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『白洲次郎の日本国憲法』
- 2020/09/13(Sun) -
鶴見紘 『白洲次郎の日本国憲法』(知恵の森文庫)、読了。

伊勢谷友介逮捕のニュースの中で、「白洲次郎」の名前がよく出てきたので、
「そういえば積読があったなあ・・・・・」と取り出してきました。

タイトルからして、特に、戦後直後の日本の立て直し期における
白洲次郎の活躍ぶりを描いた作品かと思ったのですが、
憲法改正については1章しか割かれておらず、羊頭狗肉の感。

白洲次郎の祖父・父の話から書き起こして、
英国留学のエピソードもしっかり描くことで、白洲次郎が戦後の日本社会でもずっと体現していた
「noblesse oblige」の精神とはどういうものかという観点が印象に残りました。
日本社会という、ある種、つかみどころのない、ふにゃふにゃした世界において、
自分のあるべき姿を貫く姿勢に感銘を受けました。

まさに、「principle」に貫かれた人だなと。

そして、その姿は、やはり一番身近に白洲次郎を見ていた奥様の言葉で語られる時が、
最も明確に彼の姿を表現できているなと感じました。

ただ、文章は、著者自身の憲法観とか戦後観とかが結構前面に出てきてて
正直読みにくかったです。
思想の面を横に置いておいても、文章としても、あまり構成がきれいじゃないような気がして、
すんなりとは頭に入ってこなかったです。

過去に読んだ、青柳恵介氏による白洲次郎モノの方が、興味深く読めました。




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『風の男 白洲次郎』
- 2009/01/08(Thu) -
青柳恵介 『風の男 白洲次郎』(新潮文庫)、読了。

またもや気になって買ってしまった白洲本。
何の思い入れも思い出も無い人物なのに、なぜか興味が湧いてしまいます。

以前読んだ作品は、
白洲氏への期待値が高すぎたのか、
面白さを読み切れない部分があったのですが、
本作は文句なしに面白かったです。

エピソードの選び方と、
そのエピソードに誘導するまでの話の持っていき方が上手いです。

そして、本作では、ふんだんに写真が盛り込まれているのですが、
なんとまぁ、魅力的な表情をする方なのでしょうか。
大正生まれとは思えない現代的な表情をしています。
これは、人が集まってくるタイプの大人物だろうなぁと思わせるものがあります。

最後も、紳士のスポーツ・ゴルフをめぐるエピソードで締めくくって、
非常に読後感の良い爽やかな作品でした。



風の男 白洲次郎 (新潮文庫)
風の男 白洲次郎 (新潮文庫)青柳 恵介

おすすめ平均
starsGHQ占領下、時代に役割を果した規格外の男の物語
stars天下一の傾奇者
stars白洲次郎をいろんな側面から見ることができます
starsまさに風の男白洲次郎!!
stars本物のかっこよさ。

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プリンシプルのない日本 (新潮文庫)
プリンシプルのない日本 (新潮文庫)白洲 次郎

おすすめ平均
stars伝説になった男の残した諸稿
stars原則を貫く難しさ
stars本来の読み方は?
stars歯切れのよいプリンシプル
stars難しいけれど、面白い。

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『プリンシプルのない日本』
- 2007/09/23(Sun) -
白洲次郎 『プリンシプルのない日本』(新潮文庫)、読了。

以前、明石家さんまさんが白洲次郎をテーマにした特番をやったことがあり、
「なんなのこの組み合わせは?」と奇怪に感じてから
白洲次郎氏が気になっておりました。
(結局さんまさんの番組は観ませんでしたが・・・)

で、偶然見つけたこの本で、どんな人物か勉強してみました。

やっぱりGHQの占領政策について語らせると、非常に興味深いです。
裏側までよく知っている人間が、歯に衣着せず批評するのですから。

しかし、戦後の政策についての話になると
同時代を生きていない私には、ちんぷんかんぷんな部分も多く、
そもそもの憤りの対象である出来事自体が分かりませんでした。

本人の手による文章よりも
第三者による白洲次郎伝のほうが、素人には理解しやすかったかもしれません。

戦中戦後における白洲次郎の活躍に限定した作品を
次は読んでみたいですね。

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プリンシプルのない日本 (新潮文庫)白洲 次郎

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