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『えっ、あの人が殺人者』
- 2019/02/13(Wed) -
中島河太郎、権田萬治 編 『えっ、あの人が殺人者』(角川文庫)、読了。

父の本棚にあった本。
ミステリのアンソロジーのようだったので、息抜きに。

どれも、昭和な雰囲気が色濃く出ている作品ばかり。
舞台設定とか、社会背景とかいう要素だけでなく、
ミステリとしてのジャンルの在り方というか、テーマの立て方というか、
それが、今ではあまり読めない雰囲気の作品ばかりだなと。
(専門用語が分からないので、曖昧な説明しかできずお恥ずかしい・・・・)

今のミステリとは、作品の質が違うなという感じです。
これはこれで、古き良きミステリのように思え、私は好きですが、
今風のどんでん返しとか、重たい社会性とか、軽妙な会話の味付けとか、
キャラクターものとか、シリーズものとか、そういう演出の要素は薄いので
ちょっと物足りなく感じてしまうのは確かです。
私の読書舌が、濃い味に慣れてしまったということでしょうか。

個々の作品では、やっぱり読んだことのある作家さんのものが読みやすいというか
私の性に合うようで、森村誠一さん、渡部淳一さん、清水一行さん、高木彬光さん等の
作品が面白かったです。

あとは、地方新聞の科学欄担当者が、絶滅したと思われるキタタキの調査に同行するという
石沢英太郎さんの「キタタキ絶滅」が、毛色が違ってて興味深かったです。

読んだことのない作家さんに出会えるのも、アンソロジーの良さですね。




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『花の賭』
- 2018/03/06(Tue) -
高木彬光 『花の賭』(角川文庫)、通読。

実家にあった古い本。
検事を主人公にした短編が4つ入っています。

検事の世界ってあまり知らないのですが、
警察の捜査段階から現場に首を突っ込んでくるものなのですか?
これでは、分権の意味がないように思いますが・・・・。
小説の世界の中のお話なのでしょうか。

そして、時代を感じさせる記述もところどころに。
銃を奪った少年が立て続けに無関係の人を殺したような場合、
その犯人は生まれながらに救いのない精神病患者であり、
先祖以来の血に流れている犯罪者的素質の遺伝がある・・・・・とか
心で思っている人はたくさんいるかもしれませんが、
言ってはいけない、書いてはいけない、危ない言葉だと思います。今なら。

いろいろ、そういうところが気になって、
あまり物語が頭に入ってきませんでした。


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『成吉思汗の秘密』
- 2010/01/09(Sat) -
高木彬光 『成吉思汗の秘密』(角川文庫)、読了。

父の本棚にあった古ーい本を持ってきました。

探偵シリーズもののような始まり方で、
「歴史モノじゃなくて、実は殺人事件?」と混乱してしまいましたが、
どうやら、探偵シリーズの番外編的な作品みたいだとわかりました。

「源義経=チンギス・ハン説」というのは聞いたことがあったのですが、
どれぐらい緻密な検証をされているのかは知らなかったので、
非常に興味深く読みました。

原典に当たるというようなことは、自分では当然行う気はないので、
ここに書かれている一つ一つのどれが本当で、どれが胡散臭いのかは判断がつきませんが、
様々な観点から考察がされているのが面白かったです。

最後、天城山の話で締めくくったのは、ちょっと弱いかな・・・という印象でしたが、
後に加えられたという補章も含めて、楽しめました。

ところで、本作の主人公・神津恭介は、日本三大名探偵の1人なんだそうですね。
明智小五郎と金田一耕助は知っていましたが、神津恭介の名前は知りませんでした(爆)。

そして、鎮子とは、どうなったんだよ~。



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