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『政変』
- 2022/03/27(Sun) -
毎日新聞政治部 『政変』(現代教養文庫)、読了。

田中角栄が政権の座を降りた後の椅子をめぐって
自民党の派閥の領主たちが大っぴらに対決した様子を
「政変」として記録した本。

正直、自分が生まれる前の話なので、
当時の沸騰した雰囲気は分からないのですが、
ある種、自民党が一番元気だった時代なのでしょうかね?

昨年は、自民党総裁選ということで、公選方式で岸田総裁が選ばれましたが、
4名の候補による討論会とか、結構、面白く眺めてました。
自民党という一つの党の中に、右から左まで幅広な考えの議員がいて、
それぞれに、数十人の支援する議員がいるわけですから、
55年体制として長期間政権運営をしてきた組織の層の厚みというものを感じました。
それに比べて、直後にあった衆議院選挙における与野党討論会のつまらなさといったら・・・・(爆)。

昨年の総裁選では、政策の違いや価値観の違いが明確に話されたので
興味を持って報道に接することができました。
たまたま総裁選の当日に実家に居たのですが、母なんて開票の生中継見てましたからね(苦笑)。

ところが、この『政変』に関しては、誰が誰のもとに赴いた、誰が賛成した、誰が叱責した等、
各議員の動きは事細かに書かれているのですが、誰がどういう国家観を持っているのか、
どういう政策上の違いがあり対立しているのか、といった説明がほとんどなく、
本当に純粋な権力闘争なんだなと分かり、日本も荒っぽい時代があったんだなーと
隔世の感です。

それとも、本作の特徴を強調するために、あえて政策論争の部分はカットしたんでしょうかね?
当時のメディア報道では多少は政策論争も報じられてたんでしょうかね?
日本の政治の姿について、いつも政治家ばかりが批判されてますが、
メディアの罪も大きいように思います。




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『出身地がわかる方言』
- 2019/08/12(Mon) -
篠崎晃一、毎日新聞社 『出身地がわかる方言』(幻冬舎文庫)、読了。

47都道府県の方言ネタの本ですが、
本作で特徴的なのは、「東京でもつい使ってしまう地元の方言」という切り口。

例えば、私の地元三重県では、カラカラに乾いたものを「かんぴんたん」と呼びますが、
これは方言だと自覚してるので東京では使いません。
でも、「机をつる(持ち運ぶ)」という言い方は、ふとした時に口をついてしまうかも。
この後者の方の方言を探った本です。

目の付け所は面白いと思うのですが、
その調査をどうやって行ったのかが見えなくて、「この調査、信憑性あるのかしら?」と
少々懐疑的に見てしまいました。

「東京でも使う」と回答している人は、方言と分かってても使っている人と、方言だと自覚せずに
使っている人と両方いると思うんですよ。「東京で使いそうになる」という人は、
方言だと自覚してると思いますが。
これらの回答をごちゃまぜにしてしまうのは、ちょっと乱暴な気がしましたし、
そもそも回答している人は、その微妙な違いを分かって回答しているのかしら?

あと、模造紙の呼び方の地方名とか、「へぇ~、モノの名前にも方言ってあるんだ」と
興味深く読みましたが、このネタを一冊の本の中で使いまわししすぎでしょう(苦笑)。
他にも何度も出てくるネタがあって、せっかく面白いネタが多いのに、
その使いまわしのために読書中に「もう知ってるわ!」となってしまうのが残念。
もうちょっと毎日新聞のWEBサイトとかうまく使って、ネタ集めできなかったのでしょうかね。
勿体ないです。




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『戦争を知らない戦後50年』
- 2019/01/14(Mon) -
毎日ムック 『戦争を知らない戦後50年』(毎日新聞社)、閲覧。

近所の家の掃除を手伝った際に出てきて、もらってきた本。

敗戦の1945年から1994年までの50年間について
各年度を4ページずつの写真と年表で解説しています。

てっきり新聞紙面に掲載された写真が使われているのだと思っていたのですが、
死体の写真も平然と出てきて、結構ショッキングな内容でした。

戦後の歴史を表現しているかという点では、
死体の写真もそうですが、事件写真に重きが置かれているような気がして、
スキャンダル重視、センセーショナルさ重視という印象です。
写真が持つインパクトを最大限利用したという感じでしょうか。
政治ネタがほとんど出てこなかったので、50年という時間における
日本の軸の部分が見えてこなくて、中途半端な印象を受けました。

自分が生まれた年以降のページは特に関心を持ってみましたが、
まだ子供だった時代なので、あんまり実感がなく、ピンと来ませんでした。
私が子供心に社会の重さを感じた出来事は、
日航機墜落事故、昭和天皇崩御、オウム麻原逮捕の3つです。
前者2つは大きく掲載されていましたが、
私の側に思い入れがある分、数枚の写真だけでは不満足に思ってしまいました。

自分が生まれる前の時代については、大きな出来事しか知りませんが、
特に事件ネタに寄っている印象のためか、知らない事件が目に留まりました。
梅川事件とか、はじまりは銀行強盗なのかもしれませんが、これはもう猟奇事件ですよね。
この事件のこと、全く知りませんでした。
日本の犯罪は凶悪化しているとか治安が悪くなってるとか言われますけど、
昔から不気味な事件は起きてたってことですよね。
ほんと犯人のモノの考え方が気持ち悪いです。

というわけで、なんだか見てて気分が滅入る本でした。




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『続新視点 三重県の歴史』
- 2016/04/02(Sat) -
毎日新聞社津支局 『続新視点 三重県の歴史』(山川出版社)、読了。

家の近所の本屋に行ったら、
「三重県コーナー」というものがあり、この本が平積みされていました。
地元のことをきちんと学ぶのも大事かなと思い、試し買い。

「歴史」と銘打っていますが、
自然の話から始まり、民俗学などの話も出てくるため、
どちらかと言うと博物学的な印象です。
三重県総合博物館Miemuの開館に合せて新聞に連載された企画なので、
幅広な分野を扱うことには納得。

ただ、新聞の連載なので、2ページで1コラムとなっており、
読みやすいですが、ちょっと物足りないです。

また、「続」ということで、2冊目のため、
マニアックな話題が多く、1冊目から読んだほうが良かったかなと反省。

いずれにしても、上方に近いところにあるという地理関係、
そして伊勢神宮があるという信仰の重み、
温暖な気候のために豊かな土地が広がるという自然環境、
様々な観点で、自分が生まれた県の特徴を知ることができるというのは
素直に面白いと感じる経験でした。

小学校の総合学習とかで、自分の住む土地について多方面から学ぶという
時間を取れれば、郷土愛を育むことができるのではないでしょうか。
その一翼を、博物館が担っているんだということが、
Miemuの活動の紹介を通して良く理解できました。


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