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『日本人と中国人』
- 2024/02/14(Wed) -
陳舜臣 『日本人と中国人』(集英社文庫)、読了。

陳作品、めっちゃ久しぶり、17年ぶり

著者曰く「長編エッセイ」ということですが、読んでみた印象としては、
著者が、中国人の側にも日本人の側にもつくわけでなく、淡々と比較評価をしていて
面白く読めました。

陳舜臣氏のプロフィールをちゃんと確認したことがなかったのですが、
戦前の日本生まれのため日本国籍ですが、家業を継ぐため台湾に戻り台湾に渡り台湾国籍を取り、
しかしその後中国国籍に変え、天安門事件を機に日本国籍を取り直したとのことで、
ちょっと思想バックグラウンド的には複雑そうな雰囲気です。

本作は昭和46年発行ということなので、中国国籍を取る1973年の2年前。
まだ台湾国籍ではありますが、その当時ですでに中国に親しさを覚えるような感じだったんですかね?
文化大革命に期待するところがあったのかなぁ?

そのあたりは良く分かりませんが、本作で日本と比較される中国は、この文化大革命期の中国なので
正直、今の中国人のものの考えとは違っているように思います。
しかし、例えば、中国の歴史について、例えば王朝交代とかを中国人がどう解釈しているか等は
たぶん今も基礎は変わらないように思うので、そういう、いわゆる「中国人的な歴史や社会変革の考え方」
みたいなところに強く惹かれました。

また、本作の至る所に漢詩が出てきますが、やっぱり中国人のものの考え方を学ぶには、
漢詩の素養は外せないものなんだなと改めて感じ入りました。
日本人にとっての和歌みたいなものでしょうかね。

中国語には助詞がなく、接続詞的なものも隠れてしまっている場合があるので、
上と下の言葉が、「だから」で繋がっているのか、「にもかかわらず」で繋がっているのか
想像して補足しないといけないとのこと。
中国語は全く学んだことがないので、このことは認識していませんでした。

ある種、読み手の都合の良いように読めてしまうリスクがあり、
昔は、誤った読み方をすると、その読み手に「知性がない」「能力がない」というような評価で済んで
終わりだったのかもしれませんが、今の時代だと、切り取りで都合よく解釈され拡散されてしまうような
リスクはないんですかね?ちょっと心配になりました。
まぁ、でも、ある意味、文章というのは誰かに伝えるために書くものであり、
その文章の意味するところを読み手の解釈に一定委ねてしまう中国語という言語体系は
独特な概念で作られているのかもな・・・・と思いました。

冒頭、いくつかの事例を引いて、日本人が持ちがちな薄っぺらい中国人論を
バッサバッサと斬っていますが、こういう断片的体験をもって「中国人とは」という大きな言葉で
語ってしまう傾向は今の時代の人も良く犯してしまう誤りだと思うので、
著者のように、「なぜそんな事例が表面に上がってきたのか」という裏の仕組みをきちんと
予想しながら解釈できる人間になりたいものです。




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『クリコフの思い出』
- 2007/05/27(Sun) -
陳舜臣 『クリコフの思い出』(新潮文庫)、読了。

「ミステリー8篇」と銘打ってますが、
神戸の華僑社会を舞台に「私」が語り手である作品が多いので、
通常のミステリーでは「冷静さ」「客観性」を感じるのですが、
本作では虚実入り混じった「近さ」に惑わされました。

作品内で時代が前後することが多く、
ちょっと読み慣れない部分もあったのですが、
登場人物の多様さで興味深く読むことができました。
ウイグル自治区からゾロアスター教まで出てくる幅の広さは、
この作家さんならではの面白さだと思います。

ストーリー展開としては、
「実は『あの人』が『この人』だった!」パターンが幾つか続いたので、
後半は少々食傷気味でした。




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『妖のある話』
- 2006/11/28(Tue) -
陳舜臣 『妖のある話』(講談社文庫)、読了。

有名な西施から、名前もわからぬ女奴隷まで。
現代に伝わる妖な女性の物語。

軽い読み物として、非常に面白かったです。

中国の物語は、古事成句につながっているので、
「ナルホドネェ」と奥行きが広がります。

インドのお話は、神々の世界に片足を突っ込んでいるかのような
夢うつつの物語。

いずれも、ウィットに富んだ語り口で、楽しく読めました。

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『ものがたり唐代伝奇』
- 2006/06/08(Thu) -
陳舜臣 『ものがたり唐代伝奇』(朝日文芸文庫)、読了。

仕事で、Accessと格闘・・・
「標準モジュール?」「Val関数?」Σ(-。-*)o ワケワカラン

通勤電車で伝奇を読んで、心のバランス取りましょか、てな感じで。
(方法間違ってます?)

妖怪が出たり、仙人が出たり、幽霊が出たり。
でも、1000年以上も前の中国大陸でなら、
そんな出来事もあったかな、なんて思えてしまう。

さっぱりしていて、読みやすかったです。




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『六甲山心中』
- 2006/02/02(Thu) -
陳舜臣 『六甲山心中』(中公文庫)、読了。

『中国任侠伝』が意外と面白かったので、
病院の待ち時間に…と思って持っていったのですが、
殺人、怠惰、遊蕩、などなど、病院の空気には相応しくない作品集でした。
タイトルで気づけよ!という感じです。
作品レベル的にも、時間つぶし程度のものでした。

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