『マークスの山』
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- 2008/08/29(Fri) -
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高村薫 『マークスの山』(講談社文庫)、読了。
1年半ぶりの高村作品。 毎日、仕事を早々に切り上げ、一気に読み通しました。 最初、精神面で障害のある人物の内面描写が続くので、 読むのに忍耐を要しました。 人間の狂気が顕わになっている状況は、ちょっと苦手な分野なのです。 しかし、事件が動き出し、 合田警部補の視点で物語が語られるようになってからは、 もう、次の展開が知りたくて堪らないという思いに突き動かされるようになりました。 どうやって真相に近づいて行くのか、その一歩一歩から目が離せません。 動機の面がはっきりしないため、 ミステリーとして捉えると苦しいところもあるのですが、 合田警部補をはじめとする捜査員の苦闘、 そしてマークスが関わってきた人たちが持つ悲劇、 この2つを緻密に書き込む筆致が、作品の迫力になっています。 マークスが関わったから悲劇が訪れたのではなく、 悲劇の中に生きていたからマークスとの関わりが出来てしまった人たち。 そう思うと、人生とは残酷なものです。
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スタッフパス
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- 2008/08/29(Fri) -
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郵便受けに怪しげな白い封筒を発見。
なんだこれ? と思い手にとると、なんと『ハンブン東京』のスタッフパス! 抽選に当たった模様。 ハガキを出したことさえ忘れてました(苦笑)。 記念に飾っておきます。 「作 内村光良 内村宏幸」 「演出 内村光良」 やっぱ、いいよねー。 ところで、今日も東京は雷ですね。 ビカビカ、ドゴゴゴーンと、先ほどから凄まじい勢いです。 空気が揺れてます。 が、私は、恐怖よりも、「稲光、美しいなぁ」と見入ってしまいます。 自然って、凄い!!
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『イタリア的、恋愛マニュアル』
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- 2008/08/28(Thu) -
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『イタリア的、恋愛マニュアル』
出だし、23歳・無職・運無し男の行動があまりにキモくてドン引き。 サブキャラ達が小気味よい会話を放つので笑えるのですが、 あまりにトンマーゾのストーカーぶりが激しくて、 「なんでこんな男に惹かれるんだー!?イタリアって不思議??」 と耐え忍びながら観ていたら、なんとオムニバス形式! 2話目からは文句なしに面白かったです。 会話の妙と言いましょうか、イタリア的表情豊かな応酬と言いましょうか。 2話目はオヤジがいい味出してます。 「あなたは何でも否定的に受け取る」という奥さまの言葉が的を射ています。 でも、このブチブチ文句が面白いんだな。 そして、3話目は婦警さんのキャラが、これまた良いんだわ。 本作は、イタリアの俳優さんということで一人も知らなかったのですが、 一番気になった女優さんです。 怖い顔と笑顔のギャップが良いんだな。 4話目は奥さんに逃げられた小児科の先生のお話。 一番コメディ・コメディしてましたが、 一番ハートウォーミングな幕切れでした。 物語に不思議なムードを添えた女の子も気になりました。
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『アルゼンチンババア』
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- 2008/08/25(Mon) -
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『アルゼンチンババア』
あんまり期待せずに観始めたのですが、 思いの外面白かったです。 もしも、みつこの立場に居たら絶望的な状況なのですが、 ふわっとした笑いをまぶして、 なぜかほのぼの系の空気にしてしまえるところ、 この監督さんの感性が私に合うみたいです。 ストーリーは、たぶん、頭で理解しようとしてもダメなんでしょう。 普通なら、あり得ないシチュエーション。 でも、この街&人々の空気の中でなら、ありかな?なんて。 何といっても、キャストが良かったですね。 鈴木京香さん、役所広司さんは安定株として、 堀北真希さんも演技派ですね(若い女優さんってよく知らないもので・・・苦笑)。 岸部一徳さん、菅原大吉さんといった脇役の面々が配役バッチリ。 そして、森下愛子さん、実は大好きです。 あの、何歳だかよくわからないところなんて、素敵(笑)。 また、森下さんの息子役の小林祐吉さん、 新人さんとこのとでしたが、作品の空気に馴染んでました。注目株かも。 手塚理美さんは、最後まで気付かなかったです。ごめんなさい。 あと、この映画は画が良かったです。 アルゼンチン遺跡の上に広がる夏の青空が最高に美しい! その青と対比される緑の原っぱ。 また、黄色がかった画面も独特の雰囲気を醸し出していました。 久々に満足度の高い邦画に出会えました。
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内PSP
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- 2008/08/25(Mon) -
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『内PSP 箱根大新年会&愛すべき研究者達』(2007年1月3日放送)
