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『最高の雑談術』
- 2022/05/11(Wed) -
外山滋比古 『最高の雑談術』(扶桑社文庫)、読了。

偶然のめぐり逢いを表す「セレンディピティ」が、よりたくさん自分に起きるようにするには、
雑談の場を意識的に設けて、多くの人と会話を交わすべきだ・・・・という本。

最初、いわゆる本をジャンル問わずに読む「乱読」と比べて、
いろんな人といろんなことを自由に話す「乱談」の方が
より「思わぬアイデアとの遭遇」があるから良いよ!という話を
講演ではなく著作で広めようとするところになんだか矛盾も感じますが(爆)、
まぁ、でも、著者の言う「乱談のススメ」はよく分かります。

以前、先輩から、「自分のやりたいことは、いろんなところで口に出せ。
誰がどこで応じてくれるかわからないから」と言われ、なるほどなと思いました。
誰かの耳に入って実現する機会が得られるかもしれませんし、
口に出すことで自分も責任感を高めることができますからね。
このイメージがあったので、何かを誰かに伝えると、巡り巡って、何か良い結果に結びつくという
幸運の呼び込み方のようなものが納得できました。

著者の主張は、もっと相互方向的な会話のイメージで、
いろんな人の口から飛び出してくる情報が、自分の脳を刺激したり、
お互いのアイデアを高めあったりして、面白い成果が生まれるという感じかと思いますが、
それもその通りだなと思います。

会社で真面目に段取りに沿って会議をしているときよりも、同僚ととりとめもない雑談しているときの方が
変なアイデアが出てきたりして面白かったりしますものね。

納得感は高い本でしたが、でも、やっぱり、それを著作で伝えるという矛盾が可笑しい(笑)。




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『読みの整理学』
- 2018/04/25(Wed) -
外山滋比古 『読みの整理学』(ちくま文庫)、読了。

「読み」という単語を、「物事の成り行きを見通す力」という意味で捉えていたのですが、
読んでみたら、まさに「読むこと」についての本でした。

今の国語教育は、読んでわかること=既知のことを読ませているだけであり、
昔の国語教育にあった、一度読んだだけでは分からないこと=未知のことに
ぶつからせる教育をもう一度見直すべきだ・・・・というような趣旨の本。

「一度読んだら意味が取れることは、新しい物事との出会いではない」という指摘は、
「読書は新しいことを教えてくれたり経験させてくれたりするから面白いんだ」と思っていた私にとって
なかなかに衝撃的な言葉でした。

確かに、すぐに内容が頭で描ける本というのは、
自分の知っていること、分かっていることで、何か一つの情景なり論理を組み立てているだけで、
何か自分にとって新しい事物を解釈しなければいけないわけではないですね。

ついつい、すらすらと読める自分に合った文章に出会うと嬉しくなってしまい、
その作家さんの本をどんどん買ってしまがちですが、
それでは、自分に無いものとの出会いは少なくなっていくかもしれませんね。

読み易いものについ流れがちな普段の読書をちょっと反省。
でも、勉強だけが読書じゃないですからね!
エンタメも大事な本の時間です。

著者の主張でちょっと引っかかったのが、
未知の読書体験として、漢文の素読を薦めていること。

国語の時間に漢文とかやりましたけど、
未知の世界に繋がるような経験をした覚えがないです・・・・・。
読み方、学び方が悪いということなのかもしれませんが。

むしろ、大学生の頃に背伸びして読んだ
マルクスとか、ミルズとかの古典と呼ばれる社会科学の本が、
ほとんどチンプンカンプンでしたが、それでも何か分かるところはないかと
苦労して読み探した思い出の方が、
著者の言う未知を読む体験に近いのかなと思いました。

社会科学系の本であれば興味はあるので、
買ってはあるのですが、読む気力がなくて積読になっているものばかり・・・・・。
まずは、そこからですね。


「読み」の整理学 (ちくま文庫)「読み」の整理学 (ちくま文庫)
外山 滋比古

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『ことばのある暮し』
- 2006/04/12(Wed) -
外山滋比古 『ことばのある暮し』(中公文庫)、読了。

日常で言葉を話す、聞く、書くといったことにまつわるエッセイ。

この著者の作品は、素人でも難なく読める文章が魅力です。

どうやら私は、お茶大のセンセイの作品が好みのようです。




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