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『トランプ自伝』
- 2024/02/18(Sun) -
ドナルド・トランプ 他 『トランプ自伝』(ちくま文庫)、読了。

たまたまブックオフで見つけて、「もしトラ」に備えて読んでみました(爆)。

ここ数日も、なんだか裁判の判決が出てトランプ氏が負けたとかニュースになってますが、
判決結果以上に、報道されること自体がトランプ氏の選挙戦にはプラスに働いているように
思うのですが、実際のアメリカでの空気はどんな感じなんでしょうかね?

さて、本作がアメリカで出版されたのは1987年であり、今から35年以上前。
トランプ氏は41歳の時ということで、大成功中のバリバリの不動産ディベロッパーであり、
大統領になる予感は全く感じさせませんし、そもそも政治家転身の雰囲気もありません。

しかし、本作で描写されているトランプ氏の仕事の日々を見ていると、
ニューヨークの大規模開発計画のためにニューヨーク市当局の開発許可を得たり、
家賃設定に関して、借主保護のために設定されている各種の法律について改正交渉をしたり
司法当局の長官と交渉をしたり、時には裁判をしたりと、正直、大統領時代にやっていたことと
ほとんど変わりがない印象です(苦笑)。

つまりは、都市開発というのは非常に政治的な側面を持った事業であるということと、
全ての人が賛成する都市開発というのは稀という皆無であり、
諸手を振って賛成する層もあれば、大反対する人々もいる事業だということです。

こういう、不動産ディベロッパーとして蓄積された経験が、米国大統領としても
良くも悪くも能力として発揮されていた訳であり、また、現在の裁判ラッシュに関しても、
トランプ氏にとっては、昔からやり慣れてきた日常の出来事なんでしょうね。

ビジネスマンとしての姿勢で感心したのは、情報をすべて自分に集めて自ら判断するという
情報処理能力および決断力の高さと、即断即決できる勇気とともに急ぐ必要がにないと判断すれば
何年でも保留して事態の変化を待つことができるという忍耐力、そして最終決断以外の仕事は
全て部下や外部委託際に任せて、進捗管理しかしないこと。ただし、その進捗管理は徹底しており
捗っていなかったり、考え方がおかしい人物は即座にクビにするという思い切りの良さ。
つまりは、損切りが非常にうまいんですよね。
任命した自分のメンツとかは一切考えず、ダメだと判断したその時に切る、より優秀な人材を
全力で探すという点に集中していることです。

ビジネスマンとしても、政治家としても、行動方針が明確に定まっている人は、
常に成果を求められるスタッフは大変ですが、何をすればよいのかが分かりやすいですし、
成果を出せば大きな報酬(金だけでなく経験とか名声とか)がもらえるので、
非常にやりがいのある職場だと思います。

そして、一緒にタッグを組むビジネスパートナーは、トランプ氏の真の目的さえ読み違えなければ
大きな利潤がもたらされるという点で、組み甲斐のあるパートナーであると思います。
普段から密なコミュニケーションを絶やさないことと、環境変化を敏感にキャッチするアンテナを
自分自身でしっかりと持っていくこと、そしてトランプ氏の決断スピードに負けない判断力と勇気が
必要ではありますが。

トランプ氏が大統領に返り咲いたらアメリカの政治が再び変革しそうという期待感というか、
他人事としての面白がり方をしていますが、一方で、やっぱり年齢が行き過ぎてると思うんですよね。
トランプ VS バイデン だなんて、アメリカの50代あたりの政治家はどうなってんねん!?という感じ。
それを思うと、岸田さんあたりの年齢の人が首相をやっている日本は、
高齢化社会といわれつつも、まだ頑張ってる方なのかな・・・・と思えてしまうこと自体が
なんだか非常に残念です。

とりあえず本作は、ドナルド・トランプ氏という人物のもののが考え方を知るには
良い本だと思いました。




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『権力者とメディアが対立する新時代』
- 2021/09/09(Thu) -
マーティン・ファクラー 『権力者とメディアが対立する新時代』(詩想社新書)、読了。

知らない出版社の新書で、かつトランプさんと安倍さんの写真が表紙にドーンとあり、
これはブームに乗っかった粗い本かなとも思ったのですが、
著者がニューヨークタイムズの東京支局長をやっていたとのことなので、
リベラル目線からの評価だという点に注意すれば、そこまでヤバい内容ではないだろうと思い
買ってみました。

前半は、トランプ政権誕生前後における、米国のメインストリームメディアとトランプ氏の対決、
そして、新興メディアも参戦しての、反トランプメディアと親トランプメディアの対立など
日本人には分かりにくい部分をすっきり説明してくれているので、頭の整理に便利です。

著者の立場が、メインストリームメディアのリベラル的見地からの発信なので
当然、トランプ政権には批判的な解説なのですが、
しかし、こういう反トランプの報道姿勢が、結局は不満を抱える米国民のトランプへの期待を高め
トランプ政権誕生につながったと自ら解説しています。
つまりは、メインストリームメディアが米国民にNoを突き付けられたということですよね。