このSPを見ると、「あぁ年が明けたなぁ」と実感できます。 さまぁ~ずさんは、裏番組があった模様で途中出場ですが、 2人が居なくても、オープニングの出演者紹介から、モロ内Pモードです。 テッチャンは挨拶からボケボケ。ゴルさんのおめでた新ネタも見て、 インパルスは年が変わってもぶさいくネタ押し(笑)。 猫男爵は何やっても好きです。満面の笑みが良いね。 初登場の若井おさむさん、初見でしたが、声似てますねー。 ただ、残念ながら、内村さんはガンダム知らないんだなぁ。 (でも、この人の場合、エヴァみたいに変な時期に急にハマるという現象もあるけど) そして、最後はふかわさん。あまりの酷さに新人扱い(苦笑)。 さらに、新年早々、公開ダメ出し。 そんなことやってちゃ、内村さんとの距離が、ガァーーーーッと空いちゃいますよ! さて、OPの次は、急に転調して「内村ノーベル」という新企画。 まぁ、さまぁ~ず対策でしょうけれど、 「内Pが全て!」というファンには噴飯物だったでしょうね。 あのOPの次にこれをもってこられちゃ、詐欺みたいに感じますわな。 でも、私は、これはこれで楽しめました。 だって、ゲストが超豪華!! アラマタ先生に茂木先生に室井先生に堀井さん(←このヒト、センセイじゃないよね?)。 茂木健一郎先生って、バラエティ出るんだ?!と超びっくり。 ヤッホー研究家並のキャラの立った人を揃えられたらベストだったのですが、 ゲストの豪華さに比べて、研究者側が地味だったですね。 内Pとは離れて、番組化してほしい企画でした。 もちろん、内村さんのツッコミ、ゲスト陣に臆せず、良かったですよ。 さて、本題の内P。 すでに箱根小涌園の大広間での大喜利でスタート。 アムロのおかげでモノマネ大会へ突入。 でも、アムロ・レイじゃなくて、土井孝子さんがいっぱい居ました(爆笑)。 この連係プレーが内pの醍醐味です。 そして、ワンコーナー終わったところで、急遽ドラマタッチに。 なんと「ふかわりょう湯けむり殺人事件」が勃発!! くだらな~ぃ。 しかも、内村&磯山のMCコンビ以外の演者は この展開を知らされていなかった模様。 でも、内村さん、刑事&女将といっしょに、どんどんドラマを進めていきます。 いいよ、この置いてきぼり感!まさに内P!! でも、やることは、いつもの内Pのコーナー。 日常と非日常の絶妙なバランス。 今回の内Pの企画構成力はレベル高いですね。 こんなドサクサの中で「何か踏んじゃってますよ」の爆笑テロップを挟みつつ、 「ふんばって~、かんばってるよ~、わかってよ~(外国人風)」という 高レベルな回答も続出。テンポ良かったなー。 で、最後は、やはり「だるまさんが転んだ大会」。 もう殺人事件そっちのけ。 ふかわさんも幽霊で復活(なんじゃそりゃ?)。 OP以来初の見せ場でまたもや内村Pのダメ出しをくらってましたが(笑)。 猫男爵のスタートダッシュ、タケちゃんのV字バランス、 そして玉職人の復活と、息をつかせない面白さ。 最後、急にまた犯人探しに戻って、三村さん逮捕での幕切れ。 もー、1時間半が早かったです。 |
『元禄畳奉行の日記』
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- 2008/08/24(Sun) -
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神坂次郎 『元禄畳奉行の日記』(中公新書)、読了。
太平楽な江戸の時代に生きた尾張藩の下級武士の日記帳。 まー、特にかく記録魔、メモ魔です。 芝居を観た、釣りに行った、何を食べた、誰と飲んだ、どこぞで遊んだ、 逐一日記に記録しています。 なのに、自分の仕事についての記載は微々たるもの(苦笑)。 そして、どこぞの武士がどういうヘマをした、 誰が誰と密通している、その結果刃傷沙汰になった、など 他人様のことも書きまくり。 これだけ様々なことに興味を持ち、 かつひとつひとつ記録をしていくだけの体力があるというのは、 ある意味一つの才能です。 磔の刑の費用まで記録しているとは、 恐るべし文左衛門。
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『魔笛』
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- 2008/08/24(Sun) -
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『魔笛』
私が生涯で唯一観たことのあるオペラが『魔笛』です。 「『魔笛』なら子供でも楽しめる」ということで 中学生のときモーツァルト大好きの祖父に連れて行ってもらいました。 で、本作は、その映画版。 第一次世界大戦の時代に舞台を移しての『魔笛』ですが、 あんまりその設定が生きていたようには思えませんでした。 どうにもこうにも気になったのが、演出のチープさ。 CGもイマイチしっくりこず、一昔前の技術レベルといった印象ですし、 カメラワークもなんだか素人っぽい。 せっかく映画にするんだから、 もっと広さと動きを使って雄大な世界観を作ればいいのに・・・・・と残念です。 結局、楽しめたのは楽曲と歌手の素晴らしさ、 つまりは、モーツァルトとオペラの素晴らしさということ。 夜の女王のアリアは、最高でした。 でも、最も演出にガッカリしたのも夜の女王のシーン。 なぜ口のアップなんだ(怒)!
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『百万人の天気教室』
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- 2008/08/24(Sun) -
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白木正規 『百万人の天気教室』(成山堂書店)、再読。
ちまちま続けているお天気のお勉強。 2か月かけて読んでました。 『一般気象学』と比べて、より入門書に近くなっています。 「お天気とは」「予報とは」というポイントに絞ってあるので 理解しやすい一冊です。 気象予報もまだまだ進歩の過程にあるため、 気象庁が使っているモデルの変更や予報発表のルール変更など 現在進行形で起こっているので、 キャッチアップは大変ですが、それだけ、古くても「今」の分野なのだと思います。 まだ、試験勉強を始める気にはなれないので、 しばらくお天気読み物を当たってみます。
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『私立探偵ストレイチー』
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- 2008/08/24(Sun) -
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『私立探偵ストレイチー 偽りのセラピー』
ゲイの探偵が主人公のハードボイルド作品。 ゲイという世界を前面に押し出しているのは異色です。 どうやらシリーズものだったようで、話のスタート地点が見えなかったのですが、 前作で大きな事件を解決して、主人公はゲイであることが世間に知られているようです。 謎解きとしては大して新鮮味もなく ラッキーな展開が多いので、ご都合主義な感じですが、 同性愛問題を真正面から取り上げていて、 社会で生きていく上での制約や周囲からの差別といったものが フィクションではありますが、伝わってきました。 なかなか考えさせられる作品でした。
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