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『「人望力」の条件』
- 2024/01/16(Tue) -
童門冬二 『「人望力」の条件』(講談社+α文庫)、読了。

歴史に名を残した武将たちのリーダーシップについて
主に「部下をうまく使うには、部下の能力を引き出すには、部下に暴走させないためには」というような
視点で、部下の扱い方を解説した本です。

よくある歴史小話本の、数ページずつトピックスを述べるだけをまとめたものと違って、
著者の本は、テーマに沿ってきちんと章立てて、その中で理解がきちんと進むように
構成も考えられているので、読みやすいし、内容が頭に残ります。

本作では、信長、秀吉、家康といった超有名武将ももちろん登場しますが、
蒲生氏郷や緒方洪庵、土井利勝、松平定信といった渋いところも取り上げられているので
重層的にリーダーシップというものが理解でき、勉強になりました。

また、例えば、吉田松陰と緒方洪庵の考え方、教え方を比較し、
どちらも幕末から明治維新にかけて優秀な人材を輩出したスクールですが、
どちらがより良いというようなジャッジをせずに、それぞれの考え方に応じた
優秀な人材が輩出されたことを解説し、多様性の尊さが伝わってきます。

社会進化論的考え方かもしれませんが、こういう時代の大転換期には、どういう人材が
活躍するか読めないところがあると思うので、異なる思想体系のもとで様々な人材が育てられる方が
日本という大きな社会が生き抜くためには重要なことだったんでしょうね。

登場する人物たちの時代が、概ね戦国時代~明治維新の間に限られていたので、
是非、前後に時代の幅を広げて読んでみたいなと感じました。




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『戦国武将の危機突破学』
- 2023/02/10(Fri) -
童門冬二 『戦国武将の危機突破学』(日経ビジネス人文庫)、読了。

著者は、都庁内で出世した経歴の持ち主だけあって、
歴史の解説が、組織論や経営論をベースにしていて面白いです。

一方で、著作が多いので、どれを買うべきかブックオフの店頭で迷います。
本作は、パラパラっと中をめくってみて、有名武将が並んだん中に
蒲生氏郷の名前があったので買ってきました。

蒲生氏郷は、学校の教科書には出てこないレベルの武将ですが、
三重県民にとっては松阪の町を作った人なので、気になるところです。

近江の国から伊勢の国に領地替えになったときに、
当然、近江から連れてきた住民と、伊勢の国にもともと住んでいた住民が混在するわけですが、
お互いの立場を考えて、どちらか一方を優遇することにならないよう
いろいろと新しいものを作り出して、双方が協力して作り上げないといけないものにしてしまったのは
うまいなーと思います。その代表例が「松阪(当時は松坂)」という地名。
今や、下手をすると三重県で一二を争う有名な地名になったと思いますが、
まだ歴史の浅い地名なんですよねー。
他にも産業振興策なども解説されており、面白かったです。

氏郷レベルで興味を持てたのは、細川幽斎。
一人でいろんな歴史の歪みを背負ってしまった人生のように思えて、
この人が、これだけの覚悟を決めてくれたから、戦国時代がきちんと終わったような面も
あったのかなと思いました。

他の武将たちは、信長、秀吉、家康、信玄、正宗など、有名過ぎて、あんまり興味がわきませんでした。




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『参謀は名を秘す』
- 2022/09/05(Mon) -
童門冬二 『参謀は名を秘す』(日経ビジネス人文庫)、読了。

藤沢作品パンク侍と時代物を読んできたので、
積読の中にあった現実世界の歴史ものということで、本作を手に取ってみました。

戦国武将のもとに使えた、いわゆる「参謀」と呼ばれる人物について
何人かにスポットを当てて紹介しているのですが、
そのスポットの当て方が、普通の歴史物とは異なります。

「戦国代の名参謀」と言うと、パッと思いつくのは、
山本勘助、黒田如水、真田幸村あたりが頭に浮かびますが、
著者はこれらの人物をバッサリ斬って捨てます。
理由は、「負けたから」。

彼らに共通するのは「絶対的忠臣」「部分的勝利」「豊かな人間性」「悲劇的な最期」と
著者は分析していますが、まさに日本人好みの「判官贔屓」に当てはまるということなんでしょうね。

