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『オールド』
- 2022/09/24(Sat) -
『オールド』

出張で泊まったホテルがホームシアター無料だったので
並んだタイトルから時間が2時間を超えないものを探して、これに落ち着きました。

とあるビーチリゾートに遊びに来た家族。
ホテルの支配人?から、こっそり秘密の提案を受けて、プライベートビーチへ出かけることに。
もうひと家族と一緒になり、さらに遅れてやってきた夫婦と
都合3家族が半日ビーチで過ごすことに。
しかし、少しの時間遊んでいると、子供たちが見知らぬ少年少女に変貌していた・・・・・・。

特殊な鉱石に囲まれている影響で、体の成長(細胞のサイクルかな?)が
異様に速いスピード(30分で1年分)で進むことがわかり、皆、ビーチを逃げ出そうとします。
しかし、やってきた道は鉱石の間を走る道で、その道を進もうとすると
細胞の成長速度に体が追い付かず、意識を失ってしまい脱出不可能。

老衰で死ぬ者が出て、持病で死ぬ者が出て、
そして精神の異常で互いを傷つけ合い・・・・・・・。
そりゃまぁ、こんな変なところに閉じ込められて、しかも自分の寿命が100歳まであったとしても
明日のうちには死んじゃうと分かったら、気が振れてしまいますわ。

ま、そこまでは分かるのですが、こんな高級リゾート地に遊びに来られる人たちなので、
金持ち=成功者=知的階層という図式に当てはまるような、
医者、数理学者、博物学者、アーティストばかりが揃っているのですが、
しかし、脱出に向けての作戦会議や、命を守るためのリスク回避の行動が
いずれも思い付きで脇が甘々なので、どんどん人が死んでいきます(苦笑)。
知性も何もあったもんじゃない・・・・・という感じ。

そして、細かいところの雑な感じがとても気になる(苦笑)。
でっかくなった子供の水着はどこから調達したのよ?とか、
体だけじゃなく頭脳も急に大人になっちゃいないかい?とか、
腫瘍の手術は化膿しないのに錆は一気に体に回るの?とか、
種を残す本能凄すぎない?とか、
息なげーな!とか。

結局、「超高速で年を取る」というアイデアを映像で見せるためだけの映画かなという感じでした。
最後に、なぜこんなところにこの3家族が送り込まれたのかという真相の部分は
私は結構面白く思いました。Amazonレビューではくそみそな人も多かったですが(苦笑)。

確かに、製薬会社にとっては、1年で50年分の治験データが取れれば
たった1サンプルだったとしても、得られる情報は多そうです。
ただ、得られるデータが遠隔の映像のみというのはもったいない。
死体の回収をしないと意味ないかもね。




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『Fukushima 50』
- 2021/03/13(Sat) -
『Fukushima 50』

公開時に、保守系Youtubeチャンネルでは「絶対見るべき!」と大きく宣伝されていたので
観たい観たいと思ってましたが、どうしてもコロナが怖くて、映画館に行けませんでした。
東京から三重県の田舎に引っ越してからは、そもそも映画館に行く習慣が消えてしまいましたし・・・・。

で、たまたま今日、実家に帰って夕飯後にテレビの前でゆったりしていたら、
金曜ロードショーで本作が始まり、「え、今から放送するの?」と、お風呂にも入らず視聴。
わたくし住んでいる家にはテレビがないので、実家に帰っててよかったです。

映画スタート直後、何の余韻もなく東日本大震災の地震が起こり、
現場がバタバタする中で津波襲来により電源が落ち、原子炉の状況が把握不能の状況に陥ります。
とにかくテンポが速く、淡々と起きた事象が伝えられていく演出です。
後半になるほど死の危険と直面するようになり、普通の映画でやったらお涙頂戴過ぎる・・・・と
引いてしまいそうなセリフも、福島第一原発の現場なら、本当にこんなやりとりだったんだろうなと、
その切羽詰まった状態が、よく伝わってきました。

まず驚いたのは、地震直後に、ちゃんと福島第一原発と東電本社とをつなぐテレビ会議の場が
きちんと立ち上がっていること。このあたりは、さすが大企業のマニュアルですね。
組織だって動けていることに、日本の企業はちゃんとしてるよなと思いました。

