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『人生の教養』
- 2023/02/12(Sun) -
佐々木常夫 『人生の教養』(ポプラ新書)、読了。

タイトルにある「教養」という言葉から、
著者がビジネスマンとして役に立ったリベラルアーツ的な情報が書かれているのかと
思って買ってきたのですが、あんまりリベラルアーツそのものの話はなくて、
どちらかというとビジネスマンの心構えの指南書みたいな感じでした。

ビジネスマンと教養については、出口治明氏の方に期待した方が良いかな。

一番印象に残ったのは「事業の無駄」について書かれた部分。
赤字事業から人を削って別部署に異動させても、元の部署はなんとか回る、というのは
本当にそうだと思います。
例えば、急に会社を辞める人が出たり、メンタルで会社に来られなくなったりする人が出たりして
すぐには人的な補填がされなかったときに、しばらくすると減員1のまま回るようになってしまい
うやむやのまま組織がスリム化されていくことが多々ありました。
そのプロセスの中で、無駄な業務は廃止されていくんですよね。
業務のリストラのためには、効果的な方法だと思いました。

そして、自分が経営企画部に移って、役員が行う組織再編の議論を聞ける立場になったら、
役員は、コンプライアンス部とか品質向上室とかを暗に指しながら、
「組織がある以上、そこに属する人はとにかく自分ができる仕事を探してしまう。
 必要な仕事か無駄かという観点ではなく、自分の存在意義のために仕事を生み出すんだ」
という議論をよくしてました。例えば、J-SOX制度ができたときに、コンプライアンス部の人員を増強し
必要な書類をあれこれ作成する業務を行っていましたが、
その業務が終わったら、いかにコンプライアンス部の人員をぎゅっと絞り込むのか。
当然、コンプライアンス部長や担当役員は「次はこういうことをするために人員維持が必須」とか
反論するのですが、そういう時には社長が強権発動で組織自体を改変したりして
ガラガラポンでスリム化してました。

このエピソードを思い出しても、やっぱり、企業トップは判断力、決断力、行動力が
必須の要素だよなーと感じました。




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『40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい』
- 2022/06/12(Sun) -
佐々木常夫 『40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい』(文響社)、読了。

著者の視点は、地に足が着いた実地的な教えの本だという思いがあったので
過去に何冊か読んできましたが、本作は私的にはイマイチでした。

ちょっと情緒的に過ぎるかな。
それとも私が、昔に比べて一層リアリストになっちゃったのかな。

過重労働ではなく無駄を省略して効率的に働け、
組織内での自分の立ち位置をしっかり意識しろ、
上司として部下に接するときはこういうところを意識しろ、
いろいろな教えはその通りだとは思うのですが、
著者の思い描いているレベルがどれだけ読者に伝わってるのかな?という点に
ちょっと疑問符がついてきました。

例えば、2段階上の上司と繋がれという話で、
エレベーターホールで偶然を装い2つ上の上司に話しかけ、
何度もそういう機会を作っていくことで懐に入り込め!という教え。
著者の柔らかな語り口で聞くとすんなり読めてしまいますが、
かなり強かなことをやってのけてますよね。
直上の上司からしたら腹立たしく思いそうなぐらい。

これ、確かに、仕事ができる人は、そんなに緻密に計画せずに
自然体にこういう動きが出来ている人が多いように思うので、
著者の言っている戦術は正しいと思いますが、
果たして、どれだけの人が、この動きを自分でできるのだろうか、継続できるのだろうかと
思ってしまいました。

まぁ、著者の設定している読者層が、エリートコースを目指す課長クラスの人々なら
適切な教えだと思いますが、でも、そういう人たちって、すでに自力で気づいて
こういう行動はとっていそうな気がします。

著者のメイン読者層って、どういう人たちなんだろう?と
後半は、そんな感想を持ちながらの読者となりました。




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『「本物の営業マン」の話をしよう』
- 2018/08/04(Sat) -
佐々木常夫 『「本物の営業マン」の話をしよう』(PHPビジネス新書)、読了。

著者の本は、飛びぬけて斬新なことが書いてあるわけでもなく、
センセーショナルな表現に踊ることもなく、
ただひたすら、納得できる教えが、納得できる言葉で地道に書かれている本なのですが、
なぜか心に刺さるんですよね。

過去の本読み記録では、それは著者の人柄のせいだと書いたのですが、
本作を読みながら、人柄はもちろんのこと、地道なことを愚直に実行する誠実さ、
いつでも同じような行動と思考を期待できる継続性や再現性による信頼の現れだと思いました。

