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『木瓜の花』
- 2008/11/29(Sat) -
有吉佐和子 『木瓜の花』(新潮文庫)、読了。

『芝桜』という作品の続編だったようなのですが、
そうとは知らず、本作から先に読んでしまいました。

花柳界出身の割烹旅館の女将・正子と
大きなビルを建設し料亭やバーを経営する蔦代。
この2人の生き方を正子視点で描いているのですが、
最初は、蔦代の強烈なキャラクターに困惑してしまいました。

一会話前に発した言葉と正反対の言葉をさらっと言ってのける。
病的な印象を受けるほど、のらりくらりとしゃべり倒します。
しかし、次第に、それは各人が発する一言一言を的確に受け止め、
見事なまでに臨機応変に対応していく蔦代の能力の表れなのだと気づきました。

ある意味、とても頭のいい人です。
第三者から見た言葉や態度の信頼性はゼロに等しいかもしれませんが、
蔦代の中では、すべて筋が通っていて、何の間違いもないように処理されています。

こんな強女に翻弄され続ける正子ですが、
こちらも、要所要所は腹を括る強さがあって、なかなかの人物です。

こんなに世の中の動きに無知な女将で割烹料亭として繁盛するのかなぁ?
という疑問が無いでもありませんでしたが、
読み応えのある作品でした。


木瓜の花 (新潮文庫 あ 5-16)
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star「香華」にはない老境。
star美しい売れっ子芸者達の老後

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お引越し
- 2008/11/29(Sat) -
勤め先の都合で、急遽引っ越しを行うは羽目になりました。

会社の借上マンションに住んでいたのですが、
なんだか契約更新手続きで揉めたらしく、
ある日、総務部から「なるべく早く引越ししてもらえませんか・・・・・」とお達しが。

「そんなんありかいな?!」とは思いましたが、
ただの使用人は弱者ですので、言われるがままにお引越し。

てなわけで、ADSL回線敷設工事の手配もままならず、
ただいま自宅でネットができません ((+_+))
ただいまネットカフェから書いてます。

ゴミ収集のルールとか、
区役所の場所だとか、
乗り換え駅だとか、
各種のちょっとした調べものができなくて、ほんと困ってます。

テレビ、冷蔵庫、洗濯機が使えないことよりも、
インターネットが使えないのが最も痛いかも。

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『Close to You』
- 2008/11/22(Sat) -
柴田よしき 『Close to You』(文春文庫)、読了。

いろんな本読みさんBlogで取り上げられていた作品だったので、
期待して読み始めたのですが、私には合いませんでした。

そもそも事件の動機と犯人像にリアリティが無いし、
複数の事件が一度に起こり過ぎだろうという思いもあるのですが、
何よりも、主人公が魅力的ではありませんでした。

なにをするにも中途半端というか、
この人を特徴づける何かが無いと言いますか・・・・・。

まぁ、「頭でっかちな一介のサラリーマン」という主人公を置いてこそ
この物語の意味が生まれるのでしょうけれど、
意志は弱いわ、環境に流されるわ、観察力はないわ、
危機的状況なのに女性にはすぐふらふらするわで、
なかなか応援する気になれないのです。

主人公夫婦の間の「想いのすれ違い」というのも、
なんだか最後まで違和感があったなぁ・・・・。

一か所、「鮎美」が「鮎身」と誤植があったのには笑いました。


Close to You (文春文庫)
Close to You (文春文庫)柴田 よしき

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stars単純に出来が悪い。
stars大人になるという事
starsそれはないだろう
stars思わぬところに潜む恨みの怖さ
stars夫婦のあり方

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『インドで考えたこと』
- 2008/11/19(Wed) -
堀田善衛 『インドで考えたこと』(岩波新書)、読了。

インドというのは、やっぱり独特な世界、異世界なのでしょうね。

あまりの異世界ぶりに
反射されて日本のことや自分の内面を見つめることになってしまうのでしょう。

そして、「社会主義」という言葉が何度も出てくるのには
時代と場所を考えさせられます。

そんなインドでの描写を楽しみながら、
もう一つ感じたのは、堀田先生の書く文章の洒脱さ。

50年前の作品で、これだけ肩に力の入らない文章を書き、
読む側を楽しませてくれるとは。

なおかつ読んでいる側に考えさせるという力を持っている。

面白い一冊でした。


インドで考えたこと
インドで考えたこと堀田 善衞

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starインドで考える
starインドでは、考えさせられる何かに出会えるらしい。
starアジアのつながりを感じます

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ニッポンのウラ
- 2008/11/19(Wed) -
『博士も知らないニッポンのウラ #39』

今回は地球温暖化がテーマだということで久々に視聴。

前半は、気象学の考え方を中心に、CO2が地球気温に与える影響は、
現在問題視されているような大きさではないという論。
たしかに、H2Oのほうが、大気中における量は大きいですし、
実際に 水蒸気 → 雲 → 雨 → 海 というサイクルで
大きな影響を与えていますしね。
なるほどぉ・・・・・。