その後、非常用電源を喪失した原子炉において、
次々と非常事態が起き、水素爆発という事態になっていくのですが、
映画全編を通して驚いたのは、原子炉が吹っ飛ばなかった理由は、結局分からないということ。
今、日本が曲がりなりにも国家として持続できていることが、奇跡だったということ。

現場にいる所長以下作業員の方たちが必死の努力をして、
出来る限りのことを試し、なんとか原子炉を制御しようと踏ん張ってきた姿には、
本当に涙が止まらず、感謝の気持ちしかありません。

しかし、冷静になってみると、技術的には敗北してたってことですよね。
1号機のベントを一つ開けられたのは決死隊のおかげだと思います。
でも、その効果は数値の上では表れなかったということですよね。
2号機の圧力が下がったのは、たまたま壁に穴が開いたからであり、
大きな地震の揺れのおかげで壁がもろくなっていたのかどうかは知りませんが、
本来であれば穴が開くはずのない壁が壊れたから救われたわけですよね。
まさに、神様、仏様に祈ったら、助けてもらえたみたいな。

本作を見るまで、私は、Fukushima 50 の決死の行動が直接的に
何か大きな効果をもたらして大災害に繋がるメルトダウンを防いだのだと思っていたのですが、
どうも、そうではないようで、本当に、真っ暗な闇の中での奇跡の綱渡りだったのだなと感じました。

もちろん、Fukushima 50 が現場に残ってデータ収集やできる限りの行動をとってくれたから
被害が抑えられた点もたくさんあると思いますが、それ以上に運だったのかなと思ってしまいました。

まだ福島第一原発のことは、全容が解明されたわけではないので、
今後の検証が進めば、やっぱりFukushima 50 のこの行為が、有効打となったんだという
技術と知識の勝利みたいな結論がもたらされるのかもしれません。
しかし、今の時点では、Fukushima 50 の努力の成果が、科学的にどこまで効果を証明できるのか
難しいというのが精いっぱいのところなんだなということが本作からわかりました。
あと、実は海水注入とかはほとんど漏れ出していて実効がなかったということが
言われているようですが、そのあたりの効果検証は本作では全く触れられていなかったので
本作においては科学的な側面の描写はされていないと割り切った方が良いのかなと思いました。

いずれにしても、福島第一原発に関わっていた東電社員の皆さん、協力会社の皆さん、
自衛隊の皆さん、そのご家族の皆さん、日本を助けようと命を投げ捨てて立ち向かっていただき、
本当にありがとうございました。
こういうプロフェッショナルが現場で地道に支える国に生まれてこれたことは、幸せなことだと思います。

緊張を強いられる状況下にずっと居ながら、「食事にしよう」と息を抜く術を持っていたり、
ふとしたときに笑顔を見せ合える現場というのは、すごく良いチームワークだし、みんな大人だなと感じます。
このあたりのどんなに辛い状況でもお互いを信頼しあえる関係づくりを普段からしていて、
いざというときにチームで困難に立ち向かえるという点に、日本人らしさが一番出ているように感じました。

そして、福島第一原発だけでなく、様々な現場で、様々な人々が、
地震や避難や復興のために地道に仕事をされていたものと思います。
そういう全ての人々に感謝いたします。

一方で、政府の対応や東電の上層部の描かれ方は、ブラックユーモアで満艦飾ですが、
ちょっと批判しやすいシーンに偏り過ぎているんじゃないかなと感じました。
現在の姿はともかくとして、私は、当時の枝野官房長官は、不用意に国民を混乱に落とさないよう
彼なりの立場で頑張っていたと思いますし、首相はともかくとして、
現場と直接向き合っていた政治家や役人も、表には見えにくかったでしょうけれど、
必死に頑張っていたのではないかと思います。
Fukushima 50 を英雄視するには、その対極に位置するピエロ役が必要だったのかもしれませんが、
ちょっとカリカチュアライズし過ぎな印象を受けました。

というわけで、本作は、技術面、科学面、政治面の話は抜きにして、
とにかく、Fukushima 50 の方々に感謝の気持ちを捧げるために、見た方が良いというのが私の結論です。



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『シン・ゴジラ』
- 2021/02/15(Mon) -
『シン・ゴジラ』

