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『ジャーナリズム崩壊』
- 2024/02/01(Thu) -
上杉隆 『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎新書)、読了。

著者のヒット本である『官邸崩壊』にちょっと乗っかった感のあるタイトル(苦笑)。
まぁ、たぶん著者のせいではなく、編集者のせいだとは思いますが。

他の本で何度も繰り返し書いている通り、著者の主張の主軸は「記者クラブ」制度のおかしさ。
特定の新聞とテレビの記者で作った記者クラブが、政府や官庁、地方自治体の記者会見を仕切り、
その他のメディアを排除して情報を独占しようとする枠組みを制度化して確立してしまった
日本のメディアへの批判が、本作でもこれでもかと展開されています。

正直、「記者クラブのおかしさはもうわかったから・・・・・」と食傷気味になってしまうところもありますが、
一方で、ここまで真正面から批判しているのは、やっぱり著者ならではのところがあるので、
上杉氏が批判を口にしなくなったら、放置状態になっちゃうのかもね。

本作では、上杉氏がNYタイムズの東京支社の記者として働いていた時のエピソードを中心に、
NYタイムズやアメリカ式ジャーナリズムの世界から見て、日本のメディアがいかにおかしいかを
具体的な出来事を使いながら解説しているので、分かりやすかったです。

上杉隆氏の最近というと、NHK党の幹事長になったと思いきや、2年ほどで辞めたりしてて、
「いったい何やってんだか・・・・・・」と思って見てました。

幹事長になった時点で、「ジャーナリストが政治に首を突っ込むなんて・・・・・結局お前もナベツネかよ」
なーんて色眼鏡で見ちゃってました。しかも、NHK党だし・・・・・。
ところが、本作を読んだら、民主党の鳩山邦夫議員の元で秘書をやっていたということで、
政治とジャーナリズムの世界を行ったり来たりしてる、日本人の経歴としては特異な人なんだな・・・・と
ますます色眼鏡で見てしまいました(爆)。

しかし、本作を読んでいくと、そういう政治の世界にどっぷり漬かっていた経歴を
NYタイムズの編集長は、むしろ情報源と特殊なルートを持っている人物として評価しており、
あー、アメリカのメディアは、そういう部分を評価するのか・・・・と目からウロコでした。
確かに、アメリカなら、多数派ではないにしても、ジャーナリストの中に、
メディアと政治の世界を行き来する人は一定数居そうに思えます。
まぁ、私自身も、日本人的な潔癖症的思い込みの中にいたということでしょうか。

2024年の今時点のNHK党(というか、みんつく党?)のお家騒動とか見ちゃうと、
イロモノ泡沫政党という印象を持ってしまいますが、冷静に振り返ってみると、
著者が幹事長をしていた2019年~2021年あたりって、党勢拡大をしていた時期で、
ホリエモンとかメンタリストDaiGoとかが立花党首の戦略を積極的に評価していた時代で、
私自身、何かやってくれるかも・・・・と期待値を高くしていたのは確かです。

その後、支持者獲得の方法が、NHKワンイシューでの明確な主張の発信とトリッキーな選挙政策から、
政治とは無関係なセンセーショナルなネタを扱ったり支持者の意見で党の方針を決めたりという
大衆迎合的な路線に変化していったので、上杉氏の政治・政策的な視点が党の中心に
無くなっちゃったのかなぁ・・・・・と感じました。

このカオスな状況で、浜田議員とかは一人で国会質問とか頑張っている印象ですが、
浜田議員と上杉氏のタッグは、ちょっと見てみたかったかも。

とりあえず、みんつく党は、あの新党首と立花一派との内紛問題をなんとかしてほしいですわ。
本の感想とは全く関係ない感想で締めてしまってすみません(苦笑)。




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『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』
- 2018/08/02(Thu) -
上杉隆 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』(PHP新書)、読了。

新書をドカ買いしてきた中の一冊。

主に、日本の記者クラブ制度について解説し、
日本の新聞やテレビがどのように政治の取材をしているのか、
また、記者クラブに加盟していない立場のジャーナリストが
どのような扱われ方をされているのかを示しています。

