『とりつくしま』
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- 2018/09/22(Sat) -
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東直子 『とりつくしま』(ちくま文庫)、読了。
読みたい本リストに入っていた一冊。 どこでチェックしたのか記憶がありません(苦笑)。 短編集で、特に賞も受賞していないのに、わざわざ記録しているのは珍しい。 というわけで、勝手に期待値をあげてしまったせいか、 それほど面白いわけでもないな・・・・・という印象に終わってしまいました。 死んだ直後、あの世の入り口で、この世に未練が残る者に対して とりつくしま係が対応する。 「何かモノになって、この世に戻れますよ」と。 モノに憑りつくだけなので、自分から働きかけることはできず、 受動的に状況を眺めるだけという設定。 そこは面白いなと思いましたが、 未練が解消されたらあの世に戻るとか、そもそも時限があるとか そういう設定がなかったので、ちょっとずるずるとした印象を受けました。 まあでも、各お話のページ数が少ないので、 そこまで設定を複雑にできなかったのかもしれません。 短く簡潔に終わるので、お話の余韻は結構楽しめます。 やっぱり、親から子供への目線とか、 夫婦の相手への思いとか、 そういうシンプルな愛情について描かれると、 ぐっとくるものがありますね。
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