公開当時、凄く流行っていて、なおかつ映画ファンが面白いと言っていたので
観に行きたかったのですが、田舎住まいで映画館に行くのも一仕事ということで、
結局観に行けず。

その後、岡田斗司夫ゼミで、岡田先生が公開前は失敗作懸念を打ち出してたのに
公開後は「面白い!」と絶賛の動画になっていて、凄く気になっていました。

で、ようやく今になってAmazonで視聴。

岡田センセの動画を見ていたので、本作は、怪獣映画ではなく
日本政府を描いた政治モノとして期待しました。
そして、その通り、シニカルに描きつつも、日本政府をバカにしているのではなく、
根底の部分では日本政府なり自衛隊なり研究機関なりへの絶大な信頼があってこその
世界観だなと感じました。

東日本大震災にしても、今回のコロナ禍にしても、
日本人は政府の行動に対して、とにかくケチをつけて批判しますが、
批判しながら従いますよね。それって、逆にすごい信頼関係だと思うんです。
政府は国民が批判することを許し、国民は政府が命令することを許す。
無責任な状態を生みやすそうに見えて、最後はちゃんと自分のやるべきことを成すという
日本人らしい不思議な統制力を見せてくれます。

前半、自衛隊の攻撃はちっともゴジラに効きませんが、
でも、あの統制の取れた攻撃や、退去さえも秩序を保って行動できるところが
訓練された組織だと良く分かり、この人たちが私たちを守ってくれるんだと素直に思えましたし、
頼りになりそうだなと感じました。

一方、その狙撃対象のゴジラですが、
上陸した瞬間の形状に、「なんだ、このアニメみたいな芋虫みたいなヤツは!?」と唖然。
第一形態から第四形態へと段階的に変形していく中での第二形態だったようです。
「アニメの芋虫」という先入観で見たせいか、前半のCGがしょぼく感じました。
ゴジラの第二形態とか、ボートが押し流されるシーンとか。

ただ、自衛隊と交戦し始めたあたりからCGの粗さは気にならなくなったので、
担当していたチームが違うのかしら?それとも予算の問題?

さて、本題の政府ですが、頼りなさそうな総理大臣をはじめ
各大臣も見栄の張り合いだったり責任の押し付け合いだったりを繰り返しながら
危機が目の前に迫ったら、一気にうまく歯車がかみ合いだして、
「おお、日本の政治家もやるじゃないか」と思いきや、なんとまぁの急展開。

それでもきちんと残った組織で、残ったメンバーで最善の対処をとろうとし、
必死で日本を守ろうとする、その心意気に、素直に応援できました。
陸上自衛隊の面々が、ゴジラに薬品を経口投与するという決死の作戦に出ますが、
3.11の福島第一原発に向かった東京消防庁の隊員さんの姿を思い起こさせました。
現実の世界にも、死を覚悟して国を守ろうとしてくれる人たちがいるんだという。

米軍には支援を頼みましたが、しかし作戦の全体は日本側が主導し、
さらには国連の作戦をも止めて日本が全面的に前に出るという姿勢も
これまでの政治モノにはなかった快感だったように思います。

そして、ゴジラを停止させることに成功した瞬間、
ワーッと騒ぐのではなく、各現場でふーっと息を吐きだす静かな安堵が広がるシーンに、
あぁ、これもまた日本人らしいなと感じました。
ハリウッド映画なら腕を振り上げ、書類をまき散らして喜び合ってそうです(笑)。
そうではない、静かな会議室が何シーンか続くことで、あぁ、これが日本人なんだと理解できました。

というわけで、公開当時、多様な客層の人々が観に行き、そして評判になっていたのが
よく理解できる作品でした。






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『インビクタス / 負けざる者たち 』
- 2019/10/19(Sat) -
『インビクタス / 負けざる者たち 』

ラグビーW杯に沸き立っている日本ですが、
ラグビー映画が放映されたのを録画していたので見てみました。

アパルトヘイト政策が終わり、マンデラ大統領が誕生した南アフリカ。
差別政策は表向きなくなっても、黒人と白人の間の対立意識は消えず、
マンデラ大統領がどう融合していくかが問われる状況です。

そんな中、白人が楽しむスポーツとして認識されていたラグビーのW杯が南アフリカで開催され、
そこでの南アフリカチームの活躍に、国民の融合を託す大統領。
陰に陽にチームを鼓舞し続け、ついにW杯決勝の舞台へ!

