『さよなら、そしてこんにちは』
- 2017/08/18(Fri) -
荻原浩 『さよなら、そしてこんにちは』(光文社文庫)、読了。

タイトルと表紙絵から、
ハートウォーミング系の小説かな?と思い買ってきたのですが、
中身は、コメディタッチのお仕事小説短編集でした。

冒頭に収録されたお話が葬式屋の社員が主人公だったため、
このようなタイトルになったようです。

葬儀屋、新規就農者、スーパーの食品担当、主婦、寿司職人、料理家、僧侶、
こういう人たちの日常が描かれますが、
どの主人公も、自分の職業には肯定的な感情を持ちつつも、
目の前の利益に対して自分の信念がブレるところがあるので、
お仕事小説としては頼りない面々です(苦笑)。

ま、短編小説ですから、頼りない人間がちょっとした勇気ある行動で
困難を回避するもしくは乗り越えるというのが
扱いやすいのかもしれませんが、あまり気持ちが入っていけませんでした。
こんな程度で成り立つ職業なのか・・・・と思えてしまったり。

やっぱりお仕事小説は、長編の成長物語もしくは異才の物語が
読みごたえがありますよね~。

ま、お気楽読書にはちょうど良いかもしれません。


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荻原 浩

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『ハードボイルド・エッグ』
- 2015/08/26(Wed) -
荻原浩 『ハードボイルド・エッグ』(双葉文庫)、読了。

ハードボイルド作品って、独特の世界観がちょっと苦手だったりするのですが、
荻原作品なら心配ないだろうということで読んでみました。

案の定、ハードボイルドというジャンルへの愛情とその独自の美意識を皮肉ったところと
紙一重な感じが楽しめます。
(ハードボイルド好きの人には、どうかわかりませんが・・・・・)

イヌネコ探しと浮気調査に明け暮れる(というほど仕事はなさそうですが)主人公の探偵。
美人秘書募集の広告を出したら、やって来たのは80歳過ぎの老女一人。
ホームレスや登校拒否児も巻き込んでのドタバタ劇です。

殺人事件は起こりますが、その解決は、正直どうでもいい感じになるぐらい、
この探偵と秘書のコンビが良い味出してます。
表面的にはお互い適当な人間のように見えますが、
心の中では、しっかり相手を見ていたり、自分の淋しさを隠したり。
なかなか妙味のあるキャラクターたちです。

1本の長編にするよりも、連作短編集で登場させたほうが
意外と使い勝手が良かったのではないかという気もしてしまいました。

でも、このエンディングだと、このコンビの続編は厳しいのかな。


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『愛しの座敷わらし』
- 2014/02/09(Sun) -
荻原浩 『愛しの座敷わらし』(朝日文庫)、読了。

ここ数日、風邪で寝込んでいたのですが、
微熱とともに読書熱が一気にスイッチオンとなってます(苦笑)。

というわけで、昨夜から上下巻ものに挑戦。
でも、体調万全ではないので軽めの本をば。

職場でも家庭でもうだつの上がらない男が、
東北への左遷気味の異動を命じられ、渋る家族を連れて越してきたのが山の中の古民家。
ばたばたと引越し後の毎日を送る中で、見知らぬ幼子が家の周りをうろついていることに
家族の一部が気づき始め・・・・

上巻を読んでいる間は、「座敷わらしと一家との間に起きるドタバタ劇」と思い込んでいたので
座敷わらしののんびりした登場ぶりに、「いつになったら物語が展開するんだよー」と
ちょいとイライラ。

むしろ、主人公一家の子供たちが抱える学校での問題の描写が、
なかなかに辛い展開をしていて、そちらに感情移入しちゃいました。

が、途中で、「あぁ、これは『座敷わらし』はあくまで小道具に過ぎず、
子供たち2人を中心とする家族の成長物語なんだ」と再定義できたら、
すんなりと作品を受け止めることができました。

長女も長男も、困難に対して、ウジウジしているところはあるのですが、
意外と腹を決めたらすんなりと第一歩を踏み出せたりして、
やや都合よいというか、困難の大きさの割には軽い展開なところは気になりますが、
でも、素直に、良かったねー、頑張ったねーと言いたくなります。