いろんな本で、ジャーナリストたちが、日本の記者クラブ制度のおかしさについて述べてますが、
ここまで具体的に述べている本は初めて読みました。

特に、記者たちが作って融通し合う「聞き打ち」「書き起こし」といわれるメモについて
その具体的な事例を挙げながら解説されており、興味深かったです。
ある種、マスコミ各社が記者を取材現場に行かせてそれぞれに記事を書かせるよりも
代表会社がメモを起こして、それを各社の記者が自分なりの評価を加えて編集し、
それをもとに各社のデスクが記事を作るという作業は、効率だけを考えたらなかなか凄い仕組みです。
こんな仕組みを作り上げた過去の時代の記者たちというのは、
非常に優秀な官僚的素質をもった人だと思います(褒めてますよー)。

ただ、情報を融通し合っている中から本当の報道は生まれてこないわけで、
各社横並びの記事が出てくる温床でしょうし、
権力者に上手く使われてしまう原因にもなると思います。
逆に、今のような政権批判一辺倒の時代においては、意味もなく中身もない報道が
連日繰り返されるという無駄を生んでしまうわけで。

記者クラブさえなくなれば、それで解決するとは思いませんが、
記者クラブを凌駕する新たな存在が登場して、
別の角度での報道がなされて、読者や視聴者が選択できるという状況になれば良いなと思います。

これまでは、それを週刊誌が担ってきたのでしょうし、
これからの期待は、やはりネットニュースかと思います。

マスコミの報道を検証するツールとして、もしくは主たる情報源として
ネットメディアが一層成長してくれることを願います。


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『暴走検察』
- 2015/07/10(Fri) -
上杉隆、週刊朝日取材班 『暴走検察』(朝日新聞出版社)、通読。

実家のお店のお客様に、
民主党びいきなのか、小沢さんフリークなのか、アンチ検察なのか分からないのですが、
やたらと小沢氏の捜査に関する本を読んでいる人が居て、
その人がお店に本を置いていってくれるので、店の本棚にこの手の本が溜まっていっています(苦笑)。

これまで私が読んだものは検察の捜査に否定的な本が多いのですが、
現在の世間の評価がそうなのか、それとも読んだ本が偏っているのか
イマイチ判断がつかない私は政治オンチということですね・・・・。

同じように検察と戦っている政治家としては、
やはり鈴木宗男氏が頭に思い浮かびますが、宗男氏が一定の失地回復をしているように
思えるのに比べて、小沢氏のダメージっぷりは何なのだろうかと考えてしまいました。

御本人が一生懸命真実を訴える姿勢の強弱なのか、
佐藤優氏という有能な分析官かつスピーカーの存在の有無なのか、
それとも田中真紀子元外務大臣という分かりやすく、かつ墓穴系の敵の存在の有無なのか、
うーん、政治って難しいですね。

本書の中の対談で宗男氏も登場していますが、
この対談に出てこられる時点で、宗男氏の勝ちですよね~。

本作の中身に関しては、上杉隆は小沢一郎派だということが分かった程度で
あんまり興味が持てる部分はありませんでした(苦笑)。


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『官邸崩壊』
- 2015/06/21(Sun) -
上杉隆 『官邸崩壊』(幻冬舎文庫)、読了。

3.11以降、何だかんだと発言が批判されている著者ですが、
本人のキャラクターの特異性に拠るところで問題を悪化させているような気がします(苦笑)。
プライドが高く、自分に酔っちゃうタイプなんでしょうね。

というわけで、本作もどこまで事実で、どこからが創作(言い過ぎでしたら脚色としておきましょうか)なのか
分かりませんが、ま、著者の代表作なので読んでみました。

確かに、面白いです。

取材できた内容に沿って事実と想像とを厳密に分けて書くのではなく、
取材できた範囲から想定されるやりとりを思うままに書いてしまうことで、
読み物として面白いです。

ちょっと時間軸が何度も前後するところは読みにくかったですが、
登場人物たちが名の知れた政治家や官僚であるがゆえに、
場面を思い描きながら読んでいくことができ、
怒号が飛び交う異様なシーンや、安倍首相の側近たちのお粗末な仕事ぶりまで
頭の中で映像のように動かしていくことができます。

本作を読んでいて、第一次安倍政権と、第二次安倍政権の違いは
一体何なのでろうかという疑問がふつふつと湧いてきましたが、
これは、菅義偉官房長官という人物の力によるところが大きいのかなという気がしてきました。

少なくとも、本作で描かれたような混乱が今回起きていないのは、
菅官房長官の安定した仕事ぶりの成果なのかと思います。
この方、ぶれないし、対応が落ち着いてますよね。
発言の仕方は穏やかでも、言葉はずばっと切れ味鋭いときがありますし。

菅義偉という政治家についての評論を、もっと後の時代になってからでよいのですが、
いつか読んでみたいなと思いました。


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