祖国が生まれ変わる大事な局面と、ラグビーW杯のホスト国の熱狂とを重ね合わせて
感動的な対策になっているのですが、正直イマイチ乗り切れなかったところがありました。

マンデラ大統領就任からW杯ホスト国決定への流れが降ってわいたような感じで
あんまりそこに政治的な戦略性が見える様な見せ方ではなかったです。
一方のチームの方も、冒頭では弱小チームのような描かれ方をしていたのに、
そのチームがW杯決勝戦まで勝ち進むような強さを身につけた経緯がイマイチ不明でした。

現在、日本チームがなぜこれほど強くなれたのかという報道が
毎日のように詳細に伝えられている状況では、
日本チームが強くなった理由には納得がいっても、
南アフリカチームが強くなった理由を1時間そこそこの映画で見せられても
信憑性にかけてしまう印象を受けてしまうのでしょうかね。

そして、肝心のラグビーの試合のシーンですが、
フィールド内にカメラマンを立たせて、ド迫力のシーンを撮ろうとしている努力は感じますが
いかんせん、日本戦のトリッキーなプレーの印象が強くて、霞んでしまいました。
たぶん、カメラの性能とか撮影技術とかの進歩もあって、今の試合の見せ方が各段に
面白くなっているというのもあると思うのですが、
カメラワークが満足できるものではありませんでした。

見ているこちらの気持ちが、ラグビーに浸り過ぎているので、
マンデラ大統領の「許す」という姿勢の偉大さが、陰に隠れてしまった感があります。

見たタイミングが、あまりよろしくなかったかな。




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『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
- 2019/10/11(Fri) -
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』

HDDの整理をしてたら、1年以上前にTV放送を録画したものが残ってました。
タイトルから、ハートウォーミング系の話かなと思ったのですが、
Yahoo映画でチラッと調べたらコメディということだったので、見てみました。

が、途中で寝てしまいました。しかも本格的に(爆)。
仕方なく、翌朝に続きを見ました(苦笑)。
毒のある笑いで、クスッと笑えるのですが、たぶんモノクロ画面と同じやりとりの繰り返しが多いので
眠さに耐えられなくなってしまいました。

さて、内容ですが、モノクロ映画ですが、舞台は現在。
モンタナ州で慎ましい生活を送っている高齢夫婦。
その旦那のもとに「100万ドルが当選!」という手紙が届き、
家族みんなが「古典的な詐欺の手口だ」という中で、本人は「ネブラスカ州まで換金に行く!」と本気に。
高齢で自動車免許を返納している(?)ため運転ができず、
高速道路を歩いて行こうとして警察に保護される始末。
まあ、いわゆる認知症がちょっと入っちゃってる感じです。

そんな父親に振り回される妻と息子たち。
特に次男は、心が優しすぎるのか、先の展開が読めなさ過ぎるのか
振り回された挙句に、父を換金所まで車で連れて行こうとします。

モンタナ州とネブラスカ州の位置関係が良く分かりませんが、
1300kmあるようで、青森から鹿児島くらいまで行く感じ?

途中で父親がケガをして病院に運ばれたりというトラブルもあり、
途中にある自身の生まれ故郷であり父親の兄の家に立ち寄ることに。
そこに兄弟家族や、自分の家族も集合することになるのですが、
偏屈家族大集合というような状況になり、カオスです(苦笑)。

兄は父親以上に無言な男。
その嫁は優しく出迎えてくれますが、前科持ちで無職の息子とプーの息子に対しては
厳しく叱る一面も持ち、特にこの息子たちが何かしでかしそうな予感ぷんぷん。

遅れてやってきた妻は義兄の家でも毒を吐きまくり。
兄は弟ほどではないにしても優しく優柔不断なところもあり、
そんな頼りない息子たちと、未だに「100万ドル!」と言っている旦那に対して
「正気なのは私だけ!」と怒りをまき散らしてます。