なんとなく全てが上手くいったかのような感じの結末のつけ方には
「人生そんなに甘くないわー」と思ってしまいますが、
これが荻原作品の温かさですかね。

映画化された際の文庫本を中古で買ってきたようで、
帯にはキャストの写真が載ってましたが、
意外とナイスキャスティングかも。
ちょっと観てみたくなりました。


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『なかよし小鳩組』
- 2013/03/09(Sat) -
荻原浩 『なかよし小鳩組』(集英社文庫)、読了。

ユニバーサル広告社再び!ということで、
社員3人の弱小広告会社が、不渡り回避のために獲ってきた仕事は、
なんとヤクザのCI活動。

結構、わたくし、ヤクザ稼業に興味があります。
反社会的稼業は言語道断ですが、組織の統率力とか文化形成力については、
知ると面白いうのではないかと思うのです。
で、著者も結構、任侠の世界が好きですよね。

ヤクザ稼業を、なんとか表の社会に出せる形で表現しようと苦闘する様が笑えます。

日本の暮らしを裏から支える   って(笑)

こんな標語が飛び交い、また、それにイチャモンをつけるヤクザな面々。
反論なのか皮肉なのか自虐なのか分からない応酬です。

そして、サブストーリーとして、
主人公の別れた妻と娘の話が絡んでくるのですが、
こちらも良い味付けになっていました。
ダメ人間だけど、良い父親であり、元旦那なんだな。

笑いながらもほっこりとさせてくれる作品でした。


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『誘拐ラプソディー』
- 2012/09/15(Sat) -
荻原浩 『誘拐ラプソディー』(双葉文庫)、読了。

お笑い寄りの荻原作品。
気軽に楽しめる内容になってます。

やることなすこと裏目に出てしまう負け組の主人公は、
自殺に逃げ込もうとするが、そんな勇気もなく。
無駄な時間を過ごしているうちに、近くに居た子供を誘拐することに決め・・・

誘拐した子供は、物怖じせずに、やけにノリが軽い6歳男子。
金持ちのボンボンだと思っていた、その子の父親はヤクザの親分だった。

もう、典型的なドタバタコメディですが、
主人公の冴えない中年男と6歳男児のコンビがなかなか良い凸凹コンビで、
楽しく読み進められました。

最後には、親分に聞かれているとも知らずに、
父親のフリをして、6歳息子の教育方針について
とくとくと語ってしまう主人公。

結構、泣かせる良いシーンだったと思います。
でも、それが、その後の展開にあまり繋がらなかったのは残念。
親分の心に刺さった何かがあったのではないかと期待したのですが・・・。

6歳男児が親分を継いだ時を描いた続編を書いても
面白いんじゃないかと感じました。


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『押入れのちよ』
- 2012/06/03(Sun) -
荻原浩 『押入れのちよ』(新潮文庫)、読了。

重たい読書が続いたので、軽めの本作を。

表題作は、激安アパートに入居したら
夜な夜な明治生まれの14歳の少女の幽霊が現れるお話。
幽霊のキャラクターが憎めない感じで、面白かったです。

他にも、ホラーな感じの作品がいくつか収録されており、
ゾクッとする描写が、心地よく感じました。

一方、ユーモア系の作品も多数あったのですが、
どうも、私は、その方面は肌に合わないようです。
ベタ過ぎるというか、軽すぎるというか・・・・・。
本作に限らずそう感じるので、著者がユーモア作家として知られているというところに
なんだか違和感を感じてしまいます(苦笑)。

ま、息抜きに、ちょうど良い作品でした。


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『母恋旅烏』
- 2011/08/11(Thu) -
荻原浩 『母恋旅烏』(双葉文庫)、読了。

大衆演劇あがりの父親を中心に不器用な家族たちを描いた作品。
設定は面白いのですが、話の軸がどんどん変わっていくので、
何を主題に読めば良いのか、ちょっと分かりづらかったです。

最初は、「レンタル家族」という仕事を行う一家の描写から始まるので、
不完全な家族が、完全な家族を演じようとする滑稽さと
そんな家族をレンタルしようとする人々の悲しさを描くのかな?と思いきや、
思いのほか早い段階でこの稼業から足を洗ってしまい、
またまた演劇の世界に戻ってしまいます。

