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『ロケット・ササキ』
- 2024/01/20(Sat) -
大西康之 『ロケット・ササキ』(新潮文庫)、読了。

シャープの副社長を務めたエンジニア・佐々木正氏の伝記。

シャープと言うと、AQUOSとかの家電品が思い浮かぶので、
エンジニアというと、本田宗一郎氏のように実際に物作りを行っている姿を思い浮かべますが、
佐々木氏が影響を与えた人物として挙がっているのはスティーブ・ジョブズと孫正義。
IT系の日米の巨頭であり、エンジニアというよりも、プロダクトやサービスのスキームなり
本質を構築するタイプの人だと思います。

実際に本作で描写されている佐々木氏の動きを見ていると、
戦時中に在籍していた川西機械製作所では、自ら何かものづくりの最前線に立って、
現場で指揮を執るエンジニアであったものが、戦後、早川徳次郎に請われて入社したシャープでは
現場ではなく、プロジェクト全体を必要に応じて支援していくようなスタイルを取っていて、
現場の社員から質問されたり相談されたりすると、その場で解答やヒントを与えたり、
社外に必要な人に繋いだり、即断即決即行動の塊のような姿勢で、
しかし、現場に介入するのではなく信用して任せるスタイルなので、
なんだか日本人離れしたものを感じる人物でした。

なんとなく、白洲次郎みたいな雰囲気を感じました。

直接アレコレ指示するトップの下では、成果は出るものの、個々のスタッフの能力がしっかりと伸びるか
というと、なかなか難しいところがあるように思います。トップに頼ってしまうというか。
しかし、佐々木氏のように、必要な支援や助言を与えるだけで、あとは頑張れと丸投げするスタイルは
部下としては助言はありがたい反面、そこからは自分で何とかしなければいけない大変さがあり、
苦労は並大抵のものではないと思いますが、成長度合いも並大抵のものではないと思います。

こんな大胆な日本人が、シャープという一企業の中で成果を出せたというのは、
シャープのトップ早川氏が佐々木氏を信用して自由にさせていたというところも大きいと思います。
シャープって、不思議な組織ですね。
AQUOSみたいな優秀な製品を生みながら、身売りみたいな状況に陥っていくとか
ジェットコースターですね。

そして、佐々木氏の功績としてページを割いて描かれている電卓戦争の件。
1000円で小さく軽く丈夫で使いやすい電卓がコンビニでも買えてしまう現在からすると
電卓開発が社運をかけるような規模のプロジェクトだったとは想像しにくい域になってますね。
しかし、ボタンを叩くと正確に10桁でも計算が即座にできてしまう、
しかも計算している仕組みが分からないという点では、すごい装置ですよね。

佐々木正氏という特異な日本人のおかげで、シャープという特異な組織のことにも
関心を持てたので、シャープに関する本も読んでみたいと思います。




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『孫正義 リーダーのための意思決定の極意』
- 2016/07/04(Mon) -
ソフトバンクアカデミア特別講義 『孫正義 リーダーのための意思決定の極意』(光文社新書)、読了。

孫正義氏が、ソフトバンクグループの社員に向けて行った講義をまとめたもの。
「意思決定の極意」と「孫の二乗の兵法」の2つの内容が収録されています。

前者の講義は、「主力事業の1つが大赤字、どうする?」⇒「A:部分撤退、B:完全撤退」
というような二択問題がどんどん提示され、会場の聴講生に手を挙げさせた後に
孫氏の考えを披露するという構成です。

判断のポイントがつかめるようになるかな?と期待したのですが、
「(一般的にはこうですが)私はこうしました」「(本来ならばこうですが)その時のソフトバンクはこうしました」
というような、過去の事例の特殊性を強調した解説になっており、
ソフトバンクの歴史は学べますが、将来起こりうる経営課題にどう判断するかという
判断力が付くかどうかは、いまいち疑問な内容でした。

ま、聞いているのが、ソフトバンクのエリート候補生なのでしょうから、
孫正義氏にまつわる歴史を学ぶことは、大事な勉強なのだとは思いますが。

後者は、孫氏が、孫子の考え(ややこしいですね・苦笑)とランチェスターの法則から編み出したという
25文字の教えについて解説しています。

抽象的ですが、本質的なモノの考え方の解説なので、
こちらの方が面白かったです。

この25文字を、前半のソフトバンクの歴史の講義に照らし合わせて分析してみると
理解が深まるのかもしれませんね。


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『志高く 孫正義正伝』
- 2015/03/01(Sun) -
井上篤夫 『志高く 孫正義正伝』(実業之日本社)、読了。

ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズを考えたときに、
WindowsやMACといった「モノ」が思い浮かぶので、その成功のきっかけをイメージしやすいのですが、
果たして、孫正義という人物は、何をもって事業成功のきかっけにしたのか・・・・・・
そこがよく分かっていませんでした。

同じ日本人の実業家でも、
三木谷さんは楽天を立ち上げ、堀江さんはHP制作会社で成功を収め、とっかかりが分かりやすい。
でも、孫正義氏の「翻訳機」って、一体何なんだ!?とずーっと疑問に思ってました。

「音声機能付き他言語翻訳機」って、つまりは音声の出る電子辞書ってことなんですかね?
単語ではなく文章で表現されるものなのかな?
英訳機能がネット上で無料で利用できる今から見ると、
どこに画期的な技術があるのか上手くイメージできないのですが、
当時の容量の少ない回路で言語データと音声データを結びつけて文章化するというのが
大変だったということなのでしょうかね?

結局分からずじまいでしたが(苦笑)、
しかし、孫正義という人物の圧倒的な行動力は本作から良く分かりました。

目標を定めてからの行動力が凄まじいです。
スピードと行動量ともに、凡人が真似のできないレベルです。
そして、そもそもの目標設定自体が非常に高く、また相当な将来を見据えて設定されています。
それを自信を持って信じ込む胆力。
うーん、素晴らしい。

先を見て目標を立て、そこに必要な人を巻き込んでいく実業家は、
裏側で素晴らしい段取り力を発揮しているはず、
決して、その場の思いつきでの行動力が高いわけではないはずなのですが、
本作では、その裏側の周到な準備の様子があまり描かれなかったことは残念。

偉大な人物は、思いも寄らないことをやるから偉大なのではなく、
やるべきことを十分にきちんと徹底的にやるからこそ偉大なのだと思います。


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『ケースで学ぶ起業戦略』
- 2014/09/15(Mon) -
グロービス 『ケースで学ぶ起業戦略』(日経BP社)、読了。

ケーススタディを重点的にやっていこうかなと思いまして
とりあえず100円で。
100円ということは、古いということで、本作は20年前の発刊です。

企業の成長段階に応じて、注意すべきポイントを
有名企業のケースを用いて紹介し、一般的な解説とその企業の経営者のインタビューという
構成からなっています。

20年前の伸び盛り企業ということで、
ソフトバンクやギャガ・コミュニケーションズのような、今もしっかり事業をしている会社もあれば、
「あぁ、ここは倒産しちゃったな」という残念な会社から、
知らない会社までいろいろ登場してきます。

つまりは、グロービスのような専門家集団であっても、
今、成長している企業の中から20年後に存在している企業を選び出すのに
そこそこな確率で失敗しているわけで、
なかなか経営というものも、経営コンサルというものも難しいんだなと実感しました。
(20年後に生き残っている企業という目で選定したわけじゃない!と反論されるかもしれませんが)

そういう意味では、この本で紹介されている事業の枠組みから
大きく範囲を広げて今も伸びているソフトバンク、孫正義という経営者は
とてつもない人なんだなぁと再認識しました。




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