『神に頼って走れ!』
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- 2020/04/17(Fri) -
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高野秀行 『神に頼って走れ!』(集英社文庫)、読了。
冒険家の著者による、東京~沖縄への自転車旅の記録。 あんまり冒険っぽい感じがしないな・・・・と思って読み始めたら、 例の「ウモッカ事件」でインドに入国できないという事態が発生し、 入国手続きの回答を待つ間の時間ができてしまったので、 自転車旅をして道々の神仏にインド入国祈願をしました!という、かなりテキトーな企画でした。 文字でかっ!行間広っ!写真でかっ!という感じで、サクサク読めます。 ウモッカ事件を知っていれば、その余韻で本作はそれなりに憐みの情を持ちながら楽しめるのですが、 本作単独で読んだ人は、辛いだろうなぁ・・・・と思ってたら、 案の定、Amazonの評価はめちゃめちゃ低かったです(苦笑)。 まぁ、本にするほどではなく、Blogほどでもなく、Facebookレベルな感じが。 下手したらTwitterの140文字で十分書けるのではないかという情報量です。 どうやら元は集英社のHPに連載されたもののようですが、 それを本にしてしまったのは、著者ではなく、集英社の責任でしょうね。 ![]() |
『ワセダ三畳青春記』
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- 2018/11/01(Thu) -
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高野秀行 『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)、読了。
以前に読んだ冒険モノが面白かった著者。 本作は海外ではなくワセダという、私的にも身近な場所だったので読んでみました。 この方、ワセダ大学の探検部出身なんですね。 そして、その学生時代の生活から書き起こしていますが、 学生時代から海外に探検というか無茶というか、そんな活動を繰り返していることにびっくり。 そして、そういう際立った活動をしているとき以外は、 ワセダの三畳間の古いアパートに引きこもってグダグダしているという その生活リズムのギャップにもビックリ。 探検部の仲間も変だし、アパートの住人達も変だし、 大家のおばちゃんも天然ボケなのか痴呆ボケなのか際どい感じでおかしいし、 著者の生活の周辺に、まったく正常な部分が感じ取れないのに、 なぜかリアリティのある描写で、ぐいぐい読めてしまいました。 この方の文章って、歯切れが良くて読みやすいですね。 そして、面白いネタを引っ張って書き連ねるのではなく、 無駄をそぎ落とした文章でサクサクと書かれているので、 面白い部分が強調されてて、一層楽しめます。 本作では、学生時代から30歳を過ぎるまでの 野々村荘での10年以上の日々を描いていますが、 やっぱり興味を惹かれるのは、早稲田大学探検部という場。 学生時代のバカバカしさ、「真剣にバカをやる」という無駄な一生懸命さ、 ホント学生時代にしか経験できないような話に溢れていて、 「自分の学生時代も楽しかったなぁ・・・・・」とノスタルジーに浸ってしまいました。 そういう世界観、今も大好きなんですよね。 私は、早稲田大学は、そういう「真剣なバカ」が集まる最高峰の場だと思ってます。 受験の下見に行ったとき、「この大学の自由な空気は、田舎者の私にはレベルが高すぎる・・・・・」と ビビってしまい、おかげで第一志望の国立大学の入試に集中できました(苦笑)。 東京生活の最後の2年ほどは、早稲田に隣接する地域に住んでいたので、 よく早稲田大学周辺も散歩しましたが、あの街とキャンパスが一体化した空間は 本当に好きでした。 こんど上京した時に、久々に早稲田の町に行ってみたくなりました。 ![]() |
『怪魚ウモッカ格闘記』
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- 2015/10/30(Fri) -
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高野秀行 『怪魚ウモッカ格闘記』(集英社文庫)、読了。
タイトルに惹かれて買ってみました。 UMAであるインドの謎の魚、その名も「ウモッカ」を探しに行くという冒険譚。 ただし、冒険そのものだけでなく、ウモッカ情報との出逢いから、専門家へのヒアリング、 インド渡航の準備、そしていよいよ出国・・・・・と、 準備段階から時系列に沿って、アレコレと読むことができます。 冒険そのものがどういうことかを知るのではなく、 冒険に惹かれる人というのは、どういう思考回路で、どういう行動を起こすのかを知ることができます。 馬鹿馬鹿しいことに、これだけ一生懸命、時間をかけて努力できるというのは、 非常に幸せなことだと思います。 そういう思いをひしひしと感じて、いよいよ出発!というところまで来たのに、 何その展開!?というオチ。 確かに、準備段階において、さらっと懸念には触れていましたが、 まさか、この展開となってしまった冒険譚を、本にしようと思うなんて・・・・・・ という出版側のチャレンジ精神に驚きました。 ま、インド的な適当さも垣間見えて、面白かったですけどね(笑)。 他の作品も読んでみたくなりました。
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