そんな癖のある人たちが集まった席上で、息子に黙っておけと言われたのに
「100万ドルが当たってネブラスカに行くんだ」としゃべってしまう父親。
慌てて息子が「本当に当たったわけじゃない」と打ち消しますが、
親戚一同、金に目がくらんで、だんだん行動が怪しくなってきます。

「なんで、息子は、例の当選お知らせ通知をみんなに見せないんだろう?」という疑問が。
誰もが、「こりゃ詐欺だ」と分かるのなら、見せちゃえば早いのに。
でも、言葉で打ち消すだけなので、「独り占めしようとしてるんだろう」と親戚は疑心暗鬼に。
父親の昔の素行の悪さや、それに親戚一同がどんな迷惑を被り、お金を出してきたか
皆が言い募るような状況になり、それに対して妻が「ちゃんと返したじゃない!」と怒りまくる。

この妻も、まともなことを言ってるように見えて、
結構、昔は素行悪そうだし、自分勝手なところもあるしで、曲者です。
でも、女優さんの演技がお見事で、なぜか可愛らしく見えちゃうところも。

てんやわんやで、結局、次男が父親を換金事務所まで連れていき、
そこで冷たくあしらわれるというオチに。

最後、どうやって締めるのかな?と思ってたら、
次男、その優しさは、先のことを考えてなさ過ぎだろう・・・・と私は批判的に見ました。
だから両親がこうなっちゃうんだよ・・・・と。

結構モヤモヤが残ってしまう最後でしたが、
自分の両親がこんな感じにボケて行ったらどうしようという恐怖も感じてしまいました。
私は次男のように優しくなれなさそう。




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『ナイト・ミュージアム2』
- 2019/08/31(Sat) -
『ナイト・ミュージアム2』

第一作に続いて続編も観てみました。
自然史博物館の改装に伴いお払い箱になった展示物たちは、
スミソニアン博物館の地下倉庫に運ばれます。
ところが、テナガザルが魔法の石板をスミソニアン行きの荷物の中に入れたことから
今度はスミソニアンがナイトミュージアムに!

そのスミソニアンの展示物の中に、世界征服を企むエジプト王が居て
彼が悪役、それに対するのは警備員と女性初の飛行士イアハート、そして自然史博物館の仲間たち。

なんだか、この対決が、博物館内でわちゃわちゃやってるだけで、
全然、世界征服感がないこじんまりした戦いです(苦笑)。
そしてイアハートも、「冒険したい!」という1点しか頭にないおバカ役。
悪役のエジプト王もすぐに頭に血が上るタイプですし。
お子様向けの分かりやすいキャラ設定という感じですかね。

前作は、離婚した父親とたまにしか会えない息子の親子の物語が
相応にストーリーに重みを与えていたのですが、
本作では、そういう深みを与える要素がなく、
単なるアドベンチャーで終わってしまったのが残念。

そういやぁ、前作の博物館ガイド役の女性はどこ行っちゃったの?
ベン・スティラーも、いつの間にか便利グッズ会社の社長になってたりして
住むところにも困っていたのに一気に成金です。

相変わらずCGは凄かったけど、
人間らしい部分の描き方が貧弱になっちゃったのが残念。




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『猫旅リポート』
- 2019/08/29(Thu) -
『猫旅リポート』

全く知らない映画だったのですが、HDDに撮れていたので観てみました。
タイトルから、猫と旅するロードムービーかなと思ったのですが
回想シーンが多くて、あんまり旅の風情は感じられませんでした。

ナナという猫を飼っている主人公。
彼が、ナナの引き取り手を探しに東京から福岡まで車で旅をする話が
一応の軸になっていますが、旅先の話よりも、旅先で回想した昔話の方を
中心に見せていく構成となっています。

主人公の小学校時代、初めて猫を飼った時の思い出とともに出てくるのは
修学旅行中に両親を交通事故で一度に亡くし、修学旅行先から連れ戻されるというシーン。
家族は猫のハチだけに。
そして、主人公を誰が引き取るかで親戚中が押し付け合いの喧嘩をして
最終的に、母親の妹が独身ながらに引き取ることに。ハチは他所へ引き取られます。

高校時代には、ハチが引き取られていった先を訪問しようと夏休みのバイトを頑張っている最中に
ハチの訃報の電話を受け、さらには自身も親友に片思いの女の子を取られて失恋。