後半は、安倍政権とメディアの戦いも解説していますが、
前半のトランプ政権批判に比べると、日本の状況の解説は中身が薄く批判のトーンも低調です。
米国内に分断を生んだトランプ政権に比べると、安倍政権は分断まではもたらさず、
「アベ独裁を許さない」という一派が日本国内で一般的な賛同を得られてないので、批判も鈍るのでしょうね。

というわけで、日本の分析はイマイチでした。
著者としては朝日新聞を応援したいのでしょうけれど、
肝心の朝日新聞が腰砕けなので、思うような応援もできない・・・・というような印象です。

著者の指摘で、そうだなと感じたのは、
「フェイクニュース」というのは「ウソのニュース」という意味ではなく、自分と同じ考えを伝えない報道を
指す言葉だという指摘。

これは、左派も右派も、そうだと思います。
自分の主張に反するニュースを、すぐに「フェイクだ!」と批判しますよね。
明らかに事実に反するニュースは、もちろん虚偽報道だとして批判されるべきですが、
真実がどうかという点ではなく、思想がどちら寄りかという点でフェイク扱いしているような
幼稚な批判が多いように思います。

思想の際に関しては、「フェイクだ」として言論を封じようとするのではなく
正々堂々と考え方の相違を明確にして議論すればよいと思うのですが、
そういう正面からぶつかることはせずに、左右ともに足の引っ張り合いみたいなことをしますよね。

政治的なニュース以外に、例えばLGBT方面での少し極端な発言や古風な考え方について、
そういう考え方の人もいるんだという多様性を認めずに、言論封殺の方向に走りますよね。
今までは、確かに、LGBTに属する方々が自由に発言する場を得られなかったから
彼らが言論封殺の被害に遭ってきたというのはその通りだと思います。

でも、例えば性転換をして女性になったアスリートがオリンピックの女子部門に出場することについて
議論になっていましたよね。その時、声高に反対を叫んだのは、その女性の出場により
オリンピックに出られなかった他の女性選手たちであり、アスリートではない一般人は、
なんか変じゃない?と思ってても、真正面から反対する声は上げにくそうにしていたような印象があります。

これって、LGBTの人を過度に意識して、LGBTじゃない人が発言しにくくなっている状況ではないかと
私は危惧しています。もっと自由に議論ができる社会こそが健全じゃないかと。

今は、あくまで過渡期なのでしょうけれど、一人一人が、発言すること、判断することに、
主体的に責任をもって行動できる社会に少しでも近づけばなと願います。
また、一人一人がメディアに対しても健全な批判の目をもって利用すべきだなと思います。




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『ドナルド・トランプ』
- 2017/12/15(Fri) -
佐藤伸行 『ドナルド・トランプ』(文春新書)、読了。

著者が本作を描いたとされるのが2016年7月。
トランプ大統領の誕生が決まる4か月前。
当時は、クリントン優勢とか伝えられていた状況かと思老いますが、
その時点で本作を書こうとしたのは流石。

祖父の代まで遡っての、トランプ家の流儀というか教育というか、
ドナルドが生まれてくるまでの歴史を辿りながら、
大統領選挙における戦略や戦術についても解説し、
選挙前とは言え、「トランプ大統領、十分にありうるよ~」と文章に残した
著者の読経というか、政局の読みは凄いですね。

口で言うだけでなく、本に残すという度胸が凄いです。

そして。レーガン大統領との共通点が分析されていますが、
読めば読むほど、なるほど~でした。

私が小学校低学年の頃まで大統領だった人なので、
アメリカ大統領=レーガンが、私の中で最初のアメリカの記憶になってます。
物心ついたころには、既に大統領3期目だったと思うので、
経験も貫禄もある大統領であり、何の疑問も抱かない存在でしたが、
よくよく考えてみれば、2流俳優上がりということで、
生粋の政治家ではないという点ではトランプ氏と似てますね。

でも、第1期のレーガンよりは、きっと選挙期間中のトランプの方が
テレビをはじめとするマスコミ慣れもしてるし、
選挙民的にもテレビでよく見る人というイメージが固まっていたのでしょうね。
レーガンさんよりも、身近な人というイメージだったのではないでしょうか。

そんな人が、過激な発言を繰り返し、しょちゅう炎上してるというのは、
ある種のエンタメと言いますか、会話のネタと言いますか。

とにかく、「アメリカ合衆国の政治はこうあるべきだ!」というガチガチの人ではなく、
「みんなの(もしかすると「私の!」)利益が最大化する方向を模索しよう!」という
ある意味シンプルな方針を貫いているので、分かりやすいです。

今、アメリカは、壮大な実験の最中ですね。
アメリカが再び強くなるのか、分裂して弱体化するのか、
海を隔てた国の住民として、非常に興味があります。


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