『孫正義 リーダーのための意思決定の極意』
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- 2016/07/04(Mon) -
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ソフトバンクアカデミア特別講義 『孫正義 リーダーのための意思決定の極意』(光文社新書)、読了。
孫正義氏が、ソフトバンクグループの社員に向けて行った講義をまとめたもの。 「意思決定の極意」と「孫の二乗の兵法」の2つの内容が収録されています。 前者の講義は、「主力事業の1つが大赤字、どうする?」⇒「A:部分撤退、B:完全撤退」 というような二択問題がどんどん提示され、会場の聴講生に手を挙げさせた後に 孫氏の考えを披露するという構成です。 判断のポイントがつかめるようになるかな?と期待したのですが、 「(一般的にはこうですが)私はこうしました」「(本来ならばこうですが)その時のソフトバンクはこうしました」 というような、過去の事例の特殊性を強調した解説になっており、 ソフトバンクの歴史は学べますが、将来起こりうる経営課題にどう判断するかという 判断力が付くかどうかは、いまいち疑問な内容でした。 ま、聞いているのが、ソフトバンクのエリート候補生なのでしょうから、 孫正義氏にまつわる歴史を学ぶことは、大事な勉強なのだとは思いますが。 後者は、孫氏が、孫子の考え(ややこしいですね・苦笑)とランチェスターの法則から編み出したという 25文字の教えについて解説しています。 抽象的ですが、本質的なモノの考え方の解説なので、 こちらの方が面白かったです。 この25文字を、前半のソフトバンクの歴史の講義に照らし合わせて分析してみると 理解が深まるのかもしれませんね。
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『志高く 孫正義正伝』
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- 2015/03/01(Sun) -
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井上篤夫 『志高く 孫正義正伝』(実業之日本社)、読了。
ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズを考えたときに、 WindowsやMACといった「モノ」が思い浮かぶので、その成功のきっかけをイメージしやすいのですが、 果たして、孫正義という人物は、何をもって事業成功のきかっけにしたのか・・・・・・ そこがよく分かっていませんでした。 同じ日本人の実業家でも、 三木谷さんは楽天を立ち上げ、堀江さんはHP制作会社で成功を収め、とっかかりが分かりやすい。 でも、孫正義氏の「翻訳機」って、一体何なんだ!?とずーっと疑問に思ってました。 「音声機能付き他言語翻訳機」って、つまりは音声の出る電子辞書ってことなんですかね? 単語ではなく文章で表現されるものなのかな? 英訳機能がネット上で無料で利用できる今から見ると、 どこに画期的な技術があるのか上手くイメージできないのですが、 当時の容量の少ない回路で言語データと音声データを結びつけて文章化するというのが 大変だったということなのでしょうかね? 結局分からずじまいでしたが(苦笑)、 しかし、孫正義という人物の圧倒的な行動力は本作から良く分かりました。 目標を定めてからの行動力が凄まじいです。 スピードと行動量ともに、凡人が真似のできないレベルです。 そして、そもそもの目標設定自体が非常に高く、また相当な将来を見据えて設定されています。 それを自信を持って信じ込む胆力。 うーん、素晴らしい。 先を見て目標を立て、そこに必要な人を巻き込んでいく実業家は、 裏側で素晴らしい段取り力を発揮しているはず、 決して、その場の思いつきでの行動力が高いわけではないはずなのですが、 本作では、その裏側の周到な準備の様子があまり描かれなかったことは残念。 偉大な人物は、思いも寄らないことをやるから偉大なのではなく、 やるべきことを十分にきちんと徹底的にやるからこそ偉大なのだと思います。
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