『カキフライが無いなら来なかった』
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- 2019/06/09(Sun) -
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せきしろ、又吉直樹 『カキフライが無いなら来なかった』(幻冬舎文庫)、読了。
せきしろさんって、芸人さんだと思ってました。 作家さん(コラムニスト?)なんですね。 せきしろさんと又吉さんの2人が綴る、自由律俳句と短いエッセイ。 裏表紙に「センチメンタル過剰で自意識異常な世界」と書かれてましたが、 まさにそんな感じの世界が広がっています。 自由律俳句は、五・七・五の型を破った俳句ですが、 あまりに自由な句作が続くので、 「なんで、この句を読もうと思ったんだろう?」と疑問に思ってしまう光景も多く、 型破りというのも、自由過ぎて、その感情を伝えるのが難しいんだなと 変な感想を持ってしまいました。 「なんで、この句を読もうと思ったんだろう?」と思えてしまう光景をあえて切り取ってるというのは、 つまり、「センチメンタル過剰で自意識異常」ということなんだろうなと納得。 私が、そもそも俳句の世界にあまり馴染みがないから 余計にそう感じてしまうのかもしれません。 短いエッセイで表現された世界観の方が、引き込まれるものが多かったです。 せきしろさんの名前で、自分のBlogを検索したら、 前に読んだ作品が1つヒットしましたが、それも自由律俳句の本でした。 俳句は、解説がついてれば、きっと楽しめるんだろうな。 ![]() |
『ダイオウイカは知らないでしょう』
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- 2016/01/30(Sat) -
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西加奈子、せきしろ 『ダイオウイカは知らないでしょう』(文春文庫)、読了。
『anan』で連載されたという短歌挑戦シリーズ。 西加奈子×せきしろという組み合わせが、 なんとも予測不可能な短歌を生み出しております(笑)。 中学校の国語の授業などで、私も短歌づくりに挑戦したことがありますが、 「五・七・五・七・七」の定型に当てはめることを最優先に考えてしまい、 何とも味気ない文句しか思いつかなかった思い出があります。 しかし、せきしろさんは、思いのたけをぶちまけることを最優先にし、 字余り・字足らずどころか、破調の短歌から入っていきます。 うーん、なんとアグレッシブな! まず型に囚われてしまう自分からすると、この自由さが羨ましいです。 そして、ストーリー重視の西さん。 小説家という職業柄なのは分かるものの、そのストーリー設定あまりに斬新。 オバマ大統領との不倫の歌とか(笑)。 笑いを狙いすぎじゃない?と思う歌もあれば、 次にいきなりキレイな情景描写の歌を作ったりして、 油断も隙もあったものじゃない。 そんな2人を見守るゲストが登場しますが、 最初は本職の穂村弘さん、東直子さんによる入門指導のような感じで、 褒めつつも型についてポイントは指導するという方法により、 読んでいる側も短歌の基礎が分かったよかったです。 そして、最後に再び穂村弘先生登場。 2人の成長の度合いが良く分かる解説で、面白かったです。 短歌は、1人で作って満足するよりも、 複数人でお題を決めて披露しあうのが楽しいスタイルなのかもしれませんね。
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