『謎の独裁者・金正日』
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- 2012/01/13(Fri) -
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佐々淳行 『謎の独裁者・金正日』(文春文庫)、読了。
北の将軍様がお亡くなりになったので、手元にあった本作を読んでみました。 が・・・・・・これは看板に偽り有りではないでしょうか。 北朝鮮に関する話は半分ぐらいで、残りはソ連KGBの話でした。 普段なら、佐々氏の外事ネタだと思って面白おかしく読むのですが、 今回は、「金正日という人物は、どんな人だったのだろうか」という関心を持っていたので、 ハズレな印象を持ってしまいました。残念。 タイトルどおり、金正日その人について、体系立てて論じて欲しかったです。 それでも、やっぱり、スパイ vs 外事課 の話は興味深く、 スパイがどんな手を使ってくるのか、 それを外事課の面々はどのように潰し、攻めて行くのか、 それなのに、日本の法律がどれだけザルなのか、 物語として面白かったです。
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『東大落城』
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- 2011/09/04(Sun) -
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佐々淳行 『東大落城』(文春文庫)、読了。
久々の「佐々淳行大活躍の巻」的な本。 描写に躍動感が溢れていますし、上司との喧々囂々の議論だけではなく、 部下(それもかなり末端の機動隊員たち)とのエピソードも豊富で、 非常事態を取り仕切る管理者としての辣腕振りを、いつもどおり楽しませていただきました。 軸のぶれなさ、上司の活用の仕方、部下の鼓舞の仕方など、 その能力の高さには、目を瞠ります。 そんなスーパーマン振りや、警察組織の統率力の凄さを楽しみたかった一方で、 もう一つの目的は、「60年代の学生運動とは何だったのか?」というテーマの探求です。 実は、父親の世代が、学生運動の最後をちょっとかじっており、 本作に出てくる東大紛争では、受験生として影響を受けた立場のようですが、 入学してからは、ちょこっと学生運動にも参加していたようです。 あんまり、父の口から、学生運動に関する本音の話は聞いたことがありません。 デモに参加したときの出来事とか、偵察に出て警察に追いかけられた話とか、 面白半分に話のネタに出てきたことはありますが、「なぜ?」という思想については、 私のほうもなんだか怖くて、突っ込んだことがありません。 あれだけ荒れた後に参加しているわけですから、本気の思想を持ってたからだとしても怖いし、 大した思想も無く群集心理的に参加していたとしても、なんだか残念なお話で・・・。 出発点が、大学運営への改善要求や、不明瞭な会計処理の糾弾だったというのは とっても理解できるものです。 なのに、なぜ、こんなに暴力的で先鋭的な活動になってしまったのか、そこが分かりません。 本作では、すでに暴力行為が激しくなってからスタートしているので、 残念ながら、この目的は満たすことが出来ませんでした。 ただ、ソ連共産党の動きから簡単に経緯を解説してもらったのは、とてもわかりやすかったです。 これまで、学生 vs 体制 という簡単な図式からすると、 佐々作品のように、体制側の視点での作品は、いくつか読んできました。 学生側の視点では、舞台が学生運動渦中の大学や高校という小説作品は読んだことがありますが、 いわゆる思想系のものは手をつけたことがありません。 佐々作品は、分かりやすいし、面白いですが、 やはり体制側の当事者の視点になってしまいますし、 本気で考えるなら、学生側の指導者の言動などを追ったような作品も読むべきなんでしょうね・・・。 ただ、このような同世代の連帯のようなものを経験せずに30代になってしまった私に、 当時の学生たちの熱い思いが理解できるかは、かなり不安なところがあります。 一層、冷めた目で、親の世代を眺めてしまうようになってしまうのも、悲しいことです。
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『わが上司 後藤田正晴』
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- 2010/07/12(Mon) -
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佐々淳行 『わが上司 後藤田正晴』(文春文庫)、読了。