そして現在、なぜナナの引き取り手を探しているかというと・・・・・・
まぁ、お涙頂戴のストーリーを描くには最も王道で安直な設定です。

猫を可愛がる気持ちはわかりますが、
あまりに簡単に、人間の命が、感動のシーンと引き換えに殺されていくことに、
なんだか虚しさを覚えてしまいました。

若手俳優陣の演技はちょっと苦手なカッコつけな感じ。
脚本のセリフも、「この年代の子がこんな表現使うかぁ?」てな違和感を覚えました。
良かったのは、やっぱり竹内結子さん。
検察官の独身ビジネス・ウーマンというサッパリとした部分と、姉夫婦を若くに失い
その息子をこちらも若くして引き取ったという情け深い部分との共存を上手く演じていたと思います。

あと、猫のナナのアテレコをやっていた高畑充希さん。
わたくし、映画を見ている間は、ずっと常盤貴子さんだと思ってました。声、似てません?
終わってからYahoo映画で作品のことを調べたら、高畑さんでした。
結構、上手いと思いました。

そして、もちろん、猫ちゃんの演技はお見事。
どこまでが演技で、どこからが偶然取れたカットなのかはわかりませんが、
アテレコの高畑さんの上手さもあって、名演技でした。

さて、猫好きは、この映画を観て満足できるのでしょうか?
お涙頂戴に上手く利用されてるだけような気がしないでもないですが・・・・・。




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『帰ってきたヒトラー』
- 2019/08/28(Wed) -
『帰ってきたヒトラー』

2014年のベルリンの町に突如現れた自称アドルフ・ヒトラー。
TV局を首になった男と偶然出会い、男は再起をかけて物真似芸人ヒトラーを売り出そうとする。

実はわたくし、ヒトラーとかナチスをネタにしたコメディ、好きなんですよね。
かなりセンシティブなテーマなので、絶妙な匙加減が期待されるところですが、
劇場にかかったりTVで放映されたりするものは、ある程度のフィルターチェックを通っているので
安心して笑えます。

本作では、ヒトラーがTVに出るまでの間は、ちょっと間延びした感じでしたが、
TVの生放送番組で演説を始めた瞬間に、本作を作った意図が明確に感じられました。

EUの一員となったことで、移民問題が噴出しているドイツ。
他の人種を排除しようとする空気がなんとなく社会に漏れ伝わってきており、
ちょっと社会を揺さぶる人が出てきたら、一気に右傾化しそうな感覚があります。

そこに登場したヒトラー。
最初は、物真似芸人扱いでTVに出まくりますが、
次第に、その演説内容に共感する若者が出てきて、組織化していきます。
そのスピードは、YouTube等により、かつてとは比べ物にならない速さで進行します。

このあたりの社会が染まっていく空気、コメディタッチではあるものの、
かなり怖い側面を描いており、興味深く見ました。

そして、ドイツの極右政党の本部を訪れたヒトラーは、
軟弱な党員たちの前で、党首を「思想がない」とメッタ斬り。気持ちよいほど(笑)。
空気に染まって支持するのではなく、自分の頭で考えろと、あくまで正論をぶち込んできます。

トランプ大統領は、今の時代を生きる人ですから、発言は(一応彼なりに)気を付けているように
感じますが、彼は演説が上手いですよね。
話す英語は簡単、明瞭で、日本人の私でも聞き取れるぐらいですから、
アメリカ人の教育を十分に受けられなかった階層の人でも理解できる言葉でしょう。

本作を観て、ヒトラーにドイツ国民が陶酔していった様子を実感するとともに、
トランプ大統領が当選した理由も、肌で感じられたような気がします。

エンディングは、もの悲しさと闇にこぼれる様な怖さが共存しており、
ブツっといきなり作品が終わってしまったので(深夜放送なので尺の関係かもしれませんが)、
余計に不気味な余韻を残していました。




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『ジュラシック・パークⅢ』
- 2019/08/19(Mon) -
『ジュラシック・パークⅢ』

『ジュラシック・パーク』が公開されたとき、私はまだ子供でしたが、
世間がものすごく熱狂していたのは覚えています。
私は天邪鬼なので映画館には観に行きませんでしたが。
たぶん、TV放送で見たのかなと思います。

