『イン・ザ・プール』
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- 2008/01/29(Tue) -
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奥田英朗 『イン・ザ・プール』(文春文庫)、読了。
やっと見つけた!!と喜び勇んで読み始めたものの、 期待しすぎたのでしょうか? あんまり読後の実感が湧きませんでした。 軽いタッチで読みやすく、 患者の症状も今の時代を捉えた社会性のある問題ばかり、 そして、患者が症状から脱するのは、伊良部の治療が直接的に効くのではなく 患者自身が何かに気づくというスタイルをとっていて、 すっきり爽やか面白小説のはずなのですが、 なんだかしっくりとこないところがありました。 とんでも医の伊良部に対して不信感丸出しにも関わらず とりあえず伊良部のもとに通ってしまう患者という設定が ワンパターンだったからでしょうか? イマイチ楽しみ切れなかったのは残念でしたが、 軽い気持ちで読むには面白かったと思います。
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『されどわれらが日々』
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- 2008/01/29(Tue) -
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柴田翔 『されどわれらが日々』(文春文庫)、読了。
学生運動の頃を舞台にした作品は、 結構はまって読めることが多いのですが、本作はダメでした。 何よりも、文章が重い・・・。 そして世界観も重い・・・。 学生運動に青春を捧げた若者たちの輝きというものが感じられず、 とにかく鬱な空気が流れているので、 読んでいてめげてしまいます。 しんどい一冊でした。
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内村プロジェクト
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- 2008/01/28(Mon) -
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『内村プロジェクト』(2005年10月23日放送)
内Pレギュラー放送終了後の初SP、『内村プロジェクト』略して「内P」。 懲りない人々だわ・・・・・とっても安心感。 さて、初回放送のはずなのに、「いつものお寺の前」でのオープニング。 秘書を紹介して、早速、会社へご出勤。 会社は、「いつもの」ふかわさん家です。しかも、ギャラリー付。 「いつもどおり」やりたい放題(笑)。 まず最初の依頼がFAX着信(ここまではフツーの会社仕様でしたね、ここまでは・・・)。 教習所でマイカータイムトライアルです。 内村家のアウディ登場、さすがの高級車。嫁さん渋ーい選択眼です。 三村さん、大竹さん、ゴルゴさんの車も、黒づくめで高級っぽいです。 三村さんのなんて、ドッキリ車で見慣れてるはずなのに、 あの並びで観るとやっぱり高級車然としてますね。 さて、やっぱり高級車すぎるのでしょうか? みなさんギャーギャー言いながらも運転はマイルド。 お笑い点からすろとちょっと物足りないような・・・・・。 でも、そのモヤモヤ感を一気に吹き飛ばしてくれたのは三村さん!! ビートルのバンパーが半端無くえらいことになってます(爆笑)。 ふかわさん、いじられキャラ健在!お疲れ様です!!! 次の依頼は、伝書鳩にて。この鳩の舞い込みぶり、見事でした。 鉄板焼き屋さん(という呼び方が似合わない高級店でしたが)の助っ人野郎。 この企画、客前よりも厨房のほうが面白いと思うんですよね。 やりたい放題できるから。 今回、モロ客前の鉄板焼きでしたので、むちゃぶりが手加減されていて残念。 続いて、真っ黒い犬の乱入による依頼は宇宙飛行士会見代行。 ほんと企画に脈略が無いです(苦笑)。 これは、先日、向井千秋さんの宇宙飛行舞台裏を読んでいたのでタイムリー。 でも、仕込みの記者さん達が、自分たちの役割に没頭してて、 会見での回答に「へぇ~」「ほぉ~」と大きくうなずくので、 笑いが起こりにくい空気になってたのが残念。 内村さんの笑い声しか聞こえてきませんでした。 劇団プロデョーヌの公演発表バトロワ会見なんて、良い空気だったんですがねぇ。 最後の依頼は、猫男爵が泡まみれで登場。 この人も嬉しいことに全く変わりませんね。 最後は早朝大運動会。朝6:30からダッシュとは、ご苦労様です。 ここは、なんだかイイトコ無しの内村さんの衰えを強調するかのようなコーナーに。 でも流石に出川さんは安定したサンプル芸人ぶりを見せてくれます。 土田さんへの怒号締めも健在で (無粋な教育者とかからクレーム来ないかいつもヒヤヒヤするのですが) どこまでも内Pな内村プロジェクトでした。 また、この春にSPあるようなので、楽しみです。
