『リフレはヤバい』
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- 2022/11/11(Fri) -
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小幡績 『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)、通読。
マクロ経済の話は、なんで頭に入ってこないんだろう?興味が持てないんだろう?と またまた、そういう挫折感を味わいながら読みました。 アベノミクスのインフレターゲット政策を批判している本ですが、 安倍さん個人への感情的な批判は一切なく、 あくまで経済政策として正しいのか、正しくないのかをロジカルに主張しているので 読んでいて不快感がなかったです。 でもやっぱり、内容が頭に入ってこない・・・・・なんでだろう? 今回読みながら思ったのは、例えばアベノミクスの取り組みに政府や官僚の側の動きを 追った本については、同じ経済政策の本だったのに、ワクワクしながら読めたということ。 まぁ、それは政治の本だから違うよ・・・・ということかもしれませんが、 アベノミクスに興味が持てたのは、経済政策の専門家が首相に提言し、 首相が「やる!」と判断し、担当大臣や関係閣僚に指示し、大臣が配下の官僚に指示し、 官僚が推進し、また一部は反対し、経済界から賛否があり、国民からも賛否がある、 そんな紆余曲折ありながらも経済政策として進んでいく・・・・・。 この多くの人が関わったり意見したりしながら、現実世界でのアベノミクスが 凸凹しながらも実行されていくところに、なんとなく、社会の多角的な視点が関わることで 政策の内容が昇華されていくような印象が持てるところに興味がわくのかなと思いました。 アベノミクスに対して、大企業の経営者が賛同したり、中小企業の労働者が反対したり、 それは、それぞれの立場が具体的にわかるので、それぞれの主張も当たり前だと納得できます。 そもそも政治とは、完全な正解があるわけではなく、常に社会実験の要素を持ち合わせながら、 まず実行し、不具合が出てきたら修正して、時には一時停止したり、さらにブースト掛けたり、 PDCAサイクルで回していくのが適切な姿だと思います。 政治家が全てを決めるのではなく、政治家は振り出しの政策を決めて実行する役割で、 その後は、全国民がそれぞれの立場から意見を言い、修正していく、それこそが 健全な国民参加の民主主義だと思っています。 だから、アベノミクスや安倍政権の政策には、反対も多かったですが、賛同者も多く、 賛否両論で国を挙げて議論をできる環境があったことにこそ、価値があったのではないかと思います。 民主党政権時代は右顧左眄でふらふらしてて、とても議論になるような骨格の政策がなかったですし、 今の岸田政権は、「新しい資本主義」の中身が未だにわからず、賛成も反対もしようがないですものね。 安倍政権は、反対派が、政策だけでなく、人格否定のような反対の仕方をしたので ちょっと後味が悪い政策論争でしたが、でも、やっぱり議論に値する政策が掲げられたというのは 国政にとって大事なことだと思います。 一方、本作のようなマクロ経済を説く本は、結局、著者の頭の中で整理した理論を 滔々と述べていく感じになるので、なんだか、リアリティを感じられないんだと思います。 私の頭が付いていけないだけだと思いますが(苦笑)、官僚はどう反応するのか、 大企業の経営者はどう感じるのか、中小企業の労働者はどういう影響を受けるのか、 農家の人は?芸術家は?年金暮らしは?そういう様々な世の中の存在が どう関わっていくのかが見えないので、読んでいても話に気持ちが乗っていけないのかなと。 マクロ経済政策って、そういう個別具体的な事象の話は出てこないんだよ!って言われちゃえば、 当然そういうものだと思いますし、個別具体的な部分は自分で想像して埋めていくしかないのだと 思いますが、著者が一人で主張し続ける本よりも、いろんな立場の人との対談の方が しかも反対派と真正面からぶつかるような対談の方が、主張する内容が意外と頭に 入ってくるのかもしれませんね。 ![]() |
『やわらかな雇用成長戦略』
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- 2015/12/05(Sat) -
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小幡績 『やわらかな雇用成長戦略』(角川ONEテーマ21)、通読。
あまり心に残るものがありませんでした・・・・・。 「やわらかな」とか「しなやかな」とか 言葉が踊っている感じで。 具体事例による説明も、 なんだかポイントを外しているような気がしました。
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