『ドナルド・トランプ』
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- 2017/12/15(Fri) -
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佐藤伸行 『ドナルド・トランプ』(文春新書)、読了。
著者が本作を描いたとされるのが2016年7月。 トランプ大統領の誕生が決まる4か月前。 当時は、クリントン優勢とか伝えられていた状況かと思老いますが、 その時点で本作を書こうとしたのは流石。 祖父の代まで遡っての、トランプ家の流儀というか教育というか、 ドナルドが生まれてくるまでの歴史を辿りながら、 大統領選挙における戦略や戦術についても解説し、 選挙前とは言え、「トランプ大統領、十分にありうるよ~」と文章に残した 著者の読経というか、政局の読みは凄いですね。 口で言うだけでなく、本に残すという度胸が凄いです。 そして。レーガン大統領との共通点が分析されていますが、 読めば読むほど、なるほど~でした。 私が小学校低学年の頃まで大統領だった人なので、 アメリカ大統領=レーガンが、私の中で最初のアメリカの記憶になってます。 物心ついたころには、既に大統領3期目だったと思うので、 経験も貫禄もある大統領であり、何の疑問も抱かない存在でしたが、 よくよく考えてみれば、2流俳優上がりということで、 生粋の政治家ではないという点ではトランプ氏と似てますね。 でも、第1期のレーガンよりは、きっと選挙期間中のトランプの方が テレビをはじめとするマスコミ慣れもしてるし、 選挙民的にもテレビでよく見る人というイメージが固まっていたのでしょうね。 レーガンさんよりも、身近な人というイメージだったのではないでしょうか。 そんな人が、過激な発言を繰り返し、しょちゅう炎上してるというのは、 ある種のエンタメと言いますか、会話のネタと言いますか。 とにかく、「アメリカ合衆国の政治はこうあるべきだ!」というガチガチの人ではなく、 「みんなの(もしかすると「私の!」)利益が最大化する方向を模索しよう!」という ある意味シンプルな方針を貫いているので、分かりやすいです。 今、アメリカは、壮大な実験の最中ですね。 アメリカが再び強くなるのか、分裂して弱体化するのか、 海を隔てた国の住民として、非常に興味があります。
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