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『すごいトシヨリBOOK』
- 2022/09/29(Thu) -
池内紀 『すごいトシヨリBOOK』(毎日新聞出版)、読了。

実家にあった本。
父や母が買ってくる類の本ではないので、たぶん、いただきものでしょう。

そもそも、読んでたら著者が77歳だというくだりが出てきて、
「えー、そんなにご年配だったの!?」とびっくり。
自然科学系の池谷裕二さんと頭の中でごっちゃになっちゃってたかも(苦笑)。

後期高齢者の著者が、同年配に向けて送るメッセージエッセイなのですが、
その内容は、結構、「身の丈に合わせろ」「無理をするな」「背伸びをするな」みたいな
高齢者に対して過信を戒めるようなものだったので、40代の私も、納得しながら読めました。

正直、高齢者に向けて「自由に生きろ!」「福祉を活用しろ!」的なメッセージを送られると、
「わたしら、その原資を払わされてるんですけど・・・・・」と捻くれた気持ちになってしまうのですが、
「50歳を過ぎたら下り坂に入るのだから、下りのペースに合わせた人生の楽しみ方を」
という著者のようなメッセージを出してもらえると、一つのコミュニティの中で一緒に
暮らしていけるように感じますし、むしろ、自分も10年後、20年後に入っていく世界なので、
年の取り方について自分が憧れるようなモデルケースになってくれる高齢者が
たくさん増えてくれると嬉しいなと感じました。

言っている本質はシビアなのですが、
著者なりの優しい言葉で書かれているので、手触りは温かです。
できるだけ多くの高齢者の方に読んでいただきたいです。

うちの両親は、ちゃんと読んだのかしら?




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『今夜もひとり居酒屋』
- 2016/03/17(Thu) -
池内紀 『今夜もひとり居酒屋』(中公新書)、読了。

ドイツ文学の先生が、居酒屋のエッセイ?ということで読んでみました。

いろんなお気に入りの居酒屋が紹介されているのかな?と思いきや、
居酒屋の楽しみ方の流儀について思うところを述べた一冊です。

学者先生の居酒屋談なので、ちょっと理屈っぽいところはありますが、
たまにはこういう目で、日本独自の居酒屋文化を眺めてみるのも
良いかなと思いました。

居酒屋のそれぞれの店の良さって、
一人で行くようになって初めて分かるものですよね。

複数名で行くときは、料理の味や接客の良さは気になりますが、
一人で行くと、それ以上に、店の人たちが客の1人1人にどのように目を配っているか
ひしひしと感じることが出来ます。

一人でも居心地の良い居酒屋が、本当に良い居酒屋なんだろうなと思う今日この頃です。




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『ゲーテさんこんばんは』
- 2015/07/20(Mon) -
池内紀 『ゲーテさんこんばんは』(集英社文庫)、読了。

ゲーテの入門書、解説本というよりも、
ゲーテにまつわるエッセイ集と言った方がしっくりくるような本です。

ゲーテの人となりにスポットを当て、
ちょっととっつきにくい印象の哲学者の素顔を伝えます。

しかし、私は、そもそもゲーテの実績自体をよく知らなかったので、
『ファウスト』が分かっていませんし、そもそも、
「へぇ、『若きウェルテルの悩み』って恋愛小説だったのね~というレベルです(苦笑)。

『ファウスト』とか、大作過ぎて、しかも戯曲だし、
悪魔との対話とか、多分ついていけないわぁ・・・・・ということで
全く関心が持てていませんでした。

本作を読んだら変わるかな?と思いましたが、
そこは、やっぱり無理でした(苦笑)。
でも、ゲーテという偉人が、雲の上のよく分からない人ではなく、
人間なんだなということは伝わってきました。

哲学者って、「面白い人」とは簡単には言えない
やっぱり難解なものを感じてしまいます。


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池内 紀

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