『暗い落日』
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- 2018/08/01(Wed) -
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結城昌治 『暗い落日』(中公文庫)、読了。
ブックオフで50円ワゴンに入っていたので買ってみました。 今まで何冊か著者の作品を読んだことがありましたが、 本作はがっつりハードボイルドでした。 へぇ、ハードボイルドも書くんだぁ・・・・と思ってたら、 解説曰く、日本のハードボイルド物の第一人者とのこと。 存じ上げず失礼しました。 直木賞受賞作『軍旗はためく下に』から入ったので、そんなイメージがありませんでした。 さて、ハードボイルドを苦手とする私が、ハードボイルド作品だなぁと感じたのは、 主人公が刑事あがりの私立探偵であり、 行方不明人の捜索をきっかけに事件に巻き込まれ、 殴られたり脅されたりしながら、 結局、非常に個人的な恨みつらみの問題に終始する、 という4つのポイントからですかね(苦笑)。 特に苦手意識を持ってしまうのは、4つ目のポイントだと思うのですが、 客観的に見れば、社会的影響力の小さい個人的な事件について 主人公が命を懸けて取り組む意味があるのか?という疑問が 湧いてきてしまうからだと思うんですよね。 冷たい感想ですが。 そんな個人的なトラブル、警察に任せなよ・・・・・って思っちゃうんです。 いわゆる社会派サスペンスが好きな私としては、 もっと大きなテーマを描いた作品の方が好みなので、 どうにもハードボイルドはチマチマした世界のように思えてしまうんです。 ま、その分、人間的なのかもしれませんが。 苦手意識からくる偏見もかなり入っていると思うので、 ハードボイルド好きの皆さま、どうも、すみません。
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『怖い話と短い話』
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- 2018/04/15(Sun) -
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結城昌治 『怖い話と短い話』(中公文庫)、読了。
手元にあったので息抜きに読んでみましたが、 うーん、ピンとこない話がほとんどでした。 このタイトルだと、阿刀田高や星新一のレベルを求めちゃいますが、 最後の3行で斬って落とす爽快感が圧倒的に足りないです。 トリックのある話は、「え、そんな呆気ないもので!?」と思っちゃいますし、 アリバイが崩れる展開では、「それは油断し過ぎじゃない?」みたいな。 そもそも、人を殺そうとか貶めようとする動機や実行に移すきっかけが あまりにも杜撰というか、幼稚というか。 共感も面白みも爽快さも、 どれも中途半端な感じでした。
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『あるフィルムの背景』
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- 2005/08/23(Tue) -
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結城昌治 『あるフィルムの背景』(角川文庫)、読了。
30年以上も前の作品だが、 少年による重大犯罪や、主婦の万引き等、 現在社会問題化しているトピックスを巧みに織り込んでいる。 この作者の作品は、『軍旗はためく下に』を読んだだけだったが、 今作に触れ、これから追いかけてみようかと思った。
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