『知っているようで知らない消費税』
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- 2017/10/31(Tue) -
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野口悠紀雄 『知っているようで知らない消費税』(新潮文庫)、読了。
今回の衆議院選挙において、有権者が関心を持っていた主要な政策の1つだった 「消費税」の問題。 たまたま本作が積読になっていたので、お勉強のために読んでみました。 選挙後に読んでも遅いのですが・・・・・(爆)。 最初は、消費税における「益税」の存在を紹介し、 それを通して消費税の納税の仕組みを解説していきます。 これが、非常に分かりやすかった! 教科書的に淡々と説明するのではなく、 消費税で得する人、損する人が出てくるのはなぜか?という 興味を引きやすい切り口から話を初めて、 消費税の構造全体を解説していきます。 この流れが上手いし、分かりやすいです。 また、複数税率の話は、今回の選挙でも争点になっており、 興味深く読みました。 さらに、ゼロ税率を導入するために必要な仕組みについても EUでの事例を紹介しながら解説しており、 「あぁ、簡単なことではないんだ・・・・」と分かりました。 後半は、マニアックな内容になっていったので 読み込むことができませんでしたが、消費税の仕組みについて勉強になりました。 この本を読んでいて実感したのは、 税制度というものは、国家がどのような日本になっていくことを望んでいるのか、 それをきちんと把握して、税制度の在り様を正しく理解した者に 有利に働くようになっているということです。 脱税とかグレーな節税とか言う意味ではなく、 国が描いている将来像に自らの組織を合わせていくということで、 国益のおこぼれをもらえるようになっているんだろうなと思います。 税制度は、消費税だけでなく、 所得税、法人税などなど、主要税制についてもっと学ばなくてはいけないとの 思いを新たにしました。
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『正確に間違う人、漠然と正しい人』
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- 2015/07/06(Mon) -
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野口悠紀雄 『正確に間違う人、漠然と正しい人』(ダイヤモンド社)、読了。
タイトルに惹かれて買ってきたのに、 なんと雑誌の連載をまとめたシリーズの第6段ということで、 特に本作タイトルに関する章があるわけではありませんでした。 うーん、残念。 でも、ま、エッセイとしては面白く読めるものが多かったです。 時事ネタにあれこれイチャモンつけてますが(苦笑)、 一般的な意見とはちょっと目線が異なっていたりして。 この「ちょっと」というのが、「異端」まではいかないところのバランス感覚の妙。 機会があれば、他のシリーズも読んでみようかしら。
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『学問はどこまでわかっていないか』
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- 2011/05/27(Fri) -
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堀田力 『学問はどこまでわかっていないか』(講談社文庫)、読了。
著者が、学者先生に、その専門分野に関わる疑問をぶつけるという企画。 登場する学者たちは、錚々たるメンバーです。 ただ、著者の興味関心が、当時積極的に取り組んでいたという ボランティア活動の話に集中しがちなため、 一冊を通してみると、やや、テーマが狭いかなと感じました。 ロッキード事件の特捜検事という経歴を持ちながら、 この対談では、結構、学者先生にバッサリと斬られたりしてます。 上野千鶴子に突っ込まれたり、切り返されたり、 野口悠紀雄に至っては取り付く島もなし・・・という感じ。 きっと、著者が真正面から向かっていったから、 学者の方も、真面目に返してきたんでしょうね。 そして、大前研一は、やはり話が上手い。 また、今回の収穫は、猪口邦子の話が面白いということが分かったこと。 国際政治学の著作は読んでみたいですね。 ただ、専門分野の話を聞いた今、なんでこの人が少子化対策の大臣だったのかは、 よく分からなくなってしまいました(苦笑)。
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