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『Fukushima 50』
- 2021/03/13(Sat) -
『Fukushima 50』

公開時に、保守系Youtubeチャンネルでは「絶対見るべき!」と大きく宣伝されていたので
観たい観たいと思ってましたが、どうしてもコロナが怖くて、映画館に行けませんでした。
東京から三重県の田舎に引っ越してからは、そもそも映画館に行く習慣が消えてしまいましたし・・・・。

で、たまたま今日、実家に帰って夕飯後にテレビの前でゆったりしていたら、
金曜ロードショーで本作が始まり、「え、今から放送するの?」と、お風呂にも入らず視聴。
わたくし住んでいる家にはテレビがないので、実家に帰っててよかったです。

映画スタート直後、何の余韻もなく東日本大震災の地震が起こり、
現場がバタバタする中で津波襲来により電源が落ち、原子炉の状況が把握不能の状況に陥ります。
とにかくテンポが速く、淡々と起きた事象が伝えられていく演出です。
後半になるほど死の危険と直面するようになり、普通の映画でやったらお涙頂戴過ぎる・・・・と
引いてしまいそうなセリフも、福島第一原発の現場なら、本当にこんなやりとりだったんだろうなと、
その切羽詰まった状態が、よく伝わってきました。

まず驚いたのは、地震直後に、ちゃんと福島第一原発と東電本社とをつなぐテレビ会議の場が
きちんと立ち上がっていること。このあたりは、さすが大企業のマニュアルですね。
組織だって動けていることに、日本の企業はちゃんとしてるよなと思いました。

その後、非常用電源を喪失した原子炉において、
次々と非常事態が起き、水素爆発という事態になっていくのですが、
映画全編を通して驚いたのは、原子炉が吹っ飛ばなかった理由は、結局分からないということ。
今、日本が曲がりなりにも国家として持続できていることが、奇跡だったということ。

現場にいる所長以下作業員の方たちが必死の努力をして、
出来る限りのことを試し、なんとか原子炉を制御しようと踏ん張ってきた姿には、
本当に涙が止まらず、感謝の気持ちしかありません。

しかし、冷静になってみると、技術的には敗北してたってことですよね。
1号機のベントを一つ開けられたのは決死隊のおかげだと思います。
でも、その効果は数値の上では表れなかったということですよね。
2号機の圧力が下がったのは、たまたま壁に穴が開いたからであり、
大きな地震の揺れのおかげで壁がもろくなっていたのかどうかは知りませんが、
本来であれば穴が開くはずのない壁が壊れたから救われたわけですよね。
まさに、神様、仏様に祈ったら、助けてもらえたみたいな。

本作を見るまで、私は、Fukushima 50 の決死の行動が直接的に
何か大きな効果をもたらして大災害に繋がるメルトダウンを防いだのだと思っていたのですが、
どうも、そうではないようで、本当に、真っ暗な闇の中での奇跡の綱渡りだったのだなと感じました。

もちろん、Fukushima 50 が現場に残ってデータ収集やできる限りの行動をとってくれたから
被害が抑えられた点もたくさんあると思いますが、それ以上に運だったのかなと思ってしまいました。

まだ福島第一原発のことは、全容が解明されたわけではないので、
今後の検証が進めば、やっぱりFukushima 50 のこの行為が、有効打となったんだという
技術と知識の勝利みたいな結論がもたらされるのかもしれません。
しかし、今の時点では、Fukushima 50 の努力の成果が、科学的にどこまで効果を証明できるのか
難しいというのが精いっぱいのところなんだなということが本作からわかりました。
あと、実は海水注入とかはほとんど漏れ出していて実効がなかったということが
言われているようですが、そのあたりの効果検証は本作では全く触れられていなかったので
本作においては科学的な側面の描写はされていないと割り切った方が良いのかなと思いました。

いずれにしても、福島第一原発に関わっていた東電社員の皆さん、協力会社の皆さん、
自衛隊の皆さん、そのご家族の皆さん、日本を助けようと命を投げ捨てて立ち向かっていただき、
本当にありがとうございました。
こういうプロフェッショナルが現場で地道に支える国に生まれてこれたことは、幸せなことだと思います。

緊張を強いられる状況下にずっと居ながら、「食事にしよう」と息を抜く術を持っていたり、
ふとしたときに笑顔を見せ合える現場というのは、すごく良いチームワークだし、みんな大人だなと感じます。
このあたりのどんなに辛い状況でもお互いを信頼しあえる関係づくりを普段からしていて、
いざというときにチームで困難に立ち向かえるという点に、日本人らしさが一番出ているように感じました。

そして、福島第一原発だけでなく、様々な現場で、様々な人々が、
地震や避難や復興のために地道に仕事をされていたものと思います。
そういう全ての人々に感謝いたします。

