『第一阿房列車』
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- 2007/09/30(Sun) -
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内田百 『第一阿房列車』(新潮文庫)、読了。
以前、神田の古本屋で見つけた三笠書房の『阿房列車』は 三千円近い値が付いていて、手が出せませんでした。 ところが、新潮文庫で出ているのをブックオフで発見! 100円で読めることに感謝!! 紀行文の名作とされているようですが、 私には、なによりもヒマラヤ山系くんとの会話が面白くてたまりません。 ボケにボケを重ねるくせに広がらない会話・・・。 しかもそのやりとりを還暦のお爺ちゃんと、若い国鉄マンがやっているのですから、 何とも言えない味わいがあります。 そして、紀行文とされながらも、百先生、相当な毒舌。 観光は行き渋るわ、温泉は好きじゃないわ、宿の朝食は食べないわ、 食べたら食べたで8割がたは「まずい」のひと言。 褒めることがほとんどないのに、旅はなんだか楽しそうです。 「無用の旅」ができるほど、 どーんとした心構えの人間になりたいですが、 まだまだその境地には至れなさそうです。
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『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』
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- 2007/09/29(Sat) -
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中島らも 『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(集英社文庫)、読了。
疲れた頭で読めるものを・・・ ということで、この1週間、この本を少しずつ読み進めていました。 無軌道な青春時代に、なぜか気持ちがホッコリする本でした。 灘高に入学する知識を持ちながら(しかも8番!)、 どんどん落ちこぼれていくらも少年。 でも、落ちこぼれても相当な知識はあるので 社会・世間を見る目はどこか皮肉で自虐的。 2ページずつ淡々とつづられた青春の日々。 その簡潔さが、二度と戻らない感じを出していて、味わい深いです。
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いろいろやっちゃった・・・
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- 2007/09/29(Sat) -
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10月1日付で新会社を立ち上げるプロジェクトに関わっているのですが、 大詰めのこの一週間、相当疲れました。 朝6時出勤~夜12時退勤の18時間労働続きで 片道一時間かけて通勤しているのがバカみたい・・・・。 お昼もろくに食べられないし・・・。 てな状態でしたので、 ウンナンさん関連のテレビ、尽くフォロー失敗しました。 「イロモネア」録画逃した・・・。 番線番組も逃した・・・。 どなたかダビングしていただけませんか・・・哀願懇願。 |
『南の島のティオ』
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- 2007/09/24(Mon) -
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池澤夏樹 『南の島のティオ』(文春文庫)、読了。
あんまり「児童文学」という区分けは好きではないのですが、 そう呼ばれているジャンルの作品を久々に。 冒頭の「絵はがき屋さん」から惹き込まれました。 「ナイスデイ絵はがき会社のピップさん」だなんて、 すでに名前からしてファンタジーです。 受け取る人が必ず訪ねてくるという魔法のような絵はがきを作る ピップさんのお話は、おとぎ話のようでありながら、 どこかにそういう絵はがき屋さんがいるんじゃないかと期待させてくれる一編。 そして、結末にある重みは、この短編集全体の底辺を流れています。 カラッとした南の島の出来事の根底に流れる悲しみのようなもの。 自然を相手に島に生きる人々の試練のようなもの。 ところで、この冒頭の絵はがき屋さんの話をベースに 連作短編が展開されるのかと思いきや、 個々のお話は独立していたので、そこはちょいと肩透かし。 私が個人的に好きだったのは「帰りたくなかった二人」。 なんだか、小笠原を思い出しちゃいました。 行くと帰りたくなくなる島・・・。 小笠原をはじめ、島には予定外の長期滞在をしている方も良くお会いします。 でも、私は、小笠原なら帰ってこなくなることは無いな。 遠くて行き来に時間がかかるとはいえ、 日本だし、東京のテレビが見られるし、携帯電話もつながるし、 やっぱり東京の一部。 本作の南の島ぐらい地政学的に離れてないと、 今の日常を捨てることなんて出来ないなぁ・・・。
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『汝みずからを笑え』
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- 2007/09/24(Mon) -
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土屋賢二 『汝みずからを笑え』(文春文庫)、読了。
朝早くに目が覚めて、 「眠いなぁ」と寝っ転がりながら読める本をば・・・ということで本作を。 いい加減、ギャグのくどさとワンパターンさに飽き飽きしてもいい頃なんですが、 ついつい助手との会話を読みたくて手を伸ばしてしまいます。 助手との会話だけで一冊作ってくれませんかねぇ。
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『トリプルX』
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- 2007/09/23(Sun) -
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『トリプルX』(2007年9月23日EX放送)
