『亡国のイージス』
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- 2006/10/30(Mon) -
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『亡国のイージス』(2006年10月29日EX放送)
ストーリーは練ってあるし、役者も錚々たるメンバーで 興行映画として観ると面白かったです。 若干、場面のつなぎ目に荒いところがあって、 自分でストーリーを補強しなくてはならないこともありましたが、 120分強の中に上手くまとまっていたように思います。 ただ、作品全体のテーマ、この作品で伝えたかったことについては、 ホントに表現し切れていたのかな?との疑問が拭えません。 「国とは何か」「国を守るとはどういうことが」「日本の国家観とは」 といったテーマでスタートしたはずが、 クライマックスに向けて、いつの間にか「生きる」というテーマに すりかえられてしまっていたような気がしてなりません。 原作を読んでいないので、元々そのような展開だったのか、 映画を興行的に成り立たせるための策だったのかはわかりませんが、 折角の課題設定が有耶無耶のままになってしまい、残念です。 本作が映画として大ヒットし、藤原センセの本が大ヒットしたように、 今、「国家」というものがキーワードになっているようですが、 なんだかブームになっているだけで、議論が横滑りしているような感も受けます。 一時の流行としてワッと盛り上がって、本質には触れずに終わらせてしまう、 正にこの作品たちこそが、日本人的な展開に塗れてしまっているのではないでしょうか。
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『少林サッカー』
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- 2006/10/29(Sun) -
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『少林サッカー』
昨夜、日付も変わろうかという頃、 急に思いついて観てしまいました『少林サッカー』。 内村さん大推薦の作品でしたが、チャウ・シンチーはお初です。 お馬鹿コメディだと判りながら観たのですが、 やっぱりストーリーを追ってしまい、 その急展開ぶりにちょっと付いていけないところもありました(ToT) でも、映像は100%楽しめました。 CGもさることながら、やっぱりチャウ・シンチーのカンフー技に惚れ惚れ。 サッカーのシーンが待ち遠しかったです。 あと、ヴィッキー・チャオ、かわいかったなぁ。
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『放課後の音符』
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- 2006/10/29(Sun) -
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山田詠美 『放課後の音符』(新潮文庫)、読了。
こんな高校生活、私には無かったなぁ。 中学生の頃は「男の子」と「女の子」がいる生活だったけど、 高校生のときは、私も周囲もみんなただの「学生」だった気がする。 なんだかザラザラしてた印象。 中学校の思い出は色鮮やかだけど、高校は思い出自体が遠く霞んだものになっている。 とても悲しい。 「知っているだけじゃ、仕様が無いじゃん。 それをどんなふうに深く考えてるかだと思うよ」 高校生のとき、深く考えたことなんて無かった。 今も、きっとそんな習慣は身に付いていない。 知ることで満足しちゃってる。 本当の大人になりたい。
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『秋の花』
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- 2006/10/28(Sat) -
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北村薫 『秋の花』(創元推理文庫)、読了。
『夜の蝉』をすっ飛ばして、シリーズ第3弾を読了。 女子高生の転落死という、北村作品にしてはショッキングな舞台背景で、 「私」と正ちゃん、江美ちゃんの3人の日常がいつもどおりなのと比べると 転落死した女子高生の親友・利恵の日々は痛々しく、 そのアンバランスさが最後まで作品の重さとなって響いてきました。 北村作品なのにホッとできない・・・といった違和感。 でも、自分の周囲で事件が起こったとき、 自分が当事者でなければ、意外とこんなものなのかもしれません。 関係者を心から気遣い深刻な気持ちになる瞬間がありながら、 一方で友人とふざけ合って大笑いできる自分が居る。 そして、この作品で何より気になったのは、 作品が終わった後の、利恵が送らなければならない日々の生活における苦渋。 読み終わって、心が一層沈んでしまいました。
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ウンナンタイム
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- 2006/10/28(Sat) -
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『ウンナンタイム』(2006年10月26日)
ラジオで総集編って、どうやって放送しようとしてたんだ? そっちが気になってしまいますが・・・。 Webにアップされているのは5分間の超短縮版でしたが、 徳ちゃん、やってくれますねー。 2週前の放送から続けざまに聞いたので、面白さ倍増でした。 TBSラジオのサイトで旦那の番組のダイジェストを聞けると知った徳ちゃん。 「今まで知らなかったんだ~」と、ちょっと驚きましたが、 いつもは本放送を聞いてるのかな? スカパーのアダルトチャンネルを如何に契約するかで 親友と大盛り上がり&大はしゃぎの旦那を聴いて、 嫁は冷たく「ふ~ん・・・」、夫は横で冷や汗タラタラ。 そして、南原さん&あんちゃんは大爆笑。 でも、休日に夫婦でインターネット見てる夫婦って、 ほのぼのした光景ですね。 |
ウンナンタイム
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- 2006/10/28(Sat) -
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『ウンナンタイム』(2006年10月12日?)
