『約束』
- 2017/07/14(Fri) -
石田衣良 『約束』(角川文庫)、読了。

短編集。
優しいお話が詰まってます。

ちょっと優し過ぎかな。
最後にどんでん返しがあるのかなと思いきや、
意外とすんなり穏やかに終わっていく話が多いので、
ちょっと拍子抜け。
でも、人間の優しさを実感できる本なのかな。

個人的には、「天国のベル」という、
子どもの難聴障害を扱った作品が印象に残りました。
家族にのしかかる重たい問題に対して、息子が取った解決策。
リアリティがないと言ってしまえばそれまでかもしれませんが、
しかし、彼の目の前に開けていた世界は、これしかなかったんだろうなという
納得感がずしーんとありました。

この短編集を通して、
人間、とんでもなく苦しい状況に追いやられることがあっても、
家族や友人や周囲の人に助けられて前を向ける瞬間があるんだなということが
じんわりと伝わってきました。


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石田 衣良

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『ブルータワー』
- 2011/11/04(Fri) -
石田衣良 『ブルータワー』(徳間文庫)、読了。

この作家さんの作品は、青春モノにとどめておいたほうが良さそうです(苦笑)。
買ってきたときも、「SFかぁ・・・・どうしようかなぁ・・・・」と迷いながら買ったのですが、
やっぱり、私には合いませんでした。

脳腫瘍を患った主人公が、その痛みを強く感じると、200年後の世界にタイムスリップ。
しかし、200年後の世界とは、ウィルスが蔓延した殺伐とした階級社会だった・・・・。

なんだか、展開していく物語に、現実感が全く無いんですよね。
SFだからといって、リアリティが無ければ、のめりこめません。
本の中のテレビで、アニメが繰り広げられているのを、遠くから眺めているような印象でした。
遠い世界での下らない争い・・・・・。

主人公が、タイムスリップした世界を受け入れるのも早過ぎるなら、
主人公を慕う女の子や、細菌学者も、主人公の荒唐無稽な話をすぐに信じ過ぎ。

あちらの世界では、一見、政治的な駆け引きがされているかのような感じですが、
読んでいけば、非常に子供っぽい戦争ごっこのような程度と感じずにいられません。

名前に忌み字を使う理屈は、まぁ受け入れるにしても、
中国人名「ハオロン」に、日本語の音で「刃汚論」とつけるのは、
浅はか過ぎでしょう・・・・・。

と、まぁ、大きなことから小さなことまで、
いろいろ難癖をつけたくなってしまった作品でした。

トホホ。


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『波のうえの魔術師』
- 2010/08/20(Fri) -
石田衣良 『波のうえの魔術師』(文春文庫)、読了。

うーん、イマイチ乗り切れないまま終わってしまいました。

金融システムをテーマに据えたクライムサスペンスって、
日常性、機能性、普遍性の裏をかくような面白さがあり、
基本的には楽しめるはずなのですが、どうも、これはのめり込めませんでした。

一つは、登場人物の設定と物語の展開に、
どうも信憑性がないというか、納得性がないというか、胡散臭いというか・・・。

例えば・・・非常に卑小な発言をさせていただきますと、
「東京にある偏差値55の私立大学生、就職浪人で5年生、パチスロで食いつなぐ」
こんな若者がちょっと老人の手ほどきを受けただけで株式市場に興味を持つというクダリに、
納得性が感じられないんです。

たとえ学歴が目立ったものでなくても、何か特徴的な個性があれば、
魔術師の弟子になることも腑に落ちやすいのですが、
どうにも捉えどころのない現代の若者が、
何故、株式市場に興味をもったのかが、つかみにくかったです。

というわけで、出だしで作品に距離を置いてしまったので、
何とも入り込みにくくなってしまいました。

この例に代表されるように、
どうも物語の展開が、都合よく組まれ過ぎている感があり。
前触れだとか、因果をきちんと見せてくれると、納得度が上がったのですが。

また、彼らが仕掛けたディールの描き方も、
どこか淡々としていて、カタルシスがあまり得られなかったのも残念。

『希望の国のエクソダス』が非常に面白かったので、
しばらく、経済犯的な作品は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。


波のうえの魔術師 (文春文庫)
波のうえの魔術師 (文春文庫)石田 衣良

おすすめ平均
stars著者の筆力ならではの作品だと思います。
stars読みやすい
stars株式チャートの波
stars永遠の課題が提出されていると思います
stars面白い!!

