょう。 でも、俳優専業・内村光良も捨てがたいなぁ。
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一橋フォーラム21
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- 2009/07/28(Tue) -
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一橋フォーラム21 『地中海都市の肖像⑩ アレクサンドリア』(2009年7月28日)、受講。
最終講義は地中海の南に回って、アレクサンドリアです。 アレクサンドリアというと、アレクサンダー大王ぐらいしか思い浮かばず、 近現代の様子はサッパリ・・・という有様でしたが、 本日の講義で、世界史におけるこの町の位置づけの概要は理解できました。 ただ、今日の講義は、アレクサンドリアという街そのものの話よりも、 「地中海都市とは何なのか」「地中海とは何なのか」という もうすこし大きな概念で話されたことの方が興味深かったです。 また、アレクサンドリアにちなんだ小説や詩も登場し、 これまでの講義とは毛色の違った解説で、面白かったです。
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イロモ&Q
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- 2009/07/28(Tue) -
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『ザ・イロモネア』(2008年7月19日放送)
今回のイロモネアを見て思ったのは、 やっぱり「旬」というのは大事なんだなぁということ。 当時売れている人が出てくるだけで空気が緩んで、 話題になっているネタを振るぞと思うだけで笑う人がいるんですよね。 タイミングを逃さずに、とにかくヒットしているネタを出していくということが 重要なのだとわかりました。 かといって、第二波をつかみ損ねると一発屋になっちゃうんですけど。 山本高広さんは、織田裕二さんの月9のおかげで 第二波がきそうですね。 長州小力さんは、あまり流行に流されずに、自分のリズムを持っているので 結構好きな芸人さんなんですが、今回は2ndチャレンジ敗退で残念。 キャン×キャンは、あまり売れているという認識がないのですが、 イロモネア以外にもいろいろ出てたんですか?? オードリーは、初出場ながら、ウンナンさんとも堂々とした絡みで(笑)。 ただ、サイレントのようなところで全くウケないのは、 まだまだ芸に厚みが足りないということなんでしょうね。 ゴールドラッシュは、内村さんが審査員からレポーターに。 きっと、あまりに笑うのが早いから、審査員から降ろされたのでしょう・・・・ というのは冗談にしても、もっと若手芸人さんと馴染めるように 「内村レポーター」のポジションが早く浸透することを願います。 そして、いよいよ次回はザ・テルヨシさん登場!! 舞台下では芸人の顔になってましたね。期待大です!!! 『世界の果てまでイッテQ!』(2008年7月20日放送) 海の日SPということで、水中映像満載の1時間。 これは、ダイバーにとっては堪らない企画ですね~ぇ。 まずは、デヴィ夫人と哲郎の天然ブラックパール探し。 天然ものを採集する業者さんが今は居ないという時点で、 採算割れの結果は目に見えているようなものですが、それでも挑戦。 2日間の採集で50個の貝をとって、内2個から真珠が出てきたときには ビックリしましたが、鑑定の結果、小さすぎて値がつかないとのこと。 価値をもたらすまでのものを採ってくるのは、やっぱり難しいんですね。 続いては、金子くんがサーディン・ランを求めて南アへ。 死ぬまでに一度は見てみたいイワシ玉。 あんなきれいな海で、イワシの群れと、それを狙うたくさんの 海の生き物たちを間近で見られるなんて、金子君、なんて羨ましいんだ・・・。 BBCやHNK撮影のいろんな海の映像を見てきましたが、 イワシのボリューム的には小さくても、 あれだけ多種多様な生物が集まってきている映像は、 なかなか珍しいんじゃないかと思います。 そして、ちゃーんと、イワシ釣りに挑戦するのがイッテQ! イワシの群れの中に釣り糸を垂れているのに 釣れたのがサバ20匹というのが、これまたイッテQ! 最後は、イモトさんのワールドツアー開始。 顔を水につけるのが怖いというイモトさん、 特訓の成果か、なんと1日でシュノーケリングができるように。 ガッツだねえ、彼女は。 でも、透明度の高いキレイな海だと、恐怖心が減るという効果はありますよね。 ジュゴンの映像がちょっと雑だったのが残念でしたが、 そこは、トバスイのじゅんいち君でフォローしておきましょうか。 ![]()
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『モルヒネ』
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- 2009/07/27(Mon) -
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安達千夏 『モルヒネ』(祥伝社文庫)、読了。
またまた会社の先輩に貸してもらいました。 「えっ!恋愛小説!?またそんなジャンルを・・・・・」と苦笑しつつ ちょっと積読だったのですが、 いざ読んでみると、恋愛小説というよりは、生と死の小説でした。 一つ一つの文章は、 「なるほどねぇ」「面白い視点だね」と思わせるものがあったのですが、 時々、場面転換が分かりにくいところがあり、小説として読みづらかったです。 敢えて、分りやすい文章の配列を崩して、 まるで倒置法のような、作為的な感じの唐突感のある一文がやってくるんです。 作為的なのか、自然体でそういう文章を書く方なのかは分かりませんが、 もし意図的だとすると、私には合いませんでした。 あと、主人公の周辺をここまで不幸な出来事で固める必要はあるのかねぇ? という疑問もチラホラ。 なんだか、小説3作品分ぐらいの不幸を背負いかつ直面している感のある 主人公の女の子を思うと、このエンディングは消化不良ですね。
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『アマルフィ 女神の報酬』
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- 2009/07/27(Mon) -
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『アマルフィ 女神の報酬』
