fc2ブログ
『史伝西郷隆盛』
- 2023/07/27(Thu) -
海音寺潮五郎 『史伝西郷隆盛』(文春文庫)、通読。

ブックオフでドカ買いしたときに買ってきた本。

小説だと思って読み始めたら、タイトル通り歴史に記録された事績の解説書であり、
西郷隆盛の全生涯とか当時の日本という国家の動きが頭に入っていないと
マニアックな内容のため理解が大変です。
小説向きの面白おかしいエピソードだけで綴るのではなく、歴史の記録をきちんと辿っているので
西郷好きにはたまらない本なのかもしれません。

島津斉彬に見いだされた頃から、慶喜かつぎあげに失敗した勤王僧の月照と入水自殺を図るところまで
若い時代の西郷隆盛を描いています。

しかし、私には、西郷自身よりも、島津斉彬を中心とする島津家の家督争いのゴタゴタの方が
印象に残りました。実際、斉彬が発言権を強めた時代から急死するまでの期間ですから。

能力があってもすぐに家督を継がせてもらえない不幸なのか、
それとも家督を継がせてもらえない不幸が同情を集めて、能力をより大きく見せる効果になったのか、
日本人社会だと後者の要素も大きいような気もしますが、
これからという時期に亡くなったことも含めて、時代がガラリと変わる幕末の象徴的な人物なのかも。

正直、そこまで思い入れがあって読み始めたわけではなかったので、
なんだか通り一遍の感想になってしまいました。




にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  西郷隆盛 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『西郷隆盛』
- 2021/02/03(Wed) -
池波正太郎 『西郷隆盛』(東京文藝)、読了。

池波作品は、なぜか食エッセイばかり読んでいて
歴史ものはこれがお初です。
近所のおばちゃんにもらった本。

サクサク読み進められて、読みやすさはありますが、
あんまり手応えがないなというのが正直な印象でした。
あんまり小説らしくなくて、半分は歴史解説書みたいなアッサリ感です。

大きく時代が変動していく様子を簡潔にまとめているのはすごいなと思いました。
この時代の歴史に詳しい人は、自分でいろいろ情報を加味しながら
頭の中で場面を思い浮かべて楽しめそうです。

ただ、やっぱり、あんまり時代背景を知らない人が読んだら、
淡泊すぎるんじゃないかなと思いました。
本の中で登場人物たちが意思を持って動いている感じがしないんです。
小説らしい躍動感がない気がします。

池波作品って、こんなタッチなのかなぁ?




にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  西郷隆盛 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『闇の日本史』
- 2013/09/20(Fri) -
中津文彦 『闇の日本史』(ワニ文庫)、読了。

父の知人の本シリーズ。

本作では、日本史に残る大きな謎を解いていきます。
有名な「義経北行伝説」なども登場しますが、
それよりも、「西郷隆盛は生涯写真を残さなかった」というような
ちょっと斜めの角度から歴史にスポットを当てた章が、新鮮で興味深かったです。

文章も、結構、読み手がワクワクするような流れになっており、
また、そのような推論をするにあたっての証拠も
それなりに挙げており、単なる謎と説の紹介にとどまらず、
読んでいて面白かったです。

「由比正雪の乱」の章に登場した紀州公など、
なかなかな大人物を新たに知ることができるというのも、
こういう歴史モノの醍醐味ですね。




にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL |  西郷隆盛 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
| メイン |