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希望の国のエクソダス (文春文庫)
希望の国のエクソダス (文春文庫)村上 龍

おすすめ平均
starsポップな近未来小説
stars13歳のハローワークまでの道のり
stars預言書
stars真面目だった村上龍
starsバカな大人が中学生を焚きつけるために書いた空疎な本

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『4TEEN』
- 2009/09/29(Tue) -
石田衣良 『4TEEN』(新潮文庫)、読了。

面白かったです。

父親殺害の嫌疑とか、早老症とか、家庭内暴力とか、
それだけで小説の題材になる要素を入れながらも、
あくまでそれらは添え物であり、舞台装置であって、
描かれているのは4人の少年の心と行動というところが、清々しかったです。

確固たる信頼感があり、
その上で、さらにその信頼感を言葉で伝え合える関係というのが、
なんだか、とても眩しいです。

「自分の言葉を持っている少年少女」
やっぱり私はこの枠組みにどうしようもなく弱いです。

連作短編集という点では、
各章のつながりがあまり無い(というかほとんど無い)のが
物足りなくはあったのですが、半年に1章というペースで書いていたら、
まぁ、それも已む無しかと。

この作家さんについては、
とりあえず、少年少女ものをちゃんと読んでいきたいと思います。


4TEEN (新潮文庫)
4TEEN (新潮文庫)
おすすめ平均
starsなかよし4にんぐみのはなし
stars懐かしいような、羨ましいような
stars面白かったです!
stars遠くから
starsこんな中学生は、現実にはいないが・・・

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『スローグッドバイ』
- 2009/05/04(Mon) -
石田衣良 『スローグッドバイ』(集英社文庫)、読了。

本作を絶賛されている読書ブログさんがいくつかあったので
試しに読んでみましたが、私にはしっくりきませんでした。

恋愛短篇集でしたが、
各作品に登場する男女のキャラクターが、
あんまり私が惹かれるような人物がいなかったからでしょうか。

どの短編も
あっさりと終わってしまった印象でした。


スローグッドバイ (集英社文庫)
スローグッドバイ (集英社文庫)石田 衣良

おすすめ平均
stars人気の理由がわからない
stars女性向け
starsいろいろな恋愛
starsカジュアル・ラブ、カジュアル・セックス
stars等身大のライトな恋愛

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『うつくしい子ども』
- 2008/12/07(Sun) -
石田衣良 『うつくしい子ども』(文春文庫)、読了。

もう、少年犯罪というのもは、
小説の一ジャンルとして出来上がってしまったようですね。

なので、最初は、「また少年犯罪パターンか・・・・・」と
ちょいと食傷気味な感じの印象を受けてしまったのですが、
やっぱり、ちゃんと描いている作品は面白いです。

特に、長沢くんとはるきが具体的に関わるようになってきてからの
展開が面白かったです。

まぁ、コトの真相のところは、
ちょっと作りすぎなんじゃない?という感もありますが、
主人公の決意のほどが見どころの作品だったと思うので、
そこは瑣末な話でしょう。

新聞記者のボーイくんは、あまりキャラが活きてなくて残念でした。
完全に、ジャガに食われちゃってましたね。


うつくしい子ども (文春文庫)
うつくしい子ども (文春文庫)石田 衣良

おすすめ平均
starsニュータウンを騒がす殺人事件
starsうつくしいジャガイモ
starsイキナリ犯人をバラすミステリーが書ける作家
starsうつくしい子ども
starsもどかしい思い

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エイジ (新潮文庫)
エイジ (新潮文庫)重松 清

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stars『ナイフ』とセットでお読み下さい
starsエイジ、実は私の理想とする息子像
stars中学時代をリアルに思い出させる一冊
stars懐かしい!
stars青春文学の傑作

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『エンジェル』
- 2008/11/14(Fri) -
石田衣良 『エンジェル』(集英社文庫)、読了。

人気作家さんの作品をやっと100円で見つけたので
喜び勇んで買ってきたのですが、
なんと殺人事件の被害者が幽霊となって謎ときを・・・・・

『IWGP』のイメージしか無いので
(しかもドラマ見てたわけじゃないし・・・)
「こんな作品書くんだ?!」とちょっと驚き。

でも、あんまり作品にはハマれませんでした。
ミステリーとしてはストーリーはイマイチで、
かといって恋愛模様というか人間模様というかをじっくり描き切るというところまではいかず、
どちらも中途半端な感じが。

そして、「主人公が幽霊」という設定も、活かしきれていないように思えました。
空は飛べて、声は出せて、姿も見せられて、瞬間移動もできるけど
物は動かせず、壁は抜けられない。
物理科学の制約を受けるのか受けないのかの線引きが曖昧です。
なので、ついつい設定がご都合主義なように感じられてまいます。
ここに納得感のある理屈が付けられると「キャラづくり上手いなぁ」に
なるんですけれどね。

まぁ、本作は、この作家さんのテリトリーの端の方にあるのではないかと思うので、
他の作品にも挑戦してみます。


エンジェル (集英社文庫)
エンジェル (集英社文庫)石田 衣良

おすすめ平均
starsこれはサスペンスなの?
starsちょっとぬるい感じがしてしまった・・・すみません!
stars残念ながら私には物足りなかったです。
stars哀しくも優しい話
stars安易な発想と、捻りのない構造が残念

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池袋ウエストゲートパーク スープの回 完全版 (通常版)
池袋ウエストゲートパーク スープの回 完全版 (通常版)石田衣良 Sads 宮藤官九郎

おすすめ平均
stars木更津キャッツのメンバーがちょっと出てます。
stars3年経ってるのだから・・・
starsうーん、いまいちぱんちが。。。
starsキング出演時間短か
starsドラマは面白かったですが・・・

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