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『経団連と増税政治家が壊す本当は世界一な日本経済』
- 2022/10/14(Fri) -
上念司 『経団連と増税政治家が壊す本当は世界一な日本経済』(講談社+α新書)、読了。

新書をドカ買いしてきた中の一冊。
正直、先月読んだ上念さんの本と、中身は同じでした。
Q&A形式で書かれているところが違う程度。
まぁ、主張が固まっているので、同じテーマで書いたらそりゃ中身は同じになりますわな。

上念さんは、虎ノ門ニュースとか、Youtubeで知った人なので、
文章よりも、しゃべっている姿の方が頭にインプットされていて、
本作の文章も、上念さんがしゃべってる雰囲気で素直に読めるのですが、
本から入った人って、この文章は読みやすいのかな?と思ってしまいます。

というか、上念さんお得意の嫌みや乗りツッコミみたいな表現は
ちゃんと伝わってるのかしら?と、変に不安に思ってしまいました。
別に私が心配することじゃないですけど(苦笑)。




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『日本は破産しない!』
- 2022/09/11(Sun) -
上念司 『日本は破産しない!』(宝島社文庫)、読了。

虎ノ門ニュースを降板されてから、上念さんの個人チャンネルでテーマによっては見るかな・・・・
というぐらいになってしまったので、私的には露出が減っている印象だったのですが
今はどのメディアが主戦場なんですかね?著作?ラジオ?Youtube?講演?

さて、本作は、著者が昔から声を大にして主張している
「大規模な金融緩和&財政出動!」というものに対して、
よく出る反論「それでは国の借金で破綻する」について、論破しようという内容です。

2010年の民主党政権下で書かれた本ですから、まさにデフレのど真ん中、
そこから脱却するために政権がどんな長期的視点で金融政策、財政政策をしようとしているのか
見えてこずに、消費税増税だけが議論されていたような気がします。

世の中に出回っている、ハイパーインフレとかに言及した主張は、素人目にも、
ただ不安を煽って売文しようとしているだけのものだとは思っていましたが、
では、国債発行をこのまま積み上げていっても大丈夫なのかという指摘には、
きちんとした反論の仕方を理解していなかったので、本作で勉強できました。

実際に財政破綻したギリシャやアルゼンチンの例を出して、まず、破綻という状況に
どういうプロセスで至るのか、構造的な解説をしてくれるので、分かりやすいです。

そして、それが日本で起きうるのか、著者の判断は「絶対起きない!」というものです。
「金融緩和&財政出動」派が、どういう論理構成でその主張をしているのか
素人にも理解できる解説で、良かったです。
(まぁ、「金融緩和&財政出動」派の中で著者がどの位置づけに居るのかは分かってないですが)

本作の出版後に、アベノミクスの第一の矢として黒田バズーカが発動され、
なんだか今時点での評価は「空砲だった」という人も多いですが、
私の感覚からすると、相応の経済押し上げ効果があったんじゃないの?と思ってます。

確かに、インフレ目標には未達でしたが、民主党政権下に比べて経済に活気は戻ってきてたと思います。
私は脱サラして起業しましたが、アベノミクスの実感がそれなりにあったから実行できたのであって
民主党政権下では転職や起業など全く考えたことはなかったです。
脱サラして起業しても、なんとかやって行けるかも・・・と判断できたこと自体が
景気の上向き加減を表しているのではないかなと。

少なくとも、安倍政権の時は、「政権として中長期的にこういう政策をとっていきます!」ということが
はっきりしてたので、賛成する人も、反対する人も、有意義な議論ができていたのではないかと思います。
政権のあるべき姿ですよねー。
それで反対が多ければ、修正すればよいのですから(そこを強行突破しようとすると問題ですけど)。
現政権は、議論の種になる政策自体がフニャフニャしているので、
賛成する内容もないし、反対する人もぼやんとしたことしか言えないしで、
議論が成立していないうように思えます。

叩かれても良いから、というか、議論が巻き起こるのは当然だと腹をくくって、
中長期の金融・財政政策を打ち出して、国を挙げて議論ができる環境を作ってほしいです。




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『デフレと円高の何が「悪」か』
- 2020/03/02(Mon) -
上念司 『デフレと円高の何が「悪」か』(光文社新書)、読了。

Youtubeの保守系動画によく登場してくる著者。
以前、この人はどこから出てきた人なのだろうか?と思い検索してみたら、
勝間和代さんのスタッフ出身ということで、納得しました。

本作の発行は2010年で、当時は勝間ブームの真っただ中だと思いますが、
本作でも、勝間さんが上念さんを読者に紹介するというスタートになっています。
今や、上念さんの方が露出が多いことを思うと、10年で人生って大きく変わっていくんだなと実感。

というわけで、Youtube動画では、ネタ系の茶化した発言も多い著者ですが、
本作ではまだまだオトナシイ印象です。
その分、読みやすいです。

一般的な金融政策・財政政策の本を読むと、基本的に公式や定理でズンズン説明が進んでいくので、
私の頭ではすぐについていけなくなります。
でも、この本では、「思考実験」と称して、分かりやすいざっくりとした仮定を置いて、
その中で各選択肢を取った場合にどうなるかをシミュレーションしていきます。
きっと、これを緻密な数式にすると公式や定理になるのだと思いますが、
それをザックリ文章で表現してくれているので、私の頭でもイメージが追い付きます。

経済学者からすると、「そんな曖昧な説明じゃ間違ってる!」と言いたくなるのでしょうが、
素人が経済学の「勘」や「肌感覚」を持てるようにするには、まずはこういう教え方が
妥当なのかなと思います。

城山三郎好きとしては、本作の中で「困ったちゃん」扱いされていたのは悲しかったですが、
確かに、上念氏の信念には合わなそうですね。




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