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『思考のレッスン』
- 2021/02/12(Fri) -
竹内薫、茂木健一郎 『思考のレッスン』(講談社+α文庫)、読了。

モギケン、何冊か読みましたが、イマイチ学者としての評価が私の中で上がっていない人です。
最近はその著作もしばらく読んでおらず、一方でお名前はネットニュースでよく見かけるので、
もう私の中では、「世の中にネタを提供する人」ぐらいの位置づけになってしまっています。
最近も、鼻だしマスク事件で炎上してましたね(苦笑)。

一方の竹内薫先生は、最近段々と面白さがわかってきたので、
本作は竹内センセ推しで読もうと思って手に取りました。

が、ずーっと竹内先生の文章が続き、
モギケンどこいったの?と思ったら、終盤に対談相手として出てきただけでした。
共著みたいな感じで名前が並んでますが、これは竹内センセの本ですな。

その竹内センセの方も、のっけから、「文系とは~理系とは~」みたいな話が始まり、
「あれ?こんな縦割りみたいなこと言う人だっけ?」と、ちょっと印象と違いました。
言ってることは、文系と理系の両方の視点を持とうということで、私もその通りだと思うのですが、
その主張をするのに「文系/理系」の括りから話を始めるのって、
型にはまっているようで、あんまり好きではありません。
型にはまるなという話をするための前提が型にはまっていると言いますか。

個人的に面白いと感じたのは、竹内センセがご自身の子供の頃のことを語っている部分。
自分がどうやって科学に興味を持ち始めたのかとか、
学校に通えなくなった時にどう過ごしたのかとか。
それと、もう大人になられていた時のことのようですが、お父様が自己破産することになった
その直前の混乱についても赤裸々に語っていて、
こういう自分の負の過去をオープンに振り返ることって、今の自分に満足してなきゃできないよな・・・・と
変な話ですが、そんな50代を迎えている著者を羨ましく感じました。

文章も読みやすく、また無駄な長さもないので、
すっと頭に入ってくる良い本だと感じました。




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『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』
- 2020/02/11(Tue) -
竹内薫 『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』(河出文庫)、読了。

タイトルで即買い。
竹内薫センセが、自分のことを「バカかもしれない」と疑うときって、
どんな時なんだろう?という、歪んだ興味を覚えたので(笑)。

第1章の「バカはこうして作られる」冒頭に出てくる、著者が家庭教師で指導した
勉強のできなかった子がどんどん成績向上していった話。
衝撃だったのは、テストの点数が上がっていっているのに、親が「うちの子はバカだから」と
良い学校を受験することに消極的だったこと。

親って、子どもの成績が上がると自分のことのように喜び、
さらに上を目指すようにハッパをかけてくる存在だと思っていました。
女の子の親御さんには、高度な教育を与えることに積極的ではない人も未だにいるとは思いますが、
それは「性別と教育」の問題であり、別物だと思います。
また、金銭的な問題で進学を断念せざるを得ないケースもあると思います。
しかし、「うちの子はバカだから高等な教育は不要」という判断がありうるのだということに
驚いてしまいました。
こんな形で作られてしまう「バカ」もあるのだと。

私自身、勉強は好きでしたが、そもそも最初から好きだったというよりは、
テストで良い点を取ったり、課題でよい評価を得たりすると
親が本当に喜んでくれたので、それが嬉しくて勉強をするようになった感があります。
幼稚園とか小学校1年生とかの頃の話ですが。

うちは教育パパだったので、幼稚園の頃から算数教室に通わされ、
九九が言えるようになっていたのですが、
親が嬉しそうに聞いてくれるから、私も得意げに九九を諳んじていたような記憶があります。
で、小学校にあがれば、当然、他の子よりも理解できているので
授業を受けるのにも心の余裕があり、余裕があるから勉強が楽しくなって、
勉強する⇒授業がわかる⇒勉強が楽しい⇒テストの点が取れる⇒親が喜ぶ⇒また勉強する
この好循環で、結局、幼稚園から大学まで行ってしまった感じです。
親の思うツボ(爆)。

ま、でも、著者の言う「バカは作られる」というのは、その通りだと思います。
親や先生の褒め方次第、乗せ方次第で、勉強が好きな子と嫌いな子に分かれてしまいそうです。

第4章「バカをこじらせない、たったひとつの方法」では、
「バカをこじらせている人」に対して、そういう人は「目標がない、決意が足りない」
「やろうと思えばいつでもできると思っている」と一刀両断。
でも、これは、ほんとそう思います。
やるべきことにすぐに着手できる人、着手したら毎日継続できる人、
そういう地道なコツコツとした勉強ができるかどうかが成績になって表れると思います。

