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『頭の中身が漏れ出る日々』
- 2023/05/15(Mon) -
北大路公子 『頭の中身が漏れ出る日々』(PHP文芸文庫)、読了。

3冊目のキミコ本。
泥酔中年独身女の日記ですが、同居するお父ちゃん、お母ちゃんの話題が
今までで一番たくさん登場して、「なんなのこの家族・・・・・(苦笑)」という展開です。
もう、妹しかまともな人がいない(爆)。

あくせく働くのではなく、適度に働き、それ以外の時間は
ゴロゴロしたり、雪かきしたり、昼酒したり。
文章を書くという仕事は、勤労時間の長さよりも、中身が勝負なので、
ゴロゴロしてることが必ずしも悪ではないですし、一方で、良い文章が書けなければ
どれだけ机に向かっていても無意味ですよね。

とにかくパソコンに向かって事務作業をしていれば、何かやっている感を得られる仕事と違って
アウトプットが全てなので、ゴロゴロダラダラができるかどうかは、自分次第ですよね。
著者の場合は、ゴロゴロダラダラお酒グビグビが取材の一環のような感じもありますが。

ダメ人間の生態観察日記ですが、ここまであっけらかんと、そして読んでいて不快な気持ちに
ならないように文章化できるというのは、やっぱり才能ですよね。

一度、回転ずしで昼間から一人でビール飲みつつ寿司をつまむというのをやってみたい気もしますが、
知ってる人と会うと地獄なので、出張時チャレンジかな(爆)。




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『生きていてもいいかしら日記』
- 2023/02/28(Tue) -
北大路公子 『生きていてもいいかしら日記』(PHP文庫)、読了。

北の大地に住む独身女性の泥酔日記(苦笑)。
2冊目ともなると、こちらも免疫ができているのか
飲み方そのものの異常さには、それほど神経を削られなくなりました(爆)。

中島らも氏や、西原理恵子氏(による旦那の描写)は、アル中の症状をダイレクトに描くので
読んでいてしんどくなる時があるのですが、
北大路さんのエッセイは、飲んでいるところの描写ばかりなので、
まぁ、読み流せるというか、なんというか(苦笑)。
ただ、「物がよく見えない」「よく忘れ物をする」なんていうのは、
アル中の症状なのではないかと疑ってしまいます。大丈夫なんでしょうかね?

ただ、私の中のアル中患者のイメージって、
飲酒欲求をどうにもコントロールできなくなって、一人で延々と飲んでいるという感じなので、
著者の友人の多さというか、この飲み方に付き合ってくれる飲み仲間の多さというのは
特徴なのかなと思います。
それが、著者を孤独から救っているのか、お酒地獄に突き落としているのかはわかりませんが。

寒い地域、特に雪が降る地域だと、行動も制限されて、
飲んで楽しむという選択肢に行きがちになっちゃうのかなぁ。
いや、これは偏見かな。

お酒の話が多いのですが、その合間合間に挟み込まれるトボケたお父ちゃんの話や
姉がこうなのに(いや、姉がこうだからか)ちゃんとしてそうな妹の話が
楽しいです。




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『枕もとに靴』
- 2021/07/10(Sat) -
北大路公子 『枕もとに靴』(新潮文庫)、読了。

全然知らない作家さんだったのですが、
ブックオフの50円ワゴンで見つけて、表紙イラストの軽ーい雰囲気で買ってきました。

サブタイトルが「ああ無情の泥酔日記」とあり、
お酒にまつわるお気軽エッセイかなと思って買ったのですが、
冒頭の初日の日記が、「軽い気持ちで飲みに行ったのに、気づいたら30時間経過していて」
というような始まりで、「え、全然思ってたレベルの上を行く泥酔ぶり・・・・」
ということで、「これはもしやアル中日記なのか!?」と困惑。

このレベルの泥酔日記が延々と続いたら辛いわーと懸念したのですが、
泥酔レベルは、いつもそんな感じでしたが(苦笑)、
ただ、酒を飲んだよという日記だけではなく、酒と関係のない、飼い猫の話、天然ボケの父の話、
仕事が手につかない話などなど、幅広い日常エッセイだったので、
こちらは酔わずに読めました(笑)。

とにかく文章が簡潔で読みやすい。
Blog日記を本にしたということですが、1つの日記の長さも、文体も
自由にその日の気分で決められるBlogだからこそ、
著者のその日のノリみたいなものが素直に文章に現れていて、面白いです。

こんな破天荒な飲み方、生き方をする女の人は、どうやって誕生したのだろうか?と疑問に思いましたが、
本作に登場してくるスッとぼけた父と母の様子を見ていると、
あ、この親からこの子か・・・・と納得。

かなり天然な父も、かなり冷徹な母も、著者の演出がかなり入っているのかもしれませんが、
エッセンスはきっとお持ちなんだろうなと思います。
個人的には、母の、娘の姿を諦めの境地で達観して吐く毒舌が面白かったです。

日記が2年目に入ると、エッセイではなく、
丸々創作のような小話も登場してくるようになり、
これは、Blog人気に火がついて、著者の創作意欲が刺激されちゃったのかなと。
個人的には、前半の日々そのままの日記(かなり演出されているとは思いますが)の方が
Blogらしい面白さに溢れていて好きでした。
ただ、創作小話もちゃんと世界観を持っているように感じたので、
小説は小説で、書かれたら面白いのかもなと思いました。




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