『未来のミライ』
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- 2019/08/14(Wed) -
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『未来のミライ』
この作品のことを初めて認識したのは、 Yahooニュースで、「主人公くんちゃんの声がおかしい」という記事でした(苦笑)。 4歳の男の子の声に聞こえないという指摘なのですが、 観てみて納得。確かに、子どもの声には聞こえませんな。 でも、これは声優さんの責任ではなく制作側の人選ミスでしょう。 で、ストーリーの方ですが、正直、良く分からないままお話が終わってしまいました。 タイトルやポスターから、てっきり、4歳の男の子が未来からきた妹と一緒に繰り広げる 冒険活劇なのかと思ってましたが、未来のミライちゃん、ほとんど登場しないじゃない(爆)。 結局、男の子が毎日毎日「未来ちゃん、好きくない」と幼児返り発言を繰り返し、 それに対して母親がイライラし、父親がオタオタするという日常を眺めているだけ。 特に大きなストーリーらしきストーリーはなく、イマドキ共働き夫婦の子育て日記といったところ。 冒頭、母親が父親に向かって「イクメン的な外見を作ってるけどママ友には見抜かれてる」的な 結構な辛辣セリフを吐いていたので、「こりゃ毒系なのか!?」と予想外の部分に期待してしまいましたが 結局、このシーンどまりで、その後の展開は無し。 主人公くんちゃんは、「未来ちゃん、好きくない!」と駄々をこねて庭に出るたびに なぜか舞台が急展開して別世界へと通じてしまいます。 最初、「え!?なにこの急展開?何がスイッチだったの???」と悩みましたが、 何度もこの展開が繰り返されるうちに、ご都合主義でこうなってるんだと分かり、ガッカリ。 各別世界の先で起こる出来事も、くんちゃん無敵すぎだろうというぐらいに異世界に順応してて、 現実世界より異世界の方がしっかり行動してるから 異世界で生活する方が合ってるんじゃないの?と言いたくなってしまうぐらい。 ちょうど私の弟の夫婦のところが、上が4歳の男の子、下は半年の女の子で くんちゃん、未来ちゃん兄妹と同じような関係ですが、 お母さん、毎日イライラするんだろうなぁ・・・・と義妹の大変さが少しは分かりました。 |
『バケモノの子』
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- 2018/09/10(Mon) -
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『バケモノの子』
両親が離婚し、母に引き取られたものの、その母は交通事故死。 祖父母に引き取られるのを拒否した少年は、渋谷の街を逃げ回り、 気が付くと知らない世界へと辿り着いていた・・・・・バケモノの世界へと。 バケモノの世界で一匹狼的暮らしをしている熊徹に拾われ、 生意気に反発しながらも、弟子入りして成長していきます。 その年数、なんと9年! 「ちっちゃい子供がホームシックにもならずバケモノのもとで8年も過ごせるのか・・・・」と その急展開ぶりに驚きましたが、なんだかんだで似た者同士のバケモノと息子。 互いに成長していく様子は、見ていて微笑ましかったです。 正直、最初は、主人公のこまっしゃくれた性格が苦手だったので(苦笑)。 ところが、ふとした拍子に少年は人間世界に戻ってしまい、 そこから、バケモノの世界と人間世界を行き来することになります。 このあたりから、私の感想としては???になってきました。 そんな設定にする必要あるの!?的な疑問です。 バケモノの世界では、世界を治める宗師の後継者を決める対決の話でもちきりですが、 バケモノの世界の中だけで話を進めた方が見やすかったのではないかと思えました。 人間世界と行き来することで、図書館で書物への興味が開いたり、楓と出会ったり、 いろんな展開が広がったのですが、正直、広げ過ぎじゃない?という感じで、 どの展開も脈略が希薄で、唐突感があるんですよね。 なんで図書館に行ったのか、なんで大学受験をするのか、なんでクジラに興味を持つのか、 良く分かりませんでした。 そして、肝心の対決の日。 逆境を跳ね返した熊徹に追い込まれる猪王山。 そこで急に、猪王山の息子がご乱心。 ここも、なんで、こんな負の感情を熊徹に対して蓄積しているのか分かりかねる展開。 しかも、その感情の爆発のさせ方が、同情の余地なしな展開。 ご乱心のまま人間世界に逃げ込んだ猪王山の息子と主人公が対決することになりますが、 こんなことのために、主人公は修行を積んできたのか?とこれまた疑問。 人間の心には、みな闇を抱えている、それはその通りだと思いますが、 それを力で制圧しても、何の意味もないのではないでしょうか? いろんな問題提起をしようとしている作品だと思いますが、 その提起に対する回答が、どれもしっくりこない内容でした。 良いなと思ったのは、人間の心の闇の表現の仕方。 抽象的な映像美で多面的に闇の姿を表現していましたが、 それは、どれもユニークな見せ方だったように思えました。
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『サマーウォーズ』
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- 2012/01/21(Sat) -
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『サマーウォーズ』
大ヒットのアニメ作品。 10億人ものユーザーがいるバーチャル空間OZの世界で、 人工知能がその世界を乗っ取ろうとし、 高校生とその家族たちが戦いを挑むという物語。 一族の長であるお婆さんの誕生日会に集まる大家族という現実世界と、 10億人がアバターを通してコミュニケーションをしているバーチャル世界を見事に対比させています。 田舎の夏の風景と、仮想空間の記号化・図示化された世界観、 どちらも美しいと感じました 2つの世界を批判的に対立させるのではなく、共存の可能性を見つけていこうとするような視線を持ち、 変な啓蒙作品になっていない、冷静で肯定的な現実の捉え方に好感を持ちました。 2ch用語のようなネット独特の表現の仕方や、 それを使った感情の表し方、共感の仕方、反感の表し方、 それらを上手く物語の展開に取り入れていたと思います。 期待させておきながら失敗したときには罵声を浴びせられ、総スカンを食らうけれども、 期待感そのものには、国や人種を超えて、支援や応援がなされる、 SNS世界の長所、短所を冷静に描き、 それを主人公たちの心情に上手く重ね合わせていきます。 はやぶさの帰還などの時事ネタも上手く小道具に使い、 高校野球というバーチャル世界の対極にあるような劇場も巻き込み、 はたまた先見の明か、原発問題まで取り込んでいます。 花札は、私も子供のころ正月などに親戚一同で遊んだので、懐かしく感じました。 アニメーションやキャラクター設定は、 深夜にやっているテレビアニメの世界観を髣髴させるようなところがあり、 作品の世界観とのギャップもまた面白い。 惜しむらくは、声優陣か。 やや単調な感じに聞こえました。 婆ちゃんの声は90歳にしては若過ぎると感じましたし、 カズマは途中まで女の子だと思ってました(苦笑)。 日テレ作品だと、仕方ないのかなぁ・・・・・。
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