言うだけなら、誰でも言えそうな内容です。
1度なら、頑張ればできそうな内容です。
でも、どんな局面でも、誰に対しても、誠実に同じような判断をし、同じような行動をとる、
これができるのが、本物の営業マンなんだろうなと、読んでいて思いました。

その実行経験に裏打ちされた自信や、取引先からの実際の信頼度合いで醸成される
安定した物腰などが、あらゆる安心感に繋がっているのだろうなと思います。

このようなリーダーの下で働いてみたかったと思う反面、
実は、自分が在籍した組織にも、こういう素晴らしいリーダーがいたのに、
接点が作れなかった、もしくは接していたのに自分がその素晴らしさに気づけなかったというようなことが
あるのではないかと悔やまれます。

上場企業や大企業の役員をやる人には、
やはり、それだけの抜擢される理由があると思います。
自分が大きな組織から出てしまった今だからこそ、その価値への羨望のようなものが
自分の中で再燃しているのも感じます。

自分が所属していた組織との繋がりは切れていないので、
もっともっと、その組織から学びたいなと思う今日この頃です。


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『こんなリーダーになりたい』
- 2018/03/11(Sun) -
佐々木常夫 『こんなリーダーになりたい』(文春新書)、読了。

元東レ役員の著者が、自らも優れたリーダーだったことを横において、
現代の経営者から歴史上の人物まで24人のリーダーについて
どこが優れているのかを解説した本。

読む前は、新書サイズで24人は多すぎない?と思ったのですが、
著者の目線で本質のみを切り取って他はバッサリ切ってあるので、
一番大切な部分に直に触れることができて、非常に分かりやすかったです。

その人物がリーダーとして優れている点の3か条とか、
政治家としての資質3か条とか、
分かりやすくまとめられているので、把握しやすいです。

結局、著者が、その人物のどういう部分をクローズアップするかという点に
著者の考え方が象徴的に表れており、
佐々木常夫という人物のリーダー像を知るのに良い本でした。


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『そうか、君は課長になったのか。』
- 2017/12/09(Sat) -
佐々木常夫 『そうか、君は課長になったのか。』(WAVE出版)、読了。

ヒット本。
納得の内容でした。

課長に昇進した元部下に対して著者が手紙を送るという設定。
この語り掛け感が、読んでいて、すっと頭に入ってくる心地よさ。
前に読んだ本でも感じましたが、著者の人柄が現れている気がします。

そして、その内容はというと、
課長の心得を余すところなく書いており、どの章も勉強になりました。
今の私は、課長という立場とは関係のないポジションにいますが、
しかし、組織の長の心得として学ぶべきところが多かったです。

仕事の進め方10か条は、当たり前のことかもしれませんが、
しかし、このようにキレイにまとまっているのは
何度も立ち返るのに良いことだと思います。
この10か条を読めただけでも、本作は価値がありました。

そして、キレイゴトだけではなく、
2段上の上司を利用しろとか、部下の評価を人事部にこまめに入れろとか、
そういう社内政治的な部分のコツも伝授しており、
本音のサラリーマン道が学べます。

そして、優しい語り口に隠されそうになってますが、
時には部下に厳しい指導もしているよなエピソードも書かれており、
そういうメリハリが大事なのでしょうね。


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『働く君に贈る25の言葉』
- 2015/03/23(Mon) -
佐々木常夫 『働く君に贈る25の言葉』(WAVE出版)、読了。

東レ役員が書いた働く心得の本。

ビジネス書でも啓蒙書でもなく、
新入社員である自分の甥に向けて書いた励ましの手紙という体裁になっています。
これが読みやすい!
心にすーっと入ってきます。
もう、新入社員の頃から10年以上経過kしている自分にあっても、
懐かしく読むというのではなく、今に活かせそうな言葉が見つかります。

プアなイノベーションより
優れたイミテーションを。


会社という組織の中で、会社の業績をあげ、社会の役に立つことを考えると、
この視点は大事だと思います。

上手く立ち回るとか、手を抜くとか、効率的にやるとかいう一個人レベルの話ではなく、
優秀なものをイミテーションできる能力も一つの才能だと思います。
優秀な人の行動は、簡単には真似できませんから。

サラリーマンとしてしっかりと生きてきた著者の
具体的な経験に裏打ちされた、本質的なアドバイスがたくさん得られる良本です。

自閉症を背負っている息子さん、
病弱な体でうつ病を発して自殺未遂を繰り返した奥様、
そういう個人的な環境を語るのではなく、あくまで一組織人としての言葉に拘っているところに
好感を抱きました。


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