スカッと爽快アクション映画。 ストーリーなんてそっちのけ。 (たぶん、ストーリー考え始めたら疑問点だらけ) オープニング~カフェに至る「テスト」における展開のテンポの良さが最高。 逆に、潜入本番になるに従って、アクションが冗長になっていったかも。 麻薬の拠点でのバイクシーンやスノボの雪崩のシーンとか。 それに、雪崩のシーンは、どんなにスノボ技術が優れていても CGの雪崩に目が行っちゃうので、マイナスポイントか。 そして、ヴィン・ディーゼルの熊みたいな顔、意外と好きかも。 さらに、アーシア・アルジェント綺麗でした。 登場シーンでは、画面が暗かったせいか、 「肌の汚い女優さんだな(超失礼!)」と感じたのですが、 陽の当たるシーンが多くなるにつ入れて、美人だということが分かりました。 それとも、この変化は、彼女の素性が判るにつれての演出かな? あと、何でもできちゃう武器の数々は、ちょっと興ざめ。 X-GAMESのノリで行くなら、『007』みたいに変な武器には頼らずに 肉体美で押して欲しかったです。 でも、あの武器マニアのエージェント良いキャラしてた。
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『プリンシプルのない日本』
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- 2007/09/23(Sun) -
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白洲次郎 『プリンシプルのない日本』(新潮文庫)、読了。
以前、明石家さんまさんが白洲次郎をテーマにした特番をやったことがあり、 「なんなのこの組み合わせは?」と奇怪に感じてから 白洲次郎氏が気になっておりました。 (結局さんまさんの番組は観ませんでしたが・・・) で、偶然見つけたこの本で、どんな人物か勉強してみました。 やっぱりGHQの占領政策について語らせると、非常に興味深いです。 裏側までよく知っている人間が、歯に衣着せず批評するのですから。 しかし、戦後の政策についての話になると 同時代を生きていない私には、ちんぷんかんぷんな部分も多く、 そもそもの憤りの対象である出来事自体が分かりませんでした。 本人の手による文章よりも 第三者による白洲次郎伝のほうが、素人には理解しやすかったかもしれません。 戦中戦後における白洲次郎の活躍に限定した作品を 次は読んでみたいですね。
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Something There
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- 2007/09/23(Sun) -
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「手ごろに読める本を2~3冊・・・」
というつもりでブックオフへ行ったのですが・・・・ いつものように105円棚を「あ」から順番に見ていたら なんと有線で「Something There」が!! ファンながら久々に聴きました(苦笑)。 で、「重みがあっていい曲よね~」なんて聞き入っていたら いつの間にか選んだ本が手元に十数冊・・・。 結局、今日もたくさん買い込んでしまいました。 家に帰って、ただ今InterFM聴きながら本の整理してます。 Marvin最高~!
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『阿修羅のごとく』
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- 2007/09/22(Sat) -
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向田邦子 『阿修羅のごとく』(文春文庫)、読了。
有名脚本家とは知りながら、 これまでドラマも映画も本も触れたことがありませんでした。 お初です。 年老いた父親に愛人がいたことが発覚し右往左往する四姉妹の物語。 会話のシーンにリズムがあってウィットに富んでいるので 楽しみながら読み進めることができました。 また、印象的な瞬間がところどころにあって、 パジャマに腹巻の夢とか、卵の黄身がどろりと流れるシーンとか 「さすが売れっ子テレビ脚本家!」と感じ入りました。 ただ、会話以外の地の文がト書きのようなそっけなさも感じられ、 「書き込みが足りないんじゃないの?」と不満に思うことも。 しかしそれは、表紙の「向田邦子『原作』」という文字を見つけて氷解。 要は、脚本起こしだったのね・・・。 本作は、数年前に、大竹しのぶ主演で映画化されていて、 公開当時も見に行きたいなと思っていたのですが、 これはやっぱり本でよりも映像で見るべきだったかな? 脚本家先生としては、映画で評価された方が本望かもしれませんね。
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『死因』
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- 2007/09/17(Mon) -
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パトリシア・コーンウェル 『死因』(講談社文庫)、読了。
久々の検屍官ケイ・シリーズをば。 見事に作品の順番を無視して読んでますが(苦笑)、 古本屋で見つけた順ですから、止む無し。 本作でも、いつの間にかウェズリーやルーシーの身に大きな変化が訪れてました。 さて、内容ですが、カルト教団ニュー・シオニストの影がちらつく ケイの周辺人物が狙われた不審死事件。 物語の展開はいつもながらに面白いのですが、 カルト教団の描き方が薄っぺらい気がしてなりませんでした。 オウム真理教関連の本やカルト教団をテーマにした濃厚なフィクションを これまでに読んだことがあったので、どうしても比較してしまうようです。 また、最後は、大規模なテロ行為につながっていくのですが、 正直なところ、検屍官が主人公である作品が手に負える規模を 超えてしまっているんじゃないかと苦笑。 登場してくるキャラクターや会話の応酬、捜査の進め方などは楽しめるのですが、 作品全体の仕上がりとしては、大味な気がしました。
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