著者が言う「名参謀」とは、「信長の天下統一の思想を授けた」「家康の政権運営能力を育てた」
「大政奉還の下絵を描いた」など、実際に日本の国造り、国家運営を行った権力者に
大きな思想的影響を与え、実際に行動に移させた人物ということです。
そして、そういう人物は、信長や家康や慶喜の偉大さの陰に隠れて表舞台には出てこない。

この解説と評価には納得しました。
信長、家康、慶喜のそれぞれの人物が持つ能力や人間性がずば抜けて優れているのはもちろんですが
その能力を伸ばしたり、人間性を深めたりするところに作用する思想的支柱は居たと思いますし、
また、そういう優秀な人物に元には、優秀な人物が集まってくるという効果もあると思います。

信長の優秀さが先か、沢彦の優秀さが先か、鶏と卵のような難問ですが、
優秀な者同士は引き寄せ合うんでしょうね。

忠臣蔵のエピソードだけは、なんだか本作に不釣り合いなように感じましたが、
まぁ、ご愛敬。

あと、ふと著者プロフィールを見たら「東京都庁 広報室長、企画調整局長、政策室長など歴任」
と書いてあって、「なんと凄い能吏なんだ!」とびっくりしました。
過去に何冊か著作を読みましたが、初めて知りました。
著者の視点に納得することが多いのは、ビジネスマン的な感覚が自分と似てるのかもと思いました。
優秀さの面を著者から学びたいわ~。




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『戦国武将の宣伝術』
- 2022/05/04(Wed) -
童門冬二 『戦国武将の宣伝術』(講談社文庫)、読了。

戦国時代を生き抜いた武将たちの戦略や戦術について
「宣伝」「自己PR」というような切り口でまとめた本。

GW中、仕事が忙しいので、軽~い息抜きのつもりで手に取ったのですが
思いのほか面白かったです。

戦国武将が自己PRする相手としては、上司である大名や関白、将軍、天皇、
ライバルである他の戦国武将たち、そして領民である農民や商人、職人たちがいますが、
それぞれの武将が、自分の価値観に基づき、誰に何をPRするのかを選択しており
その考え方の違いが面白かったです。

やっぱり天下を取る人は、視野が広く、PRする対象もあちこち想定していますし、
そのPRが、直接のPR相手以外に、間接的に誰にどんな風に見えるのか
そこまで想定していることがよく分かりました。

文章も小気味よく、良い息抜きになりました。




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『人生で必要なことはすべて落語で学んだ』
- 2015/09/01(Tue) -
童門冬二 『人生で必要なことはすべて落語で学んだ』(PHP文庫)、読了。

二番煎じ、三番煎じ丸出しのタイトルですが、内容は面白かったです。

冒頭、自分の講演会についての聴衆の反応として
「まるで落語を聞いているよう」「生粋の江戸弁に誠意的な快感を覚えた」と、
ガッツリ自画自賛で始まったので、こりゃ大丈夫かな?と不安になりましたが、
中身は、ちゃんとした落語を材料にしたエッセイになってました。

人生論という壮大なテーマを掲げてしまっているせいで、
やや落語のストーリーからこじつけの結論になっているものもありますが、
自分が聞いたことのある噺が登場すると、「そうそう、そういう展開なのよね~」と
うなずいてしまいます。

人生とか、難しいことを考えるのではなく、
落語は純粋に笑い話として楽しめれば、それで良いじゃないかというのが
この本を読んでの私の最終的な感想です。

また、時間が出来たら寄席に行こうっと♪


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『上杉鷹山の経営学』
- 2011/08/03(Wed) -
童門冬二 『上杉鷹山の経営学』(PHP文庫)、読了。

上杉鷹山という人物については、
なんとなく名前を聞いたことがあるという程度だったのですが、
古本屋で本作を見つけて、これも何かの縁と試しに買ってきました。

米沢藩を立て直した実績について、
施策の面で語るだけでなく、鷹山の出自なども踏まえて解説しているので、
行動の一つ一つに納得感がありました。

また、鷹山やその側近たちがどのように思考したかを
現代の言葉遣いで書いているので、理解もしやすかったです。

一方、現代語表現になっているので、
江戸時代の形式論でガチガチだった時代に、この自由な発想を取り入れて実行するという
まさに側近からしたら天変地異のようなパラダイム変換だったと思いますが、
そのインパクトや、それを乗り切った苦労が、
若干、軽く映ってしまうというマイナスがあったかと思います。

でも、施策そのものの観点や、人を説得する手順については
学ぶべきところの多い本でした。




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