Web版を録音しておいたのをやっと聞きました。 最初プロレス話から始まりましたが、 ウンナンさんのおかげか、最近プロレスに興味持ってきてしまいました。 深夜にプロレス番組を見ちゃったり(苦笑)。 さて、映画話で散々盛り上がったあげく、千葉新一さんの大河出演話になりましたが、 大河ドラマに全く興味なさそうな内村さん。 武田信玄がテーマという件で「えっ?今の?」とマジ聞きしてます。 今は仲間ちゃんでしょうが。 やっぱり内村さんは映画一辺倒のようです。 お葉書から、スカパーのアダルトチャンネルを如何に契約するかというバカ話で大盛り上がり。 請求書さえ嫁に見つからなければ申し込んでも大丈夫という話から出てきた スカパー請求書専用ポスト、雨に濡れて鉛筆の文字が消えかかってる・・・ あまりにくだらない光景。 爽やかに「毎週見るから、ていうか毎晩見るから」と開き直る作戦では、 徳ちゃんからのビンタの嵐、グーパンチだそうです。 逆に丁寧な手紙を書く作戦では、 「私この度一大決心をいたしました。 私どうしてもアダルトを契約いたしたく・・・」 真剣な眼差しで手紙を書いてる旦那、アホですねぇ。
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『フルハウス』
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- 2006/10/28(Sat) -
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柳美里 『フルハウス』(文春文庫)、読了。
初めてこの方の作品に触れました。 訴訟問題等、ニュースになっている面の印象が強かったので、 これまで何となく遠ざけてしまっていたのですが、 本作は裏表紙に「家族の不在をコミカルに描いた」とあったので、 読んでみました。 ところが・・・ 読後感は、「重い」「不気味」「しんどい」でした。 冷静な文章で綴られているので、 地に足が着いた世界が描かれているのですが、 突如、平穏な生活には違和感のある瞬間が登場してきます。 「きみに性的虐待はしていない」と不意に娘に言い訳する父親、 肩を掴んで話しかけてくるジョギングの男、 テレホンショッピングの商品を薦める電話を架けてくる不倫相手の妻・・・。 この異様な瞬間も、同じく冷静な文章で描かれていて、 こちらも読み進めてしまうのですが、 その場面を想像すると、なんともいえない不安な心持ちになります。 滑稽さが狂気を増大させているような。 凄い才能を持った作家さんだと実感しましたが、 今後、自分が彼女の作品を読んでいけるかは、正直なところわかりません。
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『はみ出し銀行マンの勤番日記』
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- 2006/10/28(Sat) -
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横田濱夫 『はみ出し銀行マンの勤番日記』(角川文庫)、読了。
久々にブックオフへ立ち寄ったら、 「『よ』の作家」のコーナーに、『はみ出し銀行マンの・・・』というシリーズの本が やたらと並んでいるのが目に付きました。 全く知らない作品だったのですが、 何だか気になったので一冊買ってきて、早速読みました。 クダラナイけどオモシロイ。 ガサツな言葉遣いに、若干の行き過ぎ感もありますが、 逆にそれが変なパワーとなって伝わってもきます。 この本に登場する「アブナイ銀行員」は 人間として相当逝っちゃってるのですが、 私の会社の人々を同じように描写してみれば、 同じくらいアブナイ人って、それなりに居るかも・・・。
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『潮騒』
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- 2006/10/26(Thu) -
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三島由紀夫『潮騒』(新潮文庫)、読了。
相当久しぶりに三島由紀夫作品を読んだのですが、 物語の中身云々の前に、 「こんなに読みやすい日本語を書ける人なんだ・・・」 ということに驚きました。 (大作家に向かって失礼な感想なのですが) 『金閣寺』『仮面の告白』などを読んだときの遠い記憶では 結構、苦労したような気がします。 ストーリーについては、 我が出身地・三重県の小島が舞台となれば、無条件に引き込まれずにはいられません。 それにしても、歌島の人々の純粋な生活は、 今の自分の生活とはあまりにもかけ離れたものでありながらも 「そんな生活もあるだろうな」と納得できてしまう描写力に感動。 また、観敵哨での「その火を飛び越して来い」のシーンに突き当たったとき、 「ウンナンのコントで時々出てくるシーンは『潮騒』から来てたのか!!」と 三島センセイに怒られそうな感想を抱いてしまいました。 あの二人なら小説より映画のほうでしょうけれども。
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『親鸞 その人と思想』
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- 2006/10/26(Thu) -
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菊村紀彦『親鸞 その人と思想』(現代教養文庫)、読了。
久々の仏教関係本。 これまで、仏教の教えを易しく説いた本を読んできたので、 今回も親鸞聖人の教えを説いてくれるものと期待して読み始めたら、 親鸞の生涯の軌跡を描き、エピソードの真偽を評価するといった内容でした。 「温かく教え諭されるものだ」という思い込みで読み始めたので、 その冷静な筆運びに、非常な「冷たさ」を感じてしまいました。 ニーズとのアンマッチのために上手く読めなくて残念です。 「親鸞はホントに存在したのか?」なんていう視点で読み始めたら 意外とはまったかも知れません。
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