その後、シリーズ化されたものは1作も観ないままだったのですが
たまたまⅢがHDDに録画されていたので、観てみました。

恐竜が住む「イスナ・ソルナ島」の周辺でパラセーリングを楽しんでいた少年は、
船舶側のトラブルで島に不時着、以来、行方不明。
少年の両親は、大富豪を装ってグラント博士に接近し、高額の寄付と引き換えに島のガイドを要求。
案の定、島に着いたらトラブル発生で恐竜たちに襲われ、飛行機は壊滅状態、スタッフも数人亡くなり、
グラント博士と助手、少年の両親と旅行代理店のおじさんのみのグループに。

ここまでの一気の展開で、恐竜の造形や動きのスムーズさは流石です。
何の違和感も覚えずに画面を眺めていられます。

一方で、登場人物たちには違和感満載(苦笑)。
まず、博士。高額な寄付を約束してくれたからって、なんで身元確認しないのよ?
夫婦の母親の方は、パニック映画に欠かせない本能丸出しのバカ親ですし。
旅行代理店のスタッフも、身の程知らずも限度があるでしょうに・・・・というお粗末さ。
島に到着して5分の時点で、ストーリーの複雑さは諦めました(苦笑)。

とにかくシンプルにパニック映画です。
救助を待つため海岸に逃げる、恐竜に会う、追いかけられる、逃げる、追いかけられる、逃げる・・・・。
特に深いストーリーはないです。

それにしても、なんでここまで執拗に恐竜に襲われるのか理解できませんでした。
一応、スピノサウルスに狙われまくる理由は出てきましたが、
他の恐竜も追いかけてくるし、こんなアグレッシブな肉食竜ばかりの構造だったら
自滅しちゃいそうですけど・・・・まあ実際に絶滅してるんですけどね。
猫が目の前を走る虫に反応しているような本能的なものではなく、
執念をもって追いかけているような印象を受けたので違和感を覚えました。

映画サイトのレビューを見てても、あまり高評価ではなさそうですね。
恐竜ファンが映像美を楽しむための作品ということですかね。




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『謝罪の王様』
- 2019/08/15(Thu) -
『謝罪の王様』

宮藤官九郎 × 阿部サダヲのコンビによる謝罪コメディ。

謝罪コメディというと、つい『笑う犬』の「関東土下座組組長」が思い出されるのですが、
あれってクドカンさんが書いたコントなんですかね?

さて、こちらの内容ですが、東京謝罪センター所長がクライアントからの依頼に応じて
様々な案件を謝罪で解決していくというオムニバス形式。
クドカンお得意の、時系列を混在させて相互に話が影響し合うシンクロ技を織り込んできてますが
『木更津キャッツアイ』ほどの練り込んだ感じもなく、意外とあっさりしてます。
というか、伏線貼ってるように見えて、たいして回収できていないという(苦笑)。

Episode1、2あたりは、登場人物のキャラクター設定を見せる部分でしょうから、
あまりストーリーに突っ込んでもしょうがないのですが、
謝罪が謝罪になっていない単なるドタバタコメディです。

こんなんで謝罪って言えるのか?と、かなり気持ちは引いていたのですが、
Episode3に高橋克実と松雪泰子が最近離婚した芸能人夫婦で2世の息子が暴行罪で逮捕という
芸能界にあよくありそうなクダラナイ事件がスタートしてから、
所長による謝罪テクニックの的を射た解説が行われるようになり、
面白くなってきました。

特に松雪泰子の演技が素晴らしく、松雪&井上真央の辛辣コンビのセリフ回しがお見事。
高橋さんは敢えてクドイ演技をしているのですが、阿部サダヲ氏の演技と相まって画面重すぎ。

芸能界における謝罪会見のツボを知れて興味がせっかく戻ってきたのに、
Episod4から再び謝罪の方向は迷走をはじめてしまい、
最後の最後は、もはや日本語では謝罪でも何でもないです。
これこそ、ブータン王国の人々に怒られるんじゃないかとヒヤヒヤしました。
外交問題をネタに嗤った映画が外交問題化という(苦笑)。

せっかく良い役者陣を揃えているのに、
脚本が浅くて、活かされていないように思いました。
残念。



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