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『農業を起業する』
- 2023/02/04(Sat) -
大島七々三 『農業を起業する』(アスペクト)、読了。

図書館で、農業経営に関する本を借りてくるついでに、
この事例集っぽい本が目に留まったので、副読本のつもりで借りてきました。

ただ、タイトルから想像したのは、新規就農者や若手農家で、
きちんと利益を上げられる状態に持って行けた人たちを紹介しているのかと思ってたのですが、
実際にそういうタイプの登場人物は、イチジク農家の後継ぎさんだけ。
他の事例は、農業者そのものではなく、その周辺で新たな農業関連サービスのビジネススキームを
構築して成功している人たちの話でした。

新規就農したい!という人にはニーズ違いの本かと思いますが、
農業分野は儲かるぞ!と考えているビジネスマンには
気づきの多い本だなと思います。

著者の本は、前にも読んだことがあるのですが、
そちらも「儲ける」ということにスポットを当てていて、
今後、本当に日本農業の構造を改革していくには、一番大事な視点だと思います。
「自然に触れる」とか「食べ物を大切に」とか「安心・安全」とか
そういう情緒的な言葉で誤魔化して若い人を連れてきても
上手くいかないケースが頻発するだけかなと思ってます。
むしろ、IT業界に若者が憧れるように、農業界に優秀な若者が集まるように
こういう先駆者の活動がとても大事だと感じました。

2010年の発行なので、そこから干支が一回りして、
本作で紹介されているビジネスが今さらに伸びているのか、変質しているのか、消滅しているのか
それは三者三様かと思いますが、しかし、新しいことに挑戦しようという人材が
出てくること自体が業界の活性化につながることだと思うので、
本作は、日本の農業界に期待が持てる内容でした。




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『社会起業家の教科書』
- 2015/11/30(Mon) -
大島七々三 『社会起業家の教科書』(中経出版)、読了。

社会企業家に関する本を立て続けに何冊か読みましたが、
取材対象に同じ人が出てくるケースがあります。

これって、取材側の事情もあるのでしょうけれど、
社会起業家の裾野がそもそも狭いのか、
それとも成功している人がほんの一握りだからなのか、知りたいところです。

この本でも何人か登場しますが、
私個人としては、やはり、社会貢献の理想よりも、安定的な事業提供という継続性の方に
軸足を置いている事業者の方に、信頼性をより感じます。

著者に安心感を覚えるのは、
理想や理念に傾倒せずに、客観的に描写してくれる姿勢です。
1人の仕事をする人として取材しているように思え、素直な評価が安心できます。

後半では、「教科書」という名のとおり、社会企業家としての企業のステップの解説や
支援団体の紹介などがあり、情報の厚みはないものの、
基本的な質問には答えてくれます。


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『社会起業家になる方法』
- 2015/10/26(Mon) -
大島七々三 『社会起業家になる方法』(アスペクト)、読了。

社会企業家というと、理想を追い求めて頭でっかちな人をイメージしちゃうのですが、
本作で取材された人々は、いずれも、自分の活動を「事業」としてしっかり見据えていて、
きちんと収益も上げて、継続的な活動にしていこうという
現実的な目線を持っているので、共感することができました。

出発点も、高尚な理想を目指すのではなく、
「地元の町が寂れているから何かイベントをやろう」とか
「自分が欲しいと思ったサービスがないから、自分で作ってしまおう」とか
どちらかというとビジネス視点、もしくは自分本位(良い意味で)な視点であり、
そこにも地に足の着いた安心感を覚えます。

社会企業家とか、NPO法人とか、
食べていけないけど、理想に向けて燃える人々を想像してしまいがちですが、
きちんと一人前の仕事として、事業として成立させることができたら、
面白い活動であり、やりがいのある活動なんだろうなと思います。

社会起業家に対する見方が変わった一冊でした。


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