中盤は、地球気温には宇宙線が影響しているとの論。
この考え方は知らなかったので、なかなかおもしろかったです。
ただ、地震、火山噴火などの地球規模の現象も
宇宙線がトリガーとなっている・・・・・と言われると、想像が追い付いていきません。
私には、新発見なのかとんでも学者なのかが判断付きません。

そして、後半はCO2排出議論は政治プロパガンダとする論。
EUと米国が、エネルギー資源確保のために
CO2排出削減を推し進めているのだ、という類の議論は、
ひねくれ者の私は大好きです(苦笑)。

どこまで真実なのかは分かりませんが、
「こういう見方もできるんだ」ということを知っているのは大事かなと思います。

いずれにしろ、私は、感覚的に、
「地球はそんな軟弱じゃない」と思っているので、
人間が工業化を無暗に進めても、頑張ってCO2削減に努めても、
地球自身は上手くバランスを取って滅びることはないように思います。
その過程で人間は滅びるかもしれないけどね。


「地球温暖化」論に騙されるな!
「地球温暖化」論に騙されるな!丸山 茂徳

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stars10年たったらどちらが正しかったか分かる・・同感です
stars深い思索と示唆に富むやや冒険的な反温暖化説
stars二酸化炭素犯人説に対する警鐘
starsでたらめな論理
stars斬新な説ですが・・・、4割引で読みましょう

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偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))
偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))武田 邦彦

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stars常識を疑う目を持ち、正しい情報を選択しましょう
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内さま
- 2008/11/18(Tue) -
『内村さまぁ~ず #50』

記念すべき第50回は夢の回な感じでしたね(苦笑)。

「若手との壁崩壊記念日」企画は、
見事に出演した若手さんたち解散しているようですね。
なかなか大変な世界です。

今回も、かなりシュールというか突飛な芸人さん達が多かったですが、
その中で、関あっしさんは、場慣れしている落ち着いた印象でしたね。
「耳が聞こえにくい」という致命的なハンディを背負いながらも(笑)。

そして、内村さんが若手によく声をかけるというのも垣間見れました。
「1回会ったよね」なんて、先輩の方から言ってもらえたら嬉しいでしょうねぇ。

さて、本題の企画の方は、なぜかソフトボールの練習へ。
このあたりが夢の入口でしょうか???

ユニフォームに着替えた若手君たちは見分けがつかなくなっちゃいますが、
内さまのオジサン3人も華が無い!
どよ~んとした画でした(苦笑)。

出川さん、無理難題な司会進行を押し付けられていますが、
かなり頑張っていたと思います。

でも、ぐじゃぐじゃ。

皆さん、笑いを生むポイントが見つけづらそうでしたね。

ま、たまにはスポーツやって、リフレッシュしなきゃね。

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『重力ピエロ』
- 2008/11/17(Mon) -
伊坂幸太郎 『重力ピエロ』(新潮文庫)、読了。

500ページ近い作品でしたが、
和泉と春の兄弟の会話、さらには父との会話にハマって
一気読みでした。

春という特異な人物を、
(出生が特異なだけではなく、論理構造も得意なキャラクターですが)
兄の和泉と父が、それぞれの立場で見事な呼吸で受け止めていて、
何とも言えない「これしかない!」というぐらいの
3人の絶妙な関係が出来上がっています。

この関係を作ったのは、父の力が大きいんでしょうね。

決して、深刻に思いをぶつけ合うのではなく、
あくまで洒脱に軽妙にやりとりする会話にノックアウトです。

事件の真相は、フツーに読んでいけば途中で見えてくるぐらい
単純明快なものなのでしょうけれど、
会話の渦にハマってしまった私は、
真相告白の直前まで気付いていませんでした。
というか、たぶん、
自分の中で真相解決はどーでもよくなっていたのだと思います。

とにかく、3人の関係を楽しみたい!
そして、その期待に十分応えてくれる作品でした。


重力ピエロ (新潮文庫)
重力ピエロ (新潮文庫)伊坂 幸太郎

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ジャン=リュック・ゴダール 映画史 全8章 BOX
ジャン=リュック・ゴダール 映画史 全8章 BOXジャン・リュック・ゴダール, ジャン・コクトー, ジュリエット・ビノシュ, 浅田彰

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stars「映画史」に疲れたら...
starsシネマ小宇宙の幼年期
stars映画史を超えた映像史 ゴダールの真意は?
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走れメロス (新潮文庫)
走れメロス (新潮文庫)太宰 治

