『マルクスのかじり方』
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- 2017/12/20(Wed) -
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石川康宏 『マルクスのかじり方』(新日本出版社)、通読。
「内田樹さん推薦!」と帯に大きく書いてあったので買ってみました。 大学の入門編講義を聞いているかのようで、 優しい語り口のため文章は読みやすいですが、 やはりマルクスの言っている内容は難解です。 本質的な議論に吸い上げられていくと、 現実社会との繋がりがつかめなくなってしまいます。 私の頭の問題ですが・・・・。 そのマルクスの解釈の話よりも、 途中から気になり始めたのが著者自身の主張がチョイチョイ入ってくること。 自民党政治がお嫌いなようですし、 終盤で慰安婦問題が出てきたのは、文脈が良く分からなかったです。 マルクス解説のふりして、 著者の主張を刷り込むのはルール違反な気がします。 マルクスの考えを時事問題に適用するなら、 きちんと時事問題の解釈をしてほしかったです。
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『再生産について』
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- 2014/06/07(Sat) -
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ルイ・アルチュセール 『再生産について』(平凡社)、読了。
学生時代、アルチュセールの思想について解説した本を読もうとして、 挫折した悲しい思い出が・・・・・。 神保町で本作を見つけたので、再チャレンジしてみました。 まず、最初にマルクスの思想についての解説から入りますが、 これが非常に面白かったです。 私自身、マルクスの著作には挑戦できていないので、 あまりきちんと学んだことがないのですが、 そういう初心者でも入っていきやすい導入部となっています。 むしろ、アルチュセールが書いたマルクス哲学の解説本を読みたくなりました。 さて本題ですが、社会構成体は1つの支配的な生産様式に従属し、 その生産様式は生産諸力と生産諸関係の統一により構成される。 その生産諸関係を再生産していくのは、国家イデオロギー諸装置があるから。 人々が必要なもの、崇高なものとして受け入れている 「学校」「教会(日本だと寺社)」「家族」などの機構は、 実態としては国家のイデオロギー装置として機能しており、 今の国家を支えるための思想を刷り込まれているというもの。 私は、この国家イデオロギー装置の機能を、 階級闘争の対象として否定、拒否、破壊すべきものとは思ったことはなく、 むしろ、よりよい国家運営のために、どのように活用できるか、改善できるかという 観点で見てしまいます。 そこは、”Captains of Industry”を標榜する学校で学んだからだと自覚してます(苦笑)。 結局は、官僚側、経済界側の視点で国というものを見ているのだと思います。 学生時代から思っていることなののですが、 ブルジョワの思想、プロレタリアの思想というものは、全く別のものを論じているのではなく、 ある一つの真理を、別の角度(この場合は反対からということになりますかね)から 見ているだけだと思っています。 生産諸力と生産諸関係について、それを使う側にいるか、それに使われる側にいるか。 単に立ち位置と視点の違いだろうと。 なので、マルクス哲学も勉強すべきだし、ビジネス書も読むべきだと思っています。 プロレタリア小説も、プー太郎小説も、バブリー小説も、エンタメ小説も読むべきだと思っています。 どんな分野からの主張であっても、突き抜けた主張というものは、 最終的に一つの真理に辿り着くのではないかと思っています。 なーんて分かったようなことを書きましたが、 本作も後半は頭が疲れて付いていけなくなったところがあり、 ちょっと流し読みに近くなってしまいました(苦笑)。 また機会を見つけて、勉強しなおしたいと思います。
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『国家と神とマルクス』
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- 2014/02/02(Sun) -
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佐藤優 『国家と神とマルクス』(太陽企画出版)、読了。
様々な雑誌・新聞に掲載された著者の文章をまとめた本です。 枚数の少ないものから、骨太の対談まで、種類も内容も豊富です。 私は、あんまり対談という形式が好きではないのですが、 それは、両者が言いたいことを言い合うだけで新たなものが生まれていなかったり、 反対に同じ立場の人たちが共有物を話すだけで、これまた新たなものが生まれなかったり。 両者がかみ合って、その対談自体から何かが生まれるケースって 意外と少ないのではないかと感じてしまいます。 (私の対談を選ぶセンスやスキルの問題かもしれませんが・・・) しかし、著者の対談は、本作に限らず、どれも面白いと感じられます。 一つは相手の言っていることを受け止めた上で、賛成なり反対なりすること。 この咀嚼があることで、知識の追い付かない私にも、何とかついていけるようになります。 そして、対談の中身が様々な方面に展開しながらも、有機的にそれらが繋がっているということ。 そこに大きな知性を感じ、素直に憧れます。 内田樹氏の著作からの流れで捉えても、なかなかに面白い日本人論を含んでいました。
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『経済学の終わり』
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- 2011/10/31(Mon) -
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飯田経夫 『経済学の終わり』(PHP新書)、通読。
誰かがこの本を紹介していたので買ってきたのですが、 あんまり刺さりませんでした。 アダム・スミス、マルクス、ケインズといった 時代を築いた経済学者とその理論を扱っているのですが、 経済学素人の私には、高校の教科書レベルの知識しかないので、 新たな視座を提供されても、ついていけませんでした(悲)。 経済学を分かっている人には共有できる考え方が土台にあるのかもしれませんが、 私から見ると、なんだか個人の感想が書き連ねてあるような印象で、 論駁するような迫力を感じませんでした。 うーん、基礎をきちんと学ばないとダメですね。
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