半年ぶりに映画館に行ってきました。 織田裕二×フジテレビということで、「吉と出るか凶と出るか」という 心積りで観に行きましたが、これは当たりでした。 「フジテレビが本気で『映画』を作ったらこれぐらいできんだよ!」と 言わんばかりの大作でした。 何よりもストーリーが面白く、 それを2時間にきちんとわかりやすく構築できています。 無理な展開が無く、登場人物たちの判断も合理的で、 また、大きく展開が変わる起承「転」結も、ここがポイントだ!と 観ている側にきちんと理解できる作りになってました。 そして、画の方は、オール・イタリア・ロケと銘打っているだけあって、 名所旧跡もばっちり押さえ、アマルフィの街の美しさも伝え、 ちょっとした裏路地に俳優を歩かせて映画の雰囲気作りもバッチリ。 織田裕二も、これぞ名優!というだけの表情、 何より眼の力を持っていて、スクリーンに映えますね。 終盤、外交官としてその行動はまずいんじゃないの?拳銃って・・・・と 思うところもありましたが、まぁ、そこは黒田外交官の業績と 外務省の力とで、何とか上手くフォローしたのでしょう。 (結局、ここも揉み消しか?みたいな) テロリストの動機が「個人の私怨」というところが、 なんとも日本的と言いますか・・・・・ そしてテロ行為の結末も、至って日本的な終わり方ではありましたが、 ある意味、ハリウッド映画と差別化できていいのかもしれませんね(苦笑)。 ところで、観終わってから気づいたのですが、 この映画って、主人公もテロリストも監督も原作者も資本家も みーんな『ホワイトアウト』と同じなんですね。 『ホワイトアウト』も、面白いアクション映画でしたよね。
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『13階段』
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- 2009/07/26(Sun) -
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高野和明 『13階段』(講談社文庫)、読了。
途中でやめられなくなって一気読みです。 後半の真実に近づいていく過程で二転三転するので、いろいろダマされましたー。 2つの事件の関係者が、あまりにも交錯してくるので 「都合よすぎなんじゃないの?」と途中で思ったりもしたのですが、 しかし、よくよく考えてみると、犯罪加害者というのは非常に閉鎖的な社会なんですよね。 『閉鎖病棟』の時にも思いましたが、 一度罪を犯してしまうと、普通の人が生きる社会とは線が引かれて、 その線の向こう側で、同じような境遇の人たちと肩身の狭い思いをしながら生きていく。 本作が単なるミステリーではおさまらず、 「人が人を罰すること」についての非常に大きな問題提起がその根底に流れているので、 読み終わった後も、考えさせられる余韻が残りました。 解説で宮部みゆきさんが 高野氏の言葉を借りながら、フォローにならないフォローをしながら、 映画版の痛烈批判をしていましたが、きっと、問題提起をしながらも、 最後はキレイゴトを並べて適当に処理してしまったんじゃないのかな?と思いました。 観てないので、想像ですけれど。 『亡国のイージス』とかでも、そんな感想を持ったなぁ・・・なんて思いだしました。
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『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』
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- 2009/07/25(Sat) -
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『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』
第1作を見ないまま2作目から見てしまったのですが、 なぜ、あのキレ者弁護士がブリジットと付き合っているのか理解できず・・・・。 確かに、ブリジットは女の子らしいし 一生懸命さが伝わってくるので、とってもキュートなんですが、 あれだけ仕事を邪魔されたら、いい加減キレるでしょうに。 それでも彼女のことを好きな理由は、 1作目を見たら腑に落ちるのでしょうか?? ギャグは結構面白かったので、 ストーリーさえ納得できれば、相当面白い映画になると思うのになぁ。 あと、ヒュー・グラントは、いつものヒューでした。 いい加減、他の役柄を見てみたい。
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『探偵スルース』
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- 2009/07/25(Sat) -
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『探偵スルース』
先にリメイク版の方を観たのですが、 オリジナルのほうが面白く観られました。 登場人物2人の人間性が こちらのほうがリアリティがあるように思います。 エキセントリック度は下がりますけどね。 そして、変装がお見事でした。 小細工を施すことで、顔の雰囲気があんなに変わるものなのか?と驚き。 エンディングに向けての展開も納得でした。 マイケル・ケインは、リメイク版では怪紳士ですが、 オリジナルでは好い男ですね。 俳優としての幅も楽しめました。
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『トヨタ経営語録』
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- 2009/07/25(Sat) -
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小宮和行 『トヨタ経営語録』(PHP文庫)、読了。
目からウロコの言葉がふんだんに盛り込まれているのかと思いきや、 ちょっと拍子抜けしました。 トヨタの経営者たちですから、 的を射る言葉をたくさん発していると思うのですが、 その言葉達の中から、著者が切り取った、その切り取り方が 上手くないような気がしました。 「そこを引用しても、あんまりインパクトが無いんだよなー」 というような印象です。 フリージャーナリストであるこの著者よりも 元秘書さんの方が上手かったかも。
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