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stars「走れメロス」小論――あるいは、トリックスターとしてのメロス
starsぜひ、『ダス・ゲマイネ』を。
starsいろいろ読んでみたくなった
stars「走れメロス」
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イッテQ
- 2008/11/17(Mon) -
『世界の果てまでイッテQ』(2007年7月15日放送)
「雨乞いで雨は降るの?」は、お天気小話好きにはたまらない企画でした。
晴天の中、40分で雨を降らせたのも凄いのですが、
その原理を説明できる気象学もサスガ!
そして、定点カメラで雲の湧く様子を見せてくれるところも◎
でも、何よりも素晴らしいのは、
科学知識が無い状況で、この雨乞いの儀式を完成させた人々の叡智。
様々な環境要因が重なって生まれる雨を呼び寄せる術を見つけ出したのは
本当に凄いことだと思います。
あと、こんな僻村にマイク設備があったことも驚き(苦笑)。
後半は、「世界一きれいな海は?」。
『イッテQ』って、けっこう海好きですよね。
それにしても、透明度50mの海、100mの地下水脈は素晴らしかったです。
あの明るい青は、なかなか経験できないですよー。
でも、たぶん、私は地下水脈、ダメかも。
頭上が塞がれているの、息苦しく感じちゃうんですよね。
洞窟とか、沈船とか、ナイトも闇に覆われてて苦手・・・・・。
それに、きれいな水もいいけど、栄養がなくて生物少ないんですよね。
それを思うと、やっぱり私には伊豆がベストかな。


『世界の果てまでイッテQ』(2007年7月22日放送)
今回は夏休み企画「無人島生活」一本です。
あくまで、子供たちと無人島生活ということで、
ムチャせずに、いろいろ道具&サバイバル知識を持って行ってます。
なので、悲壮感はゼロ。
ペットボトルとか使いすぎじゃない?と思うところもありましたが、
理科の実験みたいで見てて面白かったです。
そして、ベッキーは子供あしらいが上手いんだな。
ちゃーんと原理を説明して、子供たちに理解させてます。
子供たちも良い子揃いで、みんな学んで成長してましたね。
そして、中でもケイタ、良い子だよー(イチ押しですな)。
スタジオでは、内村さんの手越君いじりがありましたね。
このあたりから、手越君とも絡めるようになってきたんですかね?
(時間かかり過ぎだろ!というツッコミは無しにして・・・・・)
ベッキーとは、いつもどおりナイスコンビネーション。
楽屋でのネタ振り、短い時間で笑いをまぶして、良い出来でした。
なんせ、「野草を食べる」の言い方がツボ。

さーて、次は『27時間TV』だ!
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日本語王&イッテQ
- 2008/11/16(Sun) -
『クイズ日本語王 '07夏の全国国語力選手権SP』(2007年7月4日放送)
間が空いてしまいましたが、ビデオ消化再開です。
日本語王は、やっぱり回答者の数がこのくらいの方が良いですね。
アジアのトミーこと梅沢さんとの掛け合いも面白いし。
何気にゆうこりんとも相性いいし。
惜しむらくは竹内アナをもっと上手く使ってほしいところですね。
ウンナンさんと竹内アナとのやりとりが希薄なのが残念です。
さて内容ですが、さかな君を講師に招いてのお魚講座は
ダイバーとしてはやっぱり面白かったですね。
哲ちゃんがいきなりアジ7匹を釣り上げてしまう海、潜ってみたいよー。
素晴らしいアジの群れが居たんでしょうね。
さかな君から溢れ出るお魚知識、一個一個が勉強になりました。
日本語クイズとはあんまり関係のない動物園&水族館巡りも面白かったです。
トバスイ、出てこなくて残念。二見シーパラのゆみこちゃんが出たけどね。
クワバタオバラの高千穂リポートも面白かったです。
宗教を超えた神聖さ、畏怖を感じる場所ですね。
日本の神様の歴史も、いつかちゃんと勉強したいものです。


『世界の果てまでイッテQ』(2007年7月8日放送)
「ガムの起源を辿る」では、ガムのネバネバの原料、チクロ採集へ。
農園化されているのではなく、ジャングルの中の木から採るという
原始的なシステムに驚きました。
30人で年間9トン産出とはお見事です。
まぁ、天然チクロではなく代替品の化学物質で作られたガムもあると
注釈が入っていましたけれども。
そして、帰国後、ロッテの研究所で手作りのガム作りに挑戦してましたが、
イチゴ味エキス、香料、色素、そしてたっぷりの水飴と砂糖・・・。
うーん不健康そうな食べ物であることを再確認してしまいました。
あと、ケイタ君、弱音を吐かずに常に前向き、良い子ですね。
後半は、インパルスが韓国で噴水乗りに挑戦。
なんだか、韓国でやらなくても良いぐらい、
思いっきりこの企画用のセットが組まれてます(苦笑)。
それにしても大がかりなセットの割に、
安全性に疑問の湧く造りで、笑わせてもらいました。
堤下さん、結構、この番組で体張ってますよね。

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『お天気の科学』
- 2008/11/15(Sat) -
小倉義光 『お天気の科学』(森北出版)、再読。

またもや、忘れた頃にお天気本です。

気象学のテキストというよりも、
一般向けに描かれたお天気啓蒙書のような感じです。

そのため、勉強には少々物足りない、一方、読み物としては固すぎる、
ということで、毎日数ページずつ、流し読み程度になってしまいました。
こんなんで頭に残ってんだか・・・・。

そろそろ真面目に試験勉強始めましょうかね。


お天気の科学―気象災害から身を守るために
お天気の科学―気象災害から身を守るために小倉 義光

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