久々に佐々さんの本を。 この人の人生は、なにを読んでも、 「激動の昭和をまさにその渦中で生きた人だなぁ」と感じます。 そして、本作は、そんな佐々さんの危機管理人生に 上司として、師として、近くから遠くからずーっと関わることになる 後藤田正晴さんとの関係を描いた一冊です。 ただ、要注意は、主人公は後藤田さんではなく、あくまで佐々さん。 佐々作品を読んだことある人なら分かると思いますが、 自分のエピソードを華々しく描ききることにかけては、 右に出る者がいない著者ですから(苦笑)。 というわけで、後藤田さんの名前は随所に登場しますが、 「後藤田さんの教え」というものがバリエーション豊かに紹介されるというよりは、 後藤田五訓を守った自分のエピソードが繰り返される感じです。 できれば、後藤田さんだけではなく、 竹下登、小渕恵三、橋本龍太郎というような、歴代首相とのエピソードも もっと読みたかったぁというのが本音。 ま、でも、官邸での本当のエリート同士のやりとりなどは 興味深く読みました。 特に、昭和天皇崩御に備えて、陰でシミュレーションをするくだり。 危機管理は、その場その場の判断力がモノをい言うイメージがありますが、 それは、周到なシミュレーションと準備があってこその適切な判断なのでしょうね。 いかに、事前にリスクを察知して、準備をしておくか。 その大切さが良くわかりました。 だからこその、業務の壁を乗り越えてくる傍若無人な佐々淳行という スーパーマンが生まれたの絵しょうね。 面白い作品でした。
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『目黒警察署物語』
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- 2007/05/27(Sun) -
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佐々淳行 『目黒警察署物語』(文春文庫)、読了。
警察大学校を出たての佐々警部補が着任した 目黒警察署での最初の3ヶ月間を描いた日記風読物。 昭和29年という時代がもたらす 一つ一つの事件が大なり小なり面白いです。 そして、それらの出来事に対処していく佐々警部補の行動哲学には 「なるほど」と感じさせられることが多く、学ぶところ大でした。 また、同期生として語られる人々が 多種多様な人材の集まりで、その後の地位を想像しながら読むと とても興味深かったです。
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『連合赤軍「あさま山荘」事件』
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- 2007/03/01(Thu) -
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佐々淳行 『連合赤軍「あさま山荘」事件』(文春文庫)、読了。
鉄球で山荘を壊しているシーンは何度も映像で見たことがありますが、 ダッカ事件の後に生まれた身としては、「連合赤軍」なんて歴史上のデキゴトでした。 しかし、本作を読んで、 その映像を生で見ていたような印象を受けました。 佐々さん特有の自信満々な記述も随所に散りばめられてましたが、 それが気にならないぐらい臨場感のある描写に圧倒されました。 部下を惹きつける魅力は、きっと読者を惹きつける魅力に繋がるのでしょう。 時代の逆風の中にありながら、 自分の命を顧みずに職務に忠実な警察官の方たちの姿を思うと、 殉職された2名の方のご冥福を祈るばかりです。
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『世紀末の指導原理』
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- 2007/01/08(Mon) -
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佐々淳行 『世紀末の指導原理』(文藝春秋)、読了。
正直、タイトルは中身に比べて立派すぎるきらいがありますが、 盛り込まれているエピソードは面白かったです。 文中で度々登場してきた米軍ウィリアム・ガス・パゴニス陸軍中将の 『山・動く』は読んでみたくなりました。
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『新・危機管理のノウハウ』
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- 2006/08/13(Sun) -
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佐々淳行 『新・危機管理のノウハウ』(文藝春秋)、読了。
ブックオフで「経営管理」のところに並んでいたので、 「箴言でまとめられている実用書の類かな?」と思って購入したのですが、 大事件を処理してきた筆者ならではの裏話もあって、 むしろ読み物としての側面に気を取られてしまいました。 あさま山荘事件を描いた作品も読んでみたいですね。 (映画は先日テレビで見て、イマイチだったんですが) 本題に戻って、本作に出てくる「報告の仕方、受け方」等は、 一サラリーマンにとって参考になる話でした。 どうやったら一つの情報を有効に活用できるのか・・・ 報告の仕方一つで、大きく変わってくるとわかりました。
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