こうやって、「バカ」に対する指南をあれこれ書かれていますが、
ひとつ重要なのは、この本に共感するのは、テストの点が取れる人生を送った人だろうなということ(爆)。
人生をうまく積み重ねてきた人が、「バカ」に対して、上からモノを言っているようなところが
そこはかとなく漂っている気がします。
勉強は苦手・・・・という人が読んで、果たして「これから勉強がんばろう!」という気持ちになれるかというと
結構疑問が・・・・。
この分断された壁は、なかなか越えられないような気がします。




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『仮説力』
- 2019/10/25(Fri) -
竹内薫 『仮説力』(日本実業出版社)、読了。

あんまり深く考えずにタイトルだけ見て買ってきたので
ビジネス書だと思い込んでいたのですが、著者名をみたら竹内薫氏で、
サイエンス寄りのお話が多かったです。
目論見と違う読書となりましたが、これはこれで面白かったです。

ただ、「仮説力」と大きく銘打ってる割には
いまいち仮説力そのものの説明が弱いように思えました。
それよりも、科学的思考方法とはどういうことなのかということを
様々な課題事例をもとに解説しているところに目が行きました。

わたしは、大学は文系でしたが、比較的数字には強いつもりで、
数学のテストとか得意にしてました。
数学的なクイズも得意な方だと思うので、本作で出てきた課題事例は概ね楽しめながらできたのですが、
最初に引っかかってしまったのは「無限」というもの。

自然数を並べた列、奇数だけを並べた列、偶数だけを並べた列、無限に増やすと
どれが一番数が多くなるのかという課題。
奇数と偶数の総体が自然数だから、自然数は奇数や偶数の倍の数が存在していそうですが、
無限に増えていくから同数とみなせるというもの。
この説明に、「無限だから終わりがないものね」と納得してる自分と、
「でも奇数、偶数、奇数、偶数と自然数の中に交互に出てくるのだから奇数は自然数の半分じゃない?」
と納得できない自分とがいて、モヤモヤしました。
自分の中では解決できずに、スルーして先に進みましたが(苦笑)。

微分、積分とかも苦手だったんですよねー。
テストで点を取らなきゃいけないから、もちろん解き方は覚えて、回答は出せましたが、
なんでこんなことになるのか、腹落ちしてないまま解いてました。
きっと、目の前で表現しきれないこと(=無限とか)を、頭の中で想像して理屈を作ることが
私はものすごく不得意なのだと思います。

だから、化学とか苦手だったんですよね。
化学式とか目に見えないものを式化しても理解できませんでした。

自分の限界を知って、得意分野を伸ばしたり、
不得意分野は代替策を見つけるなりする対応力も必要ですね。




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『シュレディンガーの哲学する猫』
- 2017/03/28(Tue) -
竹内薫、竹内さなみ 『シュレディンガーの哲学する猫』(中公文庫)、通読。

ブックオフでドカ買いしたときに勢いで買ってきた本ですが、
読んでみてもチンプンカンプンでした(苦笑)。

サイエンスライターのもとに、哲学を語る猫が現れた・・・・・という設定で
小説のようなエッセイのような説明文のような文章が展開されるのですが、
小説仕立てになってても、分かりやすくはなっていない(哀)。
変に小細工をしてしまった感じで、逆に分かりにくいかも。
私の頭が悪いだけか。

そもそも、シュレディンガーの猫の思考実験自体の意味が
分かっていないのですから(爆)。

登場する哲学者たちが、
どれもみな、小難しい概念論を繰り広げる人たちばかりなので、
私の好みの哲学の話とは、ちょっとズレちゃってました。


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『99.9%は仮説』
- 2011/01/22(Sat) -
竹内薫 『99.9%は仮説』(光文社新書)、読了。

社会調査の本から続けて、本作を読んでみました。

社会調査も、この仮説の話も、
結局は、思い込みは誤った結論を招く・・・ということで、
一般人に「疑うこと」を推奨しているものなんだろうなと思います。

十年ほど前、社会学部の入門の講義を受けたときに
同じようなことを聞いた記憶があります。

全ての事柄は仮説にすぎないということを踏まえ、
さらに相対性理論の話になってくると、何が基準だか分らなくなってしまいます。
結局は、「われ思うゆえにわれ在り」の世界なのか???という感じです。
現象学なんかを思い出してしまいました。

が、ま、普通に生活している限りにおいては、
社会学的に何を言っているのかということは重要ではなく、
騙されないためには、どのような視点を持てばよいのか・・・ということだと思います。

文章も読みやすく、ヒットしたのも納得の一冊でした。


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