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内村さまぁ~ず
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- 2008/01/27(Sun) -
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『内村さまぁ~ず #30』
#29を見逃しているので、有料配信が始まったら見なきゃいけないですね。 さて、1回飛ばしての30回は、「鍋の可能性を探る」。 グダグダ企画見え見えの状況に、MCはぐだぐだアンガールズ。 「内さま」ならではの構成というところでしょうか(苦笑)。 前半の鳥鍋、海鮮鍋は、美味しそうでしたねー。 「伊勢海老大暴れの図」は、内Pの助っ人野郎を思い出しました。 あの時は、タイミングと言い、勢いと言い、リアクションと言い、最高でしたね。 でも、男5人の「おぉ~っ!」という野太いリアクションでは不足感がありますね。 徳ちゃんの「キャーッ!」という悲鳴で面白さ倍増だったんだぁなと再認識。 そして、内村さんの辛子蓮根事件。 こりゃもう、好き嫌いの次元ではなく、トラウマ化してるみたいですね。 ちょっと笑えないレベルでの拒否っぷりでした。 過去の企画って「ありやん」でしたっけ? スタッフも内村さんの心の傷を甘く見てたかな。 さて、問題の後半に入るところで、MCアンガがケツカッチンの途中退席。 やることなすこと中途半端も、ここまでくると流石です。 で、オジサン3人で食すことになったどう見ても不適な食物たち。 我が強い食品は、鍋には合わないですよね~。 見てるこっちもダークな気分に・・・・・・。 このあたりは、テンションが下がってく御三方に対する 張り切ったテロップ&SEが面白かったです。 「タイムサスペンス」な鍋とか、干し柿がダイブする音とか。 そして、何気に三村さんの「おれのミカンは!?」発言がツボ。 やっぱり、鍋は美味しく楽しくが基本ですね。 |
『君について行こう』
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- 2008/01/26(Sat) -
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向井万起男 『君について行こう』(講談社+α文庫)、読了。
先日、ものすごい向井万起男先生ファンの方と知り合いまして(笑)、 ブックオフで先生の著作を見つけたので読んでみました。 奥様である向井千秋さんが最初の宇宙飛行に飛び立つまでの日々を描いた本作。 宇宙飛行士秘話でもあるとともに奇妙奇天烈な夫婦のお話でもあります。 千秋さんのバイタリティ溢れる行動力を語った部分では、 夢を強く念じること、そのために努力を惜しまないことの重要さを 改めて思い知らされました。 また、千秋さんのモノの考え方というものが、独特で非常に面白い。 でも、宇宙に行くには、自分の考え方について これくらい確固としたものを持っていないと無理なんだろうなぁと実感。 一方で、「チアキちゃん」「マキオちゃん」の夫婦の会話は 読んでいて少しまどろっこしいような。 いい年して・・・・と感じてしまうと、急速に気持ちが褪めてしまうかも。 あと、著者が意外と「男とは」「女とは」という言い方をするのには驚き。 ご自身もそこは自覚があって、奥様が悲しがっていることも理解しているけれど、 そう思ってしまうところは素直に本に書いてしまう・・・・・ 正直なんだなぁと感じるとともに、人間、本音の部分はなかなか変わらないのね という発見でもありました。 そして、どうでもいいことですが、 著者紹介欄の顔写真、もちっと明るい表情の写真にすればいいのに・・・・・・・。
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『ぼっけえ、きょうてえ』
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- 2008/01/23(Wed) -
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岩井志麻子 『ぼっけえ、きょうてえ』(角川ホラー文庫)、読了。
