『弥勒の掌』
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- 2009/05/10(Sun) -
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我孫子武丸 『弥勒の掌』(文春文庫)、読了。
これまで読んだ我孫子作品は軽めのものだったので、 こんなに読ませる作品も書くのかと驚きました。 やはり新興宗教モノのミステリーは面白いです。 宗教団体というのは、軍隊・警察とはまた違った 組織論の極致のようなものだと思います。 本作に登場する「救いの御手」も、 階層構造、分業体制、スカウトルート、演出力など、 見事な仕組みを持っています。 そして、それに立ち向かう刑事・蛯原と高校教師・辻。 どちらも自分たちの所属する集団に対して後ろ暗いところがあり、 何もバックアップを得られないという状況。 やむを得ずチームを組んでみたところ、真実のふたを開けてみれば・・・・。 結末は予想外のところにありました。 教団におびき出された後、やたらと情報開示がスムーズに行われるので 拍子抜けしていたら、最後、ズドンと真相が明かされました。 「あぁ、そういう手口なのねぇ」と感心。 最後まで楽しめた一冊でした。
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『8の殺人』
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- 2007/08/29(Wed) -
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我孫子武丸 『8の殺人』(講談社文庫)、読了。
「本格ミステリ」って、 つい最近まで「リアリティのあるミステリ作品」だと思ってたのですが、 「謎解きが主題のミステリ作品」ってことなんですね。 何を今更って感じですが・・・・・ 「本格ミステリ」と銘打った作品を読んで なんとなく肩すかしを喰らった気になることが多いのは、 きっとこの誤解のせいだったのでしょう。 というわけで、本作ですが、まさに「本格ミステリ」。 しかし、トリックにはイマイチ盛り上がれず。 「ちょっと無理がありませんか?」という気がします。 キャラクター設定も、 「ユーモア」と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、 軽すぎて上っ面な笑いのように思えます。 お時間つぶしに気軽に読むには良いかも。
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『探偵映画』
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- 2007/04/29(Sun) -
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我孫子武丸 『探偵映画』(講談社文庫)、読了。
この作家さんはお初でしたが、なかなか楽しめました。 「撮影途中で監督が失踪、しかも脚本の結末を誰も知らない」という 舞台設定が面白かったです。 監督失踪後の現場のドタバタぶりは テリー・ギリアム監督の『ロスト・イン・ラ・マンチャ』を 思い出してしまいました。 また、映画についてのプチ講座もところどころにあり楽しめました。 ちょっと登場人物たちが安っぽい気もしますが、 そのぶん気軽に読めました。
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