一方で、政府の対応や東電の上層部の描かれ方は、ブラックユーモアで満艦飾ですが、
ちょっと批判しやすいシーンに偏り過ぎているんじゃないかなと感じました。
現在の姿はともかくとして、私は、当時の枝野官房長官は、不用意に国民を混乱に落とさないよう
彼なりの立場で頑張っていたと思いますし、首相はともかくとして、
現場と直接向き合っていた政治家や役人も、表には見えにくかったでしょうけれど、
必死に頑張っていたのではないかと思います。
Fukushima 50 を英雄視するには、その対極に位置するピエロ役が必要だったのかもしれませんが、
ちょっとカリカチュアライズし過ぎな印象を受けました。

というわけで、本作は、技術面、科学面、政治面の話は抜きにして、
とにかく、Fukushima 50 の方々に感謝の気持ちを捧げるために、見た方が良いというのが私の結論です。



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『インセプション』
- 2011/07/19(Tue) -
『インセプション』

何の予備知識もなく、「あ、ディカプリオ作品だ」ぐらいの調子で観たのですが、
最初の感想は、「う~ん、長い!」というもの。
1時間ぐらい過ぎたところで、「まだ1時間半もあるのか・・・」と思ってしまいました(苦笑)。

映像は凄いと思うんですよ。
特に、ホテルの廊下のシーンとか、圧倒的な質感の不思議な映像に、
吸い込まれそうな感覚を覚えました。

でも、ストーリーが・・・・・。

一つ一つ丁寧に考えてみていけば、何を言ってるのかはわかります。
なんで、その行動が必要なのかも、ちゃんと考えればわかります。
でも、しっかりと考えないとわからないんです。
これって、結構、観る側にストレスを与えると思うんですよね。
しかも2時間半(苦笑)。

ここまでいろんな人を巻き込んで、命を懸けてやっていることの目的は、
ライバル会社の発展を阻止し、あわよくば会社を解散させるというもの。
なんだか、コストパフォーマンス非常に悪い手段を選択しているような・・・。
そう思いませんか、渡辺謙さん?

さらには、「車の転落シーンのカット、時々、時間が巻き戻ってない?」というような・・・
つまりは、「10秒とか、2分とか言ってる割には、行動量多過ぎない?」という
感覚的な疑問が、ところどころで感じられてしまい、
映画作品としての整合が取れているのか若干気になってしまいました。

あと、「なんでモルにトーテムを示さなかったんだろう?」という
根本的な疑問もモヤモヤ。

あ、モルを演じたマリオン・コティヤールは素晴らしかったです。
狂気を含んだ表情、特に、目の力強さが印象に残りました。
他のキャスティングも、はまってたと思います。

設定、展開、映像、キャスト、それぞれに面白さを感じたのに、
なんだか全体としてのまとまりがないというか、
逆に、詰め込んだ内容が重過ぎて作品の重力方向が歪んでいるというか
(よくわからない喩えで申し訳ないですが・・・・・)
ま、ちょっと、消化不良感の残った作品でした。

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『ラストサムライ』
- 2008/04/19(Sat) -
『ラストサムライ』

あまりのヒット映画で放置していたのですが、やっと観ました。

反乱映画の悲劇の王道を行く物語でしたので
ストーリー的には見る前から安心してました。

出だし、「日本に虎はおらんがな・・・」とやや斜に構えて見始めたのですが、
目に余るほどの日本文化や歴史への認識相違もなく、
その点でも満足して観られました。

殺陣のシーンで、鮮血が吹き出しているところなんぞは、
さすがハリウッドと思わせる特殊効果です。

まぁ、忍者登場や小雪とのキスシーンは、かなり違和感ありましたけど。
そして、林の中のシダ植物も、ちょっと植生が違うんじゃない?と(苦笑)。

渡辺謙は、重厚な演技で見事でしたが、
目に力があり過ぎて、表情(というか顔)が大きく動くときは
ちょっと演技過剰な感じもしました。
しかし、なぜ勝元は英語が話せたのでしょうか?

最後は涙涙のシーンでございますが、
勝元は介錯されて刀で死ねたので、ある意味本望でしょう。
可哀そうなのは氏尾。
鉄砲でハチの巣になって死んでしまうことは、
侍である彼には死んでも死にきれないのではないでしょうか。

しかし、勝元の死に対して、
官軍側の兵士たちが哀悼の意を表明するシーンは良かったですね。
彼らもやはり日本人であることを確認させるような最後でした。

ところで、明治天皇って、あんなに頼りない感じだったのでしょうか?
若かりし頃のお話だから?
私の明治天皇像は、近代日本を作るために率先した有能な統率者だったのですが。


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