ここで、師匠の息子やその仲間たちとの対決を描いていくのかと思いきや、
またまた息子らは、早々に尻尾を巻いて逃げ出していまい、
一座を立ち上げなおすことに。

そして、一座の旗揚げ公演は、
なぜか離れ離れになっていた家族たちが戻ってきて、
大団円的な終わりを見せます。

うーん。

軽いユーモアが利いてて、面白いのは面白いのですが、
何が伝えたいのかが見えづらく、あんまり残るものが無かった感じです。



母恋旅烏 (双葉文庫)母恋旅烏 (双葉文庫)
荻原 浩

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『噂』
- 2009/05/08(Fri) -
荻原浩 『噂』(新潮文庫)、読了。

小暮と名島のチームワークが噛み合ってくる後半は、
とにかく次が読みたくてたまらなくなる作品でした。

"Word of Mouth" というテーマは、
社会心理学の実験を見ているような興味深さがありましたし、
渋谷の女子高生の生態については都市社会学の観察記録のようですし、
そして何よりも小暮、名島らの登場人物たちが魅力的です。

それだけに、最後の一行の衝撃は大きかった。

あぁ、そういうエゲツナイ締めを用意するのね・・・・・という。

そこまでの行動力があるかな?という点が少々疑問というか、
そんなことはしないでくれ!という切実な願いというか。
よく作り込まれた作品だけに、
それは起きてほしくなかった・・・・というエンディングでした。


噂 (新潮文庫)
噂 (新潮文庫)荻原 浩

おすすめ平均
starsラスト1行
stars広報宣伝にとっては、なかなか役に立ち。。。
stars圧巻。
stars誰でも安心して読める、ハリウッドエンタメ的
stars確かに衝撃のラスト

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『オロロ畑でつかまえて』
- 2009/02/11(Wed) -
荻原浩 『オロロ畑でつかまえて』(集英社文庫)、読了。

「廃れた村+田舎の人々+都会の風を受けた人々」という大きな設定の枠組みが
『メリーゴーランド』と似ているようで、
既視感もありましたが、まぁまぁ面白かったです。

ユーモアがべったりだと、軽くなるしちょっと疲れるので
なかなかバランスが難しいところですね。

しっかりした話の展開の中でくすっと笑わせてくれるぐらいが好みです。
「ユーモア小説」と銘打てるレベルまでいくと
私にはちょっとドタバタに思えてしまいます。

でも、村崎は良いキャラでした。


オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)
オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)荻原 浩

おすすめ平均
stars高い「ユーモア密度」
stars単純に面白い
starsこんな面白い本久し振り!
starsこれ、文字で楽しむより映像化した方が楽しめそう
stars田舎の話。

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メリーゴーランド (新潮文庫)
メリーゴーランド (新潮文庫)荻原 浩

おすすめ平均
stars「ジョウシキ」の中で
starsお役所仕事に革命を
starsこの作品を読んでいる間は幸せな気分にひたれる
stars地方都市に未来はないのか
stars保身の亡者

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『メリーゴーランド』
- 2008/05/17(Sat) -
荻原浩 『メリーゴーランド』(新潮文庫)、読了。

なんだかイマイチ乗り切れないまま結末を迎えてしまいました。
あまりにも駒谷市役所の面々が
ツカエナイ&アリエナイ人たちばかりだったからかしら?
「こんな人たちと仕事したくない・・・」という嫌悪感が
作品を楽しもうという気持ちよりも先に立ってしまった気がします。

同じような展開の『神様からひと言』は楽しめたんだけどなぁ。
あれは、篠崎という、ある意味デキル上司がいたからかな?

劇団ふたこぶらくだの来宮は
ぶっ飛んでいるけれども、意外と世の中はちゃんと見ていて、
彼の台詞は面白かったです。


メリーゴーランド (新潮文庫)
メリーゴーランド (新潮文庫)荻原 浩

おすすめ平均
stars地方都市に未来はないのか
stars保身の亡者
stars地方公務員の主人公が第3セクターのテーマパークを立て直すために奮闘する
starsサラリーマンの清涼剤
starsやっぱり荻原浩

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神様からひと言 (光文社文庫)
神様からひと言 (光文社文庫)荻原 浩

おすすめ平均
starsラストはもう少し頑張って欲しかったという思いが残った
stars前を向いて歩くということの意味
stars爆笑の中にもリアルな会社という組織
starsユーモアたっぷり
starsどんどん読めます

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