あんまり怖い話は好まないのですが、方言モノと知り、挑戦してみました。 全編岡山弁による語りかけ。 語られている内容は非常に怖いのですが、語り口はとても優しくマイルド。 この心地よさが、方言作品の魅力です。 自分の出身地のせいもあるのでしょうけれど、 本作の岡山弁といい、有吉佐和子作品の紀州弁といい、 西の言葉の語り口が大好きです。 さて、内容ですが、いずれも霊・怨・念が底辺を伝わっていく おどろおどろしい作品が揃ってます。 「黒いもの」が登場する際の気配の振り撒き方が、どの作品も同じような表現だったので、 そこはもっとバリエーションが欲しいなと感じてしまったのですが、 反対に「来るぞ、来るぞ」というゾクゾク感がありました。 農村・漁村の世界は、牧歌的でもありながら、 閉鎖性からくる後ろ暗さみたいなものも感じさせるので、 ホラーの舞台として独特の恐ろしさを醸し出しますね。
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一橋フォーラム21
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- 2008/01/22(Tue) -
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一橋フォーラム21 『日本絵画の精華』①(2008年1月22日)、受講。
昨年暮れのフォーラムは、遅刻&欠席続きの劣等生でした。 (blogでの報告も途中で止まってるし・・・・・) 年も改まって心機一転、今度こそ、頑張って出席するぞ! 今回のテーマは「日本絵画」です。 全10回のうち、1回まるまる若冲にあてられていることもあり、 是非とも聴講したいシリーズです。 初回の本日は、「美術史とは」というところから始まり、日本美術史の成り立ち、 そして岡倉天心の枠組みを基に日本美術史の基本構成を学びました。 ただ、美術作品の良さを学ぶのではなく、 「なぜその作品は生まれたのか」「なぜその画風が一世を風靡したのか」といった 作品が誕生するまでの歴史背景を知ることが出そうで、 これからの2ヶ月間が非常に楽しみです。
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『乱調文学大辞典』
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- 2008/01/22(Tue) -
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筒井康隆 『乱調文学大辞典』(講談社文庫)、読了。
ビアスの『悪魔の辞典』を読んでみたくて、古本屋でずっと探しているのですが、 なかなか100円では売ってません。 というわけで、筒井作品をば。 有名作家がわんさか登場するのが筒井作品のオリジナリティ。 田中小実昌さん、おいしいなぁ・・・・・。 そして、【注釈】の項目で、 「これを読まなきゃわからないやつは、読んだってわからない」に納得! 最近の古典は、無意味な注釈ばかり増えて、本文を邪魔してる!!
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『川の深さは』
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- 2008/01/20(Sun) -
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福井晴敏 『川の深さは』(講談社文庫)、読了。
ずーっと読んでみたかった福井作品。 でも、大作が多いので、挑戦するのに腰が引けてました。 やっと読んだのはデビュー作であり問題作とされる本作です。 地下鉄サリン事件を彷彿とさせる宗教団体によるテロ事件をきっかけに、 これだけのストーリーを組める才能に驚愕。 各分野のプロフェッショナルであり、誰よりも自分を律する力を持っている保や涼子が 桃山やテイワと接した瞬間、その堅固な使命に動揺を来してしまうところは 都合がいい展開かな?と思わないところが無いわけではないですが、 しかし、しかし、文章の迫力と重みで力づくで納得させられてしまいます。 途中、本作のテーマに関しての著者の熱が溢れ出ていて 小説としてみたときに、作者自身の思いを語るのに言葉を費やし過ぎかな?とも 感じましたが、福井作品がどういうものかを知るには役立ちました。 国防とは何なのか、国益とは何なのか、 世の中にばらまかれている情報とは何なのか、 いろいろ考えさせる作品でした。 他の福井作品も読めば満足を得られるのは間違いないのですが、 何分、気力・体力ともに要しそうなので、 体調と相談しながら読んでいこうと思います(笑)。
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